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第四章
二十七話 【厄災の正体!】
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宿屋の倉庫に戻るとすぐに、ベンゾウの治療をしてベッドに寝かすが、ベンゾウは惣一郎から離れなかった。
惣一郎はみんなに食事を作り、食べながら離れてからの話をした。
他人との関わりを面倒と捉えて来た惣一郎だが、またみんなと旅が続けられるのが嬉しくて仕方なかった。
ソファーでまったりくつろぎながら、3人と1匹は寄り添う様に、食後のお茶を楽しんでいた。
惣一郎の心……
『いゃ~ みんな無事で本当良かった! ベンゾウはピンチだったが、俺のせいだよな~ 今度また、焼肉でも食わせよう!』
ベンゾウの心……
『ご主人様は見捨てなかった…… ベンゾウを助けに一生懸命走って来てくれた…… 好き♡』
スワロの心……
『凄い御仁だ惣一郎殿は! 誰も見捨てなかった。惣一郎殿といると私は、私は…… 好き♡』
クロの心……
『またこの前の肉食いたいな、あの肉好き♡』
翌日、ベンゾウも一晩ですっかり良くなりここにはあまり長居したくないので、早速ギルドのある次の街へ向かう事にする。
テントのおかげで宿屋での休息を必要としない、惣一郎達のフットワークは軽かった。
ここから南へ[ツギートの街]を目指す事に!
ここからツギートまで道は無かったが、スワロの案内で南に歩き始める。
この辺りにも遺跡の跡が、ちらほらと目につく。
気をつけよう…… もう懲り懲りだ。
「そういえばバイソリズー、惜しかったな~」
「そう、忘れてました! バイソリズーならあの時すでにベンゾウ殿が倒していたので、私のマジックバックに入ってますよ」
「でかした!」
白熊もいるし、ギルドでまた騒ぎになるな!っと嬉しい悲鳴をあげる惣一郎。
陽が傾き出すまで、何事も無くひたすら草原を進んでいく。
クロの荷車に揺られながら、惣一郎とスワロは、何度も転び、遅れ出すベンゾウを見ていた。
「もう、諦めろよ!」
惣一郎の自転車に、挑戦中のベンゾウだった。
ベンゾウなら直ぐに乗りこなせると思ったが、道の悪さもあってか、ほぼ乗れていない。
惣一郎はこの辺りで休もうと、テントを出す。
ベンゾウは自転車を投げ捨て「コレ嫌い!」っとテントに入っていく。
スワロもすぐに、ソファーに腰を下ろす。
食事を終えると、風呂の用意をする惣一郎。
湯を足し、疲労回復効果のある入浴剤を入れる。
先に入る様に勧めると、また一緒に入るとベンゾウが言い出す。
すでに何度か入っておいてなんだが、恥ずかしいやら照れ臭い、惣一郎であった。
男として見られてないのだろうか? 親子的な?
素っ惚けた惣一郎に、ベンゾウ達が気の毒になる。
乳白色の湯に救われた惣一郎は、ベンゾウとスワロと湯船で足を伸ばし、疲れを癒す。
もはや恒例となった風呂上がりの、アイスとビールを楽しみながら、惣一郎はスワロに厄災について聞く。
エリリンテに入った今、そろそろ情報を聞いておいた方がいいと思ったからだ。
「私の故郷を…… 家族を奪った憎き相手は、突然大群で現れました。羽の音を鳴り響かせ、真っ黒な目で人々を、毒を出す針で刺殺し、大木をも噛み砕く顎で人々を襲い、マイズの村の大きな神木に、城を築いたのです……」
大群? 一匹じゃないのか……
「仲間を募り立ち向かいましたが、素早い上に飛んでいる事もあり、苦戦どころか斥候の数匹に敗北してしまいました…… 奴らは今も、私の故郷マイズの村で数を増やしており、被害は近隣にまで及び、国が軍を派遣したので私も再度、討伐に参加しました。ですが五万を超える軍勢も奴らには餌にしかならず、今は被害を広げない様に、マイズを中心に70kmに及び封鎖、防衛するほかない状況が続いているのです……」
なるほど、こりゃアレだな……
「その厄災は、黄色と黒の縞模様か?」
「ご存じでしたか! 流石惣一郎殿、底が知れませんね」
ビンゴ、蜂だな、ススメバチ!
