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二章 小蘭(シャオラン)の掃除
狩りへの参加②
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「何で⋯何なのこの⋯」
何を言っていいか分からないほどに驚いているのは第二皇女の蓉花だ。
翌日、小蘭との約束通りに馬小屋へ向かった蓉花だが、そこには確かに小蘭と白風が立っていた。嬉しそうにこちらに手を振る小蘭に、少し照れたようにそっぽを向く蓉花だったが、次の瞬間には腰を抜かしそうになるほど驚く事になる。
そこには二人の女官以外に、第二皇子である龍麒に青州王の嫡男である青栄樹、そして白州王の嫡男である白風雷という昨日のメンバーに加え、緑州王である緑光海と黒州王である黒麗南、そして紅州王である紅司炎も準備された椅子に優雅に座りながら何やら話していた。
「五大名家が勢揃いじゃない!何なのよ!ただの馬乗りの練習に政でも揃わない五大名家が何で揃うのよ!」
「おお!良いツッコミ!」
思わず拍手する小蘭だが、その横で見知った顔の幼い男の子も嬉しそうに拍手した。
「龍朱もいるわ!いつもなら集まらない兄弟が何で馬乗りに集まるのよ!訳がわからん!」
「おお!更に良いツッコミ!才能があるわ!」
「嬉しくないわよ!」
何だかんだ言っても、小蘭に対して悪い感情を持っていない蓉花。そんな姉を見た龍朱はすごく嬉しそうにはしゃいでいた。
滅多に会う事がなかった兄姉と会えて、普通に会話までしている。色々なしがらみで兄弟同士でも歪み合い、殺し合いにまで発展するのが皇族だ。それを幼い頃から聞いてきた龍朱だが、信じたくなかった。女官や従者が兄妹の話をしている時は嬉しそうに話すのが最初は不思議だった。兄姉は敵なのに何で嬉しそうなのと聞くと、皆は複雑そうな顔をするだけだった。
でも今は分かる。兄姉は家族であり仲良くするものだ。仲良くすると父上も嬉しそうだし、自分も温かい気持ちになり、ぐっすり眠れて、早く明日になって欲しいと思うのだ。
「天使ちゃんも練習に参加したいって言ったので、可愛いから攫ってきました!」
「おい!今の発言はやばいわよ!兄上!皇族誘拐犯が堂々としてるわよ!」
ニコニコしている龍朱を持ち上げてそう言う小蘭に、呆れる蓉花は龍麒に助けを求めた。
「ああ、お前もこいつの凄さがわかってきたか」
「何なの!そのクールな感じは!凄くないわよ!逆にやばいのよ!」
息も絶え絶えになりながらツッコむ蓉花を見ていた皆が一斉に拍手する。
「ただの我が儘な女だと思っていたが⋯小蘭を喜ばすなんてやるな」
緑光海がライバルを見るように蓉花を牽制する。
「緑州王は馬鹿だったの?」
蓉花の発言に感心するのは黒麗南だ。
「このサイコパスに馬鹿と言えるとは⋯ただの馬鹿な女だと思っていたがやるな」
「我が儘とか馬鹿とか⋯皇族に対して散々な言いようね?」
呆れながらも何故かいつもの様に怒りが湧いてこない自分を不思議に思っていると、馬の調教師が何頭かの立派な馬を連れてやって来た。だが皇族や五大名家がいるので緊張で今にも倒れそうなほど顔面蒼白だ。
「馬だけ置いていってくれれば、あとは大丈夫です。一刻後にまた来て下さい」
小蘭の言葉に調教師達は助かったとばかりにお礼を言うと、逃げるように消えていった。
「さて、まずは私の肩慣らしかな~」
