異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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第四章

七話 【明日があるさ!】

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惣一郎は村長に今回の件を内緒にする代わりに、蚊取り線香を大量に安く売ると交渉する。

また、この蚊取り線香も転売禁止と内密にする事を条件に付け加え…

村長はムイムリに絶大な効果を目の当たりにしていたので、喜んでそれに応じる。

このコイチの村では、きっと役に立つだろう。

今回のバリスキラ討伐報酬は、20ギー。

蚊取り線香十年分、30ギー。

湿気に弱い事を伝えて、蚊取り線香を渡し50ギーを受け取り交渉成立。

思えば初めて商人らしい事をしたかも知れない。

商人は宴会の席へ戻る。




賑やかなププ料理が並ぶ宴会場で、まだ落ち込み料理に手を付けてないベンゾウを、本当で気にするなと説得し、宴会に混ざる惣一郎。

心地よい音楽を止める村長が、村のみんなに話出す。

「みんな聞いてくれ! 今日この村を救ってくれた冒険者様は、大変重要な国の命令で動いているそうで、今回の事は公に出来ない。そんな中、危険な討伐をかって出てくれた方へ、皆も感謝の気持ちを込め、今回の件をどうか内密に頼む!」

歓声を上げ、村人がひとりづつ「誰にも言わないから安心してくれ」っと、感謝の言葉を言いに来てくれる。

終わる頃にはうっすらと、空は明るくなっていた…





宿で休み遅めに起きると、村は平穏に戻っていた。

村長に、先を急ぐと挨拶してコイチの村を出る惣一郎達。

出るまでに行き合った村人は『わかってますよ』と含みのある笑顔だけで見送ってくれた。

次は、ガミの森を抜けレイトール商業都市に向かう。

だが、今日は早めにテントを張ろう…





湿地帯の道をしばらく進むと、また大きな岩が点々と草むらに現れる。

陽はすっかり上に登り、燦々と照りつけるが暑くはない。

この世界でも普通に太陽が登り沈むが、夜は月の様な星がいくつか存在しており、星々と同化していて暗いが明るい夜空を飾っている。

これからムイムリの様な虫が出る季節になるらしいが、まだ暑くは無く春のポカポカした陽気が続いていた。

道から少し離れた所に大きな岩があるのが見えたので、あの裏で野営しようと方向を変える。



岩陰にはツノの生えたウサギが数匹、驚き攻撃して来るが素早くベンゾウに倒される。

時折出るこの角ウサギ[サリン]となんとも危ない名前だそうだが、毒はなく肉は美味いと高く売れる。

まだ食べた事はないが…

テントを出し中へ入る。

ベンゾウはまだ大人しい…

主人を守る契約の奴隷が動けず守られたのは、ベンゾウの心に大きな傷を残した結果となった…


惣一郎は落ち込むベンゾウを喜ばせようと、下味を付けた若鳥の唐揚げを作る。

揚げたての香ばしい匂いに我慢出来なくなったベンゾウは、唐揚げを夢中で食べ始める。

コイツには美味いものが一番!

「失敗しても次、頑張ればいい!」

そう言いながらベンゾウの皿におかわりの唐揚げを盛る…




3人とも腹一杯で動けずにいた…

外で風呂用のテントを出し、湯船の温度を確かめる惣一郎。

まだ風呂は温かく、熱湯を足すほどでもなかった。

本当に便利なスキルだ!

収納スキルの容量もまだ限界が見えない。

まだ横になってるふたりに、先に入ると言い残し、体を洗って湯船に浸かる。

歩き疲れた体を風呂が癒す…

幸せの瞬間。

だが、その幸せは長続きしなかった…

ふたりが裸で入ってきた!

「ちょおおお、何してんの!」

「お背中流します」

「ベンゾウもご主人様、洗う!」

いやもう体洗ったし…

えっ拒否権ない感じ?



惣一郎はのぼせて寝ていた…

恥じらいはないのだろうか?

いや日本も江戸時代までは混浴は普通だったし、この世界もそうなのかも知れない。

ベットで横になる惣一郎は、そう自分への言い訳を考えていた…






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