56 / 103
56.伝説の武器
天空の魔女 リプルとペブル
しおりを挟む
56.伝説の武器
リプルたちが、校長室へ入ると、校長先生はドアにしっかりと内側から鍵をかけた。
そして、立ち上がって、部屋の隅に飾られている古びた鏡の前で、パチンと指を鳴らした。
すると、鏡の中から大きな木の宝箱を持った先生の使い魔であるドラゴンが現れた。
ドラゴンは宝箱を校長先生の前に置くと、また鏡の中へと戻っていった。
ドラゴンが持っているとさほど大きくは見えなかったけれど、こうして目の前に置かれてみると、宝箱は軽く人が横たわれるくらいの大きさで、頑丈に作られていた。
細部には古い聖なる言葉らしきものが彫刻されている。
リプルの目が輝いた。まさか伝説の武器を目にする機会があるなんて。
校長先生が、宝箱の上のほこりをサッと手で払いながら説明する。
「これが、聖なる力の宿った武器です。地上で戦う時には、私たちの魔法でも充分、闇の天魔たちと戦える。しかし、闇の大地では私たちの魔法だけでは、闇の天魔たちにたちうちできないのです。こうした聖なる武器を使わないと、闇の天魔たちと互角に戦うことはできません。この武器は、前回の厄災でも使われたもので、数百年、人里離れたこの地で私たちの先祖が代々守りぬいてきたものです。まさか私の代で、この武器を再び日の光に当てることになるとは」
校長先生は、よっこらしょと重々しい箱の扉を持ち上げた。
リプルたちがのぞき込むと、持ち手に細かく龍が細工された銀の剣。
両端が研ぎ澄まされた歯になっている鋼の斧。
金の糸が張られた弓に銀色の羽根がついた矢など、いかにも魔力を秘めていそうな武器が入っている。
ちらりと見えただけだけれど、リプルの好奇心を刺激するのに充分だった。(王都についたら図書館で、伝説の武器について調べなきゃ)新しい目的が加わってリプルは、早く王都に行きたいと心から願った。
校長先生を囲んで、リプルたちがお茶を飲んでいると、ホキントン先生が入ってきた。
手には、分厚い紙の束をもっている。
「リプル、ペブル、よかったわ。間に合って。うっかり忘れるところだったの。あなたたちがいない間の魔法の勉強の資料と、宿題プリント」
と、厚い紙の束をリプルに渡す。
「それから、こっちの束は、王都で使われている魔法についてのリポートを書いて欲しいの。これは、宿題というよりは、研究の参考資料にしたいから私からのお願いよ。では、気をつけて行ってきて。そして、楽しんできてね。ジール様、リプ・ペブをよろしくお願いします」
ホキントン先生は、にこやかにそう言うと、あっけにとられた表情の二人を残して部屋を出て行った。
「すごい量の宿題だね……」
ジールが放心状態のペブルを気の毒そうに見やった。
「ジール、クッキー缶1個あげるから、この宿題10枚やってくれない、どう?」
ジールにせまるペブルの頭をロッドがポカッと叩いた。
リプルたちは、みんなで聖なる武器の入った宝箱を馬車の荷台へと運び積み込んだ。
リプルたちが、校長室へ入ると、校長先生はドアにしっかりと内側から鍵をかけた。
そして、立ち上がって、部屋の隅に飾られている古びた鏡の前で、パチンと指を鳴らした。
すると、鏡の中から大きな木の宝箱を持った先生の使い魔であるドラゴンが現れた。
ドラゴンは宝箱を校長先生の前に置くと、また鏡の中へと戻っていった。
ドラゴンが持っているとさほど大きくは見えなかったけれど、こうして目の前に置かれてみると、宝箱は軽く人が横たわれるくらいの大きさで、頑丈に作られていた。
細部には古い聖なる言葉らしきものが彫刻されている。
リプルの目が輝いた。まさか伝説の武器を目にする機会があるなんて。
校長先生が、宝箱の上のほこりをサッと手で払いながら説明する。
「これが、聖なる力の宿った武器です。地上で戦う時には、私たちの魔法でも充分、闇の天魔たちと戦える。しかし、闇の大地では私たちの魔法だけでは、闇の天魔たちにたちうちできないのです。こうした聖なる武器を使わないと、闇の天魔たちと互角に戦うことはできません。この武器は、前回の厄災でも使われたもので、数百年、人里離れたこの地で私たちの先祖が代々守りぬいてきたものです。まさか私の代で、この武器を再び日の光に当てることになるとは」
校長先生は、よっこらしょと重々しい箱の扉を持ち上げた。
リプルたちがのぞき込むと、持ち手に細かく龍が細工された銀の剣。
両端が研ぎ澄まされた歯になっている鋼の斧。
金の糸が張られた弓に銀色の羽根がついた矢など、いかにも魔力を秘めていそうな武器が入っている。
ちらりと見えただけだけれど、リプルの好奇心を刺激するのに充分だった。(王都についたら図書館で、伝説の武器について調べなきゃ)新しい目的が加わってリプルは、早く王都に行きたいと心から願った。
校長先生を囲んで、リプルたちがお茶を飲んでいると、ホキントン先生が入ってきた。
手には、分厚い紙の束をもっている。
「リプル、ペブル、よかったわ。間に合って。うっかり忘れるところだったの。あなたたちがいない間の魔法の勉強の資料と、宿題プリント」
と、厚い紙の束をリプルに渡す。
「それから、こっちの束は、王都で使われている魔法についてのリポートを書いて欲しいの。これは、宿題というよりは、研究の参考資料にしたいから私からのお願いよ。では、気をつけて行ってきて。そして、楽しんできてね。ジール様、リプ・ペブをよろしくお願いします」
ホキントン先生は、にこやかにそう言うと、あっけにとられた表情の二人を残して部屋を出て行った。
「すごい量の宿題だね……」
ジールが放心状態のペブルを気の毒そうに見やった。
「ジール、クッキー缶1個あげるから、この宿題10枚やってくれない、どう?」
ジールにせまるペブルの頭をロッドがポカッと叩いた。
リプルたちは、みんなで聖なる武器の入った宝箱を馬車の荷台へと運び積み込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
未来スコープ ―キスした相手がわからないって、どういうこと!?―
米田悠由
児童書・童話
「あのね、すごいもの見つけちゃったの!」
平凡な女子高生・月島彩奈が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“課題を通して導く”装置だった。
恋の予感、見知らぬ男子とのキス、そして次々に提示される不可解な課題──
彩奈は、未来スコープを通して、自分の運命に深く関わる人物と出会っていく。
未来スコープが映し出すのは、甘いだけではない未来。
誰かを想う気持ち、誰かに選ばれない痛み、そしてそれでも誰かを支えたいという願い。
夢と現実が交錯する中で、彩奈は「自分の気持ちを信じること」の意味を知っていく。
この物語は、恋と選択、そしてすれ違う想いの中で、自分の軸を見つけていく少女たちの記録です。
感情の揺らぎと、未来への確信が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第2作。
読後、きっと「誰かを想うとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
