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十四章
十二話 【次の依頼】
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ダンゴムシやムカデの魔石に加え、カマキリとハリガネムシの魔石をシーバサキに売ろうと机に並べる惣一郎。
まぁ持ってても今の所、使い道ないし。
シーバサキは目を丸くして、工場の責任者と話し合っていた。
「惣一郎さま…… この魔石、全部お売りに?」
「ああ、売れる?」
「え、ええ、ただ全部はこちらも予算が……」
ダンゴムシやムカデの魔石もやはり、カマキリの魔石となんら遜色も無く、通常の魔獣などの魔石の数倍の価値がある様だ。
やっぱ脚が多くても厄災じゃん。
カマキリとハリガネムシの魔石だけ外し、売る事にする惣一郎。
「足らない分は後日、ギルドで受け取れる様に手配してくれれば言い値でいいよ」
「まことですか!」
惣一郎に至っては、ギルドが銀行の様な役割にもなりつつあった。
工場長とウハウハのギルマスを置き去りに、惣一郎はセシルと街の見学に戻る。
気軽になった惣一郎は、露店で食材などを買い漁りながら街をぶらつくと、セシルが突然、
「惣一郎様、サーズリ殿からコールです!」
っと、黙り込む。
こんなに早く、次の依頼かな?
セシルが話終えるまで、露店で買ったパンに挟まれた魚を食べて待つ惣一郎だった。
「惣一郎様! 旧ゼリアオールスから厄災の討伐依頼が入ったそうです。いかが致しますか?」
「どっかで聞いた様な…… 遠いの?」
「旧ゼリアオールスは、ここザザンドから南にまた船で2週間程かかるかと」
「また船か…… 却下で!」
「惣一郎様!」
「わかったよ、詳しく聞いといて! 返事はそれからだ!」
「わかりました」と返事をするセシルは、サーズリに情報を集める様に頼み、また今夜連絡するとコールを切った。
また船か…… なんとかせねば。
そのまま、街を歩き出すふたり。
歩きながら惣一郎は、
「なぁ、ここから南の港まで行って船で2週間って、間に合うのか?」
「私も、この国の地理的な所はまだ把握してないので、どの位離れているのか…… ですがそうですね、その間被害が拡大するのは間違い無いかと思います」
のんびりどころか、忙しない旅になったな~ っと早くも後悔する惣一郎だった。
ギルドに戻るとシーバサキが、
「お戻りですか! 丁度よかった。先程は貴重な魔石をお譲り下さり、ありがとうございます。討伐の報酬が準備出来ましたのでこちらへ!」
っと奥の個室へ案内される。
通された個室のソファーに座る惣一郎。
「今日は随分と人が少ないな?」
「ええ、こちらも大助かりですよ!」
なんの話だろうか?
聞くと訓練場で冒険者達が、こぞって弁慶とベンゾウに戦いを挑んでいるそうだ!
ギルマスも戦闘教官を無償で買って出てくれ、大助かりと喜んでいる訳だ。
冒険者が減らなければ良いが……
「こちらが今回ザザンド国から出された報酬の16万ギーです。流石に金貨だと置けないので、交易などで使われ国が発行している、この白王金貨でのお支払いになります」
テーブルの上に、豪華な宝石箱に入った大きなプラチナ色の硬貨が置かれる。
すご! 流石に使いきれんな……
「それと魔石の買取額なのですが、全部で23,000ギーでよろしいでしょうか?」
上手いなコイツ! 先に16万見せての値段交渉。
まぁ、確かにそれで良い気もしてくる。
惣一郎は了承し、全額ギルドに預ける事にする。
書面を交わし、世界中のギルドでいつでも使う分だけ引き出せるとの事。
ただし、1万以上は事前に相談がいる。
まさに銀行だな。
名義はジビカガイライにしたので、惣一郎に何かあっても仲間なら誰でも下ろせる様にした。
惣一郎が亡くなれば奴隷であるベンゾウは奴隷から解放されるので、その際はベンゾウでもお金を使えるよう遺産としての書面も交わす。
アイテムボックスに入れてると取り出せる保証が無いので、預けてあれば安心だ。
手続きを終え、南の港までどの位かかるかをシーバサキに聞く。
「[ヒカセールの港]ですか? また随分と急ですね! そうですね~ ここからだと馬車で二カ月程でしょうかね~」
「端から端までだもんな~ そりゃ遠いか」
「また急にどうしてですか?」
「実は……」っと事情を説明する惣一郎。
「なるほど…… 旧ゼリアオールスですか。最近、国王が亡くなったばかりであの国も大変ですな~」
「国王が?」
ギルマスもそれ以上の事は知らなかった。
話を終えた惣一郎が部屋を出て中庭へ降りていくと、数十人の倒れた冒険者達が庭に散らばっていた。
「おかえり旦那様!」
「ご主人様~ おかえり~!」
「オイオイ、何してんのよ……」
「「 訓練! 」」
…………
セシルが冒険者達に癒しの魔法をかけて回る。
おっあるんだヒールみたいな回復魔法。
惣一郎は栄養ドリンクを人数分出し、ベンゾウと弁慶に冒険者達に配る様にと渡すと、テントに入って行く。
また変な異名が付きません様に……
まぁ持ってても今の所、使い道ないし。
シーバサキは目を丸くして、工場の責任者と話し合っていた。
「惣一郎さま…… この魔石、全部お売りに?」
「ああ、売れる?」
「え、ええ、ただ全部はこちらも予算が……」
ダンゴムシやムカデの魔石もやはり、カマキリの魔石となんら遜色も無く、通常の魔獣などの魔石の数倍の価値がある様だ。
やっぱ脚が多くても厄災じゃん。
カマキリとハリガネムシの魔石だけ外し、売る事にする惣一郎。
「足らない分は後日、ギルドで受け取れる様に手配してくれれば言い値でいいよ」
「まことですか!」
惣一郎に至っては、ギルドが銀行の様な役割にもなりつつあった。
工場長とウハウハのギルマスを置き去りに、惣一郎はセシルと街の見学に戻る。
気軽になった惣一郎は、露店で食材などを買い漁りながら街をぶらつくと、セシルが突然、
「惣一郎様、サーズリ殿からコールです!」
っと、黙り込む。
こんなに早く、次の依頼かな?
