異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!

夜間救急事務受付

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第十六章

十五話 【リゾートへようこそ!】

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結局、ベッド二つの狭い部屋にチーム分かれて泊まる事になった。

惣一郎のギルドの中庭を借りる案を、何故かみんなが反対して、たまにはみんなでとベッドをふたつくっつけて、雑魚寝状態。

夕方まで寝てた癖に、弁慶もベンゾウもよく眠れるな…… Zzz





翌朝、目が覚めた惣一郎は硬い床の上だった。

軽く食事を摂りながら、惣一郎はミコ達に話を始める。

「これから案内する所は、ギルドの超極秘施設だ! 絶対に他言しないと約束してくれ」

「極秘施設?」

「なぜ、そんな極秘施設を惣一郎は知っているのだ?」

「これは世界各地に現れる、厄災に対するものだ! 知ったからには後戻りは出来ない。俺は、ほれ! ギルドでも極秘に触れていい立場だからだ」

そう言いながら惣一郎は、黒い冒険者カードを見せる。

「おいおい、お偉いさんだったのか…… どうするガブガ、アタイ普通に話してたぞ」

「コリャたまげた! お偉いさんって、ただのお偉いさんじゃないぞ! ギルド最高役員の5人しか持ってない奴だぞ!」

「ええ、6人目で~す!」

「ミコよ、コリャ本当にあるのかも知れんぞ、極秘施設」

「ああ、騙される訳じゃ無いみたいだな……」

「さぁ、今決めろ! 秘密を守り、強くなって厄災を倒すか、ここで帰って今まで通り冒険者を続けるか」

「「 行くに決まってるだろ! 」」

「ガウ!」

「えっと…… ガウも行くでいいのかな?」

「ガウ!」

うん、だからどっちよ!





約束を取り付けた惣一郎は、みんなを地下へ案内すると、朝からギルドへ行っていた弁慶が戻って来る。


カビ臭い、石壁の部屋。

「ようこそ、施設長のトヌマです。クルセウスの方々ともお会い出来て光栄です! さぁ準備は出来てますよ」

意味も分からず案内されるがまま、魔法陣の上に立つ3人と、ジビカガイライ。

「じゃトヌマ、世話になったな!」

「ええ、惣一郎様もお気をつけて!」

光出す魔法陣に驚くも手遅れ、光が白く全てを包んでいく。


その光が徐々に弱まり、ゆっくりと景色が目に映ると……

「よく来たピオリア島へ! 正しくはその横の監視施設ですがな。俺が施設長の[ギド]だ」

半袖短パンとラフなスタイルだが、露出した肌はゴツく傷だらけの、男であった。

「よろしく、ジビカガイライの惣一郎だ」

おっさん同士の握手を済ますと、早速ギドが案内を始める。

「さぁ、こちらへ」

案内され階段を登ると、眩しい光が目に飛び込む。

大きな部屋の半分が、ガラス張りの温室の様だった。

鉢植えの野菜が並び、生活感が出ている。

「施設にはもうひとり職員がいるのだが、今偵察に行っておる、戻り次第挨拶させよう」

そう言いながら扉を開け外に出ると、この建物以外何も無い、広い砂浜だけの島であった。

「あれがピオリア島です」

「あはは! マンガじゃん!」

ギドの指差す方に見える島は、火山を中心に森が広がる、大きな島であった。

煙が上る大きな火山の周りは惣一郎なら、一日で一周出来そうであった。

監視島からは舟で行くのだろう、今はないが砂浜に舟を上げる場所が作られている。

「施設には一通り生活に必要な物が揃ってるが、入り用の物があれば、言ってくれ」

「ああ、ありがとう。よろしく頼むよ! まぁ取り敢えずは、こっちでなんとかするよ。連絡した様に、砂浜をしばらく借りるな」

「ああ、では、何かあれば声をかけてくれ」

そう言うと建物へ帰って行く。

クルセウスの3人は、ずっと口を開けアホみたいに放心状態だった。

「どどどどど、どういう事だ! なぜ海のど真ん中に…… さっきまでシェンスーの街に…… ピオリア島って、話にしか聞いた事ない遠い場所なんだぞ!」

「おおおお、落ち着けミミミ、ミコよ!」

「ガル……」

あっ、ガウ以外喋った!

「まぁ、極秘施設はお気付きだと思うが、転移施設だ。緊急事態でしか利用できない。厄災の出現はそれに該当するって事だな…… 聞いてる?」

惣一郎はテントを出して、少し待つ事にする。





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