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十三章

十五話 【ダンジョンのご褒美】

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名が広まれば、こう言った影も出来る。

仕方がない事なのだろうか……

転がり痛みに耐える男を横目に、歩き出す惣一郎と弁慶。

露店の数が少なく、食材はほぼネットショップになりそうであった。

「惣一郎殿?」

美しい声に振り返る惣一郎。

「ミトルさん! 離婚して僕を追いかけに?」

「へっ? いえ全然違いますが、セルロイにいつお戻りに?」

「先程です! 貴方に会いたくて!」

声をかけた事を、後悔する表情であった。

「またしばらく船旅になりそうなので、食材を買いに来たのですが、お店がやってなくって」

「そ、そうでしたか、物が分かれば商人ギルドで、都合致しますが?」

「ほんとですか? 嬉しいな~」

「結構だ!」

腕を組み惣一郎の前に出る弁慶。

「えっと、あなたは?」

「お前には、関係ない!」

「ちょっと弁慶!」

「まぁ、惣一郎殿も隅に置けませんですね、こんな綺麗な奥さんがいるだなんて、前にお会いした奥さんも可愛らしかったですが、2人目ですか?」

「なんと! わかっているじゃないか!」

「オイオイ」

「お二人のデートのお邪魔をしてしまいましたね! では、私はこれで」



「いや~ 実に聡明な方ですね~ 旦那様」

「………はぁ♡」

「旦那様!」

「ふぇ? ああ弁慶いつ来たんだ?」

弁慶に抱えられ、歩き出される惣一郎だった。



少し歩き、魔導書店を訪れるふたり。

ドアは開いているが、いくら呼んでも返事がない。

「留守だな」

「休みか、不用心な……」

ダンジョンで手に入れた魔導書を、鑑定して欲しかったが、出直そうと諦め店を出ると、

「すいません! ハァハァ御用でしたか! ちょっと用足しに出てまして! ハァハァ」

額に汗をかき、肩で息をする小太りの中年男性が、そのままカウンターの奥へ行き、仕切り直す。

「いらっしゃいませ! ハァハァ 今日はどんな魔法を?」

「いや、鑑定を頼みたいんだが」

「鑑定? 魔導書の?」

「あぁ、ダンジョンで手に入れた物なんだが、なんの魔法かわからなくって」

「ダンジョン産ですか! そりゃ凄い!」

惣一郎は二冊の魔導書をだし、鑑定をお願いする。

「二冊も! どんだけ幸運なんですか!」

店員は魔法陣の描かれた紙をもってきて、カウンターに広げ魔導書を置き、手を添えると光だす。

「おや、サーチですね…… ただのサーチです。これだとダンジョン産でも、あまり高値は期待出来ないですね~」

惣一郎には当たりであった。

「もう一冊は…… ん? えっ?」

「なんだったんだ?」

「いやそれが…… なんの魔法なのか、分からなくって……」

「そんな事もあるのか?」

「ん~ なくも無いですね~ 私も初めてです。まぁ、鑑定自体がそうそう無いですがね、この場合魔法に長けた魔族に、鑑定を頼むか、使ってみるかですかね~」

まぁ、分からないものは仕方がない。

その内でいいだろうと、不明の方の魔導書を仕舞い、サーチの方を頭に乗せる。

店員が察したのか呪文を呟くと、惣一郎の頭に、サーチの魔法が刻まれる。

「ありがとう! 鑑定料はいくらだ?」

「お気になさらず! 鑑定自体無償ですので!」

良心的な言葉に惣一郎は、礼だと5ギー置いて店を出る。


「旦那様、お目当てのサーチでよかったな!」

「ああ、もう一つは、テレポだと思ったんだがな~ まっ、いいか!」

惣一郎は早速サーチを試してみるが、唱えた瞬間、気を失い倒れる。

「旦那様!」




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