異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g

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ぼっちー冒険記作家になる!?

207日目:一夜の宿とおばあさんの物語

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異世界に転移したらぼっちでした~探検者ぼっちーの日常~

207日目:一夜の宿とおばあさんの物語


こんばんは、ぼっちーです。
風の丘のふもとを巡る旅も、少しずつ深まってきました。

昨日、灯火の謎について旅人さんと語ったあと、
日も沈みかけていたので、ふもとの小道を降りた先にある古い宿に泊まることに。

そこで出会ったのは、優しいけどちょっとクセのある、語り部のおばあさんでした。



静かな宿と、あたたかい夕食

宿は「風結びの宿」といって、木組みと石壁の小さな一軒宿。
中に入ると、すぐにふわりと野菜スープの香りがして、モフの鼻がぴくぴく。

「もふもふー!」(訳:ここ泊まる!)

宿の女将さんは、ぼくの祖母くらいの年齢に見えるおばあさんで、
名前はノエラさん。編み物をしながら静かに話す人です。

「旅の者かい? 風に呼ばれたのかねえ」

なんだか意味深な第一声にドキッとしつつ、
出されたスープをすすりながら、今日あったことをちょっと話してみました。



おばあさんが語る「灯火の夜」

ノエラさんは、風見鶏の塔や風の丘についてもよく知っていて、
「昔はあの塔にも火がともってね……」と、ぽつりぽつりと思い出すように語ってくれました。

「風が北から吹いた夜、塔の窓がひとつ、橙色に光った。
 それは“風灯”が灯った合図でね。
 その光を見た旅人たちは“約束の場所”へ向かったもんさ」

約束の場所?と聞き返すと、

「……その場所を守った者も、行方を知る者も、もういないよ。
 でもね、風は覚えている。灯火と、扉と、あの約束を——」

なんだろう、昨日の旅人の話と不思議にリンクしてくる感覚。
しかも、「風灯」という単語までまったく同じ。

おばあさんはそのあと、小さな布の袋から古びた金属製のチャームを見せてくれました。
それは、風を模した渦巻きの紋章。
ぼくが持つ銀縁のコンパスにも、うっすら似た模様が……!



暖炉の前でぐでモフ

宿の一角には石造りの暖炉があって、火がぱちぱちといい音を立てていました。

その前には、もう言うまでもなくモフがぺたーん。

「もふぅぅ……」(訳:これは寝落ち確定……)

ノエラさんが毛糸の余りでちっちゃなマフラーを編んでくれて、
モフはそれを首に巻いたまま、夢の中へ。

ふだんはやんちゃなモフも、こういう夜は本当におとなしくて、
なんだか子どもみたいに見えるんですよね。かわいい。



物語を聞きながら眠る夜

その晩、ノエラさんはもう一つ、語り部としての物語を話してくれました。

それは、ある“旅人”が風の声を辿って辿り着いた灯火の扉と、
そこで交わした「ある約束」についての、昔話のような伝説。

——風が北から吹いた日、塔の火が灯る。
その下に“鍵”が現れ、封じられた“道”が開かれる。
けれど、その道を開ける者は「約束を守った者」でなければならない。

「その“約束”がなんだったか、いまはもうわからないんだけどね」
とノエラさんは笑いました。

けれど、それを聞いていたぼくは、なんだか胸の奥がちりっと熱くなって。

いつか、見つけてみたいと思ったんです。
あの“場所”と、“約束”を。



ぼっちー今日のひとこと

「風の声を覚えている人がいる限り、物語はきっと、つづく。」



プロフィール
• 名前:ぼっちー(あったか宿に弱い冒険記作家)
• 相棒:モフ(マフラーをもらって寝落ち中)
• 今日の出会い:語り部のおばあさん・ノエラさんと、風にまつわる昔話
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