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悪魔は少年に憑き纏う
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『悪魔』
それは人の魂を喰らい、死後再びこの世に戻ることが願えなくなるというとても恐ろしい存在。
また魂を得るために人に取引を持ちかけ、願いに必要な力を貸す変わりに魂をいただき、そして大半の場合は契約者そのものが世界の害悪となる。
それは悪魔の与える物は基本的に力であり、他者を蹂躙するためのものであるからだ。
そうして契約者に命を奪わせた者の魂も貪り喰らうといわれる存在は、常に薄暗い闇の中に潜み、そして魂を引き換えにしても叶えたい願いを持つ者の元へ現れる。
それが世界中でよく知られた悪魔と呼ばれるもののイメージであろう。
「なぁファーブル、いい加減こんな生活にウンザリしてんじゃねぇか?俺の力をちょいと使って魔の森へと行けばあっという間に英雄だってチヤホヤされるぜ?」
またいつもの契約してが始まった。
「……」
「それによぉ、こんなクソ下らない人生を何百何千と繰り返すよりもよぉ、一回パーッて楽しんだ方が明らかいいじゃねぇか、なぁ?」
「…………」
「あーあーまた無視か?ほらほら、ほんとは欲しいんだろ、なぁ?」
「………………」
「チッ、いい子ちゃんぶってんじゃねぇよ!ほら、強くなりゃ……なんだっけ?確かスーちゃんとやらも体を許してくれる仲に」
「うるさい。お前がそれ以上スゥをダシに使うなら打ち切るからな」
「おーこわこわ。でも俺がお前に憑かないとダメってこたぁわかってんよな?」
「…………………………」
「まーたダンマリか、腰抜けが」
僕に憑き纏う中級の悪魔(らしい)『フルブズ』は、僕の魂を狙って契約を持ちかける。
別に他の悪魔から見たら魅力的でも何でもないクソみたいな魂(フルブズ談)らしいけど、フルブズからしたら上級に昇華するために必要なキーになる魂だそうで、実際悪魔というものは自身の力を跳ね上げるのに必要な魂に出会うとこうピーンと来る、だそうだ。
ただ、喰らって力を得るためには契約を履行した後の物である必要があり、他者に取り憑いて僕を殺して喰らえば折角の昇華する機会を失うとのこと。
そのため産まれてからずっと、四六時中僕を唆して契約をして魂を喰らおうと必死である。
「ファー君おはよう。もう朝ご飯食べた?」
そんなやりとりをして少し、畑に水やりをしている時に後ろから声をかけられたので、僕は顔を上げて振り返ると一人の女の子が立っていた。
そこに立っていたのは幼馴染の『スゥ』、長い茶髪で顔立ちはとてもかわいらしくて性格もよく、ふわふわとした笑顔を浮かべる彼女はとても人気だ。
そうそう僕はここ最近独り立ちのためと言って独り暮らしを始めている。
理由はフルブズがうるさくて仕方ないけれど、それを顔に出すと人が心配するのでそれを隠すためにプライベートな時間まで労力を割きたくないからだ。
そのためいつも無表情になってしまうのだけれど、なるべく優しくするよう心掛けているので無駄に怖がられる事はない。
「おはよう、このあと食べるつもりだよ」
「やっぱりまだ食べてないんだ。上がらせてもらうね」
その時、丁度村の広場から七つの鐘の音が聞こえてきた。
「そっか、ならお願いしようかな」
「うん!」
そんな理由から独り暮らしをしているけれど、幼馴染のスゥは独りで大丈夫かと心配して様子を見に来ては、ご飯を作ってくれたり掃除を手伝ってくれたりしてくれる。
そしてスゥは僕の幼馴染であり、婚約者でもある。
昔から仲良くしていてお互い気を許しており、親同士も同意しているのでもうあと一、二年もすれば結婚するだろう。
さて、畑の水やりも終わったからスゥと話している間もずっと喋り通しだったフルブズは無視して、早く家に帰ろう。
スゥのご飯はとても美味しいから楽しみで、僕は気が付けば少しだけ笑みを浮かべる。
悪魔に憑かれた僕の人生は、ちょっとだけ騒音が酷い事を除けば概ね幸せです。
