側妃達のお茶会

マヤ

文字の大きさ
8 / 15

昔の話ですわ。

しおりを挟む
外は土砂降り。
雷が鳴る中室内でのんびりとお茶会。
お茶のお供は少しの噂話。
さてさて、乱入して来るのは?



「ユーリア様が先日、とても可愛らしい執事をつれていたわ。」
ノホラン妃はキーマンの紅茶を優雅に飲み、プティングを口に含んだ。


「私はネイブィン伯爵が夜の蝶にもの凄いお金をかけているとききましたわ。」
マフィン食べ一息ついたモーゼル妃は口元に扇と当てた。


「他の地域の野菜の物価がだんだん高くなってるねー。南の国が武器を集めてるらしいよ。」
コントラセント妃は飲んでいたダージリンを机に置き、背伸びをした。


「…新しい側妃候補が入ってくるかも。ノホラン妃、城働きの人に宝石また取られてた。」
ナターシャ妃は机に絵を書いている。


「そうねぇ、最近暗殺者や間者、密偵が増えてきたわねぇ。」
リリーエバン妃は足元に縛られているメイドや執事、黒服の暗殺者を見つめ壁と天井、扉の鍵穴に剣や針を投げた。

悲鳴と倒れる物音に側にいる侍女達は捕まえる為に動き出す。


「先週私の所にもいらっしゃいましたわ。二名程、全く夜中に来るなんて非常識ですわ。」
ノホラン妃は新たに捕まった人を見てため息をついた。


お茶会をしているときあまり開かない扉をノックする音が聞こえた。


「失礼致します。其方のものを取りに参りました。」
5名の騎士が中に入ってきた。ただ全員が挙動不審だが。顔が青ざめたり、震えていたり。吐き気を堪えている人もいる。

「城の騎士達は何をしているのでしょうね。こんな者を入れるなんて?」
リリーエバン妃はカップを掴み人の山にかけた。
騎士の1人が小さく悲鳴を上げた。



「陛下や王妃様守るべき者が沢山居るのに?簡単に城へ入れるなんて?私信じられませんわ。」
人の山を蹴り、騎士の方へ1人ずつ転がしていく。
屈強なる騎士が目に涙を浮かべている。



「最近は戦争が無くなって少しずつ平和呆けしているのかもしれませんが?最近とても物騒になっているのに側妃や侍女でも捕まえられるものをしているのでしょうね?」
リリーエバン妃は笑いながらフォークやシルバーをいじり、投げた。
騎士達の顔の横を通り越して扉や壁に刺さった。
もう既に泣いている者が。

「素敵。戦場の鬼。久しぶりに見た。」
ナターシャ妃は拍手をした。絵は書き終わったらしい。

「戦場の鬼?私は殺戮女神なら知ってますわ。」
侍女に紅茶を注がれているのを見ていたノホラン妃はリリーエバン妃の異名を告げた。

「違うよー、死神姫だよー。目の前の全てを刈り取るっていう。」
コントラセント妃は暗殺者の1人を縄でぐるぐる巻きにして遊んでいた。


「あら、私は母から微笑の最狂閣下ときいてますわ。」
モーゼル妃はコントラセント妃が縄巻きしたものにどこからか出した薬品を数種類口にいれていた。


「嫌ですわ。昔の名前を持ってくるなんて。全て他国が勝手に付けただけですわ。全く恥ずかしいわ。」
リリーエバン妃は頬に手をあてながら目だけ笑わずに微笑む。


「…大変申し訳ありませんでした!このようなことが無いように訓練も練習もこれ以上精進致しますので、何卒練習場には顔を出さないようお願い申し上げます!今大変な時期ということは承知しております。なのでこれ以上怪我人や騎士達を使い物にならない状況にするのは何卒!」
耐えきれなかった騎士の1人が東洋の土下座をして声を張り上げた。
それを見た他の人も頭を下げ許しを願った。こうすればリリーエバン妃の顔を見ないですむので、多少恐怖が違う。


「そうねぇ、お父様にあのときの訓練を五倍にしていただきましょう。そうすれば、多少ましになるでしょう?」
リリーエバン妃の一言で後日練習場から野太い悲鳴が沢山聞こえたという。
「笑う二次災害が、私のこの国の正しい異名です。」

「私の宝石はどこですの!」
ノホラン妃は結局コントラセント妃からなくなった宝石を見つけていただいた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~

ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。 そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。 自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。 マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――   ※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。    ※第二章まで完結してます。現在、最終章をゆっくり更新中です。書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m    ※小説家になろう様にも投稿しています。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...