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十四章
四話 【港町ポートス】
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「ジビカガイライの方々ですね、ザザンド国へようこそおいでくださいました! 連絡頂いてからお待ち申し上げておりました!」
地面が揺れる感覚の惣一郎は、ベンゾウの肩に掴まりながら、ようやく立っていた。
「来たばかりでスマンが、少し休ませてくれ…… 目が回る……」
船酔いの次は陸酔いの様だ。
「そうですね、長旅でお疲れでしょう。テントがあるので場所の提供だけでいいと聞いておりますが?」
「ああ、頼む……」
ザザンド国の港町[ポートス]にある、冒険者ギルドへ案内される。
真っ直ぐ歩けない惣一郎は、クロに荷車で引いてもらう。
ポートスの町は、木造の家が並び、何処となく西部劇で観た様な雰囲気を、醸し出していた。
移動手段が馬なのだろうか、家の前には馬を繋ぐ杭と樽には水が張られており、乾燥している砂埃が舞っていた。
その町並みにアンバランスな町民は、和服ぽい、前合わせの服を着てる。
ギルドへ着くと、裏から中庭へ真っ直ぐ案内された。
「ジビカガイライの皆さん、滞在中はこの中庭をご自由にお使い下さい」
礼を言うと職員はお辞儀をして、ギルドへ入って行く。
広い中庭へ、テントを出す惣一郎は、隣にリヴォイとサヴォイ用に別にテントを出す。
以前、風呂用に使っていたテントだ。
空っぽのテントにベッドを二つと寝具を置いてテーブルもサービスする。
「こっちはふたりで使ってくれ」
襲われた村の事を聞いてから、無口なふたりは礼を言うと中へ入り休む。
「セシルはどうする? ひとり用のテントを出すか?」
「いえ、ご一緒で構いません!」
てっきり別にすると思っていた惣一郎。
本人がいいならと、テントの中にベッドを用意すると惣一郎も直ぐにベッドへ倒れ込む。
「ジビカガイライの皆さん! どちらに?」
外から男の声が聞こえてくる。
「セシル、要件を聞いて来てくれ…… 話なら明日に頼むと……」
頷き外に出るセシル。
少しすると戻ってきて、
「ギルドマスターの方がご挨拶に来たそうですので、日を改めて貰いました」
惣一郎はベッドから、手を上げて返事をする。
翌朝、一晩寝た事で大分楽になった惣一郎は、中庭に出て、朝食に力を入れていた。
朝からガッツリと、チャーハンと中華スープ。
チャーハンには、焼肉が乗っていた。
朝から重い朝食に、誰も文句を言う者はおらず、みんな喜んで食べている。
「いい匂いですな~ おはよう! ポートスギルドの責任者をしている[ノイカ]と言います」
現れた白髪に白い髭の男は、挨拶をするとセシルの頭に手を置いて撫で始める。
「昨日は済まなかった! 船旅で具合が悪くって。ジビカガイライの惣一郎だ、よかったら一緒にどうだ?」
「ええ是非! いい匂いに釣られた甲斐があった!」
ギルマスのノイカを加え、食事を摂りながら今の状況を聞いた。
厄災は、ここから東に行った[トイプリの森]辺りで目撃されているそうで、ザザンドの兵が常に見張っているそうだ。
足止めも進行方向を誘導する事も出来ず、遠巻きに見張る事しか出来ない現状であり、進行先にある村や町に危険を知らせ、避難させるそうだ。
「[グスコールの村]は! 村人はどうなりました!」
箸を止め、ギルマスに身を乗り出し聞くリヴォイとサヴォイ。
「村は酷いあり様の様だが、人的被害は出ておらぬ。安心せい! 皆、無事だ」
ギルマスの言葉に、ホッとして腰をイスに下ろすふたりは、
「「 よかった~ 」」
っと、声を揃える。
地面が揺れる感覚の惣一郎は、ベンゾウの肩に掴まりながら、ようやく立っていた。
「来たばかりでスマンが、少し休ませてくれ…… 目が回る……」
船酔いの次は陸酔いの様だ。
「そうですね、長旅でお疲れでしょう。テントがあるので場所の提供だけでいいと聞いておりますが?」
「ああ、頼む……」
ザザンド国の港町[ポートス]にある、冒険者ギルドへ案内される。
真っ直ぐ歩けない惣一郎は、クロに荷車で引いてもらう。
ポートスの町は、木造の家が並び、何処となく西部劇で観た様な雰囲気を、醸し出していた。
移動手段が馬なのだろうか、家の前には馬を繋ぐ杭と樽には水が張られており、乾燥している砂埃が舞っていた。
その町並みにアンバランスな町民は、和服ぽい、前合わせの服を着てる。
ギルドへ着くと、裏から中庭へ真っ直ぐ案内された。
「ジビカガイライの皆さん、滞在中はこの中庭をご自由にお使い下さい」
礼を言うと職員はお辞儀をして、ギルドへ入って行く。
広い中庭へ、テントを出す惣一郎は、隣にリヴォイとサヴォイ用に別にテントを出す。
以前、風呂用に使っていたテントだ。
空っぽのテントにベッドを二つと寝具を置いてテーブルもサービスする。
「こっちはふたりで使ってくれ」
襲われた村の事を聞いてから、無口なふたりは礼を言うと中へ入り休む。
「セシルはどうする? ひとり用のテントを出すか?」
「いえ、ご一緒で構いません!」
てっきり別にすると思っていた惣一郎。
本人がいいならと、テントの中にベッドを用意すると惣一郎も直ぐにベッドへ倒れ込む。
「ジビカガイライの皆さん! どちらに?」
外から男の声が聞こえてくる。
「セシル、要件を聞いて来てくれ…… 話なら明日に頼むと……」
頷き外に出るセシル。
少しすると戻ってきて、
「ギルドマスターの方がご挨拶に来たそうですので、日を改めて貰いました」
惣一郎はベッドから、手を上げて返事をする。
翌朝、一晩寝た事で大分楽になった惣一郎は、中庭に出て、朝食に力を入れていた。
朝からガッツリと、チャーハンと中華スープ。
チャーハンには、焼肉が乗っていた。
朝から重い朝食に、誰も文句を言う者はおらず、みんな喜んで食べている。
「いい匂いですな~ おはよう! ポートスギルドの責任者をしている[ノイカ]と言います」
現れた白髪に白い髭の男は、挨拶をするとセシルの頭に手を置いて撫で始める。
「昨日は済まなかった! 船旅で具合が悪くって。ジビカガイライの惣一郎だ、よかったら一緒にどうだ?」
「ええ是非! いい匂いに釣られた甲斐があった!」
ギルマスのノイカを加え、食事を摂りながら今の状況を聞いた。
厄災は、ここから東に行った[トイプリの森]辺りで目撃されているそうで、ザザンドの兵が常に見張っているそうだ。
足止めも進行方向を誘導する事も出来ず、遠巻きに見張る事しか出来ない現状であり、進行先にある村や町に危険を知らせ、避難させるそうだ。
「[グスコールの村]は! 村人はどうなりました!」
箸を止め、ギルマスに身を乗り出し聞くリヴォイとサヴォイ。
「村は酷いあり様の様だが、人的被害は出ておらぬ。安心せい! 皆、無事だ」
ギルマスの言葉に、ホッとして腰をイスに下ろすふたりは、
「「 よかった~ 」」
っと、声を揃える。
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