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憂鬱な学校
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雄太は自分の部屋に戻り、頭をかきむしった。そして、怒りのままに暴言を吐く。
「くそっ! なんなんだよ。ムカつくなッ!」
雄太の心は煮えたぎるような怒りで支配されていた。
どうして理解してくれないのか。今回は違うと言ったのに、サボりと決めつけられたのがムカついた。今までサボっていた自分が悪いと分かるから、余計にやるせない怒りを覚える。やり場のない、抱えきれないほどの怒りに支配される。
ただでさえ不安定だった雄太の心は、怒りに飲み込まれる。
やがて雄太自身が思っていないことをも言い始める。
「あんな親がわりぃんだ。そうだ。そうなんだ」
雄太は自分に言い聞かせるように言葉を反芻する。そして、勢いのままに言った。言ってしまった。その言葉を吐いた瞬間、雄太は後悔する事となるだろう。それは、越えてはいけない一線だった。しかし、怒りに飲まれる雄太には。自暴自棄になっている雄太にはその言葉を言うことを辞めることはできなかった。
彼はこう呟いた。
「あんな母ちゃんなんて。死んじまえばいいのに」
その言葉を吐いた瞬間、雄太の心の中に煮えたぎっていた怒りが一瞬にして醒めた。
雄太はピタリと動きを止めた。
朝に見たショックなニュースのことを思い返す。推しが死んでしまうというニュースだ。
雄太の心には一つの疑問が浮かんだ。
「母ちゃんも死んじゃうのかな」
口に出した瞬間、雄太はぶるっと震えた。想像出来なかった。そんなこと、考えもしなかった。一つの疑問が魚の小骨のように心に突き刺さって離れない。
雄太は思考の渦に飲まれていった。しかし、そこから引きずり出す声が下から響いてきた。
「雄太ッ! 学校の時間よ!」
「……ッ。分かったよ」
雄太は、大人しく制服に着替え学校の準備を済ませる。階段を下りていき、母から逃げるように玄関に向かった。そして、靴を履き急いで家から出て行った。
母は、そんな雄太の様子に呆れた目をする。そして、どこか嬉しそうに送り出した。
「いってらっしゃい」
最後の授業のチャイムが鳴る。
雄太にとって今日は普段と何も変わらない一日だった。いつもの友達と駄弁り、眠い授業を受け、そして終わる。いつも通りの日常だ。
しかし、その日常が雄太にはどうしようもないほど辛かった。
自分の推しが死んだのに、何も変わることは無い。自分にとっては何にも代えられないほど辛いの日なのに、周りからしたら特に変わることのない、いつも通りの一日だ。
そんな鬱々とした思考をしている雄太に近づく人影があった。
「雄太ぁ~今日遊ぼうぜ」
「あー? 朝日、今日部活は?」
「顧問の用事? かなんかで無いんだよ。なあ、せっかく時間あるし遊ばね?」
「おー。いいじゃん、遊ぶかぁ!」
雄太の親友である朝日だった。
朝日は、休み嬉しいと言わんばかりの笑顔で雄太に話しかけてきた。雄太は陰鬱とした思考を打ち切り、朝日との遊びに頭を切り替えた。
「朝日、今日どこ行く?」
「俺、映画みてー」
「カラオケとかどーよ」
雄太はカラオケを、朝日は映画を提案する。意見が分かれた。
二人は顔を見合わせ、ニヤッと笑い腕まくりをする。部活で鍛えられた二人の筋肉が露わになる。首を左右に揺らし、小刻みにジャンプしだす。そして、二人の腕が振り上げられる——ッ!