さあ今日もスゥの作ってくれた朝ご飯を食べて、一日頑張ろう。
それは人の魂を喰らい、死後再びこの世に戻ることが願えなくなるというとても恐ろしい存在。
また魂を得るために人に取引を持ちかけ、願いに必要な力を貸す変わりに魂をいただき、そして大半の場合は契約者そのものが世界の害悪となる。
それは悪魔の与える物は基本的に力であり、他者を蹂躙するためのものであるからだ。
そうして契約者に命を奪わせた者の魂も貪り喰らうといわれる存在は、常に薄暗い闇の中に潜み、そして魂を引き換えにしても叶えたい願いを持つ者の元へ現れる。
それが世界中でよく知られた悪魔と呼ばれるもののイメージであろう。
「なぁファーブル、いい加減こんな生活にウンザリしてんじゃねぇか?俺の力をちょいと使って魔の森へと行けばあっという間に英雄だってチヤホヤされるぜ?」
またいつもの契約してが始まった。
「……」
「それによぉ、こんなクソ下らない人生を何百何千と繰り返すよりもよぉ、一回パーッて楽しんだ方が明らかいいじゃねぇか、なぁ?」
「…………」
「あーあーまた無視か?ほらほら、ほんとは欲しいんだろ、なぁ?」
「………………」
「チッ、いい子ちゃんぶってんじゃねぇよ!ほら、強くなりゃ……なんだっけ?確かスーちゃんとやらも体を許してくれる仲に」
「うるさい。お前がそれ以上スゥをダシに使うなら打ち切るからな」
「おーこわこわ。でも俺がお前に憑かないとダメってこたぁわかってんよな?」
「…………………………」
「まーたダンマリか、腰抜けが」
僕に憑き纏う中級の悪魔(らしい)『フルブズ』は、僕の魂を狙って契約を持ちかける。
別に他の悪魔から見たら魅力的でも何でもないクソみたいな魂(フルブズ談)らしいけど、フルブズからしたら上級に昇華するために必要なキーになる魂だそうで、実際悪魔というものは自身の力を跳ね上げるのに必要な魂に出会うとこうピーンと来る、だそうだ。
ただ、喰らって力を得るためには契約を履行した後の物である必要があり、他者に取り憑いて僕を殺して喰らえば折角の昇華する機会を失うとのこと。
そのため産まれてからずっと、四六時中僕を唆して契約をして魂を喰らおうと必死である。
「ファー君おはよう。もう朝ご飯食べた?」
そんなやりとりをして少し、畑に水やりをしている時に後ろから声をかけられたので、僕は顔を上げて振り返ると一人の女の子が立っていた。
そこに立っていたのは幼馴染の『スゥ』、長い茶髪で顔立ちはとてもかわいらしくて性格もよく、ふわふわとした笑顔を浮かべる彼女はとても人気だ。
そうそう僕はここ最近独り立ちのためと言って独り暮らしを始めている。
理由はフルブズがうるさくて仕方ないけれど、それを顔に出すと人が心配するのでそれを隠すためにプライベートな時間まで労力を割きたくないからだ。
そのためいつも無表情になってしまうのだけれど、なるべく優しくするよう心掛けているので無駄に怖がられる事はない。
「おはよう、このあと食べるつもりだよ」
「やっぱりまだ食べてないんだ。上がらせてもらうね」
その時、丁度村の広場から七つの鐘の音が聞こえてきた。
「そっか、ならお願いしようかな」
「うん!」
そんな理由から独り暮らしをしているけれど、幼馴染のスゥは独りで大丈夫かと心配して様子を見に来ては、ご飯を作ってくれたり掃除を手伝ってくれたりしてくれる。
そしてスゥは僕の幼馴染であり、婚約者でもある。
昔から仲良くしていてお互い気を許しており、親同士も同意しているのでもうあと一、二年もすれば結婚するだろう。
さて、畑の水やりも終わったからスゥと話している間もずっと喋り通しだったフルブズは無視して、早く家に帰ろう。
スゥのご飯はとても美味しいから楽しみで、僕は気が付けば少しだけ笑みを浮かべる。
悪魔に憑かれた僕の人生は、ちょっとだけ騒音が酷い事を除けば概ね幸せです。
さあ今日もスゥの作ってくれた朝ご飯を食べて、一日頑張ろう。
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