221 / 409
第十一章
十八話 【茶飲み友達】
しおりを挟む
案内された大木に行くと門番が現れ、根元に出来た大きな扉が開く。
中はくり抜かれており、螺旋階段が上へと続き、窓からの明かりで照らされていた。
ぐるぐると何周も回り登って行くと、陽の光りが降り注ぐ、屋上庭園へと出る。
奥には大木の枝を利用した建物が並び、森の上に大きな街が広がっていた。
惣一郎も目を輝かせ、太陽と緑が作り出す芸術的な世界に魅了される。
エリアごとに区分けされ、吊橋が街を繋ぐ。
その中心部にあたる一際大きな大木の上の建物へと案内される惣一郎達。
クオンもエレノイも、まさかいきなり賢王の家へ招かれるとは、思いもしていなかったのだろう。
緊張しているのが伝わった。
賢王の家は宮殿の様な……っと勝手な想像をしていたが、大きいが木造の普通の家であった。
「さぁ、惣一郎! まずはゆっくり休まれるが良かろう。何処でも好きに使って寛いでくれ。詳しい話は夕食の時にでも」
そう言うと賢王は数人のお供を引き連れ、奥へと消えて行く。
惣一郎は案内してくれるエルフに、庭で十分と説明するのに、結構な時間をかける。
庭の一角を借りテントを出すと、エルフも納得の表情を浮かべる。
エレノイとクオンは貴重な体験に、折角だからと個室を借りる様だ。
テントに入ると、弁慶がお茶を淹れてくれる。
最近弁慶はインスタントじゃなく、ちゃんとお茶を淹れてくれるのだ。
緑茶が気に入ったそうだ。
「まぁ、ここ迄はとんとん拍子だが、ザイラスにベリルがいるかも知れない以上、ベンゾウ、クロ、注意して頼むな!」
コクン。ワン!
ん~ せっかく景色が良いのに、テントの中でお茶もなぁ~
結局外にベンチテーブルを出し、お茶と栗羊羹を、景色を眺めながら楽しみだす惣一郎。
この街の景色が相当気に入ったのだった。
借りた部屋を確認したクオン達が戻って来たので、新たにお茶を淹れる弁慶。
「はぁ~ 和みますね~」
そうだろう。
すると興味津々に見つめる、エルフ達が寄って来たので、テーブルを延長してお茶でもてなす。
「はぁ~ 旨いお茶ですね~ 香りがいい」
おっ! わかってるね~
嬉しそうに惣一郎は、煎餅や羊羹などお茶菓子も並べる。
するとエルフの1人が、お茶に合うかもと自家製のピクルスの様な物を持ってきてくれた。
うん、まぁまぁ旨い。
それならばと、白菜や瓜の浅漬けやヌカ漬けのお新香をネットで購入し並べる。
エルフの口にあった様で、次々と人が増えていく。
いつのまにか立食スタイルでお茶を楽しみながら、エルフとの交流が深まっていった。
「コレは新感覚だ!」っと意外にもキムチが大好評で、作り方を聞いて来る。
惣一郎も買ったことしかない為、急遽キムチの作り方が載っている本を検索し、読めないエルフの為に、講習会が開かれる。
「ほぉ~ 小エビの塩漬けを混ぜるのか……」
真面目にメモを取るエルフ達。
途中からホワイトボードまで出し始め、発酵について学び始める。
「なるほど、当たり前の様に作って来たが、酒やパンは、この酵母菌と言う小さき生き物の働きだったのか……」
どんどん脱線して行く、惣一郎。
生徒達と並んで聞いてた、瓶底眼鏡で一見賢そうに見えるベンゾウは、すぐにイビキをかきはじめる。
うるさいよ…… 廊下に立ってなさい。
中はくり抜かれており、螺旋階段が上へと続き、窓からの明かりで照らされていた。
ぐるぐると何周も回り登って行くと、陽の光りが降り注ぐ、屋上庭園へと出る。
奥には大木の枝を利用した建物が並び、森の上に大きな街が広がっていた。
惣一郎も目を輝かせ、太陽と緑が作り出す芸術的な世界に魅了される。
エリアごとに区分けされ、吊橋が街を繋ぐ。
その中心部にあたる一際大きな大木の上の建物へと案内される惣一郎達。
クオンもエレノイも、まさかいきなり賢王の家へ招かれるとは、思いもしていなかったのだろう。
緊張しているのが伝わった。
賢王の家は宮殿の様な……っと勝手な想像をしていたが、大きいが木造の普通の家であった。
「さぁ、惣一郎! まずはゆっくり休まれるが良かろう。何処でも好きに使って寛いでくれ。詳しい話は夕食の時にでも」
そう言うと賢王は数人のお供を引き連れ、奥へと消えて行く。
惣一郎は案内してくれるエルフに、庭で十分と説明するのに、結構な時間をかける。
庭の一角を借りテントを出すと、エルフも納得の表情を浮かべる。
エレノイとクオンは貴重な体験に、折角だからと個室を借りる様だ。
テントに入ると、弁慶がお茶を淹れてくれる。
最近弁慶はインスタントじゃなく、ちゃんとお茶を淹れてくれるのだ。
緑茶が気に入ったそうだ。
「まぁ、ここ迄はとんとん拍子だが、ザイラスにベリルがいるかも知れない以上、ベンゾウ、クロ、注意して頼むな!」
コクン。ワン!
ん~ せっかく景色が良いのに、テントの中でお茶もなぁ~
結局外にベンチテーブルを出し、お茶と栗羊羹を、景色を眺めながら楽しみだす惣一郎。
この街の景色が相当気に入ったのだった。
借りた部屋を確認したクオン達が戻って来たので、新たにお茶を淹れる弁慶。
「はぁ~ 和みますね~」
そうだろう。
すると興味津々に見つめる、エルフ達が寄って来たので、テーブルを延長してお茶でもてなす。
「はぁ~ 旨いお茶ですね~ 香りがいい」
おっ! わかってるね~
嬉しそうに惣一郎は、煎餅や羊羹などお茶菓子も並べる。
するとエルフの1人が、お茶に合うかもと自家製のピクルスの様な物を持ってきてくれた。
うん、まぁまぁ旨い。
それならばと、白菜や瓜の浅漬けやヌカ漬けのお新香をネットで購入し並べる。
エルフの口にあった様で、次々と人が増えていく。
いつのまにか立食スタイルでお茶を楽しみながら、エルフとの交流が深まっていった。
「コレは新感覚だ!」っと意外にもキムチが大好評で、作り方を聞いて来る。
惣一郎も買ったことしかない為、急遽キムチの作り方が載っている本を検索し、読めないエルフの為に、講習会が開かれる。
「ほぉ~ 小エビの塩漬けを混ぜるのか……」
真面目にメモを取るエルフ達。
途中からホワイトボードまで出し始め、発酵について学び始める。
「なるほど、当たり前の様に作って来たが、酒やパンは、この酵母菌と言う小さき生き物の働きだったのか……」
どんどん脱線して行く、惣一郎。
生徒達と並んで聞いてた、瓶底眼鏡で一見賢そうに見えるベンゾウは、すぐにイビキをかきはじめる。
うるさいよ…… 廊下に立ってなさい。
34
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる