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追放された薬師の居場所
しおりを挟む「やっぱりそうだ…おまえアレタだろ!回復の!」
紹介場併設の酒場にて冒険者の3人組が無理矢理席に座ってくるとアレタと何やら関係がある様で少し固まっていた。
「ロッド…それにシュルナ…」
「おい久しぶりだな!なんでこんなとこにいるんだよ!」
知り合いの様だが、アレタの顔は再開を喜んでいない。
むしろ会いたくなかったと言ってるように感じる。
「なんだロッド。知り合いか?」
鎧の大男は酒のせいか顔を赤くしながらロッドという名の剣を使う冒険者に聞いた。
「マッソは知らないよな。こいつはアレタっつー名前で昔は俺やシュルナと同じギルドに入ってたんだわ」
「あー思い出したぁ。確か追放された回復役だぁー」
追放、その言葉を聞いたアレタの身体はぴくりと動いた。
リントも何かを察したのか何も喋らない。
「追放だぁ?」
「そうそう!戦闘になってもなかなか足並み揃わなくてな!おまけに回復も遅いわ薬の材料費もかかるわでな!うちのギルドマスターが追放したんだよ」
「実際手際悪かったしねぇー。ぶっちゃけ足手纏いだったしー」
「まあ実際戦えないってのはやっぱ重荷だからな。お前には悪いが妥当な判断だと思うぜ」
なんでこいつらは本人が前にいるのにそんな事を易々と言えるんだ?
「はは…そうだね。僕の力じゃロッド達の力になれなかった」
「とゆーかー。やっぱ前線に出て戦えないならさー冒険者やってる意味なくない?」
「確かにな。なんで旅なんてやってんだか。戦えない回復は遅い金はかかる。やめちまえばいいのに」
酒が入ってるのか出てくる言葉はどれもアレタを否定する言葉。
「それに仲間を助けれねえ薬師なんて意味ないだろ」
仲間を助けれない…?
アレタが?
大着火を使った後の沈熱剤を作ってレカルネラ戦の後の適切な処置で俺を助けてくれたアレタが?
「違うっ!あれはラルドードが__」
「何が違うんだああん!?」
珍しくアレタが声を荒げて否定したがそれに被せる様にロッドはさらに否定を重ねる。
「回復役が仲間治せなくてどうするんだよ」
「あれはラルドードが薬を飲んだ後に強引にお酒を飲んだからだっ!しかも飲ませた薬とアルコールの組み合わせは最悪…僕は何度だって止めたよ!」
「それでも止めんのが医者の役目だろうがよぉ!戦闘もできなきゃ仲間も治せねぇ!追放されて当たり前だろうが!」
本当にこいつは何を言っているんだ?
無茶難題が多すぎる上にいちゃもんをつけてアレタを否定してる様にすら感じる。
「ギルドマスターだって後悔してたぜ。とんだエセ薬師を引き入れたのは間違いだった__」
ばきぃっと鈍く重い音が辺りに聞こえた後に人が飛んで倒れた音が鳴り注目を集める。
「ちょっとロッド!?」
「お、おいロッド!?」
露出の多い魔法使いの女と鎧を纏う大男は殴り飛ばされたロッドの下に駆け寄る。
「リ、リントくん…なにやって…」
ロッドを殴り飛ばしたのは他でもない、アレタを侮辱する事を許さなかったリントだ。
「…おいクソガキ冒険者。てめえ今俺に何しやがったんだ?」
「説明しなきゃダメかエセ冒険者。殴られただけだろ」
そして発生した騒ぎに昇る太陽の面々は駆けつける。
「ちょっとリント!?あんた何やってんの本当に!」
事態を分かっていないスノウはリントに焦った顔で問い詰めるがリントはスノウの顔を見ない。
「表出ろ…」
恨み怒りこもった声でロッドはリントを外へと誘い出す。
