孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi

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6章 それぞれの旅立ちとこれから

番外編 おちび達のお泊まり会②

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庭に着いたおちび達は三人仲良く横に並んで準備体操を始めた。

「じゅんびーたいちょうはだいじでしゅ!!」

そう言って張り切るヨシュアだが、鼻に布を詰めた状態が気になる周りの大人達。

「「じゅんびーたいちょう!いっちにー!」」

ヨシュアに次いで嬉しそうに準備体操をするリクとエドワード。

「ふふっ!何故じゅんびーって伸ばすのかしら?」

「ああ、可愛いね」

そんな微笑ましい光景を見て自然と笑顔になるエチカとランバート公爵夫妻。

そして準備体操が終わり、三人は大好きな兵士ごっこを始めた。いつもはルルが団長を請け負うが、今日はヨシュアが団長だ。

「にゃらんでくだちゃい!」

「「あい!!」」

「きょうは⋯う~ん⋯⋯にゃらんでくだちゃい!」

「「⋯⋯あい!!」」

「今日はあそこにある大きな木を敵だと思って訓練したら?」

ぐだぐだな三人を見かねたエチカが助け舟を出す。

「かーしゃん、いいかんがえでしゅ!ではいきましゅよー!!」

元気よく⋯匍匐前進を始めた三人は目的の木を目指し始めた。

「ああー⋯泥だらけ決定ね」苦笑いのエチカ。

だが中々前へ進まない上にズボンがズルズルと脱げていくが、三人は真剣すぎて気が付かない。見かねたメイド達が一度立たせてズボンを上げてあげた。

「えへへ⋯ちゅみまちぇん」

照れながらお礼を言うと、また匍匐前進しようとする三人を必死に止める。

「あれは凶悪な⋯⋯ジョンさんよ!早く倒さないと!突撃よーー!!」

「おい!何故国王⋯ジョンさんの名前を出すんだ!!」

妻の暴走に焦るランバートだが、三人はやる気に満ち溢れていた。

「なんでしゅとーー!!ジョンしゃんをたおちまちゅよ!!」

「やっちゃえーー!!」

「つちゅげきーー!!」

オモチャの剣を持ち、よちよちと悪のジョンさんにされた木に突撃する三人。

「ああ⋯国王陛下に知れたら⋯これは反逆行為になるんじゃないか?」

「何がだ?」

「いや、国王を標的にしている⋯⋯って陛下!?」

いつの間にかランバートの後ろに立っていたジョンさんことジェラルド国王陛下。目の前では木に向かい攻撃をしているおちび達がいる。

「ジョンしゃんかくごーー!!」

「わるいやちゅめーー!!」

「あくのおやだまめーー!!」

「もっと力を入れて!急所を狙うのよ!!」

「「「あい!!!」」」

エチカの指導の元、力を振り絞って剣で攻撃をする健気な三人。すると⋯⋯


ぷぅ~


ぷぅ⋯


ぷっ


いきなり静まり返る大人達だが、おちび達は自分たちがやらかしている事に気付いていないのか、一生懸命に攻撃を繰り返している。そんな光景を見ていたジェラルドが涙を流し爆笑している。

「心配で見に来たんだが、相変わらずだな!あははは!!」

「あーー!ほんもにょのジョンしゃんだーー!!」

気付いたヨシュアがジェラルドに狙いを定めたのだった。








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