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第十一章
一話 【力比べ】
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のんびりと荷車に揺られながら進む、惣一郎達。
「なんか久々だな~ このまったり感」
スローライフはこうでなくては!
王都から北へ、草原の中を進む。
周りには乱立する木しか無い。
次第に草原は緩やかな上り坂になって行くが、クロは全く問題なさそうに進む。
そう言えばオーサムに貰った小箱には、何が入っているのだろうか?
惣一郎は片手で箱を開けると、二つ折りの紙と丸薬が1個入っていた。
「丸薬?」
不器用に紙を広げて読むと[超魔力薬]と書かれていた。
「なんだ、魔力薬か」
まぁ、珍しいダンジョン産だが、惣一郎はまだ2個も持っている……
……… え?
超? 強じゃなく超?
惣一郎は、言語理解スキルのバグを疑うが、そうじゃなさそうだ……
「やば、超だ……」
「え? チュウ?」
目を瞑る弁慶……
「いや超! 超魔力薬だ」
潜在魔力の量が超上がるのだろう!
これは、対ベリル戦にも使える貴重なアイテムだ!
だが、すでに強魔力薬を飲んでるし、さらに上がるものなのか?
それとも、すでに上がってる分は差し引かれて上がるのだろうか?
貴重なアイテムゆえ、慎重になる惣一郎だった。
そう言えば弁慶はまだ、強も飲んで無いな……
だが左手の事もあるし、更に上がるなら超は俺が飲みたい。
よし! 取っといても無駄だ、飲もう!
売れば数十億はするだろう国の宝を、簡単に決意する惣一郎だった。
不器用な手つきで箱を開けると、丸薬が飛び出す…… コロン。
「ストーーーーーーップ!」
クロが止まって振り返る。
「丸薬が落ちた! 探せ! めっちゃ貴重な丸薬だ!」
慌てる惣一郎。
みんなで通った道を探し始める。
「あった! ご主人様コレ!」
よかった~!
「よくやったベンゾウ! また失くす前に飲むぞ」
パク。
何も起きん……
「あ、またあった」
また?
「ベンゾウ殿、コレはサリンのフンだ」
ぶーーーー!
「アホか! 探せーーーー!」
「旦那様! ここにもサリンのフンが!」
「丸薬を探せ!」
「あった…… コレだよな?」
ベンゾウに匂いを嗅がせると、コクンと頷く。
「間違い無いな? フンじゃなく丸薬だな?」
コクン!
パク!
……… お。
湧き上がる魔力を感じる……
「すげ~」と思わず声が出る。
源泉を掘り当てた様な感じがヘソの下からどんどん湧き上がる!
正解だ! 強魔力薬の比じゃない!
惣一郎は左腕を出す。
青白く燃える腕が現れ、杖なしでも維持できそうだった。
凄い、大正解だ!
大喜びの惣一郎は、弁慶にも強魔力薬をあげ飲ませる。
弁慶は元々、鬼人ベルセルクって事もあり、魔力量は結構多い。
それが桁違いに上がったそうだ!
魔法を覚えれば、大魔導士レベルの魔力量なのだろうが、弁慶の戦闘スタイルはその魔力を全てプロットの魔法に使う。
弁慶の力も半端なく上がるだろう!
試しにと惣一郎は太いロープを出し、弁慶と力比べをする。
弁慶は両手でロープを握り、惣一郎は燃える左腕で持ち右手に呪羅流民を持つ。
ベンゾウの合図で引き合うと、ブチッ!っとあっさり、太いロープが切れた!
空を見上げるふたり。
惣一郎も大分、力が出せる左腕を手に入れた様だ!
今度は切れないワイヤーを購入して、試す!
「ク…… ダメだ! 参った!」
相当上がった魔力がぐんぐん減って行き、弁慶にあっさり引かれる!
持続もきついしパワーも負けていた。
パワーは弁慶が一番の様だ。
「旦那様、凄い! アタイとこんなに力比べ出来る男はいない!」
喜ぶ弁慶は、腕相撲をしようと挑発してくる。
「面白い、リベンジだ!」
ベンチテーブルを出し腕を置く。
弁慶も左腕での対戦だ。
呪羅流民を持ち集中する惣一郎!
「レディー…… ゴゥ!」
あれ…… あっさり勝った。
利き腕じゃ無いにしても弱すぎる。
「だ、旦那様、その左腕に触れたら、魔法が使えないぞ……」
何ですって?