当然、ロッド一味と昇る太陽一行も外へと出た。
「なんで俺を殴った?」
「俺の仲間を侮辱したから」
「おいおいこいつは驚いた。アレタは今お前んとこにいるのか」
「ち、ちが」
「そうだ。アレタは俺のギルド、昇る太陽の専属薬師だ」
否定はさせない。
アレタは紛れもない俺の大事な仲間だ。
「で、仲間を侮辱されて俺を殴ったと、そうかそうか。でも事実だぜ?話した事はよ」
「嘘どうこうは関係ねえ」
「だったらどうするんだよ。侮辱した俺が気に入らねえからボッコボコにするのか?3対6だぞ」
ロッドとシュルナ、マッソの3人に対してこちらはリント、スノウ、アヤネ、アテラ、アレタ、バルの6人。
戦力差は単純計算で2倍の差があるが、
「そんな下衆いことはしねえよ。謝れ、アレタに」
その様な非人道的なことはしない。
「2度も言わせんなよ。話したことは事実だ。謝って欲しいのは俺たちの方だぜ」
「違えよそっちじゃねえ。エセ薬師だよ。アレタは最高の薬師だ。それをエセだのなんだの。要はお前らがアレタの才能を使いこなせなかっただけじゃねえかよ」
「くっ、くははっ!なーんだそんな事か。だったら謝るよ…」
神経を逆撫でする様な態度でアレタとリントの前に立つ。
「なーんて。謝るかバーカ!」
不意に拳でリントの顔を殴る。
「なんでてめえに殴られた俺がアレタに謝罪?ばっかじゃねぇの!まずはてめえが俺に謝罪だろうが!」
「ちょっとあなた!」
見かねたスノウが割って入ろうとするがそれをバルが静止した。
「バル!なんで止めるの?」
「あの剣使いが言ってることは合ってる。基本的に先に手出した方が悪いんだ。まずはリントが筋通すのが先だろ」
「でも!」
「でもじゃねえ。仮にも俺のいる場所の頭張ってんなら相手が誰であれ通す事は通せ。それはこのギルドのメンツにも関わるぞ。それにお前だって俺にケジメ付けさせたばっかだろ」
「そうだな。状況は関係ねェ」
一歩引いて俯瞰的な視線で物事を見るバルとそれに同意したアテラはかなり冷静だ。
「そうだな、俺も熱くなっちまった。すまない」
頭を下げたリントにそれを見て満足気なロッドの行動はさらにエスカレートする。
「誠意が足んねえよ!」
リントの腹部に拳をめり込ませる。
「アレタに謝るかどうかは俺の気分だからなぁ!」
「…このまま俺を殴り続ければ気は晴れるか?」
「そうだなぁ!その気になっちまうなぁ!」
「ロッド!やめてくれ!」
「やれよ。誰にも邪魔させねえから」
焦るアレタ、邪悪に笑うロッド、そして険しい顔のリント。
「じゃあ遠慮なく…おらぁっ!」
左拳がリントの右頬に。
「リントくんも僕なんかのために!」
2人の間にアレタは割り込みリントを庇う様に手を広げる。
「アレタ。どいてろ」
肩を掴みアレタを仲間達の方に押し除ける。
「リントくん!」
すぐさま戻ろうとするがそれを止めたのもバル。
「男が人の為に身体張ってんだ。それを邪魔するのはリントにとっての侮辱だぞ」
「くっ!」
そこから数分はロッドがリントを痛め付ける様子をただ眺めてるだけだった。
顔、胸、腹を徹底的に殴り、蹴り愉悦に浸るロッドと顔つきを変えないリント。
最初は楽しむ様に暴力を振るうロッドだが段々と体力が尽きてきたのか息切れを起こしている。
「おらぁっ!」
大振りの右拳を振り終えるとかなり身体に応えたのか暴力が収まる。
「はぁ…はぁ…」
「なんだ。もう謝る気になったか」
「ぐっ…!ほざけぇ!」
右脇腹に回し蹴りを入れ込む。
何故倒れない、何故苦痛の表情を浮かべない、何故エセ薬師のためにそこまで身体を張る?
