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深く考えると怖いのでなかったことにした 1
しおりを挟む宴は幻想的かつ華やかだった。
蝋燭やランプの灯りがゆらゆらと揺らめく昼夜を違えたかのような明るい広間。鮮やかな色彩の紋様も見事な絨毯に、豪華な調度品。爪弾かれる弦の調べは心地よく、薄絹を纏った美女たちが蝶のように歌い、舞う。
銀盆を掲げたり、飲み物が入った壺を頭に載せたりした美女たちがしずしずと連なり、料理や酒を取り分ける。
まず初めに、国王への挨拶と紹介があり、宴は賑やかに始まった。
流石はアレクサンドラの父親であり、ハーレムの主でもある国王陛下は色気タダ漏れのダンディーかつ野性的な王様でやっぱり男としての敗北感を覚えた俺だった。
「はじめまして。お目に掛かれるのを楽しみにしておりましたわ」
色気がありつつ、少女のような柔らかな笑顔を浮かべた美女はシェヘラザードさん。
思わず一瞬、言葉を失い瞳を丸くした。
こちらの反応に小首を傾げる彼女に慌てて挨拶を返す。
「あまりにもお若くて美しいので驚いてしまいました。ご無礼を。こちらこそお会いできるのを楽しみにしておりました……」
そのまま改めての自己紹介や日頃を礼を告げれば、「あら、私の方こそ吃驚してしまいましたわ。聞きしに勝る麗しさなんですもの」と口に手を当てて微笑む彼女は俺と同年代にしか見えなかった。
因みに、アレですか?
聞きしに勝る麗しさってのは、貴方の息子さんが「男にしておくには惜しい麗しさだっ!!」とか「神は何をしているのだ?」とかお手紙で宣ってやがいましたか?と心の中で呟く。
そう、シェヘラザードさんはアレクサンドラのお母様だ。
正直、お姉さんにしか見えん。
魔族とはいえ、婚姻の契約により巨大な力の一部と長寿を失い、今は人と同じ時を歩んでる筈なんだけどな……。
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