「なんか久々だな~ このまったり感」
スローライフはこうでなくては!
王都から北へ、草原の中を進む。
周りには乱立する木しか無い。
次第に草原は緩やかな上り坂になって行くが、クロは全く問題なさそうに進む。
そう言えばオーサムに貰った小箱には、何が入っているのだろうか?
惣一郎は片手で箱を開けると、二つ折りの紙と丸薬が1個入っていた。
「丸薬?」
不器用に紙を広げて読むと[超魔力薬]と書かれていた。
「なんだ、魔力薬か」
まぁ、珍しいダンジョン産だが、惣一郎はまだ2個も持っている……
……… え?
超? 強じゃなく超?
惣一郎は、言語理解スキルのバグを疑うが、そうじゃなさそうだ……
「やば、超だ……」
「え? チュウ?」
目を瞑る弁慶……
「いや超! 超魔力薬だ」
潜在魔力の量が超上がるのだろう!
これは、対ベリル戦にも使える貴重なアイテムだ!
だが、すでに強魔力薬を飲んでるし、さらに上がるものなのか?
それとも、すでに上がってる分は差し引かれて上がるのだろうか?
貴重なアイテムゆえ、慎重になる惣一郎だった。
そう言えば弁慶はまだ、強も飲んで無いな……
だが左手の事もあるし、更に上がるなら超は俺が飲みたい。
よし! 取っといても無駄だ、飲もう!
売れば数十億はするだろう国の宝を、簡単に決意する惣一郎だった。
不器用な手つきで箱を開けると、丸薬が飛び出す…… コロン。
「ストーーーーーーップ!」
クロが止まって振り返る。
「丸薬が落ちた! 探せ! めっちゃ貴重な丸薬だ!」
慌てる惣一郎。
みんなで通った道を探し始める。
「あった! ご主人様コレ!」
よかった~!
「よくやったベンゾウ! また失くす前に飲むぞ」
パク。
何も起きん……
「あ、またあった」
また?
「ベンゾウ殿、コレはサリンのフンだ」
ぶーーーー!
「アホか! 探せーーーー!」
「旦那様! ここにもサリンのフンが!」
「丸薬を探せ!」
「あった…… コレだよな?」
ベンゾウに匂いを嗅がせると、コクンと頷く。
「間違い無いな? フンじゃなく丸薬だな?」
コクン!
パク!
……… お。
湧き上がる魔力を感じる……
「すげ~」と思わず声が出る。
源泉を掘り当てた様な感じがヘソの下からどんどん湧き上がる!
正解だ! 強魔力薬の比じゃない!
惣一郎は左腕を出す。
青白く燃える腕が現れ、杖なしでも維持できそうだった。
凄い、大正解だ!
大喜びの惣一郎は、弁慶にも強魔力薬をあげ飲ませる。
弁慶は元々、鬼人ベルセルクって事もあり、魔力量は結構多い。
それが桁違いに上がったそうだ!
魔法を覚えれば、大魔導士レベルの魔力量なのだろうが、弁慶の戦闘スタイルはその魔力を全てプロットの魔法に使う。
弁慶の力も半端なく上がるだろう!
試しにと惣一郎は太いロープを出し、弁慶と力比べをする。
弁慶は両手でロープを握り、惣一郎は燃える左腕で持ち右手に呪羅流民を持つ。
ベンゾウの合図で引き合うと、ブチッ!っとあっさり、太いロープが切れた!
空を見上げるふたり。
惣一郎も大分、力が出せる左腕を手に入れた様だ!
今度は切れないワイヤーを購入して、試す!
「ク…… ダメだ! 参った!」
相当上がった魔力がぐんぐん減って行き、弁慶にあっさり引かれる!
持続もきついしパワーも負けていた。
パワーは弁慶が一番の様だ。
「旦那様、凄い! アタイとこんなに力比べ出来る男はいない!」
喜ぶ弁慶は、腕相撲をしようと挑発してくる。
「面白い、リベンジだ!」
ベンチテーブルを出し腕を置く。
弁慶も左腕での対戦だ。
呪羅流民を持ち集中する惣一郎!
「レディー…… ゴゥ!」
あれ…… あっさり勝った。
利き腕じゃ無いにしても弱すぎる。
「だ、旦那様、その左腕に触れたら、魔法が使えないぞ……」
何ですって?
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