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第十六章
三十話 【新手】
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サイの街に着いた惣一郎は、施設でフロスト諸島へと門を繋いでもらう。
「来てすぐに倒して来るとは恐れ入ったが、今度はフロスト諸島か! 忙しいこって!」
ああ、俺のスローライフは何処へ……
光に包まれ、ゴーラルド街へ出る。
施設長に案内され外へ出ると、雨が激しく地面を打ち付けていた。
雨具を身に付ける惣一郎とベンゾウは、そのまま杖にまたがり、南東のゴミヤの街を目指す。
雨を弾き、ほうき星の様に空を進む惣一郎達。
陽が沈みかけた薄暗い夕方の事であった。
「惣一郎殿がこっちに向かってるぞ!」
ツナマヨがサーズリからセシルの伝言を聞く。
「向こうはもう片付いたのか!」
「流石は大魔導師、惣一郎様!」
「しかしこのままでは、我々は何もせずに終わってしまうぞ!」
「アザ殿! トチカの村はまだか!」
馬車に並走する馬からアザが、
「見えて来た! あれがトチカだ!」
林の中開けた場所に小さな村が見えて来る。
暗くなり始める頃の来客に、驚く村人達。
村に着くと直ぐに、アザが村長に話をつけると村の馬を4頭貸して貰える事になるが、数が合わなかった。
「我々はこのまま、馬を休ませてから追いかける! 馬車だけでも先に向かってくれ」
「このまま大人数が馬車で向かっても、遅くなるんじゃないか! 4人がこの馬で先に向かった方が?」
「確かに重い馬車より、足は早くなるか……」
「わかった! 私とミコ、トーマとエルで先を急ごう」
「仕方あるまい、わしらは馬が回復次第、直ぐに追いかけるぞ。気を付けろよミコ」
「ミコ、俺の雨具を使え」
こうして二手に別れた先鋭隊が、馬を乗り換え、ゴミヤを目指し、薄暗い林の中に消えて行く。
雨は激しさを増していた。
『……っと言う事です!』
『そっか、まぁ厄災も夜は動かないだろうし、俺達もそのトチカの村に寄って行くよ!』
『はい。では私たちは先に島へ戻っていますね』
セシルから事情を聞いた惣一郎は、ツナマヨ達の顔を立てようと、トチカの村へと進路を変える。
惣一郎は空を飛びながらトチカの村を探そうと広範囲でサーチを唱える。
すると、村らしき人が集まる場所を見つけると同時に、そこを目指す5つの影を見つける。
ムカデだ! ムカデの群れが南東を目指し集まって来てるな。
惣一郎は速度を上げ、村を目指す。
村に降り立つ惣一郎は、
「ムカデだ! ムカデが南東を目指しここを通るぞ!」
「惣一郎殿!」
「ムカデがここに来るのか!」
「ああ、すぐそこまで来ている! 村人は? いるなら避難を!」
「アザ、別の厄災がここに来る! アザ達は村人の避難を!」
「わかった!」
「ここを通るのは2匹だ! 北西からも3匹来ている。俺とベンゾウはそっちへ向う! ここは任せるぞ!」
「あいわかった! ガオ、気合い入れていくぞ!」
「ガオ!」
ガブガとガオ、ゴザとギコルが村の入り口で、迎え撃とうと武器を構え、暗い林に目を光らせる。
惣一郎はすぐに、ベンゾウを乗せて北西の別の3匹の所へと飛び立つ。
「来てすぐに倒して来るとは恐れ入ったが、今度はフロスト諸島か! 忙しいこって!」
ああ、俺のスローライフは何処へ……
光に包まれ、ゴーラルド街へ出る。
施設長に案内され外へ出ると、雨が激しく地面を打ち付けていた。
雨具を身に付ける惣一郎とベンゾウは、そのまま杖にまたがり、南東のゴミヤの街を目指す。
雨を弾き、ほうき星の様に空を進む惣一郎達。
陽が沈みかけた薄暗い夕方の事であった。
「惣一郎殿がこっちに向かってるぞ!」
ツナマヨがサーズリからセシルの伝言を聞く。
「向こうはもう片付いたのか!」
「流石は大魔導師、惣一郎様!」
「しかしこのままでは、我々は何もせずに終わってしまうぞ!」
「アザ殿! トチカの村はまだか!」
馬車に並走する馬からアザが、
「見えて来た! あれがトチカだ!」
林の中開けた場所に小さな村が見えて来る。
暗くなり始める頃の来客に、驚く村人達。
村に着くと直ぐに、アザが村長に話をつけると村の馬を4頭貸して貰える事になるが、数が合わなかった。
「我々はこのまま、馬を休ませてから追いかける! 馬車だけでも先に向かってくれ」
「このまま大人数が馬車で向かっても、遅くなるんじゃないか! 4人がこの馬で先に向かった方が?」
「確かに重い馬車より、足は早くなるか……」
「わかった! 私とミコ、トーマとエルで先を急ごう」
「仕方あるまい、わしらは馬が回復次第、直ぐに追いかけるぞ。気を付けろよミコ」
「ミコ、俺の雨具を使え」
こうして二手に別れた先鋭隊が、馬を乗り換え、ゴミヤを目指し、薄暗い林の中に消えて行く。
雨は激しさを増していた。
『……っと言う事です!』
『そっか、まぁ厄災も夜は動かないだろうし、俺達もそのトチカの村に寄って行くよ!』
『はい。では私たちは先に島へ戻っていますね』
セシルから事情を聞いた惣一郎は、ツナマヨ達の顔を立てようと、トチカの村へと進路を変える。
惣一郎は空を飛びながらトチカの村を探そうと広範囲でサーチを唱える。
すると、村らしき人が集まる場所を見つけると同時に、そこを目指す5つの影を見つける。
ムカデだ! ムカデの群れが南東を目指し集まって来てるな。
惣一郎は速度を上げ、村を目指す。
村に降り立つ惣一郎は、
「ムカデだ! ムカデが南東を目指しここを通るぞ!」
「惣一郎殿!」
「ムカデがここに来るのか!」
「ああ、すぐそこまで来ている! 村人は? いるなら避難を!」
「アザ、別の厄災がここに来る! アザ達は村人の避難を!」
「わかった!」
「ここを通るのは2匹だ! 北西からも3匹来ている。俺とベンゾウはそっちへ向う! ここは任せるぞ!」
「あいわかった! ガオ、気合い入れていくぞ!」
「ガオ!」
ガブガとガオ、ゴザとギコルが村の入り口で、迎え撃とうと武器を構え、暗い林に目を光らせる。
惣一郎はすぐに、ベンゾウを乗せて北西の別の3匹の所へと飛び立つ。
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