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第1章 終わりの始まり
「異変」
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「はぁ……」
職員室前で俺は大きくため息を吐いた。
「たかが学校でゲームやるだけで反省文三枚とか、だっる……
ゲームも反省文書くまで没収だし最悪だ……」
俺はぶつくさと不平不満を垂れ流す。
「ねぇ、いい加減学習しよ?
この前も反省文書かされてたじゃない。
次やったら親呼び出しだよ?」
「こっちは学校行ってるせいでゲームやる時間が削れてんだし、休み時間くらいくらいやってもーー」
「ダメに決まってるでしょ!いい加減仕事増やさないでよね。」
呆れた顔で美結がこちらを見る。
今回は自分で仕事増やしたのに……
どうやらこれ以上屁理屈を言っても無駄なようだ
俺はゲームの恨みで美結の方を少し睨みつけた。
「……?な、何……?」
……こうやって改めて美結の顔を見ると、やっぱり綺麗だと感じる。
ショートボブの艶のある髪。
そして均整な顔立ち。
何より翡翠色の目がとても綺麗で、人形みたいだ。
小学校からずっと一緒のクラスで、陰キャの俺にとっては唯一まともに話せる女子だったのだが前はこんな可愛かったっけ?
いつの間にこんなに綺麗になったのか…
「……え、ちょっと、何?何なの?私の顔になんかついてる?」
美結の言葉が俺の思考を遮った。
「あ、いや、その目。綺麗だなって思ってさ。」
しまった。反射的に言ってしまった!
ドン引きされるかもしれない……
「ーーえっ?」
美結が少しの間フリーズした。
ほら、やっぱり引かれーー
「あ、あり、がと……?
翔生にまたそんなこと言われるとは……思わなかった……」
美結は頬を赤らめて口元を手に持っていたノートで隠した。
そのあとはっと我に返った様子で
「も、もう行くね!」
と視線を逸らしながらそそくさと教室へ戻ってしまった。
なんだあの反応は…可愛すぎないか?
もしかして美結ってチョロインか?チョロインなのか?
そんなくだらないことを考えながら、俺も教室に戻る。
その後、俺は業後に反省文を書いてゲームを返してもらい、やっと家に帰ることが出来た。
……帰宅後、家にて。
「ただいまー……って言っても意味ねぇか」
いつもの事だが、返事はない。
「まぁそりゃこんな早く帰ってくるわけないわな…」
俺は苦笑し、荷物を床に降ろしてリビングのソファーにもたれかかった。
俺の両親は共働きをしている。
父はアニメーターで、母は飲食店を経営していて共に夜遅くまで働いており、登校と同時に家を出て、帰宅はいつも夜の11時頃だ。
労働基準法とか詳しいことはよく分からないが、絶対違反していると俺は思う。
俺だったら絶対働きなくないねそんな職場。
いつものようになんとなくテレビをつけると、ニュースが報道されていた。どうやら県内で暴動が起きたらしい。
「ここ最近暴動事件…多いなぁ」
あくまでこの時の俺は、ニュースの中での知識しかなく、「世の中物騒だなぁ」程度にしか思っていなかった。
その程度の認識だった俺は、明日世界が終わることもしらずに特に気にもせず、いつも通りゲームをして帰宅の遅い親を待ち、翌朝学校へ登校したのだった……
登校している途中、背後から声がした。
「お、翔生じゃん。おはよ~」
振り向くと、自転車をこぐ博の姿があった。
和尚呼びはさすがにやめて貰えたらしい。
「ん?ああ、おはよ。」
大きなあくびをしながら返事をした。
「お前その目のクマ……もしかしてまた徹夜?」
「あー、まぁ、ちょっとね。アイテム集めるために3時まで周回してた。」
「マジかよ…3日連続徹夜とかよく出来るなーーってことはもしかして、テスト対策とかやってない感じ?」
「…え?テスト?」
俺はきょとんとした顔で首を傾げた。
ーーーそういえば思い出した。今日は英語の単語テストがあるのだった。
その刹那、俺は悟った。
あー、オワッタ……と。
まぁやってても英語苦手だからどうせ不合格だし、詰んでるんだけれども。
「オレチョットハライタクナッテキタ。サキイッテテイイヨ。」
俺は咄嗟に方向転換をし、家の方に向かって歩こうとする。
「ちょっ、お前何サラッと帰ろうとしてんの。させねぇからな?」
精一杯帰ろうと試みたが、女子にでさえ筋力で勝てないのに博に力で叶うはずもなく、襟を捕まれて自転車に乗せられ、強引に学校まで連れていかれたのだった…
その時、またゲームが出来なくなるという憂鬱からか、俺は学校なんて潰れてしまえと冗談半分だが思ってしまっていた。
今思えば、神様がその願いを叶えてくれたのだろうか?
