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第三章
七話 【魅入られたベンゾウ!】
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目の前に現れた、二本の小刀に鳥肌が立つ…
この世界では、向こうの物の用途が強化される。
作り手の思いも…
この二刀には、どれだけの思いが込められているのだろうか…
ベンゾウは全身の毛が逆立っていた。
瞬きも出来ずにいるベンゾウが、その小刀を鞘から抜くと、青白く光る刀身は美しい刃紋を「チン」っと澄んだ音と共に空気を凍らせ、その美しさに魅入られる。
分厚いメガネの少女は、小さい声で呟く。
「なんだコレ…」
試し切りがしたいと國家と國千代を握る少女が、テントを出て行く。
ズシリとくる重さを確認し、構えるベンゾウ。
銀の疾風が吹くと目の前の木が綺麗に崩れ落ちる。
振り抜いた姿勢のまま眼を見開き、驚き固まるベンゾウ。
その表情が見れただけでも、高い買い物をした甲斐はあった。
三徳包丁は後で手入れして、予備として使おうと預かり収納する。
この時間から旅を続けるのも半端過ぎるので、料理を色々作り置きしておく事にする惣一郎。
ベンゾウは國家と國千代を腰に装備するのに皮と紐が欲しいと言うので、銀の狼の魔獣の革と、二刀の鞘の組紐に似た紐をネットで買って渡す。
多めに作った作り置きのおにぎりで夕食を済ませ、早めに寝て明日は早めに出る事にした。
いつまでも見てないで、早く寝なさい!
早朝まだ薄暗い中、テントを収納して旅路に戻るふたり。
腰に狼の銀の毛皮を纏い、2本の漆塗りの美しい刀が鮮やかな組紐で取り付けられ、ベンゾウの足取りは自信に満ち溢れていた。
そして…
この異世界の危険な森で國家と國千代の出番は直ぐに訪れる事になる…
朝陽を遮る薄暗いルイードの森は、まだ終わりが見えない。
前を歩いていたベンゾウの足が急に止まり、ピクピクと耳が動く。
その元冒険者の顔は、新たな武器を試せるチャンスに喜びを隠せずにいた。
やや先の道の真ん中に、遮る様に立つ前屈みの大男のシルエットが見える。
その影が遠吠えに似た声を上げると、森から新たに四つの影が現れる。
ベンゾウはゆっくりと小刀を抜く。
影の正体は… 狼男?
「ご主人様[ベルフ]です。下がってて下さい」
ベンゾウの声は嬉しそうだった。
長い腕を地面まで垂らし、青がかった灰色の狼男ベルフ。
その五匹のうちニ匹が素早く前に出て、上下同時に鋭い爪でベンゾウに襲い掛かる。
魔獣が魅せるコンビネーション!
戦い方を知っている…
その上下の攻撃の真ん中をスルリと優雅に跳ね、すり抜けるベンゾウ。
三匹目がタイミング良く大きな口を開け、鋭い牙でベンゾウを襲う!
ベンゾウはそれも体操競技の跳馬の様に、ヒラリと飛び越え、さらに奥の二匹のベルフに向け小刀を突き付け、構える。
遅れて最初の二匹の腕が鮮血と共に地面に落ち、三匹目の頭も時間差で地面に落ちる…
更に遅れて腕を無くした最初の二匹が、振り返ろうと体を捻ると、肩から腰に体を二つに崩れ落ち、首を無くした三匹目もその場で膝をつくように前に倒れ込む。
惣一郎にはすり抜けただけにしか見えなかった。
残り二匹の顔色が変わるとベンゾウの姿は消え、四匹目の上半身が下半身と分かれる。
最後のベルフの顔は恐怖を色濃く表し、身を翻して四足獣本来の格好で逃げるつもりだったのだろう…
だが既に、横に立つベンゾウ握られた小刀が、ベルフの頭に突き立てられていた。
刺しながらベンゾウはもう、ベルフに興味を無くしたのか、もう片方に握られた小刀を見つめ笑みを浮かべている…
怖いわ!
「凄い… 凄いですコレ!」
興奮状態のベンゾウが空気の抵抗まで切れたとかなんとか、よくわからない事を饒舌に語っていた…
ベルフも売れるとの事でスキルで収納し、まるで何もなかった様に歩き出すふたり。
惣一郎もだいぶ慣れてきている。
歩きながらもベンゾウは、小刀を構えたり振ったりしながら、この美善國家と美善國千代がどれだけ凄いか説明してくれていたが、惣一郎はニコニコしながら全く聞いていなかった。
この小刀、ネットで買える中では最上級の部類だろうが、いわゆる達人と呼ばれる様な人達の愛蔵の一本ってレベルだろう。
もっと本気のウン千万や億のやばい国宝級の刀がこの世界に来たら、一体どうなるのだろう…
そんな事を考えていた。
その後もゴブリンや、猪のギュノ、ガラスの様な透明の角をした鹿[バイソリズー]等を、ベンゾウさんが瞬殺し、森でまた夜を迎える。
テントを出し、煮込みうどんを作り、食事を終えるとベッドの中で惣一郎は昼間の事を思い出し、考えていた。
この世界の魔物と呼ばれるオークやゴブリン、スライムなど… その名前は前から本やアニメで知っていた惣一郎だが、グルピーやギュノ、ベルフ、バイソリズーなんて名前、聞いた事もない事に違和感を感じていた。
俺が知らなかっただけなのか?
ベルフなんて見た感じ、狼男やワーウルフとか聞き覚えありそうな名前でもいいと思うんだが…
異世界に来た時に貰ったスキル、言語理解のバグなのか?