ただ、一匹が人より大きいって……
もう攻撃ヘリじゃん。
惣一郎はみんなに食事を作り、食べながら離れてからの話をした。
他人との関わりを面倒と捉えて来た惣一郎だが、またみんなと旅が続けられるのが嬉しくて仕方なかった。
ソファーでまったりくつろぎながら、3人と1匹は寄り添う様に、食後のお茶を楽しんでいた。
惣一郎の心……
『いゃ~ みんな無事で本当良かった! ベンゾウはピンチだったが、俺のせいだよな~ 今度また、焼肉でも食わせよう!』
ベンゾウの心……
『ご主人様は見捨てなかった…… ベンゾウを助けに一生懸命走って来てくれた…… 好き♡』
スワロの心……
『凄い御仁だ惣一郎殿は! 誰も見捨てなかった。惣一郎殿といると私は、私は…… 好き♡』
クロの心……
『またこの前の肉食いたいな、あの肉好き♡』
翌日、ベンゾウも一晩ですっかり良くなりここにはあまり長居したくないので、早速ギルドのある次の街へ向かう事にする。
テントのおかげで宿屋での休息を必要としない、惣一郎達のフットワークは軽かった。
ここから南へ[ツギートの街]を目指す事に!
ここからツギートまで道は無かったが、スワロの案内で南に歩き始める。
この辺りにも遺跡の跡が、ちらほらと目につく。
気をつけよう…… もう懲り懲りだ。
「そういえばバイソリズー、惜しかったな~」
「そう、忘れてました! バイソリズーならあの時すでにベンゾウ殿が倒していたので、私のマジックバックに入ってますよ」
「でかした!」
白熊もいるし、ギルドでまた騒ぎになるな!っと嬉しい悲鳴をあげる惣一郎。
陽が傾き出すまで、何事も無くひたすら草原を進んでいく。
クロの荷車に揺られながら、惣一郎とスワロは、何度も転び、遅れ出すベンゾウを見ていた。
「もう、諦めろよ!」
惣一郎の自転車に、挑戦中のベンゾウだった。
ベンゾウなら直ぐに乗りこなせると思ったが、道の悪さもあってか、ほぼ乗れていない。
惣一郎はこの辺りで休もうと、テントを出す。
ベンゾウは自転車を投げ捨て「コレ嫌い!」っとテントに入っていく。
スワロもすぐに、ソファーに腰を下ろす。
食事を終えると、風呂の用意をする惣一郎。
湯を足し、疲労回復効果のある入浴剤を入れる。
先に入る様に勧めると、また一緒に入るとベンゾウが言い出す。
すでに何度か入っておいてなんだが、恥ずかしいやら照れ臭い、惣一郎であった。
男として見られてないのだろうか? 親子的な?
素っ惚けた惣一郎に、ベンゾウ達が気の毒になる。
乳白色の湯に救われた惣一郎は、ベンゾウとスワロと湯船で足を伸ばし、疲れを癒す。
もはや恒例となった風呂上がりの、アイスとビールを楽しみながら、惣一郎はスワロに厄災について聞く。
エリリンテに入った今、そろそろ情報を聞いておいた方がいいと思ったからだ。
「私の故郷を…… 家族を奪った憎き相手は、突然大群で現れました。羽の音を鳴り響かせ、真っ黒な目で人々を、毒を出す針で刺殺し、大木をも噛み砕く顎で人々を襲い、マイズの村の大きな神木に、城を築いたのです……」
大群? 一匹じゃないのか……
「仲間を募り立ち向かいましたが、素早い上に飛んでいる事もあり、苦戦どころか斥候の数匹に敗北してしまいました…… 奴らは今も、私の故郷マイズの村で数を増やしており、被害は近隣にまで及び、国が軍を派遣したので私も再度、討伐に参加しました。ですが五万を超える軍勢も奴らには餌にしかならず、今は被害を広げない様に、マイズを中心に70kmに及び封鎖、防衛するほかない状況が続いているのです……」
なるほど、こりゃアレだな……
「その厄災は、黄色と黒の縞模様か?」
「ご存じでしたか! 流石惣一郎殿、底が知れませんね」
ビンゴ、蜂だな、ススメバチ!
ただ、一匹が人より大きいって……
もう攻撃ヘリじゃん。
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