セシルが話終えるまで、露店で買ったパンに挟まれた魚を食べて待つ惣一郎だった。
「惣一郎様! 旧ゼリアオールスから厄災の討伐依頼が入ったそうです。いかが致しますか?」
「どっかで聞いた様な…… 遠いの?」
「旧ゼリアオールスは、ここザザンドから南にまた船で2週間程かかるかと」
「また船か…… 却下で!」
「惣一郎様!」
「わかったよ、詳しく聞いといて! 返事はそれからだ!」
「わかりました」と返事をするセシルは、サーズリに情報を集める様に頼み、また今夜連絡するとコールを切った。
また船か…… なんとかせねば。
そのまま、街を歩き出すふたり。
歩きながら惣一郎は、
「なぁ、ここから南の港まで行って船で2週間って、間に合うのか?」
「私も、この国の地理的な所はまだ把握してないので、どの位離れているのか…… ですがそうですね、その間被害が拡大するのは間違い無いかと思います」
のんびりどころか、忙しない旅になったな~ っと早くも後悔する惣一郎だった。
ギルドに戻るとシーバサキが、
「お戻りですか! 丁度よかった。先程は貴重な魔石をお譲り下さり、ありがとうございます。討伐の報酬が準備出来ましたのでこちらへ!」
っと奥の個室へ案内される。
通された個室のソファーに座る惣一郎。
「今日は随分と人が少ないな?」
「ええ、こちらも大助かりですよ!」
なんの話だろうか?
聞くと訓練場で冒険者達が、こぞって弁慶とベンゾウに戦いを挑んでいるそうだ!
ギルマスも戦闘教官を無償で買って出てくれ、大助かりと喜んでいる訳だ。
冒険者が減らなければ良いが……
「こちらが今回ザザンド国から出された報酬の16万ギーです。流石に金貨だと置けないので、交易などで使われ国が発行している、この白王金貨でのお支払いになります」
テーブルの上に、豪華な宝石箱に入った大きなプラチナ色の硬貨が置かれる。
すご! 流石に使いきれんな……
「それと魔石の買取額なのですが、全部で23,000ギーでよろしいでしょうか?」
上手いなコイツ! 先に16万見せての値段交渉。
まぁ、確かにそれで良い気もしてくる。
惣一郎は了承し、全額ギルドに預ける事にする。
書面を交わし、世界中のギルドでいつでも使う分だけ引き出せるとの事。
ただし、1万以上は事前に相談がいる。
まさに銀行だな。
名義はジビカガイライにしたので、惣一郎に何かあっても仲間なら誰でも下ろせる様にした。
惣一郎が亡くなれば奴隷であるベンゾウは奴隷から解放されるので、その際はベンゾウでもお金を使えるよう遺産としての書面も交わす。
アイテムボックスに入れてると取り出せる保証が無いので、預けてあれば安心だ。
手続きを終え、南の港までどの位かかるかをシーバサキに聞く。
「[ヒカセールの港]ですか? また随分と急ですね! そうですね~ ここからだと馬車で二カ月程でしょうかね~」
「端から端までだもんな~ そりゃ遠いか」
「また急にどうしてですか?」
「実は……」っと事情を説明する惣一郎。
「なるほど…… 旧ゼリアオールスですか。最近、国王が亡くなったばかりであの国も大変ですな~」
「国王が?」
ギルマスもそれ以上の事は知らなかった。
話を終えた惣一郎が部屋を出て中庭へ降りていくと、数十人の倒れた冒険者達が庭に散らばっていた。
「おかえり旦那様!」
「ご主人様~ おかえり~!」
「オイオイ、何してんのよ……」
「「 訓練! 」」
…………
セシルが冒険者達に癒しの魔法をかけて回る。
おっあるんだヒールみたいな回復魔法。
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また変な異名が付きません様に……
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