考えてるうちに眠りにつく。
集中力の続かない男…
この世界では、向こうの物の用途が強化される。
作り手の思いも…
この二刀には、どれだけの思いが込められているのだろうか…
ベンゾウは全身の毛が逆立っていた。
瞬きも出来ずにいるベンゾウが、その小刀を鞘から抜くと、青白く光る刀身は美しい刃紋を「チン」っと澄んだ音と共に空気を凍らせ、その美しさに魅入られる。
分厚いメガネの少女は、小さい声で呟く。
「なんだコレ…」
試し切りがしたいと國家と國千代を握る少女が、テントを出て行く。
ズシリとくる重さを確認し、構えるベンゾウ。
銀の疾風が吹くと目の前の木が綺麗に崩れ落ちる。
振り抜いた姿勢のまま眼を見開き、驚き固まるベンゾウ。
その表情が見れただけでも、高い買い物をした甲斐はあった。
三徳包丁は後で手入れして、予備として使おうと預かり収納する。
この時間から旅を続けるのも半端過ぎるので、料理を色々作り置きしておく事にする惣一郎。
ベンゾウは國家と國千代を腰に装備するのに皮と紐が欲しいと言うので、銀の狼の魔獣の革と、二刀の鞘の組紐に似た紐をネットで買って渡す。
多めに作った作り置きのおにぎりで夕食を済ませ、早めに寝て明日は早めに出る事にした。
いつまでも見てないで、早く寝なさい!
早朝まだ薄暗い中、テントを収納して旅路に戻るふたり。
腰に狼の銀の毛皮を纏い、2本の漆塗りの美しい刀が鮮やかな組紐で取り付けられ、ベンゾウの足取りは自信に満ち溢れていた。
そして…
この異世界の危険な森で國家と國千代の出番は直ぐに訪れる事になる…
朝陽を遮る薄暗いルイードの森は、まだ終わりが見えない。
前を歩いていたベンゾウの足が急に止まり、ピクピクと耳が動く。
その元冒険者の顔は、新たな武器を試せるチャンスに喜びを隠せずにいた。
やや先の道の真ん中に、遮る様に立つ前屈みの大男のシルエットが見える。
その影が遠吠えに似た声を上げると、森から新たに四つの影が現れる。
ベンゾウはゆっくりと小刀を抜く。
影の正体は… 狼男?
「ご主人様[ベルフ]です。下がってて下さい」
ベンゾウの声は嬉しそうだった。
長い腕を地面まで垂らし、青がかった灰色の狼男ベルフ。
その五匹のうちニ匹が素早く前に出て、上下同時に鋭い爪でベンゾウに襲い掛かる。
魔獣が魅せるコンビネーション!
戦い方を知っている…
その上下の攻撃の真ん中をスルリと優雅に跳ね、すり抜けるベンゾウ。
三匹目がタイミング良く大きな口を開け、鋭い牙でベンゾウを襲う!
ベンゾウはそれも体操競技の跳馬の様に、ヒラリと飛び越え、さらに奥の二匹のベルフに向け小刀を突き付け、構える。
遅れて最初の二匹の腕が鮮血と共に地面に落ち、三匹目の頭も時間差で地面に落ちる…
更に遅れて腕を無くした最初の二匹が、振り返ろうと体を捻ると、肩から腰に体を二つに崩れ落ち、首を無くした三匹目もその場で膝をつくように前に倒れ込む。
惣一郎にはすり抜けただけにしか見えなかった。
残り二匹の顔色が変わるとベンゾウの姿は消え、四匹目の上半身が下半身と分かれる。
最後のベルフの顔は恐怖を色濃く表し、身を翻して四足獣本来の格好で逃げるつもりだったのだろう…
だが既に、横に立つベンゾウ握られた小刀が、ベルフの頭に突き立てられていた。
刺しながらベンゾウはもう、ベルフに興味を無くしたのか、もう片方に握られた小刀を見つめ笑みを浮かべている…
怖いわ!
「凄い… 凄いですコレ!」
興奮状態のベンゾウが空気の抵抗まで切れたとかなんとか、よくわからない事を饒舌に語っていた…
ベルフも売れるとの事でスキルで収納し、まるで何もなかった様に歩き出すふたり。
惣一郎もだいぶ慣れてきている。
歩きながらもベンゾウは、小刀を構えたり振ったりしながら、この美善國家と美善國千代がどれだけ凄いか説明してくれていたが、惣一郎はニコニコしながら全く聞いていなかった。
この小刀、ネットで買える中では最上級の部類だろうが、いわゆる達人と呼ばれる様な人達の愛蔵の一本ってレベルだろう。
もっと本気のウン千万や億のやばい国宝級の刀がこの世界に来たら、一体どうなるのだろう…
そんな事を考えていた。
その後もゴブリンや、猪のギュノ、ガラスの様な透明の角をした鹿[バイソリズー]等を、ベンゾウさんが瞬殺し、森でまた夜を迎える。
テントを出し、煮込みうどんを作り、食事を終えるとベッドの中で惣一郎は昼間の事を思い出し、考えていた。
この世界の魔物と呼ばれるオークやゴブリン、スライムなど… その名前は前から本やアニメで知っていた惣一郎だが、グルピーやギュノ、ベルフ、バイソリズーなんて名前、聞いた事もない事に違和感を感じていた。
俺が知らなかっただけなのか?
ベルフなんて見た感じ、狼男やワーウルフとか聞き覚えありそうな名前でもいいと思うんだが…
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考えてるうちに眠りにつく。
集中力の続かない男…
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