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第六章

二話 【目撃者!】

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「よそ者が舐めやがって!」

惣一郎に的を変えた床の連れは、ナイフを出すと躊躇わずに襲い掛かる!

すでに呪羅流眠を持つ惣一郎は動じる事なく、近くの椅子に印を結ぶと椅子が飛び、床が増え、ギルド職員が今さら騒ぎ出す。

足元で転がる男ふたりを無視して、職員に怒られている惣一郎は暴れた事より壊した椅子の弁償を求められ、渋々5ネルを支払う。

なんで俺が……

ベンゾウはケラケラ笑っていた…… コイツ。

これ以上の騒ぎは御免とギルドを出る。

妙な視線を感じながら道具屋などの店を見て回ると、ここにも魔導書店があった。

もはや魔法より、ギャンブル要素を楽しみに惣一郎は店に入る。

カウンターには人がおらず、黒板にお品書きだけが置かれていた。

クリーン
ドライ
ウインドカッター  

っと、残念な品数だった。


そこに箱を持った若い娘が入って来て「お客さん?」っと、何故か驚く。

「ごめんなさい。今、品薄でして……」

店員だった娘は箱をカウンターに置くと暇で退屈してたのか、お茶を出し色々と話し始める。

惣一郎がエリリンテから来たと知ると、世間話は更に加速する。

良く喋る子だった……

あまり為になる情報は無かったが、北からの仕入れが今入らないそうで、東の街からの物流しか無いらしく、魔導書などが入って来ない状況ぐらいは聞けた。

エリリンテへ昔渡った祖父が祖母と知り合った話の辺りで、惣一郎はやや強引に話を切り上げ店を出る。

また妙な視線を感じる。

魔導書店を出てから少し歩くと、ギルドで絡んできた床だったふたりが起きたのか、仲間を増やして懲りずに惣一郎にまた絡んで来る。

溜め息を深く吐き「まだ何か?」と尋ねる。

「へへへ、さっきは油断したが今度はそうはいかなぜ」

自信の元は連れてきた大男だろう。

惣一郎はうんざりしながら、ベンゾウを見る。

「こわい~ ご主人様」ケラケラケラ。

まぁコイツに頼むと、腕ぐらいは切り落としかねないと諦めて、アイテムボックスから杖と鉄球を取り出す。

直径10cmの鉄球を二つ地面に投げ置き印を結ぶと、惣一郎の周りをふわふわ浮き出す。

床だったふたりと大男が刃物を出し構え、床男Aが奇声をあげ襲い掛かると、腹に鉄球をめり込ませ地面の一部になる。

驚く床男Bが慌ててナイフで切り掛かって来るが、二個目の鉄球がこちらも腹にめり込み、地面になる。

驚く大男は、剣を前に構え鉄球を警戒する。

流石に地面の2人よりは出来そうだ……

だが、鉄球が大男に飛んでいくと剣で受けるも、その剣が折れ、そのまま腹にめり込み大男もゆっくりと地面に帰っていく。

裏切らない結果だった。

便利なテレキシスの魔法に感動しながら惣一郎は、何も無かった様に歩き出す、妙な視線を連れたまま……

橋を渡り、北地区の宿へ戻ろうと向かっていると、やっと視線の主が話しかけて来た。

「頼む 仲間 助けて」

そこには、青灰色の肌にズボンを履き魚顔で、子供ぐらいの背丈のマーマンが立っていた。

「あんた 強い 仲間 助けて」

更に深く溜め息を吐く惣一郎だった……





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