そう言った小蘭は目の前にいる厳つい黒馬に軽々と乗った。それには蓉花も龍朱も驚くが、龍麒は小蘭の後を追うように近くにいた赤馬に乗った。
「よし!行くぞ!」
「ヘイ!」
「⋯⋯」
気のない返事に呆れる龍麒だが、勢いよく走り出した小蘭を追う。二人のスピードと技術に開いた口が塞がらない蓉花と、大はしゃぎの龍朱に、そして茶を飲みながら見学していた五大名家の者達だったが、そこへある人物が近づいてくるのが分かりチラリと見た⋯が、何事もなく前を向いてしまった。
「お前達⋯」
そこへやって来たのはこの国の皇帝である龍飛、その人であった。周りの者や、蓉花、龍朱が恐縮する中で、小蘭は馬乗りに夢中であり、気にも止めていない。更に問題なのは、五大名家の者達の薄い反応だった。
「お前達⋯俺を無視するのは良いが仕事はどうした?あん?」
「どこぞの輩ですか。そういう陛下は仕事はどうしたのですか?」
紅司炎に逆に問い詰められ、目が泳ぐ事になった龍飛は、癒しを求めに末っ子である龍朱の元へ行く。
「おお、おちびも来たか!」
いつもの威厳ある雰囲気がない龍飛に戸惑う龍朱は驚いたのか何と泣き出してしまった。
「うぇぇんーー!いつもの父上じゃないーー!!」
「何でだ!」
つい突っ込みを入れるが、なかなか泣き止まない龍朱に戸惑ってしまう龍飛。
「おい!馬に乗りながら笑うな!見えてるぞ!!」
不敬にも指を差しながら龍飛を笑う小蘭に、周りにいる従者や女官がどんどんと顔面蒼白になっていくのだった。
「私の馬乗り練習じゃないの!?何であんたと兄上の勝負になってるのよ!」
プンスカと怒る蓉花を“すいません”と言いながら宥める白風は、自分に降りかかっている理不尽な状況に苦笑いするしかない。
軍馬に乗り、颯爽と走る龍麒を見ようとどこで聞きつけたのか女官や貴族の娘達が集まって来てしまい、そこで事件が起ころうとしていた。
何を言っていいか分からないほどに驚いているのは第二皇女の蓉花だ。
翌日、小蘭との約束通りに馬小屋へ向かった蓉花だが、そこには確かに小蘭と白風が立っていた。嬉しそうにこちらに手を振る小蘭に、少し照れたようにそっぽを向く蓉花だったが、次の瞬間には腰を抜かしそうになるほど驚く事になる。
そこには二人の女官以外に、第二皇子である龍麒に青州王の嫡男である青栄樹、そして白州王の嫡男である白風雷という昨日のメンバーに加え、緑州王である緑光海と黒州王である黒麗南、そして紅州王である紅司炎も準備された椅子に優雅に座りながら何やら話していた。
「五大名家が勢揃いじゃない!何なのよ!ただの馬乗りの練習に政でも揃わない五大名家が何で揃うのよ!」
「おお!良いツッコミ!」
思わず拍手する小蘭だが、その横で見知った顔の幼い男の子も嬉しそうに拍手した。
「龍朱もいるわ!いつもなら集まらない兄弟が何で馬乗りに集まるのよ!訳がわからん!」
「おお!更に良いツッコミ!才能があるわ!」
「嬉しくないわよ!」
何だかんだ言っても、小蘭に対して悪い感情を持っていない蓉花。そんな姉を見た龍朱はすごく嬉しそうにはしゃいでいた。
滅多に会う事がなかった兄姉と会えて、普通に会話までしている。色々なしがらみで兄弟同士でも歪み合い、殺し合いにまで発展するのが皇族だ。それを幼い頃から聞いてきた龍朱だが、信じたくなかった。女官や従者が兄妹の話をしている時は嬉しそうに話すのが最初は不思議だった。兄姉は敵なのに何で嬉しそうなのと聞くと、皆は複雑そうな顔をするだけだった。
