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湖で溺れた日から3週間後、いつもの様に庭園に向かった。レンと会えるとは思っていなかったが、もしもの時のためにクッキーを持ってきていた。
湖に落としてしまったのは正直とても残念だったので今度は小さなバスケットを用意してもらった。
レンの魔法を見た日から自分も魔法を学びたいと思い、帰ってから早速家庭教師をつけてもらう約束をした。
自分は意外と素質があったみたいで、レンの言った通り浮遊術もすぐに使える様になった。
魔法を使ってお茶を淹れることができる様になったので、バスケットに簡易的なティーセットも用意してもらっていた。
庭園について1時間ほど経ち、今日もレンに会えないことに肩を落としながら休める場所を探した。
最近は人気のない静かなところで1人、お茶を飲みながら読書をしてお父様の仕事が終わるのを待っていた。
家庭教師をつけてもらってからは魔法学の勉強に熱中した。
魔法の勉強は楽しくて仕方なかったし、自分が魔法を使っていることに毎日信じらない気持ちだった。
今日も魔法学の教科書を読みながら、たまに練習したりしていた。
あまりにも夢中になってしまい、後ろから近づいてくる人に気が付かなかった。
「リーナ!」
「えっ!?」
いきなり後ろから名前を呼ばれ驚き振り返るとそこにはレンがいた。
「レン!!こんなに早く会えるなんて!」
「僕も嬉しいよ、久しぶりリーナ」
予想外のサプライズに嬉しくなり、思わず蓮に抱きついてしまった。
レンは驚きながらも、優しく抱きしめ返してくれた。
「今日はちゃんとしたクッキーがあるのよ!時間はある?一緒に食べよ!」
「うん、大丈夫だよ!やっと食べられるんだね。楽しみにしてたんだ。」
クッキーを準備しつつ、覚えた魔法をレンに見せたくてソワソワしていた。
「、、リーナ、どうかしたの?」
「実はね、、私も魔法を覚えたの!簡単なものだけどお茶を入れられる様になったの!」
「すごいじゃないか!3週間で魔法を覚えたの?」
「そうなの!素質があったみたい!」
少し自慢げに話すとレンも褒めてくれて嬉しかった。
「じゃあ、お手並み拝見させてもらうね」
レンが楽しげに、期待を込めた目で見るので少し緊張した。
一息付き、ティーポットを持つ手に力を込めた。
ティーポットの中はすぐに水で満たされ、だんだんと熱を持ってきた。
ポットを温めると同時に、熱いポットを持っていられるように自分の手にも結界をはった。
十分温めた後に浮遊術でポットの蓋と茶葉を浮かせ、中に入れた。
数分待つと周囲はお茶のいい香りで満ちた。
「できたわ!早速お茶にしましょう!」
レンにティーカップを渡し、お茶を注いだ。
(よかった、うまく淹れられた!)
ティーカップに口をつけるところをドキドキしながら見守った。
「すごくおいしいよ!やるね、リーナ!」
「本当?!よかった~、レンに見せたくてたくさん練習したの!」
「クッキーも食べていい?」
「もちろん!今日は二種類持ってきたの!」
クッキーを出しながら説明した。
「一つはいちごのジャムのクッキーでもう一つはナッツのクッキよ!」
「、、美味しそう!いただきます!」
一口食べた途端、レンは顔を輝かせた。
ひと目見ただけでおいしいと思ってくれてることがわかり嬉しくなった。
レンはクッキーを無言で食べ続けた。
自信はあったがあまりにも無言なので不安になり声をかけた。
「、、、レン、、どう、かな?」
「、、、、びっくりした、こんなにおいしいお菓子は初めて食べたよ!リーナが作ってくれたからこんなに美味しいのかな?」
天使の様な笑顔で言うレンを見て顔に熱が集まるのがわかった。
期待以上の反応と、率直な言葉が嬉しかったが恥ずかしくなり俯いてしまった。
「、、、そっか、よかった」
(絶対顔赤くなってるよ、、、、こんな子供相手に、、)
しばらく複雑な感情で顔をあげられないでいると、視界いっぱいにレンの顔が映った。
「どうかした?大丈夫か?」
レンが自分の顔を覗き込んできたのだ。
突然のことに驚き、思わず後ずさってしまった。
「だっ、大丈夫よ!なんでもないの!」
「そうか、ならいいんだが。今日のリーナは少し変だな」
気持ちを落ち着かせるために深呼吸をしもう一度レンを見た。
(よかった、動悸は気のせいだったみたい)
