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誰かこの人達を止めて下さい!
ルークス家の終わり
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執事に案内され室内に入ってきたルークス夫妻。ベルから事情を聞いたのだろう、ルークス男爵は顔面蒼白だ。夫人の方は何故か堂々としている。ルークス男爵は髪の毛が残念で小さい普通のおじさんだが夫人は厚い厚いそれはもう厚化粧でゴテゴテの宝石を散りばめたふくよかなおばさんだった。ルークス家の関係性が分かりやすいな。
「ハミルトン公爵様!この度はうちのメアリーと婚約を認めて下さいましてありがとうございます!」
「おい!違うと言っているだろ!」
格上のハミルトン公爵家やウィーンズトン侯爵家の断りもなくべらべらと話し出す夫人。しかも意味の分からない事を言っている。ルークス男爵は夫人を止めているが相手にもされていない。
私達は自然とベルを見た。
「何回説明しても通じませんでした。馬鹿なんでしょう。」
ベルは淡々と毒を吐いた。
夫人はズカズカと私達の横に座るが挨拶もない。男爵はペコペコしながら夫人の横に小さく座った。
「確かエルマ夫人だったな!あの娘と息子は婚約した覚えはない!それどころか我がハミルトン公爵家とウィーンズトン侯爵家を侮辱した罪で牢に入っている!」
「牢ですって!よくもうちのメアリーに酷いことをして下さいましたわね!」
「エルマ夫人、公爵家に対して無礼ですわよ」
お母様がみかねて注意するが、エルマ夫人はお母様を睨み付け、そして横にいる私を見ると嫌な顔をする。
「あら、貴女が例の不吉な子ねぇ?本当に気味が悪いわ」
「エルマ、止めないか!申し訳ございません、無礼をお許し下さい!」
だがもう遅い。お母様はニ本目の扇子を折り、お父様は立ち上がると剣を抜きエルマ夫人の喉元に突きつける。恐ろしい程の威圧感を出したお父様はもう私でも止められない。
「ぎゃあぁぁぁぁ何ですの!公爵様止めて下さいな!」
「何故だ?言っておくがお前達は今日で終わりだ!」
「公爵の言う通りだ、お前達は今日で終わりだ。分かってるか?」
男爵は震えながら土下座をするが、お父様はエルマ夫人に斬りかかる。剣はスレスレで夫人の髪の毛を掠る。夫人は泡を吹いて倒れ、男爵はとっくに気絶していた。
「公爵、こいつらも牢に入れておけ!」
「はい!」
二人も牢屋に入れられ、男爵家は取り潰しになるだろう。だがその前にオーウェンとの婚約破棄の手続きが先だ。
「では、婚約破棄の手続きを進めましょう」
お母様はいつの間にか新しい扇子を開き扇いでいる。お父様も落ち着いたのかソファーに座り書類にサインをしている。
「お…お待ちください!事業はこのまま継続できないでしょうか?オーウェンは勘当して次男に跡を継がせます!」
「父上!どう言うことですか!」
「うるさい!これは元はといえばお前が招いたことだろう!恥を知れ!」
「次男ってセロですか?まだ3歳ですよ」
「これから教育していく!お前にはもう関係の無い事だ!」
「貴方にセロは渡しませんよ!サインをして下さい!」
廊下で話を聞いていたのだろう、ジュリア公爵夫人が怒り心頭で入ってきた。夫人は先程の離縁書を突きつける。
「お前とは離縁してもいいがセロだけは置いていけ!」
「いいえ、置いていきません。セロは貴方の子ではありませんから!」
「「「は?」」」
私とお父様そしてモール公爵が唖然とする。
お母様はやはり知っていたのだろう黙っている。あの⋯私の婚約破棄はいつになったら成立するの!また修羅場じゃない!
「ハミルトン公爵様!この度はうちのメアリーと婚約を認めて下さいましてありがとうございます!」
「おい!違うと言っているだろ!」
格上のハミルトン公爵家やウィーンズトン侯爵家の断りもなくべらべらと話し出す夫人。しかも意味の分からない事を言っている。ルークス男爵は夫人を止めているが相手にもされていない。
私達は自然とベルを見た。
「何回説明しても通じませんでした。馬鹿なんでしょう。」
ベルは淡々と毒を吐いた。
夫人はズカズカと私達の横に座るが挨拶もない。男爵はペコペコしながら夫人の横に小さく座った。
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「エルマ夫人、公爵家に対して無礼ですわよ」
お母様がみかねて注意するが、エルマ夫人はお母様を睨み付け、そして横にいる私を見ると嫌な顔をする。
「あら、貴女が例の不吉な子ねぇ?本当に気味が悪いわ」
「エルマ、止めないか!申し訳ございません、無礼をお許し下さい!」
だがもう遅い。お母様はニ本目の扇子を折り、お父様は立ち上がると剣を抜きエルマ夫人の喉元に突きつける。恐ろしい程の威圧感を出したお父様はもう私でも止められない。
「ぎゃあぁぁぁぁ何ですの!公爵様止めて下さいな!」
「何故だ?言っておくがお前達は今日で終わりだ!」
「公爵の言う通りだ、お前達は今日で終わりだ。分かってるか?」
男爵は震えながら土下座をするが、お父様はエルマ夫人に斬りかかる。剣はスレスレで夫人の髪の毛を掠る。夫人は泡を吹いて倒れ、男爵はとっくに気絶していた。
「公爵、こいつらも牢に入れておけ!」
「はい!」
二人も牢屋に入れられ、男爵家は取り潰しになるだろう。だがその前にオーウェンとの婚約破棄の手続きが先だ。
「では、婚約破棄の手続きを進めましょう」
お母様はいつの間にか新しい扇子を開き扇いでいる。お父様も落ち着いたのかソファーに座り書類にサインをしている。
「お…お待ちください!事業はこのまま継続できないでしょうか?オーウェンは勘当して次男に跡を継がせます!」
「父上!どう言うことですか!」
「うるさい!これは元はといえばお前が招いたことだろう!恥を知れ!」
「次男ってセロですか?まだ3歳ですよ」
「これから教育していく!お前にはもう関係の無い事だ!」
「貴方にセロは渡しませんよ!サインをして下さい!」
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「いいえ、置いていきません。セロは貴方の子ではありませんから!」
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私とお父様そしてモール公爵が唖然とする。
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