転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi

文字の大きさ
121 / 169
10章 アレクシアと愉快な仲間2

お披露目会についての話し合い②

しおりを挟む
食事も進み、皆が各々と話し始めていた。食事後というと、別の会議室に移動してアウラード大帝国の重鎮達を交えての話し合いが行われる予定だ。

「アウラード大帝国の重鎮って誰でしゅか?伯父上しか思い当たらないでしゅが?」

デザートであるプリンを美味しそうに頬張るアレクシアを皆が微笑ましく見つめていた。

「何故私なんですか?私は陛下の側近というだけです」

「またまた~!裏ぼしゅなのは分かってましゅよ!」

アレクシアの発言に皆が強く頷いていた。五匹の子犬従魔までもが頷いていたのでロインは溜め息を吐く。

「アウラード大帝国の四騎士。皇帝陛下に忠誠を誓う戦士で、この国の大権力者である方々です」

「魔国の四老会みたいな感じでしゅかね」

「それは楽しみじゃのう~」

四老会みたいと聞いて嬉しそうなのは魔国の大賢者で四老会の一人でもあるポーポトスだ。

「まずはルビー第一側妃のご実家であるスライダー侯爵家から当主であるコウリン・スライダー侯爵、そしてバレリー第三側妃のご実家であるモール侯爵家から当主であるハロルド・モール侯爵、そして北の領地サイドラを治めているラルク・サイドラ辺境伯、最後にアレクシア様の祖父であり我が父であるキネガー公爵家の当主であるローランド・キネガー公爵。この四名が我が国の四騎士です」

話を聞いていた皆の視線がローランドに向けられた。

「おお~!凄い!じいじは四騎士の一人なんでしゅね!!」

「ああ、まあな!俺もなかなか凄いんだぞ!」

孫であるアレクシアに褒められて嬉しそうなローランドだったが、悔しそうなルシアードとデズモンドの視線が気になり静かになる。

「そんな貴方の娘がアレクシアを苦しめたのね?」

エルフの女王であるエルメニアの発言で一気にこの場が静まり返る。

「⋯⋯ああ。俺の娘、スーザンがやった事は許されることじゃない。そんな娘に育てた俺も同罪だ」

ローランドは立ち上がると頭を下げて謝罪する。横でそんな父親を見ていたロインも立ち上がると同じように謝罪した。

「具体的には何をしたんじゃ?」

ミルキルズが口を開いた。

「全てを話しましゅけど、どうか怒りを抑えて下しゃい!」

アレクシアが爺や婆に約束させるが、もう話す前から皆の顔が暗い。

「シアは生まれてすぐに深淵の森に捨てられまちた。魔物に襲われそうになった時に前世の記憶を思いだちて九死に一生を得まちた」

アレクシアの話を静かに聞いてはいるが、部屋中に緊張感と冷たい空気が流れる。

「それからはまともにご飯ももらえない生活でちたので、森に魔物を狩りにいって自給自足してまちた。何人かの刺客も送り込まれまちたが返り討ちにしまちたよ!」

「うぅ⋯可哀想に⋯酷い目に遭ったのう⋯」

鼻水を流しながら泣いているミルキルズ。

「酷い話ね!今すぐにスーザンって女をここに連れて来なさい!」

エルメニアが怒り心頭でルシアードに進言する。

「む。俺も同罪だ。死産だという報告を真に受けても調べもしなかった」

そんなルシアードにも非難の目が向けられる。

「アレクシア、その女を許すのか?」

デズモンドが真剣な眼差しでアレクシアに真意を問う。

「分かりましぇん。⋯でも落ち着いたらシアから母上に会いに行きましゅ」

「⋯そうか。だったら婚約者として俺も一緒に行くぞ」

いつもは悪態をつくアレクシアだが、今回は何も言わないのでデズモンドは少し嬉しそうだ。

「はぁ、お前は悪くないのにな。何で親に恵まれないんだ」

ゼストは昔を思い出したのか寂しそうに呟いた。昔のアリアナ時代も赤子の時に実の親によって崖から捨てられた過去がある。その時に助けてくれたのが後の育ての親になる竜族族長のゼストであった。