子供相手にときめいてしまったのではないかと言う不安を払拭でき一安心した。
湖に落としてしまったのは正直とても残念だったので今度は小さなバスケットを用意してもらった。
レンの魔法を見た日から自分も魔法を学びたいと思い、帰ってから早速家庭教師をつけてもらう約束をした。
自分は意外と素質があったみたいで、レンの言った通り浮遊術もすぐに使える様になった。
魔法を使ってお茶を淹れることができる様になったので、バスケットに簡易的なティーセットも用意してもらっていた。
庭園について1時間ほど経ち、今日もレンに会えないことに肩を落としながら休める場所を探した。
最近は人気のない静かなところで1人、お茶を飲みながら読書をしてお父様の仕事が終わるのを待っていた。
家庭教師をつけてもらってからは魔法学の勉強に熱中した。
魔法の勉強は楽しくて仕方なかったし、自分が魔法を使っていることに毎日信じらない気持ちだった。
今日も魔法学の教科書を読みながら、たまに練習したりしていた。
あまりにも夢中になってしまい、後ろから近づいてくる人に気が付かなかった。
「リーナ!」
「えっ!?」
いきなり後ろから名前を呼ばれ驚き振り返るとそこにはレンがいた。
「レン!!こんなに早く会えるなんて!」
「僕も嬉しいよ、久しぶりリーナ」
予想外のサプライズに嬉しくなり、思わず蓮に抱きついてしまった。
レンは驚きながらも、優しく抱きしめ返してくれた。
「今日はちゃんとしたクッキーがあるのよ!時間はある?一緒に食べよ!」
「うん、大丈夫だよ!やっと食べられるんだね。楽しみにしてたんだ。」
クッキーを準備しつつ、覚えた魔法をレンに見せたくてソワソワしていた。
「、、リーナ、どうかしたの?」
「実はね、、私も魔法を覚えたの!簡単なものだけどお茶を入れられる様になったの!」
「すごいじゃないか!3週間で魔法を覚えたの?」
「そうなの!素質があったみたい!」
少し自慢げに話すとレンも褒めてくれて嬉しかった。
「じゃあ、お手並み拝見させてもらうね」
レンが楽しげに、期待を込めた目で見るので少し緊張した。
一息付き、ティーポットを持つ手に力を込めた。
ティーポットの中はすぐに水で満たされ、だんだんと熱を持ってきた。
ポットを温めると同時に、熱いポットを持っていられるように自分の手にも結界をはった。
十分温めた後に浮遊術でポットの蓋と茶葉を浮かせ、中に入れた。
数分待つと周囲はお茶のいい香りで満ちた。
「できたわ!早速お茶にしましょう!」
レンにティーカップを渡し、お茶を注いだ。
(よかった、うまく淹れられた!)
ティーカップに口をつけるところをドキドキしながら見守った。
「すごくおいしいよ!やるね、リーナ!」
「本当?!よかった~、レンに見せたくてたくさん練習したの!」
「クッキーも食べていい?」
「もちろん!今日は二種類持ってきたの!」
クッキーを出しながら説明した。
「一つはいちごのジャムのクッキーでもう一つはナッツのクッキよ!」
「、、美味しそう!いただきます!」
一口食べた途端、レンは顔を輝かせた。
ひと目見ただけでおいしいと思ってくれてることがわかり嬉しくなった。
レンはクッキーを無言で食べ続けた。
自信はあったがあまりにも無言なので不安になり声をかけた。
「、、、レン、、どう、かな?」
「、、、、びっくりした、こんなにおいしいお菓子は初めて食べたよ!リーナが作ってくれたからこんなに美味しいのかな?」
天使の様な笑顔で言うレンを見て顔に熱が集まるのがわかった。
期待以上の反応と、率直な言葉が嬉しかったが恥ずかしくなり俯いてしまった。
「、、、そっか、よかった」
(絶対顔赤くなってるよ、、、、こんな子供相手に、、)
しばらく複雑な感情で顔をあげられないでいると、視界いっぱいにレンの顔が映った。
「どうかした?大丈夫か?」
レンが自分の顔を覗き込んできたのだ。
突然のことに驚き、思わず後ずさってしまった。
「だっ、大丈夫よ!なんでもないの!」
「そうか、ならいいんだが。今日のリーナは少し変だな」
気持ちを落ち着かせるために深呼吸をしもう一度レンを見た。
(よかった、動悸は気のせいだったみたい)
子供相手にときめいてしまったのではないかと言う不安を払拭でき一安心した。
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