異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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十五章

十七話 【到来】

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翌日、サーズリからの連絡を受け、厄災の襲撃を待ち構える惣一郎達。

森の入り口で、空中戦も予想して防衛線を張る。

檻の前には惣一郎が、その後ろにビルゲンが控え、木の上にバオとゴザが弓を構える。

「ご主人様、まだ来ない? お腹空いてきたよ」

「さっき昼食っただろ、これでも食ってろ!」

ベンゾウにチョコバーを渡すと、マスクを外して食べ始める。

「我にもそれを!」

……可愛くない。



「惣一郎殿、来ました!」

木の上から、バオが叫ぶ!

東の空を埋め尽くすバッタの大群が現れる!

「全員マスクを、手筈通り行くぞ!」

惣一郎は、殺虫剤の入った袋をテレキシスで、無数に空へと浮き上がらせる!

銀の杖を掲げるビルゲンが、風刃を空へ放つ!

風刃は袋を切り裂き、粉を風に乗せて、殺虫剤の霧が向かい来る厄災を包み込む!

『なんて規模の風刃だ! これが僕の魔法』

バタバタと落ちていくバッタの大群。

だがやはり、弱りながらも向かって来る者もいる!

白い霧で覆われた厄災に、惣一郎がエルに合図を飛ばす!

「今だ!」

エルがコチラも惣一郎作の銀の杖で、炎槍を撃ち込む!

青い火柱が上がると、火が霧全体をフワッと一瞬広がる。

「あれ? もっと粉塵爆発って派手だと思ったが……」

漫画の様には行かない様だ……

それでも、飛ぶ厄災の羽に燃え移り、落ちて来る。

「行くぞーーー! ゴリラング・ログ!」

ツナマヨを先頭に、弱り落ちたバッタに止めを刺しに突き進むゴリラング・ログ。

勢いそのままに突っ込んで来るバッタを、トーマが盾で跳ね返し突き進む!

『あはは! なんて軽さだ、止められるものなら止めてみろ!』

両手剣を振り回し、両断して行くギコル!

『千住院大和物、なんて切れ味なんだ! これなら火を吹かなくたって!』

青い火柱を何本も立ち昇らせる、エル!

『青い火柱じゃと! 素晴らしい! 流石大魔導師様じゃ、一生ついて行こう!』

そしてひとり離れて行くツナマヨ。

「ははは! さぁ、どんどん来るがよい! 魔法など使わずとも兼房虎徹なら、体が覚えた剣技だけで十分だ!」

確かに彼女には、近付かない方がいい……

だが数が多い厄災は、どんどん森に近づいて来る。

カクカクと角度を変える無数の光線が、近づく厄災を次々と射抜いて行く。

『素晴らしい弓ですね! 思った場所に百発百中です!』

『魔力消費が前とは桁違いだ! いける!』



「ご主人様、まだ~?」

「アタイも我慢が!」

「俺らはまだだ、体力は何時迄も続かない! みんなが後退してからが、俺らの出番だよ。でもそろそろ二回目の散布行っときますか! セシルみんなにコールを!」

『みんなさんマスクを! 二回目行きます!』

惣一郎はまた、袋を空へと浮き上がらせる!

「僕の出番だね! ウインドカッター!」

追い付いた後続の厄災が、また同じ様に落ちていく。

「惣一郎様! 南東から別の群れです!」

「少数だ、我々で対処出来ます!」

さぁ、どんどん来い!






『惣一郎様! そろそろ交代を!』

「よし! 行くぞ、ジビカガイライ!」

「「 おおーーー! 」」

「クロ! みんなを回収してくれ」

「やれやれ」

可愛くない……


銀の閃光が黒いオーラを広げ、小刀で届くはずのない厄災をも斬り倒して戦場を駆け巡る!

クロの荷車が疾走し、疲れたギコル達を乗せて戻る。

鋭く伸びたツノの赤鬼が、笑いながら次々と厄災を、地面に叩き潰して行く!

あれじゃ素材回収は出来なそうだな……

惣一郎は歩きながら、タングステンのククリ刀で結界を作り進んで行く。

結界は近付く厄災を両断し、惣一郎の近くを2本の宙に浮く刀がさらに、斬り刻んで行く。

理喪棍をまるで指揮者の様に振ると、踊る様に刀が舞う。

『惣一郎様、ツナマヨさんが下がりません』

『ほっとけ!』


檻を守るビルゲンの所には、休憩所が設けてあり、軽食のサンドイッチやザスの実のジュースが置いてある。

クロの荷車で戻ったトーマ達が、息を切らしながらジュースを飲む。

「ハァハァ、この数だ、もう一度出番が来そうだな」

「ハァハァ、どうだろうな、見ろあれを!」

「惣一郎殿は、団体戦向きの様ですね……」

「散歩と勘違いしてそうだ……」

「「「 確かに…… 」」」


「おい、貴様! 我にもそのジュースを!」

可愛くない……




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