でも今は分かる。兄姉は家族であり仲良くするものだ。仲良くすると父上も嬉しそうだし、自分も温かい気持ちになり、ぐっすり眠れて、早く明日になって欲しいと思うのだ。
「天使ちゃんも練習に参加したいって言ったので、可愛いから攫ってきました!」
「おい!今の発言はやばいわよ!兄上!皇族誘拐犯が堂々としてるわよ!」
ニコニコしている龍朱を持ち上げてそう言う小蘭に、呆れる蓉花は龍麒に助けを求めた。
「ああ、お前もこいつの凄さがわかってきたか」
「何なの!そのクールな感じは!凄くないわよ!逆にやばいのよ!」
息も絶え絶えになりながらツッコむ蓉花を見ていた皆が一斉に拍手する。
「ただの我が儘な女だと思っていたが⋯小蘭を喜ばすなんてやるな」
緑光海がライバルを見るように蓉花を牽制する。
「緑州王は馬鹿だったの?」
蓉花の発言に感心するのは黒麗南だ。
「このサイコパスに馬鹿と言えるとは⋯ただの馬鹿な女だと思っていたがやるな」
「我が儘とか馬鹿とか⋯皇族に対して散々な言いようね?」
呆れながらも何故かいつもの様に怒りが湧いてこない自分を不思議に思っていると、馬の調教師が何頭かの立派な馬を連れてやって来た。だが皇族や五大名家がいるので緊張で今にも倒れそうなほど顔面蒼白だ。
「馬だけ置いていってくれれば、あとは大丈夫です。一刻後にまた来て下さい」
小蘭の言葉に調教師達は助かったとばかりにお礼を言うと、逃げるように消えていった。
「さて、まずは私の肩慣らしかな~」
そう言った小蘭は目の前にいる厳つい黒馬に軽々と乗った。それには蓉花も龍朱も驚くが、龍麒は小蘭の後を追うように近くにいた赤馬に乗った。
「よし!行くぞ!」
「ヘイ!」
「⋯⋯」
気のない返事に呆れる龍麒だが、勢いよく走り出した小蘭を追う。二人のスピードと技術に開いた口が塞がらない蓉花と、大はしゃぎの龍朱に、そして茶を飲みながら見学していた五大名家の者達だったが、そこへある人物が近づいてくるのが分かりチラリと見た⋯が、何事もなく前を向いてしまった。
「お前達⋯」
そこへやって来たのはこの国の皇帝である龍飛、その人であった。周りの者や、蓉花、龍朱が恐縮する中で、小蘭は馬乗りに夢中であり、気にも止めていない。更に問題なのは、五大名家の者達の薄い反応だった。
「お前達⋯俺を無視するのは良いが仕事はどうした?あん?」
「どこぞの輩ですか。そういう陛下は仕事はどうしたのですか?」
紅司炎に逆に問い詰められ、目が泳ぐ事になった龍飛は、癒しを求めに末っ子である龍朱の元へ行く。
「おお、おちびも来たか!」
いつもの威厳ある雰囲気がない龍飛に戸惑う龍朱は驚いたのか何と泣き出してしまった。
「うぇぇんーー!いつもの父上じゃないーー!!」
「何でだ!」
つい突っ込みを入れるが、なかなか泣き止まない龍朱に戸惑ってしまう龍飛。
「おい!馬に乗りながら笑うな!見えてるぞ!!」
不敬にも指を差しながら龍飛を笑う小蘭に、周りにいる従者や女官がどんどんと顔面蒼白になっていくのだった。
「私の馬乗り練習じゃないの!?何であんたと兄上の勝負になってるのよ!」
プンスカと怒る蓉花を“すいません”と言いながら宥める白風は、自分に降りかかっている理不尽な状況に苦笑いするしかない。
軍馬に乗り、颯爽と走る龍麒を見ようとどこで聞きつけたのか女官や貴族の娘達が集まって来てしまい、そこで事件が起ころうとしていた。
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