「お主も若いうちから苦労するのう?」

「ポポ爺、そんな可哀想なシアにお恵みを~」

そう言ながら両手を広げて待っているアレクシア。

「お小遣いか?」

「全財産でしゅ」

「この馬鹿ちんが!」

ポーポトスに怒られても屁でもないアレクシアは、ふとずっと泣いているミルキルズへと視線を移した。

「ミル爺泣かないで下しゃいな!」

「アレクシア、これから幸せになるんじゃぞ?」

「ミル爺、そんな健気なシアにお恵みを~」

「うぅ⋯小遣いか?」

「全鱗でしゅ!」

ミルキルズに変わってエルメニアから拳骨が落とされた。

「痛いでしゅ!魔法しか使えない婆様だと思ったのに詐欺でしゅよ!」

失言が多いアレクシアだが、今度はエルメニアから笑顔でほっぺを抓られている。

「イデデ!ヘルプミー!」

涙目のアレクシアをすぐに立ち上がり助け出すルシアードとデズモンド。

「アレクシア、今は幸せか?」

今まで静かに聞いていたデイルズがアレクシアに問いかけた。

「あい!今も凄く幸せで楽しいでしゅ!!」

満面の笑みで答えたアレクシアを見てデイルズは静かに笑った。

「父上もいるし、じいじも伯父上も兄姉達もいましゅ!それにまた皆んなにも会えまちた!これ以上に嬉しい事はないでしゅよ!!」

それを聞いていた皆が涙を流す。神獣ガイアも大号泣で、隣にいるナナーサに涙を拭いてもらっていた。

五匹の子犬従魔もポロポロと泣いていて、アランカルトが一匹一匹と順番に涙を拭いてあげていた。ウロボロスも小鳥姿のままポロポロと泣いている。

「⋯⋯湿っぽくなっちゃいまちたね!せっかくのデザートでしゅから美味しく笑顔で食べましゅよ!」

アレクシアはそう言うとまた席に座り、食べてる途中だったプリンをまた食べ始める。

「ここでの披露会が終わったら魔国での披露会じゃな!わしは楽しみじゃ!」

デイルズが今からウキウキしている。

「婚約指輪も準備したぞ。ステラとの離縁も手続き中だ」

デズモンドも嬉しそうにアレクシアに報告する。

「子供達は大丈夫なんでしゅか⋯それが心配でしゅ」

「マクロスとリリスは大喜びで婚約式の準備をしてるぞ?ステラは⋯冒険の準備を楽しそうにしてる」

「⋯⋯」

アレクシアは何とも言えずに苦笑いするが、ここでいきなりルシアードが立ち上がった。

「む。俺は可愛いアレクシアに結婚して欲しくない!!」

「シアはまだ三歳のちんちくりんでしゅよ⋯って誰がちんちくりんじゃ!!」

「む。俺はちんちくりんとは言ってないぞ?可愛いアレクシアと言ったんだ」

お馬鹿な会話をする二人を穏やかに見守る一同。

「孫の幸せは応援しないとな!」

ローランドの中では罪悪感もあるので、自分の娘のせいで不幸な生い立ちになってしまったアレクシアの幸せを心から願っていた。

「私も賛成です。魔国の王との婚約なら貴族達も他国も文句が言えないでしょう?」

そう言いながら不敵に笑うロインを見て、アレクシアはそっと視線を逸らしたのだった。













しおりを挟む
感想 1,401

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について

いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。 実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。 ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。 誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。 「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」 彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。 現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。 それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。

モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで

ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。 だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。 「私は観る側。恋はヒロインのもの」 そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。 筋肉とビンタと回復の日々。 それなのに―― 「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」 野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。 彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。 幼馴染ヴィルの揺れる視線。 家族の温かな歓迎。 辺境伯領と学園という“日常の戦場”。 「……好き」 「これは恋だ。もう、モブではいたくない」 守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、 現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。 これは―― モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。 ※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。 ※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。 ※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。