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第六章

二十三話 【謝罪と散財】

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次の日の朝食後にモモが、

「あの……惣一郎様…お願いがございます」

っと言ってきた。

聞くと予備の服や下着が欲しいので、少しお金を貸して欲しいとの事であった。

惣一郎は頭を下げ、

「すまん! 全く気が利かなかった! もっと早く気がつくべきだった。本当にすまん!」

っと本気で謝っていた。

考えればそうだ、モモは全部流されて何も持ってないし、エルサムロで服は買ったが、女の子がそれで済むわけが無い!

ベンゾウにしても下着なんかどうしてたのか、考えもしてなかった……

マジックバッグの中身を全てアイテムボックスに移し、マジックバッグに惣一郎は、いくつか麻袋を入れてベンゾウに渡す。

「コレで足りるとは思うが、それで必要な物をふたりで買って来てくれ、今日は別行動だ」

申し訳無さそうに礼を言うモモに、気付くのが遅れてごめん!っと再度謝り、ベンゾウの下着なんかも見てやってくれとお願いする。

そのベンゾウは、

「ご主人様のクリーンがあるから、要らないよ」

っと言うが、惣一郎はそうもいかんとベンゾウに、

「いつも守ってくれて感謝してるんだ! その礼だ、モモに聞いて贅沢しておいで!」

っと、優しく勧める。

赤い顔のベンゾウは照れながら「わかった…」とモモと一緒に出かける事になる。

惣一郎はクロを見て「お前はどうする?」と尋ねると、惣一郎に寄り添って来るので、クロと出かける事にする。

ベンゾウ達を見送った後、テントを収納して惣一郎も出かける。

惣一郎は毎回テントを残さない。

元の世界の物が盗まれでもしたら、大変な事になるからだ。

惣一郎が先ず向かったのは、魔導書店だった。

トルトの話を聞いてから、コールの魔法を覚えておこうと思ったのだ。




街の人に聞きながら着いた店に入る。

やはり魔導書店はどこも同じ様な店であった。

カウンターの男に、何があるのか尋ねる。

ファイヤ (火を作り出す、生活魔法)
ウォーター(水を作り出す、生活魔法)
コール  (離れた相手と話す、生活魔法)
ライト  (光源を作り出す、生活魔法)
クリーン (対象を清潔な状態にする、生活魔法)
キュア  (毒などの状態異常を治す、生活魔法)
サーチ  (近くにいる生物の居場所を知る、生活魔法)

ファイヤーランス (炎槍を対象に飛ばす、攻撃魔法)
アイスジャベリン (氷柱を対象に落とす、攻撃魔法)
ストーンバレット (小石を対象に飛ばす、攻撃魔法)
ライトニング   (電撃を対象に飛ばす、攻撃魔法)
ウインドカッター (風で対象を切り裂く、攻撃魔法)

おすすめ品 在庫なし

なるほど、流石ダンジョンの街! 豊富な品揃えである。

「コールを下さい」

「あい、コールね」

店員は奥に行き本を持って戻る。

「コールは、14ギーで在庫は46冊だね」

よし惣一郎、無心だ、欲を出すな、無心の境地だ……




惣一郎はコールを、31回目で覚えた。

434ギーを払い、青い顔で店を出る惣一郎だった。

ワン(腹減った)

「そうかクロ、慰めてくれてるんだな~ そうだよな、お目当ての魔法は手に入れたんだ、いつまでも気にしてちゃいけないよな!」

…………ワン?




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