全時代のメルヘンカフェには死神が住む

yassan

文字の大きさ
2 / 7

赤ずきんと狼と魔女2

しおりを挟む
カランカラン新しいお客さんです。

黒のフードを被ったお客さん、
フードで顔が見えません。

赤ずきんは脅え、狼は匂いで何かを察したようでした。

ですがその中マスターはメニューを
差し出し「お客さん何がいいですか?」
といつもの様に尋ねる。

「わたしゃ柔らかい肉が欲しいね。
そうだね、あの子の肌のような柔らかい肉が…」

それを聞いた椿は厨房の裏へ隠れ
狼は臨戦態勢に、赤ずきんは恐怖で動けません。

ただこの空気を察していないかのように
マスターだけがいつもの様に接します。

「柔らかい肉ですか?どのようにお作りすればいいでしょうか?なんならメニューに無い品でもいいですよ?」

それを聞いた黒フードの客は
「材料をやるから料理してくれないか?」
と言いながらポケットから包丁を出し、
黒のフードを脱ぎ赤ずきんと狼を襲いに行きました。

姿を見ると案の定、昔悪さをして赤ずきんと手を出そうとしていた魔女でした。

「赤ずきん、テメェの肉を食えばわたしゃ若返るのさ!大人しく…」
そんな時魔女の視界は真っ暗に
「なに?停電かい?ったく、使えないね
こんなチャンスなのに、なんてことしてくれるんだい!」
などと喚き散らかしながら包丁を振り回していると、

後ろからコツコツと足音が、暗くて良く見えませんが、その姿を見るにマスターのような人でした、その人の手には
身の丈ほどある大きな鎌が、
するとその人は
「あなた、先程までいた喫茶店の禁止事項を知っていますか?」

「そんなの知らないよ!関係ないね!」
と、乱暴に答える

鎌を持った人は「そうですか…」
一言言うと、魔女のまわりは明るくなり
明るくなった周りを見て仰天、骸骨や人、動物、の死体の山ではありませんか、そんな周りに呆気にとられていると
目の前には鎌を持ったマスターが

「あなたはこのカフェでの約束、禁止事項を破った、さぁ、どんな死に方をしたい?」
そう言われて魔女は笑う
「馬鹿だね、あなたが死んだ終わりだよ!」包丁を振りかざすと
包丁はマスターにあと数センチのところで粉々に砕け散り、マスターに触れた手は肉が腐り骨だけになっていく、

そこでやっと死に直面していると実感したのか「やだ、死にたくない!すまない、」と命乞いを始める。

鎌を喉元へむけられ
魔女は最後
「あんたは何者なんだい?」と聞くと
「カフェを開いている、ただの死神さ」
振り下ろされた時、魔女はカフェの入口に立っていた、
まだ黒のフードを被っており、カフェの中では
椿と赤ずきん、狼が楽しそうに話している。
時間が戻ったのだと、魔女は察した、
そこで流石にまた、中へ入る勇気もなく
自宅へ帰っていった。

マスターは楽しそうに話を聞きながら
ボソリと、
「入ってきたら歓迎してやったのに」
と意味深な言葉をこぼし、
赤ずきんと狼と椿の話をニコニコしながら聞いていた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...