こんな憂鬱で、当たり前だと思っていたことが、この後本当の終わりを迎えようとは...…俺だけではない、誰もが想定することが出来ないのだろうーーー。
職員室前で俺は大きくため息を吐いた。
「たかが学校でゲームやるだけで反省文三枚とか、だっる……
ゲームも反省文書くまで没収だし最悪だ……」
俺はぶつくさと不平不満を垂れ流す。
「ねぇ、いい加減学習しよ?
この前も反省文書かされてたじゃない。
次やったら親呼び出しだよ?」
「こっちは学校行ってるせいでゲームやる時間が削れてんだし、休み時間くらいくらいやってもーー」
「ダメに決まってるでしょ!いい加減仕事増やさないでよね。」
呆れた顔で美結がこちらを見る。
今回は自分で仕事増やしたのに……
どうやらこれ以上屁理屈を言っても無駄なようだ
俺はゲームの恨みで美結の方を少し睨みつけた。
「……?な、何……?」
……こうやって改めて美結の顔を見ると、やっぱり綺麗だと感じる。
ショートボブの艶のある髪。
そして均整な顔立ち。
何より翡翠色の目がとても綺麗で、人形みたいだ。
小学校からずっと一緒のクラスで、陰キャの俺にとっては唯一まともに話せる女子だったのだが前はこんな可愛かったっけ?
いつの間にこんなに綺麗になったのか…
「……え、ちょっと、何?何なの?私の顔になんかついてる?」
美結の言葉が俺の思考を遮った。
「あ、いや、その目。綺麗だなって思ってさ。」
しまった。反射的に言ってしまった!
ドン引きされるかもしれない……
「ーーえっ?」
美結が少しの間フリーズした。
ほら、やっぱり引かれーー
「あ、あり、がと……?
翔生にまたそんなこと言われるとは……思わなかった……」
美結は頬を赤らめて口元を手に持っていたノートで隠した。
そのあとはっと我に返った様子で
「も、もう行くね!」
と視線を逸らしながらそそくさと教室へ戻ってしまった。
なんだあの反応は…可愛すぎないか?
もしかして美結ってチョロインか?チョロインなのか?
そんなくだらないことを考えながら、俺も教室に戻る。
その後、俺は業後に反省文を書いてゲームを返してもらい、やっと家に帰ることが出来た。
……帰宅後、家にて。
「ただいまー……って言っても意味ねぇか」
いつもの事だが、返事はない。
「まぁそりゃこんな早く帰ってくるわけないわな…」
俺は苦笑し、荷物を床に降ろしてリビングのソファーにもたれかかった。
俺の両親は共働きをしている。
父はアニメーターで、母は飲食店を経営していて共に夜遅くまで働いており、登校と同時に家を出て、帰宅はいつも夜の11時頃だ。
労働基準法とか詳しいことはよく分からないが、絶対違反していると俺は思う。
俺だったら絶対働きなくないねそんな職場。
いつものようになんとなくテレビをつけると、ニュースが報道されていた。どうやら県内で暴動が起きたらしい。
「ここ最近暴動事件…多いなぁ」
あくまでこの時の俺は、ニュースの中での知識しかなく、「世の中物騒だなぁ」程度にしか思っていなかった。
その程度の認識だった俺は、明日世界が終わることもしらずに特に気にもせず、いつも通りゲームをして帰宅の遅い親を待ち、翌朝学校へ登校したのだった……
登校している途中、背後から声がした。
「お、翔生じゃん。おはよ~」
振り向くと、自転車をこぐ博の姿があった。
和尚呼びはさすがにやめて貰えたらしい。
「ん?ああ、おはよ。」
大きなあくびをしながら返事をした。
「お前その目のクマ……もしかしてまた徹夜?」
「あー、まぁ、ちょっとね。アイテム集めるために3時まで周回してた。」
「マジかよ…3日連続徹夜とかよく出来るなーーってことはもしかして、テスト対策とかやってない感じ?」
「…え?テスト?」
俺はきょとんとした顔で首を傾げた。
ーーーそういえば思い出した。今日は英語の単語テストがあるのだった。
その刹那、俺は悟った。
あー、オワッタ……と。
まぁやってても英語苦手だからどうせ不合格だし、詰んでるんだけれども。
「オレチョットハライタクナッテキタ。サキイッテテイイヨ。」
俺は咄嗟に方向転換をし、家の方に向かって歩こうとする。
「ちょっ、お前何サラッと帰ろうとしてんの。させねぇからな?」
精一杯帰ろうと試みたが、女子にでさえ筋力で勝てないのに博に力で叶うはずもなく、襟を捕まれて自転車に乗せられ、強引に学校まで連れていかれたのだった…
その時、またゲームが出来なくなるという憂鬱からか、俺は学校なんて潰れてしまえと冗談半分だが思ってしまっていた。
今思えば、神様がその願いを叶えてくれたのだろうか?
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