異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

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第九章

五話 【ドンドンドン、鈍器〜!】

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王達を見送ると、惣一郎は食事の準備を始める。

テテオが作業中に食べやすい様、サンドイッチを作る。

玉子と野菜ハム、鳥の照り焼きの3種を急に距離を詰めてきた弁慶と作る。

もう疑わない、コイツもベンゾウ同様、俺の命の恩人だ。

しかし、作るそばからベンゾウとクロに食われ、一向に増えないサンドイッチ……


テテオとカカさんが冷めた塊のバリ取りを汗をかきながらしている。

クリーンをかけ、サンドイッチを出すと喜んで食べる。

インスタントで悪いがコーンポタージュもカップで出す。

「大分、形になってきたな~」

「ああ、でも重くていけね~ ひっくり返すのも一苦労だ!」

「まぁ、手が必要ならいつでも言ってくれ!」

そう言うと惣一郎は、弁慶を中庭に連れ出す。

「弁慶、これで俺を射ってみろ」

弁慶に弓矢を渡し惣一郎は距離をとる。

「はぁ? 旦那様を? 無理だ」

「弁慶、信じろ!」

その一言で考えるのをやめ、覚悟を決める弁慶。

弁慶には小さい弓だったが、惣一郎の胸に矢を飛ばすと、動かない惣一郎の胸で弾き飛ぶ矢。

「弁慶、このプロテクターの防御力は矢なんて通じないんだ。お前に渡したプロテクターをこの前はしてなかっただろ? あれはお前も守ったはずだ」

弁慶は愕然とする。

身を挺し守った事が無駄だった事にではない!

惣一郎の気を引きたいと、胸元を隠すプロテクターを外していた事にだ。

肌の露出を上げる為、戦闘の時だけ着ければ良いと、アームガードもしていなかった。

「旦那様が…… 私の身を気遣い… せっかくくれたのに…アタイは……」

ぼろぼろと大粒の涙を流し、膝を突き腰を下ろす。

それでも目線は少し下ぐらいだった。

惣一郎がそっと抱き寄せ、

「失敗したんじゃない、学んだだけだ」

っと臭いセリフを吐く。

弁慶は惣一郎に抱き付き、声を上げて泣き出す。

潰されそうに息が漏れる惣一郎も、苦しみ出す。

それを見ていたベンゾウも笑い出す。

「これで弁慶も仲間だね! ケラケラ」

ベンゾウって時折…… 本当は頭いいのか?っと思わせる、そんな言葉だった。




夕飯も中庭で、テテオとカカも一緒に食べる。

目の赤い弁慶も、ベンゾウに負けない食欲だ。

テテオは惣一郎と酒を飲みながら話す。

「後は明日もう一度焼き入れして出来るだけ刃を研いでみよう! 切れ味は保証はせんがあの重さだ問題無かろう」

「ああ助かるよ!」

「しかしあんな変わったもん作ってどうしようって言うんだ? 高価な素材まで使って」

「あぁそっか、説明してなかったわ!」

そう言うと、造り途中の短剣を弁慶に見せる。

短剣と言うには普通の人には短剣の長さでは無い分厚いそれは、無骨な黒い金属の塊。

鈍器に近い!

「これは……」

「まだ途中だが、弁慶の新しい武器だ」

見る見る顔をくしゃくしゃにして、また泣き出そうとする弁慶を、必死で止める惣一郎。

「待て待て、食ってすぐはヤバい! 取り敢えず持てるかの確認だ!」

すると弁慶は涙をこらえ、塊に手を伸ばす。

テテオも息を呑む。

流石にスッとは持ち上がらないが、弁慶は片手で持ち上げる。

「重い…… でも旦那様に貰った物だ、使いこなしてみせる!」

「いや、プロットの魔法使えよ」

はっ!っと気付く弁慶はプロットを使い、短剣を振り回す!

振るたびに風を起こし、見事に片手で使いこなす弁慶!

「凄い…… 力が溢れて来る」

流石に長時間はきつそうだが、これなら一撃で硬い厄災も倒せるだろう。

テテオとカカは驚き声を失っていた。

あっ!っと、まだ握りも無いから、すっぽ抜ける短剣が中庭に、ズドン!っと大きな穴を作り埋まる。

謝る弁慶は、嬉しそうだった。

目の前に落ちて来た食事中のクロは、

(コ、コイツにも逆らっちゃダメだ!)

と思う……




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