(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g

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2章

10話


 街の中心部へと向かう道すがら、僕はフードの下でキョロキョロと視線を巡らせていた。
 石畳の道を行き交う人々、見たことのないデザインの馬車、露店から漂うスパイスの香り。
 以前、街に来た時もお祭りみたいだと思ったけれど、こうして「言葉を覚えよう」という意識を持って歩くと、世界がまた違って見える。

 すれ違う人々の話し声に耳を澄ませてみる。
 ――ガヤガヤとした雑踏の音。
 やっぱり、まだ何を言っているのかさっぱりわからない。単語の切れ目すら聞き取れないレベルだ。
 僕が唯一発音できるのは、さっき覚えた挨拶『ボナ』と、愛しい人の名前『エリオット』だけ。
 道は険しいなぁ、と少し肩を落とす。

「(陽貴、大丈夫か? 疲れていないか?)」

 僕のわずかな気配の変化を察知したのか、繋いだ手にきゅっと力が込められた。
 隣を歩くエリオットが、心配そうにフードの中を覗き込んでくる。

「(ううん、大丈夫! みんなの話し声を聞いてたんだけど、やっぱり難しくて)」

「(焦ることはないよ。君はずっと俺のそばにいるんだから、ゆっくり覚えればいい)」

 エリオットの優しい念話に、心が温かくなる。
 彼は僕を歩道の内側に寄せ、人混みから守るように肩を抱いて歩いてくれる。その姿があまりに様になっていて、すれ違う女性たちが頬を染めて彼を見ていることに、当の本人は気づいていないようだ。

 やがて、目の前に巨大な石造りの建物が現れた。
 高い尖塔と、強固な城壁。門には二本の剣が交差した紋章が掲げられている。
 威圧感と美しさを兼ね備えたその場所こそ、この国の平和を守る『王立騎士団』の本部だった。

「(わぁ……大きい! ここがエリオットの職場?)」

「(ああ。堅苦しい場所で、あまり面白いものはないけれどね)」

 エリオットは謙遜するけれど、僕にとってはファンタジー映画のセットに入り込んだような大興奮スポットだ。
 門の前に立っていた鎧姿の衛兵が、エリオットの姿を見るなり背筋を伸ばし、槍を掲げて敬礼した。

「――、――!!」

 短く鋭い声。きっと「お疲れ様です!」とか「隊長!」とか言っているに違いない。
 エリオットは軽く片手を上げて応えると、そのまま堂々と門の中へと入っていく。
 かっこいい。
 普段の甘々なエリオットとは違う、仕事モードの彼に胸が高鳴る。

 建物の中に入ると、そこは訓練場のような広場や、執務室が並ぶ廊下へと続いていた。
 金属が触れ合う音や、男性たちの野太い掛け声が遠くから聞こえてくる。

「(……俺の執務室に行こう。復帰の手続き書類を出さなければならないから)」

 エリオットに手を引かれ、長い廊下を進む。
 すれ違う騎士たちが、次々と驚いた顔をして足を止め、エリオットに敬礼をしていく。

「――? ――、――……」

 彼らの視線が、エリオットの隣にいる僕――フードを目深に被った怪しい人物――に注がれているのがわかる。
 そりゃあ怪しいよね。騎士団長クラスのエリオットが、こんな小柄な不審者を連れているんだから。
 僕はなるべく小さくなって、エリオットの影に隠れるように歩いた。

 案内されたのは、最上階に近い広々とした部屋だった。
 重厚な木の扉を開けると、中には数人の騎士たちが忙しそうに書類仕事や会議をしていた。

「――、―――」

 エリオットが入室した瞬間、室内の空気がピリッと張り詰める。
 全員が一斉に立ち上がり、直立不動の姿勢をとった。
 すごい。エリオットって、偉い人だったんだ。

 エリオットが部下らしき騎士に何やら指示を出すと、その騎士は恐縮した様子で書類の束を持ってきた。
 彼らが会話している間、僕は邪魔にならないように部屋の隅のソファにちょこんと座らせてもらった。

 部下の騎士たちが、チラチラとこちらを見ている視線を感じる。
 そして何より、彼らはエリオットの顔を見て、まるで幽霊でも見たかのように目を丸くしていた。
 何だろう? そんなに変かな?