『じゃんけんぽん!』
「よっしゃー! カラオケに決まりぃ!」
「くっそーおおぉ。映画見たかったんだけどなぁ」
「映画は今度遊ぶときな。また遊べば良いだろ」
「お、雄太良いこと言うじゃん」
褒められた雄太はまんざらでもなさそうな顔を浮かべ、帰る準備をしていた。朝日はそんな雄太を無視して、帰る準備をしだした。ホームルームが終わった瞬間、二人は一目散に教室から走り出した。
「くそっ! なんなんだよ。ムカつくなッ!」
雄太の心は煮えたぎるような怒りで支配されていた。
どうして理解してくれないのか。今回は違うと言ったのに、サボりと決めつけられたのがムカついた。今までサボっていた自分が悪いと分かるから、余計にやるせない怒りを覚える。やり場のない、抱えきれないほどの怒りに支配される。
ただでさえ不安定だった雄太の心は、怒りに飲み込まれる。
やがて雄太自身が思っていないことをも言い始める。
「あんな親がわりぃんだ。そうだ。そうなんだ」
雄太は自分に言い聞かせるように言葉を反芻する。そして、勢いのままに言った。言ってしまった。その言葉を吐いた瞬間、雄太は後悔する事となるだろう。それは、越えてはいけない一線だった。しかし、怒りに飲まれる雄太には。自暴自棄になっている雄太にはその言葉を言うことを辞めることはできなかった。
彼はこう呟いた。
「あんな母ちゃんなんて。死んじまえばいいのに」
その言葉を吐いた瞬間、雄太の心の中に煮えたぎっていた怒りが一瞬にして醒めた。
雄太はピタリと動きを止めた。
朝に見たショックなニュースのことを思い返す。推しが死んでしまうというニュースだ。
雄太の心には一つの疑問が浮かんだ。
「母ちゃんも死んじゃうのかな」
口に出した瞬間、雄太はぶるっと震えた。想像出来なかった。そんなこと、考えもしなかった。一つの疑問が魚の小骨のように心に突き刺さって離れない。
雄太は思考の渦に飲まれていった。しかし、そこから引きずり出す声が下から響いてきた。
「雄太ッ! 学校の時間よ!」
「……ッ。分かったよ」
雄太は、大人しく制服に着替え学校の準備を済ませる。階段を下りていき、母から逃げるように玄関に向かった。そして、靴を履き急いで家から出て行った。
母は、そんな雄太の様子に呆れた目をする。そして、どこか嬉しそうに送り出した。
「いってらっしゃい」
最後の授業のチャイムが鳴る。
雄太にとって今日は普段と何も変わらない一日だった。いつもの友達と駄弁り、眠い授業を受け、そして終わる。いつも通りの日常だ。
しかし、その日常が雄太にはどうしようもないほど辛かった。
自分の推しが死んだのに、何も変わることは無い。自分にとっては何にも代えられないほど辛いの日なのに、周りからしたら特に変わることのない、いつも通りの一日だ。
そんな鬱々とした思考をしている雄太に近づく人影があった。
「雄太ぁ~今日遊ぼうぜ」
「あー? 朝日、今日部活は?」
「顧問の用事? かなんかで無いんだよ。なあ、せっかく時間あるし遊ばね?」
「おー。いいじゃん、遊ぶかぁ!」
雄太の親友である朝日だった。
朝日は、休み嬉しいと言わんばかりの笑顔で雄太に話しかけてきた。雄太は陰鬱とした思考を打ち切り、朝日との遊びに頭を切り替えた。
「朝日、今日どこ行く?」
「俺、映画みてー」
「カラオケとかどーよ」
雄太はカラオケを、朝日は映画を提案する。意見が分かれた。
二人は顔を見合わせ、ニヤッと笑い腕まくりをする。部活で鍛えられた二人の筋肉が露わになる。首を左右に揺らし、小刻みにジャンプしだす。そして、二人の腕が振り上げられる——ッ!
『じゃんけんぽん!』
「よっしゃー! カラオケに決まりぃ!」
「くっそーおおぉ。映画見たかったんだけどなぁ」
「映画は今度遊ぶときな。また遊べば良いだろ」
「お、雄太良いこと言うじゃん」
褒められた雄太はまんざらでもなさそうな顔を浮かべ、帰る準備をしていた。朝日はそんな雄太を無視して、帰る準備をしだした。ホームルームが終わった瞬間、二人は一目散に教室から走り出した。
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