「くそっ!がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何度暴力を振るっても屈しないリントに腹が立ち腰の剣を抜く。
「ロッド!やりすぎよ!」
「やめろロッド!」
腹を刺そうと切先をリントに向けた。
それでもなおリントの顔は屈した表情を見せない。
「リント!」
「凛斗くん!」
「リントくん!」
キンっと高い金属音が響くとロッドの剣が折れて床に刺さった。
「それはダメだろ」
その剣を折ったのはバル。
背中の大剣を抜刀しロッドの剣をへし折ったのだ。
殴るだけなら手を出さなかったが剣を抜いた事で筋が通ってないと判断した。
「ひっ、く、くそがぁ!」
尻餅をついたロッドに向けてリントはふらふらと動き出す。
「謝るよな…?」
その目つきはまるで手負いの獅子。
常人離れした耐久力と目の奥から感じる圧倒的な殺意も今にも命を奪われかねないと察したロッドは床に頭を擦り付けて謝罪する。
「す、すみません!ごめんなさい!だから許してぇぇ!!」
そう言い残すと夜の路地裏に仲間を置いて逃げ去った。
呆れた顔をした仲間はそれを追ってこの場にいるのは昇る太陽のみ。
「…っあー。しんど」
「リントくん!なんでそこまで…今消毒するから傷見せ__」
「治すな!!」
心配して駆け寄り、ポーチから薬を取り出したアレタにリントは治療をするなと声を出す。
「この怪我を治したいんだったら、お前は俺達と来い!」
「…はぁ?」
「だーかーらー!俺達に着いてこないならこの怪我治すな!少しでも治療っぽい事したら昇る太陽に正式加入って見做すからな!断っても連れてく!引きずってでも連れてく!」
「無茶苦茶だよ!」
「それがお前のギルドマスターだ!」
ここまで自分のことを案じてくれた人に出会ったのはいつぶりだろうか。
流れの薬師として感謝はされてもここまで身を案じてくれる人に出会う事はない。
彼を治したい、彼に元気でいてほしい。
だけどそれでも拭いきれない、自分の中にある不安が。
「怖いんだ…集団に所属して、治療をもし失敗した時。僕はそこの人達に二度と顔向けできない…」
「それで?」
「薬師にミスは許されない。怪我人を不安にさせるのも許されない。治療に失敗しても僕は死なない。でも失敗してしまった人は死んだり、後遺症が残ったり…」
「それが薬師だろ。お前も覚悟してるんじゃないのか」
「してるさ!してるけど!」
「俺の治療はしくってもいい。俺以外は失敗するな」
「失敗していいわけがないだろう!」
「俺は!いい!」
リントの言っていることが理解できない。
失敗してもいい治療なんてないのに。
「仮にお前の治療が失敗して!俺が死んでも俺はお前を恨まねえ!むしろお前に申し訳なさすら感じる!」
「でも…」
「お前が俺に生きて欲しいんならお前は失敗しねえ!」
「どういう理屈なんだ君は!」
リントの呈したとんでもない理屈にまともに返答する事すら困難になってくる。
「私も、アレタの事は信用してるわ」
「スノウちゃん…」
スノウの言葉を皮切りに他の団員も次々とアレタに言葉を贈る。
「アレタさんの治療ってそんなすごいんだぁ。じゃあ安心して怪我できるね」
「大工に怪我は付きモンだからな。医者がいるのはありがてえし、お前が毎晩薬作ってるの知ってっからよ」
「自分で言うのもあれだが…俺も結構ヤンチャするからな、心強え」
僕はもしかしたらとんでもないギルドに関わってしまったのかもしれない
無茶を言う団長に僕は着いていけるのか?
「アレタ!俺達と来い!」
純粋無垢な少年の偽りない心からの叫びが、迷っていた薬師の心を突き動かした。
仰向けに寝ているリントの近くで屈む。
「擦り傷…打撲…骨は大丈夫。口の中は切れてるけど…塗り薬で治る」
目視での診察を行い必要な処置を的確に判断。
「ちょっと染みるよ」
綿に液体を染み込ませてまずは顔の傷に当てる。
「アレタ…」
「このギルドの怪我、病気の治療は僕が引き受ける。かといって無茶はしない事!いい?」
無茶苦茶なギルドマスターの治療を行いながら仲間に忠告をする。
「もちろんよ。私は怪我する気ないもの」
「私はちょっとくらいするかも」
「大工にそりゃ無理だぜ」
「気ぃつけるさ」
薬師の青年はこのギルドは、自分の居場所とすることに決めた。
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