側妃達のお茶会

マヤ

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側妃候補らしいです。

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本日は鳥が飛び交う晴天。
6人でテーブルを囲み。
楽しくお茶会。
側妃候補は何を思う?


「まさかですわ。まさか、本当にナターシャ妃が言ったように側妃候補が来るとは。」
ノホラン妃は震えながら顔は絶対に有り得ないと書いてある。


「そうねぇ、まさか陛下に新しく側妃をとる気概があるとは思いませんでしたわ。」
リリーエバン妃はカップを手に持ち避難させた。


「まあまあ、楽しくお話ししましょう?何日くらいいらっしゃるの?」
モーゼル妃はお菓子を侍女に渡した。


「お久しぶりー。モラー姫。元気?馬鹿兄上はどうなった?」
手を挙げてコントラセント妃は軽く挨拶をした。


「モラー、久しぶり。」
ナターシャ妃はモラー姫に近づき頬をムニムニした。


「このたびは本当に愚兄が大変なご迷惑をおかけし申しわけありませんでした。側妃候補としてこちらに着ておりますが数日間お世話になるだけで本当に側妃になることはございません。愚兄は国のどこかで生きているとは思いますがこちらの国までご迷惑をかけることはもう無いかと思いますので、」



「長い。堅苦しい。」
ナターシャ妃はモラー姫の頭を軽く叩いた。


「あなたが迷惑をかけた訳では無いのですから、こちらにいる間はどうぞご自由になさって?」
ノホラン妃は柔らかく微笑んだ。


「あっそう。んじゃ遠慮無く。ねぇここの服動きづらくない?」

新緑の長い髪と目をした黙っていれば清楚な美女は淑女の仮面を捨てた。




「確かに動きづらいわ。夜会の服なんてもっと辛いのよ。ゴテゴテ着飾って髪が重くて嫌になるわよ?他の国の民族衣装がうらやましいわー。」
コントラセント妃がドレスを摘み髪飾りを手で揺らした。


「慣れれば不便では無いですよ?数日間よろしくお願いしますね。モラー姫の国の話を聞きたいわ。」
モーゼル妃は侍女からお菓子を貰い食べた。


「確かモラー姫とナターシャ妃は幼なじみでしたよね。何年ぶりの再会ですの?」
リリーエバン妃はお茶を飲み侍女に渡した。




「…いえ、えっ?これが素ですの?え?麗しの才女であまり公式の祭典でもめったにでられないほどの病弱だったのでは無いですの?」
ノホラン妃は戸惑っている。


「病弱とか無いわ。麗しいとか国の重鎮達が流したデマだし。式典とか祭典とかあまり出ないのは馬鹿兄に逢うと兄が倒れるからだよ。ついでにナターシャ姫と会うのは5・6年ぶりかな。国は緑豊かだよ。よく脱走しては森で遊んでた。その時にコントラセント妃と会ったわー。名物は茸で作るシチュー。メニアンコ亭が一番旨い。後染め物が有名で自然の色を生かした染め方が綺麗で、高額で取引されてるよ。あ、やべ。」
モラー姫は机に置いてあるカップを取ろうとして持ち手を砕いた。


「あら、流石ですわ。噂は本当でしたのね。是非ともここにいる間に手合わせお願いしたいですわ。」
リリーエバン妃は目を細めて微笑んだ。


「私、モラー姫に数種類飲んで欲しいものがありますの。その力とても興味がありますわ。」
モーゼル妃は目を輝かせて机に身を乗り出した。

「いや、ちょっと待って。戦場の鬼とは私戦いたくないし、モーゼル妃の実験にはつき合いたくないよ。…ごめんなさい。」
モラー姫が机に手をついた瞬間机にひびが入り割れた。


「モラー落ち着いて。ゆっくり息吸う、吐く。お菓子は大丈夫!机とカップ陛下が財務官と頑張ってねんしつ?してくれる。」
ナターシャ妃が庭に咲いていた花をちぎり花冠を作っていた。


「捻出ね。たまにまだ間違えるわね。大丈夫よ。壊してもリリーエバン妃よりは壊さないと思うし。王太子殿下もいたずらばかりだから修繕費はこの国は多めにとってあるわ。今日はこれでお終いにいたしましょう。落ち着いたら滞在中にまたお茶会を致しましょう?」
ため息をついたノホラン妃は立ち上がり侍女達に片付けを命じ席を外した。


「そうだねー。気に病むことないよー。
私もこの間城門の一部脱走のさい壊したもん。」
背伸びをして今度はどこに行こうと呟き外に目をやりながらコントラセント妃は歩いた。


「ですわね。私は練習場と部屋、武器庫も間違って破壊致しますの。何故かしら?」
リリーエバン妃は首を傾げながら立ち去った。



「お昼寝してたら陛下の執務室に落ちたことあるよ。天井あいて怒られた。」
ふてくされたナターシャ妃は最適なお昼寝場所を探し始めた。


「…ね?まともな人があまりいないでしょう?安心してここでは過ごしてくださいね。ちょっと騒がしい時が有りますが余り気になさらない方がよろしくてよ。ちなみに私の部屋に来て下さったら歓迎致しますわ。」
モーゼル妃は呆然としているモラー姫の肩に手で軽く叩いて去っていった。



「国、カエリタイ。」
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