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1st脱出
1st脱出-その3-
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「アリア! 今日は驚きの知らせがあるんです!」
『……あら、何かしら?』
「なんと、カルロッタ姉上が処刑されました!」
『……カルロッタ……?』
「僕の一番上の姉上です。カルロッタ姉上は王位継承権第二位なのですが、第一位であるスティーブン兄上を陥れようと隣国と内通していたらしくそれが判明し、処刑されてしまったそうです」
レインの説明にアリアはああ、と手を打った。
ヴァンと二人で隣国に行った時に国の上層部に内通者がいることが判明し、調査した結果その内通者の首謀者がカルロッタ姫である事を突き止めてしまったのはヴァンとアリアだ。
それによりしばらく命を狙われ、激務に追われていたのだがそれが漸く片付いたのだとアリアには分かった。
ヴァンとレイン以外には興味もないので名前を忘れていたがそう言えばそんな名前だった思い至った。
ようやくヴァンも休めるのねと内心安堵するアリア。
『……姫君が国を裏切る事もあるのねぇ』
「まさか姉上がその様な事をなさるとは驚きですよね」
アリアの言葉にレインもうんうんと頷く。
ふと、思いついた表情を浮かべたレインはアリアに質問した。
「アリア、確かしばらく前に隣国に行っていましたよね? その後も何だか忙しそうでしたし、もしかしてアリア達が調べたのですか?」
『……さあ、どうかしらね?』
「姉上も処刑されるのは回避したかったでしょうし、気付いた者は排除しようとしたでしょうし……ああ、だから僕の傍にいられる時間が少なくなったのですね」
『……さあ、どうかしらね?』
察しの良いレインにアリアは冷や汗を垂らす。
ヴァンがカルロッタ姫処刑の裏で動いていたと囁かれる様になっては今後の彼に身の危険が及ぶかもしれない。
それだけは避けなければならない。
『……もしそんな噂が流れてしまったらこれまで以上にレインと一緒にいられなくなってしまうかもしれないわねぇ』
「!! すみません、僕の考えすぎですね。 アリアが関わっている訳ないですよね!」
察しの良いレインはアリアの言わんとする事を察して慌てて知らないふりをし、話を変える。
「そう言えば話は変わりますがアリア、以前は僕に対する会話は全てひらがなでしたよね? 何故なのですか?」
『……ああ、これ? あの時はレインがどこまで読めるか分からなかったの』『……だからとりあえず全てひらがなにしてみたのよ。けど、レインは優秀だったから』『……こっちに変えたの。こっちの方が読みやすいでしょう?』
「なるほど、そうだったのですね」
アリアに優秀と褒められたレインは嬉しそうな表情を浮かべ、抱き着いたが怪訝な顔をしてアリアを見上げる。
「アリア? どこか調子でも悪いんですか?」
『……いいえ? どうして?』
「いえ、何だかいつもより空気にハリが無いような気がしたので」
『……ふふふっ、空気にハリだなんて可笑しな事を言うわねぇ』
「……笑わないで下さい」
頬を膨らませ、そっぽを向いたレインの頬をアリアは笑いながらつつく。
そんなアリアをちらりと横目で見たレインはいつもと変わらないその笑顔に気のせいだったかと思い直した。
約束の二週間まであと五日。
『……あら、何かしら?』
「なんと、カルロッタ姉上が処刑されました!」
『……カルロッタ……?』
「僕の一番上の姉上です。カルロッタ姉上は王位継承権第二位なのですが、第一位であるスティーブン兄上を陥れようと隣国と内通していたらしくそれが判明し、処刑されてしまったそうです」
レインの説明にアリアはああ、と手を打った。
ヴァンと二人で隣国に行った時に国の上層部に内通者がいることが判明し、調査した結果その内通者の首謀者がカルロッタ姫である事を突き止めてしまったのはヴァンとアリアだ。
それによりしばらく命を狙われ、激務に追われていたのだがそれが漸く片付いたのだとアリアには分かった。
ヴァンとレイン以外には興味もないので名前を忘れていたがそう言えばそんな名前だった思い至った。
ようやくヴァンも休めるのねと内心安堵するアリア。
『……姫君が国を裏切る事もあるのねぇ』
「まさか姉上がその様な事をなさるとは驚きですよね」
アリアの言葉にレインもうんうんと頷く。
ふと、思いついた表情を浮かべたレインはアリアに質問した。
「アリア、確かしばらく前に隣国に行っていましたよね? その後も何だか忙しそうでしたし、もしかしてアリア達が調べたのですか?」
『……さあ、どうかしらね?』
「姉上も処刑されるのは回避したかったでしょうし、気付いた者は排除しようとしたでしょうし……ああ、だから僕の傍にいられる時間が少なくなったのですね」
『……さあ、どうかしらね?』
察しの良いレインにアリアは冷や汗を垂らす。
ヴァンがカルロッタ姫処刑の裏で動いていたと囁かれる様になっては今後の彼に身の危険が及ぶかもしれない。
それだけは避けなければならない。
『……もしそんな噂が流れてしまったらこれまで以上にレインと一緒にいられなくなってしまうかもしれないわねぇ』
「!! すみません、僕の考えすぎですね。 アリアが関わっている訳ないですよね!」
察しの良いレインはアリアの言わんとする事を察して慌てて知らないふりをし、話を変える。
「そう言えば話は変わりますがアリア、以前は僕に対する会話は全てひらがなでしたよね? 何故なのですか?」
『……ああ、これ? あの時はレインがどこまで読めるか分からなかったの』『……だからとりあえず全てひらがなにしてみたのよ。けど、レインは優秀だったから』『……こっちに変えたの。こっちの方が読みやすいでしょう?』
「なるほど、そうだったのですね」
アリアに優秀と褒められたレインは嬉しそうな表情を浮かべ、抱き着いたが怪訝な顔をしてアリアを見上げる。
「アリア? どこか調子でも悪いんですか?」
『……いいえ? どうして?』
「いえ、何だかいつもより空気にハリが無いような気がしたので」
『……ふふふっ、空気にハリだなんて可笑しな事を言うわねぇ』
「……笑わないで下さい」
頬を膨らませ、そっぽを向いたレインの頬をアリアは笑いながらつつく。
そんなアリアをちらりと横目で見たレインはいつもと変わらないその笑顔に気のせいだったかと思い直した。
約束の二週間まであと五日。
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