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第十一章

三十一話 【真実は小説より…】

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「話とは?」

「まず、誤解があった事を謝罪する」

「誤解?」

「ゴキコロリ…… 惣一郎を我は最初、ワーテイズの使者だと思っておったのだ。敵だと」

「ん~ まず、お前が誰で何の為に動いているか、そこから話さないか?」

「………良かろう」

ベリルは静かに淡々と話し始めた。



ワーテイズと言う国が出来るよりも、ずっと昔の話であった。

今で言う古代魔法も廃れていき、使える者がわずかにいた時代。

その土地を守っていた魔族の一族に[ネウロ]と言う青年と、ベリルと言う美しい女性がいた。

ネウロは王族筋ではあったが、身分の違う王女のベリルに恋心を抱いていた。

周囲はそれを良く思わなかった。

だが周囲の反対を他所に、ふたりは密かに関係を深めていく。

そんな中、隣国、今で言うワーテイズの元である[ワイゼンス国]が領土拡大の為、魔族の治める土地を奪いに戦争が始まる。

ネウロもこれに参戦、戦争は長引いて行く。

ワイゼンスがその均衡を崩すべく、失われた召喚魔法を使用し戦争は大きく傾く。

召喚された魔獣は厄災と呼ばれ、魔族の領土どころか近隣の国をも巻き込み、戦争は激しさを増して行く。

厄災は、召喚したワイゼンス国にも被害を出し、徐々に戦争は自ら招いた厄災を敵とする様になって行った。

魔族もすでに領土を守れる数もいなくなり、最後に王は、空間魔法を利用した封印術を作り出し、厄災の恐怖を終わらそうと隣国全てと協力し打って出る。

だがそれには封印の中から術を発動しなければならず、その役目に娘のベリルの名が上がる。

ネウロもそれには賛同出来ず、最後まで抵抗をする。

そこにワイゼンス国が甘い言葉で、姫を助けるとネウロを誘惑する。

魔族の領土を奪う為に。

ネウロも騙されている事は知っていたが、国より愛するベリルを取ったのだ。

だが、厄災を封印するには特殊な魔力を持つ姫しかおらず、結局ワイゼンス国に姫も騙され、領土も姫も奪われる事になったのだ。

姫を犠牲に封印は、厄災を地下に深い眠りへと抑え込み封じる。

厄災の脅威が去った後、ワイゼンス国は更に領土を拡大し大国にまでなるが、ネウロと言う復讐者を作り出した事に気付かずにいた。

ネウロは姿を消し、復讐に飲まれていく。

わずかに生き残った魔族達は、ネウロを筆頭に封印を守りながらも、息を潜めワイゼンス国に復讐する機会を狙っていた。

だがワイゼンス国は、王のその後の行いにより勝手に自滅する。

内乱は国を分けて、何年も続いたそうだ。

魔族達も復讐の相手を失い、封印の鍵を手に取り戻し、封印を守るだけになっていたが、時代の移り変わりに歴史から静かに消えて行く。

だが、ネウロは編み出した転生魔法で時代の中をひとり生き抜いて行く。

いつしか復讐も忘れ、封印だけを守る様に静かに暮らして行く。

ひとりの女の為に……



時代は変わり、ワーテイズ国が戦争に封印された厄災を利用する計画を立てる。

ワーテイズの王が、その封印を解く為にネウロを見つけ出し、鍵となる魔道具を奪い去る。

抵抗した時に倒した騎士に転生魔法でその場を生きながらえたネウロは、止めようと努力するが、封印が解かれ厄災を世に放ってしまったのだ。

そこにはベリルの亡骸が時を止め、当時のままの姿を現す。

数百年の時を超え……

厄災から慌てて奪い去るネウロは、全てを思い出した様に、また復讐に色を染めて行く。

まずは長年寄り添って来た近隣の村だ!

ワーテイズの王に、ネウロを売った者達だ。

封印の場所まで教えた村人を、許してはおけなかったのだ。

都合よくベリルの子孫が近くの街で権力を持っていた。

協力を仰ぐと、ギルドマスターのベリルは断り、ネウロを襲い敗れ倒れる。

ネウロはギルドマスターのベリルに乗り移り、村に復讐を始める。

そうこれは、ベリルの為の復讐であった。

この名前を聞いて、自分達がして来た事を思い出させてやろうと、ベリルの名を語り出す。

このギルドマスターのベリルの召喚魔法は都合良く、離れた村を同時に襲えた。

そこにゴキコロリを名乗る者が現れて、復讐の邪魔をする。

仕方なく、取っておいた、近くで魔獣に襲われて亡くなった女の遺体に乗り移り、逃げる。

そして運は味方して行く。

女は大きな魔力を持っていた。

だが、復讐には足りない。

そこで王を倒すべく、何かこの女の魔力を活かせる武器を探そうと探していると、街でナリと言う男と出会う。

ナリは長年研究して来た陣唱紙をワーテイズに売りに来ていたが、自爆という形でしか使えないこの魔法に、国は見向きもしなかった。

ベリルは、俺になら使えると思った。

ナリにその陣唱紙の有用性を俺が世界に教えると話を持ちかける。

ナリは自分の研究が世に広がれば!っと、二つ返事でベリルに協力する。

まずはネウロを殺した貴族を襲い、遺体に魔石のかけらを埋め込み、王に復讐しに行く。

陣唱紙を大量に体に巻き、王族が集まる席に乗り込み自爆すると、貴族の体で息を吹き返す。

ナリの言った通りであった。

魔石のかけらを埋め込めば、離れていても乗り移れる!

王に復讐を遂げたベリルは、マジックバッグの中の氷漬けのベリルに報告する。

するとナリは、ザイラスの獣王なら生き返らせるかもしれないと言ってきた。

淡い期待が胸を打つ。

だが、陣唱紙を作るのに先に賢王を倒そうと、ナリは言ってきた。

理由を尋ねると、陣唱紙はエルフの血で出来ていると知る。

ベリルの復讐はワーテイズの王族を殺し、残る関係者を殺せば終わる。

これ以上、無駄に関係ない者を殺す意味は無かった。

断るとナリは「裏切るのか!」と襲いかかってくる。

ベリルはナリを、勢いから殺してしまう。

古代魔法に取り憑かれたナリの体に、魔石を埋めて保管する。

まだワーテイズの膿は残っている。

やり遂げねばならないと動き出す。

残された陣唱紙も限られている。

残された王族筋を調べる為に貴族になりすまし、城へ向かう。

そこでゴキコロリと再会する。

後にこの男、ワーテイズと関係無いのに、厄災を倒し助けたと聞く。

あの厄災を倒せる者がいたとは。

そして気付かれ、倒される!

強い…… だがまだやる事が残っている!

その後、ナリの体で残された王族筋を全て殺し、復讐を終えたベリルは、自爆で失ったナリの体から、魔獣に襲われ亡くなった獣人の青年に乗り移り、ナリの残した言葉を思い出す。

生き返るかも知れない……

獣王にベリルの復活を頼みに行く。

だが、死んだ人間が訪ねて来たと襲われ、自爆して逃げる。

「そして惣一郎! またお前にあったのだ」





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