 僕はこっそりと念話でエリオットに聞いてみる。

「(ねえ、エリオット。みんなすごく驚いてるみたいだけど……)」

 書類にサインをしていたエリオットが、ふっと顔を上げてこちらを見た。その瞬間、彼の表情が氷のような無表情から、春の日差しのように緩んだ。

「(ああ、久しぶりの出勤だからね。それに……誓いの影響かもしれない)」

「(誓いの影響?)」

「(君と命を共有してから、体の調子がすこぶるいいんだ。魔力も体力も、全盛期……いや、それ以上に満ち溢れている気がする。もしかしたら、若返って見えているのかもしれないな)」

 なるほど。確かに今のエリオットは肌ツヤもいいし、全身からキラキラしたオーラが出ている気がする。
 僕の力が、彼を元気にしているなら嬉しいことだ。

 けれど、部下たちのヒソヒソ話のニュアンスは、少し違う気がした。
 言葉はわからないけれど、彼らの視線は「隊長が若返った」という驚き以上に、何か戦慄に近いものを感じる。
 エリオットが僕を見るたびに花を背負ったような笑顔になるので、その落差に彼らが動揺していることになど、僕は全く気づいていなかった。

「(陽貴、退屈じゃないか? 喉は乾いていない? このソファ、硬くないか? 俺の膝に来る?)」

 仕事の合間に、エリオットが念話で過剰に気遣ってくる。

「(だ、大丈夫だよ! お仕事してて!)」

 部下の手前、膝の上なんて恥ずかしすぎる。
 僕は慌てて首を振り、エリオットを机に向かわせた。

 手持ち無沙汰になった僕は、ソファの近くにある大きな窓から外を眺めることにした。
 ここはこの建物の上層階だから、街の景色が一望できる。
 赤茶色の屋根が連なる街並み、遠くに見える城壁、そして青い空。
 異世界の街並みは、何度見ても飽きない。

 視線を街の中心部へと移していくと、一際賑わっている通りが目に入った。
 そこには大きな木造の建物があり、入り口にはたくさんの人が出入りしている。
 建物の正面には、大きな看板が掲げられていた。
 描かれているのは『盾』と『剣』、そして『杖』。

 ――あれは!

 僕の心臓がドクンと跳ねた。
 盾と剣と杖。それはファンタジー小説でお約束のマーク。
 間違いない。あれこそが……。

「(……冒険者ギルド!)」

 思わず念話で叫んでしまった。
 書類を見ていたエリオットが、びくりと肩を震わせてこちらを見る。

「(ど、どうしたんだい? 急に)」

「(エリオット! あそこ! あの看板! あれって冒険者ギルドだよね!?)」

 僕は窓にへばりついて、興奮気味に指差した。
 エリオットは困ったように眉を下げ、僕の指差す方を見る。

「(……ああ、そうだね。あれはギルドの支部だ)」

 やっぱり!
 本物のギルドだ! クエストボードがあって、受付嬢がいて、荒くれ者たちが酒を飲んで情報交換をしている、あの場所だ!
 異世界に来たら一度は行ってみたい場所ランキング、堂々の第一位。

「(行ってみたい! ねえエリオット、帰りにあそこに行こうよ!)」

 僕は目を輝かせてエリオットに訴えた。
 しかし、エリオットの表情は曇ったままだ。

「(……ギルドか。あそこはあまりお勧めしないな)」

「(えっ、どうして?)」

「(空気が悪いんだ。血の気の多い冒険者や、柄の悪い連中がたむろしている。酒と汗の匂いもきついし、喧嘩も絶えない。君のような……可憐で綺麗な存在が行くような場所じゃない)」

 エリオットは本気で嫌そうだ。
 確かに治安は悪そうだけれど、それも含めて「異世界のギルド」を見てみたいのだ。

「(でも、見てみたいよ。本物の冒険者を見てみたいし、どんな依頼があるのかも知りたい。それに……)」

 僕は窓から見えるギルドの看板をもう一度見つめた。

「(あそこに行けば、いろんな種族の人がいるかもしれないでしょ? 言葉だって、いろんな種類が聞けるかもしれないし)」

 向学心を盾にしてみる。
 エリオットは腕を組み、うーんと唸っている。

「(確かに、多種多様な人間が集まる場所ではあるが……。危険だよ。君に万が一のことがあったら、俺は生きていけない)」

 また大袈裟な。
 でも、彼が僕を心配してくれているのは痛いほど伝わってくる。
 だからこそ、僕は彼を説得するために、とっておきの言葉を使うことにした。

 僕はソファから立ち上がり、エリオットのそばまで歩み寄る。
 そして、彼の騎士服の袖をきゅっと掴み、フードの下から上目遣いで彼を見上げた。

「(エリオットと一緒なら、大丈夫でしょ?)」

 エリオットの動きが止まる。

「(だって、エリオットはこの国で一番強い騎士様なんでしょ? 君が守ってくれるなら、どんな場所だって安全だよ)」

 絶対的な信頼。
 それを言葉にして伝えると、エリオットの顔が一気に赤く染まった。
 口元を手で覆い、視線を泳がせている。

「(……一番強い、か。君にそう言われると、弱いな)」

「(ダメ……?)」

 トドメの一撃。首を傾げて小首をかしげる。
 エリオットは天を仰ぎ、深く、深ーく息を吐いた。

「(……はぁ。わかった。連れて行くよ)」

「(やったー! ありがとうエリオット!)」

 僕は思わず彼に抱きついた。
 硬い鎧の感触がするけれど、その奥にある体温はいつも通り温かい。

「(ただし! 絶対に俺から離れないこと。誰に声をかけられても無視すること。フードは絶対に脱がないこと。いいね?)」

「(うん、約束する!)」

 エリオットは苦笑しながら、僕の背中に腕を回して抱き締め返してくれた。
 その様子を、部屋にいた部下たちがポカーンと口を開けて見ていることには、やっぱり気づかないままで。

 エリオットの仕事は、驚くほど早く終わった。
 彼曰く「頭が冴え渡って、いつもの倍の速度で処理できた」らしい。これも誓いの効果なのだろうか?
 エリオットは部下たちにテキパキと指示を出し、積み上げられた書類を片付けると、颯爽と立ち上がった。

「――、――」

 部下たちに一言告げると、彼らは敬礼をして道を開ける。
 エリオットは僕の手を取り、エスコートするように部屋を出た。
 背後から「隊長が定時より早く帰るなんて……」「明日は雪か?」なんていうヒソヒソ声(雰囲気で察した)が聞こえた気がするけれど、エリオットは気にした様子もなく足早に進んでいく。

 騎士団の本部を出て、僕たちは街の中を歩き出した。
 目指すは冒険者ギルド。

「(ギルドには登録所もあるんだ。僕も登録できたりするのかな?)」

「(登録? 君が?)」

 歩きながら念話で聞くと、エリオットは驚いたようにこちらを見た。

「(うん。記念にカードとか欲しいなって)」

「(……まあ、身分証代わりにはなるから、登録だけならいいかもしれないが。依頼を受けるのは反対だよ)」

「(わかってるって)」

 そんな会話をしながら、賑やかな通りを抜けていく。
 近づくにつれて、周囲を歩く人々の雰囲気が変わっていくのがわかった。
 革鎧を着た戦士風の男や、杖を持った魔法使い風の女性。
 腰に剣を下げ、背中に大きな荷物を背負った人々。
 彼らが発する空気は、街の人々とは違う、どこか荒々しくも活気のあるものだった。

 そしてついに、僕たちはあの建物の前に立った。
 近くで見ると、かなり年季が入っていて迫力がある。
 中からはどっと湧くような笑い声や、ジョッキがぶつかり合う音が聞こえてくる。

「(……ここが、冒険者ギルド)」

 僕はゴクリと喉を鳴らした。
 憧れの場所が目の前にある。

「(陽貴、怖くないか?)」

 エリオットが心配そうに聞いてくる。
 僕は強く頷き、彼の手を握り返した。

「(ううん、ワクワクする! 行こう、エリオット!)」

 エリオットは「やれやれ」といった表情で苦笑すると、重厚な両開きの扉に手をかけた。
 ギィィ……と重い音を立てて、扉が開く。

 その瞬間、熱気と匂い、そして喧騒が一気に押し寄せてきた。
 僕の異世界冒険、いよいよ本番だ!

 ――まさか、この軽い気持ちでの「登録」が、僕の正体を世界に晒す引き金になるなんて。
 この時の僕は、まだファンタジー世界への憧れで頭がいっぱいで、微塵も想像していなかったのだ。

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