側妃達のお茶会

マヤ

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私のきょうだい。

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綺麗な青空。
寒さも和らぐ春の日差し。
少し温度の低い風。
ゆったりと過ごしましょう。

「ナターシャ妃の妹が来ているですって?」
ノホラン妃はスカーフを手で押さえていた。

「幻の末姫様ですよね。」
リリーエバン妃はカップを持ち手を温めていた。


「私、一度も顔を見たことないんだよね。」
コントラセント妃は机に顔をのせてクッキーを頬張っていた。


「公の場でも身体が弱くほとんどこれない上にベールを被っているんですもの。皆様、知らないと思いますわ。」
物騒な本を読みながら答えるモーゼル妃。

「…。」
寝たふりをして全く答えないナターシャ妃は瞼が少し動いた。

「今、ナターシャ妃笑っていませんでした?」
リリーエバン妃がモーゼル妃の本を奪いナターシャ妃を見る。

すると、お茶会に参加者が増えたことをメイドが伝えに来た。
先程話題に上がったナターシャ妃のきょうだいだ。


ゆっくり近づけてくる集団を確認したナターシャ妃寝たふりを止め歩き近づき、動く椅子に座る少女を心配していた。

長い黒髪に伏せられた目も黒く唇は紅く染まっている。ドレスも体が弱いためか首もとまで覆っているがそのからだの細さは誤魔化せない。ナターシャ妃に似てはいるが比べ物にならないくらいとても美しい。

「はじめまして、このような姿で申し訳ございません。ねえ様がお世話になっております。私、****と申します。」

名前の部分が聞き取れない。
多分母国語だろうが全く伝わらなかった。

「**********。***********。****?*****。」
ナターシャ妃も母国語で話し何かを伝えた。

「失礼いたしました。私、シュンエイと申します。この度は嫁入りに行く途中でしたが、少し体調を崩しましてねぇ様の所で一時的にお世話になっております。」


「体調はもう大丈夫ですの?」
ノホラン妃は心配そうな顔で見つめた。



「おにいさん。元気?確かそっちも病弱だったよね。」
コントラセント妃はスコーンにジャムをつけた。


「…笑い。止まってませんわよ。」
ナターシャ妃を見て本を投げたリリーエバン妃。


「体調は、少し良くなりました。兄は国を出てから連絡をとっていないのでわかりません。**********。*********。」
困ったような微笑みを浮かべシュンエイは少しの母国語を話した。

「シュンエイ様。もうそろそろ。お体に障ります。」
シュンエイの側にいたふたりに止められナターシャ妃以外の側妃達がシュンエイを見送った。


「とても美しいこですわね。肌もきれいでしたわ。」
ノホラン妃はうっとりした顔で思い出していた。

「初めて顔見たよー。双子の兄に似てるねー。」
皿に乗っていたスコーンをほぼ平らげたコントラセント妃はタルトに手をだした。


「私はそちらよりもナターシャ妃がずっと笑っていたことに疑問を持ちますわ。」
モーゼル妃から2冊目の本を奪い取ったリリーエバン妃。


「あれ、妹違う。弟。つまり双子の兄。まず、私のきょうだい、双子いない。政治的理由。」
いつもより片言になってしまったナターシャ妃は少し青ざめていた。


「…なんで、さっきから私の本をとるんですのー!」
モーゼル妃は静かにしていたのを止め叫びだした。












---------
ナターシャ妃。母国語
『名前こちらに合わせて俊英。女装似合ってるよ。頑張って?面白いから。』



「体調は、少し良くなりました。兄は国を出てから連絡をとっていないのでわかりません。『姉貴ふざけんじゃねえぞ。実家に手紙書いてやろうか。』」
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