予言者のジレンマ

オレオレ!

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ストーリー第8話

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結と言う頼れる姉の存在は絢にとって嬉しかった、
結とずっと住んでいた為に
結の未来は、絢の知るそれと全く違うものになっていた

正直な話、結を見るたびに全く違うウインドウを見させられるたびに嫌な気持ちになっていた
だから極力結を見ないように生活していた
結も最初は嫌われていると思ったが
単にそれは勘違いだと分かってからは極力気をつける様にしてた

なので実は、結は本来の未来よりよっぽど素晴らしい生活を送っていたのだが、絢はそれに気づけなかった

絢は、占い師を始めることを考えていた、毎週ナンバーズの購入は
結は外出出来ない自分に代わって
あちこちの宝くじ売り場に、行っては少額当選の配当を貰う事をしていたがずっと当たり続けて配当を貰う事は、それなりにリスクがある事だった、それを今自分が行う事で嫌と言うほど身にしみて理解出来た、改めて結に頭が上がらなくなる絢であった

最初は流しの占い師を行う事を考えていたが、許可が無いと、ヤクザや警察がやってくるそれは困る

なので占いの館みたいな、1つの建物で複数の変な占い師がたくさん居るような場所に、最初はアルバイトで入った

基本は掃除やお客さんの整理、各部屋の占い師さんの雑用などを働く、そのうち、占い師さんの空きが出来た

とりあえずベールで顔を隠し
更にサングラスとマスクで顔を隠す
占い師って年齢的におばさんが説教する感じの方が人気があった

でも、私は、未来が見える大丈夫
あっ、お客さん
「ねえ、私達の将来を占って」

「えっと、3ヶ月後にお姉さんの浮気がバレてる破局する未来が見えます」

「ふざけんじゃないわよ!浮気相手なんていないわよー!」

「ええ、お姉さんに2ヶ月後に現れる男性です」

「はぁ?、お前浮気するの?」
彼が怒る

「する訳無いでしょー、こんなインチキ占い師!」二人はカンカンに怒って出ていった

「あの、見料」

二人にキッと睨まれた
そこから何も言えなくなった


二人目、若い男性
「仕事運を見てもらえますか」

「貴方は3年後ガンで死にます
来年倒れて、その後健診した時には既に手遅れと言われる未来が見えます」

「マジっすか・・・、
マジっすか・・・
ありがとうございます・・・」
男性は真っ青な顔をして出ていった

3人目
若い女の人
「恋愛運みて貰える?」

「結婚は30才ですね」

「えっそんなに遅いの?」

「今の彼氏は卒業して3ヶ月で別れます、2番目はその後1か月後に出会って、2ヶ月付き合います
、その半年後に付き合う3番目の彼氏と結婚します」

「ちょっとまってよ、卒業って高校だよね、てことは結婚する3番目は19才に出会って付き合ってるのに結婚が30才なの?
あなた、計算出来ないの
嘘つくにしてももっとマシな嘘つきなさいよね!!」

その夜、絢は支配人にクビを言い渡された
    
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