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第四章

二話【新たな村人】

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「クッソ~ 騙された!」

「寝てるからじゃないですか!」

起こされた惣一郎が購入した22人を改めて確認すると、戦えそうな戦士は3人しかおらず、生産系ドワーフが4人と、残り15人は、見た目の良い若い娘さんであった。

考えれば分かる。

奴隷には生活が難しい若い娘が多いのは、当たり前だった。

今回のオークションは特に、戦士系が少なかったそうだ。

「オークションでは返品出来ませんよ!」

「わかってるよ、ゴゴ……」

渋々、コネリに総額分の魔石を渡し、契約の為に部屋を移動する惣一郎。

戦士系より、はるかに高い少女達。

確かに見た目も綺麗な子ばかりであるが、好みの熟女はいない。

肩を落とし部屋に入る惣一郎。

時間をかけ、一人づつ契約を結ぶ。



「こんな買い方する人は初めて見ましたよ!」

まだまだ魔石に余裕はあるので、もう少し店を見て回ろうか考える惣一郎だったが、取り敢えずこの人数で進めて見ようと諦める。

コネリに礼を言い、ゴゴと会場を出る惣一郎。

ゾロゾロと22人を引き連れて歩くふたりは恥ずかしそうに、顔を赤くしていた。

「この人数ですと、宿も限られますな~」

「いや、何処か目立たない、緑の多い場所はないか?」

意味がよく分からず言われるがまま街外れの林に案内するゴゴ。

洞窟の中にはこういう場所も必要なのだろう、岩肌近くの家の裏にある林に着くと、惣一郎は種を出し地面に置くと、周りの木々そっくりな木が現れる。

その瞬間を見なければ、一本増えたことなど誰も気付かない事だろう。

「コレは、ツリーハウスですか! ですがこの人数では……」

「まぁ、ゴゴには色々世話になったし、お前も寄っていけ」

そう言うと惣一郎は全員を木の中へ案内する。



「おかえり、主人…よ………」

団体に驚くスワロ。

遅れて現れるミネア達も言葉を無くす。

「なんや、随分と若い娘を連れて来て、ハーレムでも作るんとちゃうやろな」

うるさいよ……

そのまま広い玄関奥の扉から中庭に出ると、全員集める惣一郎。

ゴゴと奴隷達は目を丸くし、5本の大きな木に囲まれた広い中庭で、放心状態だった。

「え~ 皆さん、改めまして、俺は蟲を倒しながら旅をしている惣一郎と言います」

惣一郎は説明を省く為、隣に巨大な厄災の死骸を出す。

「ここは大きなツリーハウスの中です。皆さんにはここで生活をして頂きます。食事や部屋、着るものもこちらで用意しますが、皆さんにはここで生活に必要な仕事をしてもらいます」

みんな驚きすぎて、聞いてるのか聞いてないのかわからない顔であった。

「このツリーハウス…… いえ、この村の名はユグポンです。ツリーハウスなので持ち運びながら旅をして行くのですが、この中にいる分には蟲に襲われる事も無いので、安心して下さい」

「主人よ、皆驚いて聞いてないぞ……」

仕方ない……

惣一郎は中庭にいくつもベンチテーブルを出し、先ずは食事を摂らせる事にする。

ミネア達姉妹がせっせと手伝い、スワロが各テーブルを回り、不安を無くす様、話をしながら飲み物を配るが、ダークエルフという事で逆に不安にさせる。

惣一郎はドラミと取り敢えずの寝床を作りに、三段上の広場に大きな古屋を三つ立て始める。

ユグポンの中では、惣一郎の想像した古屋が地面から生えて来る。

興味からついて来たゴゴは、ずっと驚きっぱなしであった。


新たな仲間の内訳は、戦士予定の体格のいい虎の獣人の男。

長髪オールバックのイケメンエルフの男。

体に無数の傷痕がある、表情が分からないリザードマンの多分…男。

生産系は4人とも背の低い髭面のドワーフの男達。

そして見目麗しい人族の若い女性9人に、金髪エルフの綺麗な女性4人、牛と羊の獣人でセクシーな女性の2人。

驚く事に、全員名前が無い……………





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