再会ー男と親友の写真の話ー

キュー

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おまけの話

最高学年レイ1

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「レイ~バイトしない?」
「仕事の内容による。」
「立ってニコニコするだけ。」
「よし、やる。」
  貴族とはいえ、下位貴族の俺は贅沢なんかしたことない。跡継ぎでもないので、いつかは家を出る。付き合いのある貴族に仕事を紹介してもらうか騎士団に入るくらいしか、選択肢がない。
  まあ、学生が遊ぶくらいの金に困るほどじゃないが、呑気な学生の間だからできる、貴族の日常では知ることができない、バイトで色々な仕事を体験している。将来独立するときに役立つかも…なんて思っている。

  早いもので、最高学年になっていた。同室だった恋人は家の都合とかで、学校を休学した。もう、帰って来ないかもしれない。たまに連絡しても素っ気ない。もう、終わりかな。

「騙したな。」
只今、級友に拘束されて、好き勝手されている。
「ちゃんとバイト料出るし~」
「化粧やめっ……」
「あ~しゃべらない。」
「はなせ、ばかやろぅぅ……」
「しゃーないだろ?お前、事前に説明なんかすると、絶対逃げるだろ。」
「あ、たりまえ、だろぉ」
「動かない!」
級友1(男子)に羽交い締めにされ、級友2(女子)に顔塗られ、級友3(女子)に髪をセットされている最中である。目の前にはパレードで見た騎士の制服ような衣装を持った級友4(女子)がニコニコしている。今からそれを着るのか?俺が?嫌だ!
「お前も知ってるだろ?卒業前のダンスパーティー。それが、今日だ。」
「明後日だって、聞いてたぞ、俺は!」
「皆で口裏合わせたもん。」
「ねー」
「ねーっ」
「皆、お前と参加したいんだよ。ダンスパートナーは免除してやるからさ、給仕やってくれ、な?」
「なんで、俺が。」
「何度も説明したが、もう一度言うぞ?」

  最高学年の卒業記念ダンスパーティーはおもてなし係が存在する。生徒会主催の人気投票で人気の高い上位十名が、学年関係なく強制参加で、ダンスの相手、給仕、エスコートなど、をする。など、というのはリクエストを受付て毎年さまざまな要望を取り入れているからだ。

「俺ももてなされる側だろぉが。」
「だって、ダントツ一位だもん。仕方ないだろ?回避は不可。」

  それ、絶対、嘘だよ。二年に超絶美形いるじゃん。一年にワンコ系美少年も。マドンナだって、アイドル系の可愛子も、いるじゃんよっ!なんで俺が!

「え~自覚ないのぉ?」
「はぁ?」
「男女問わず人気なのよ?レイは。」
「そう、そう。」
「今フリーでしょ?昨年の君ら見てたら、甘やかして欲しいモン。」
「男前だし、影があるのがまた、キュンキュンするのよ。」
「なんか、こう、片割れ恋人を失って、なんか、守ってあげたくなるような。」
「癒してあげたい。」
「下級生は憧れのお兄さん。」
「リアル(腐)」
「やだ~言わないの、それは~たしかに堪能したけど~」
「??」

「女子こぇぇ~」

「とにかく!これ着て!」
「あきらめろ。」
「無理やり脱がされたい?」
「縛る?」
「ばか、縛ったら、着替え出来ないじゃん。」
「あ、そっか。」
「あははは」
「あはははは」
「…わかった…着替るから、皆部屋出て……」
「逃げない?」
「手伝うよ?」
「…逃げないから。」

  衣装を手に取る。
「本当に、似ているよな騎士団の制服に…模擬剣まであるどこまで本気なんだあいつら。」
でも、王子様じゃなくてよかった……
  サイズもピッタリ。鏡を見る。イッサを思い出した。鏡に拳を向けてポーズをとった。
「終わった?レイ?」
いきなり、ドアをあけるな、ばか!
「ぷぷ、そんなに気に入ったか!あんなに嫌がってたのに恥ずかしい奴」
「ば、ばか!そんなんじゃねえよ!」
「みてみ~」
「どれどれ~」
「きゃー素敵ぃ!」
「間違いないわ!」
「写真とろ!写真~!」
「こっち向いて~」
「お姫様抱っこできない?」
「あ~あたしも、あたしも~」
「剣構えて~そうそう!」

「あ~~うるさい!」

撮影会が始まり、人が集まって来た。疲れる。誰か助けくれ~。


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