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第十章

十一話 【やれば出来る!】

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翌朝、テントを出ると生き残った大臣など貴族、元老院の老人5人が前に集まっていた。

「何事?」

ヒロヨシーが、

「惣一郎殿! お願いします! 舵を失ったこの国はこれからアロス国と交渉の場に着きますが、両国の恩人である惣一郎殿に是非立ち会って頂きたいのです! このままではワーテイズ国は立場が弱く、アロス国有利の交渉になってしまいます。どうか、どうか!」

「立場が弱い? 元王の暴走を止めなかったあなた方がアロスの元王子を利用して、厄災を解き放ち危うく多くの関係ない人を殺しかけたのに? 同じ立場でテーブルに着きたいと?」

「「「 …………… 」」」

「おまけにベリルの様な復讐者を生み出して、その始末すら手伝えって、随分と勝手だよな?」

惣一郎の怒りがベンゾウや弁慶にも伝染する。

ベンゾウは小刀を抜き、弁慶は侃護斧を構え筋肉が盛り上がる。

片腕を広げ、それを止める様に惣一郎は、

「ベリルの件で呼んだんじゃ無いのか? アロスとの交渉に利用したくて俺を連れてきたのか?」

「それは……」

惣一郎は、冷たく静かな声で、

「王の計画が上手く行けばアロスに攻め込むつもりだったんだろ? あんたらも」

誰も言葉が出なかった。

王の愚策とは言っても、上手く行けば惣一郎の言う通り侵攻する準備はあったからだ。

「あはははははははは! わかってるじゃ無いかゴキコロリ! いや惣一郎よ」

すると貴族の1人が笑い出す。

「あはは、居ると思ったよベリル!」

「ほぉ、読んでいたか!」

「まぁ、居てもおかしくないって程度の予想だがね」

驚くヒロヨシーが慌てて確認する。

「ベリル? ベリルなのか!」

ヒロヨシーの質問を無視するベリル。

周りの貴族達も状況を理解して慌て出す。

惣一郎は冷静だった。

「また、身体変えたのか?」

「あぁ、あの女の魔力は城を壊すのに使い切ってしまってね~」

城の騎士達が集まり出し、武器を構える。

すると惣一郎が大声を出す!

「 誰も動くな! 」

その場に居た全員が惣一郎の怒号に固まる。

構えていたベンゾウもだ!

「なぁ、復讐は終わったんじゃ無いのか?」

「復讐?…… そうだな、これは復讐だな! やはり面白いな惣一郎よ、だが終わりじゃない。これからだ」

「へぇ~ 教えろよ予定を!」

「それじゃつまらんだろう、惣一郎」

「サービス悪いな~ じゃせめてお前が誰かぐらい教えろよ」

「言ってるだろ…… ベリルだと」

「そっか…… じゃ、もういいや!」

言った瞬間、音も無く無数の迷彩柄の見えない苦無がベリルを襲う!

杖無しでやってのけたのだ!

流石に回転はさせられなかったが、この数を……

ベリルの体には10本近い苦無が刺さる!

乗り移った貴族の血を流し、両腕で頭をガードするベリルは、

「キサマ! やはり食えんな!」

「ベンゾウ!」

すると閃光が走り一閃! ベリルを通り過ぎると、すぐさまベンゾウが振り返り叫ぶ!

「ご主人様! 逃げて!」

斬ったんじゃ無いのか?

切られたベリルの服の下から大量の呪符の様な物が見えた。

咄嗟に惣一郎は何個もの盾を出す!

血だらけのベリルは、

「生きていたらまた会おう、惣一郎」

と呪符が光りだし、中庭を吹き飛ばす大きな爆発を生む。



大きな爆発音の後、巻き上がる砂埃がゆっくり流れ落ち着くと、呪羅流民を構えた惣一郎が膝を突く。

ベンゾウや弁慶、貴族の前に盾を飛ばして守っていたのだ!

だが出した盾の数が足らなかった。

守れたのはその場に居た半数もいなかった。

惣一郎自身も、守れなかったその一人だった。

「ご主人様!」

「旦那様!」

ベリルを刺した苦無が仇となった。

爆発で吹き飛んだ苦無が盾で守れなかった者を貫いていた。

惣一郎も左脇腹と左腕、左肩の三箇所に苦無が刺さっていた。

プロテクターの防御力が及ばなかった。

飛んできたのが惣一郎の、元の世界の苦無だったからだろう……

そのまま惣一郎は前に倒れる。

頭が…… 割れそうだ……





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