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フォーの次はファイブでしょ
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少し前の事である。
私はマネージャーのサク・ラーヤ。私は今、凄く困っている。
私の担当、俳優でアイドルのファイブが仕事を辞めたいと言ってきたのだ。
トップアイドルとは言えないが、ファンも沢山いて人気があるし、特撮戦隊ヒーローのドラマにも抜擢されて、一躍名前が売れたばかりの、乗りに乗ってる只今話題のアイドル俳優なのに。辞めたいって……彼が事務所と契約した時からの付き合いだせど、今迄に何度辞めるって言ったか……
「また辞めるって言ってきたよ。今はだめだよ。今辞められたら、私減給だよ。」
「え?ヘタレアイドルのファー様辞めるの?」
マネージャー仲間のスミレだ。
「辞めたりしないわよ。それに、ヘタレだなんて……そんな言い方しないでよ。」
「え~サクラがいつも言ってるじゃないの。」
「私が言うのは、いいのよ。それに、ちょっと落ち込んでるだけだから。」
そうなのだ。彼は落ち込んでるだけだと思う。今、放送中のイケメンヒーロー特撮戦隊『センセイダー』はシリーズ中、最高の視聴率をたたき出し、出演美形率が高く、でもって、うちのファイブが一番演技もできてカッコいいと、私は確信している。
だが主人公のミライのほうがファンが多くどうしても比較されて、つぶやく方々がファイブを悪く言うのだ。だいたい、つぶやく方々のつぶやきなんて、確かではないし、無責任なものなのだから、気にしないでと言ってる。……のに…見ちゃったんだよ。彼は自分から見たりしないよ?だけどね、人の不安を煽って楽しむ、やな奴がいるんだよ。そいつがわざと見せるんだよ。油断したなぁ。
「それでどうするの?」
「うん、今期分のドラマは撮り終わってるから、次のドラマの準備始める。『センセイダー』の方の収録は少し時間が開くから、大丈夫。」
今期分は撮り終わってるから、どんなに後悔したって、直せないんだよ!気持ち切り替えろ!
と、強く言いたいけれど、強く言ったらすぐ辞めるって言うと思う。彼は役に入ると無敵なのに、素に戻ると、どうしてあんなに膝を抱えて、思い詰めて、ウロウロ、グズグズと穴に埋るような性格なんだろう。暗い部屋でじっと三角座りしている所に出会した私は、怖くて泣きそうだったわよ。
「とりあえず、彼の好物で釣るわ。」
かれの気分をあげる方法、それはね………
「がんばってね~お疲れさま~」
「おつかれさま~」
「おーい、マネージャーだよ~開けてちょうだい~」
ファイブの部屋を呼び出し解錠してもらう。ま、開けてくれなくても、あがりこむけどね。まあ、真っ暗な部屋じゃなくて、よかったよ。
「つぎのドラマの台本が来てるよ。」
「……俺じゃなくても…」
「スポンサーにも挨拶したでしょ?楽しみにしているよって、言ってくれたじゃないの。」
「……くんのほうが……似合う…のに…俺、無理……」
「監督さんも、よく知ってるでしょ?ほら、『北の』シリーズ、あんたも好きよね。初めて会ったのは『Nの砂城』だっけ?ちょい役だったけど、良かったよって、言ってくれたじゃない。」
はあ。やっぱり後ろ向きっすね。
「とりあえず、『王宮騎士物語』の台本渡すね。ちゃんと読んでよ?」
「うん。受けた分の仕事は……やるけどさ…」
ぶつぶつ、何か言ってるし。まあ、まだ人間止めてないし、大丈夫っぽいわね。そろそろ最終兵器だすか。
「ファイブ~今ね、彼、舞台やってるの知ってるよね?」
「彼……」
「チケット取ったから、行くでしょ?」
「行く。」
「楽屋にも挨拶しに行くからね。」
「え?いいの?」
私は頷く。だって、テンションあげないと、次の仕事、ヒロインの相手役なんだから、脱ヘタレ!彼に頼まないと!
私はあんまり会いたくないけどね。
私はマネージャーのサク・ラーヤ。私は今、凄く困っている。
私の担当、俳優でアイドルのファイブが仕事を辞めたいと言ってきたのだ。
トップアイドルとは言えないが、ファンも沢山いて人気があるし、特撮戦隊ヒーローのドラマにも抜擢されて、一躍名前が売れたばかりの、乗りに乗ってる只今話題のアイドル俳優なのに。辞めたいって……彼が事務所と契約した時からの付き合いだせど、今迄に何度辞めるって言ったか……
「また辞めるって言ってきたよ。今はだめだよ。今辞められたら、私減給だよ。」
「え?ヘタレアイドルのファー様辞めるの?」
マネージャー仲間のスミレだ。
「辞めたりしないわよ。それに、ヘタレだなんて……そんな言い方しないでよ。」
「え~サクラがいつも言ってるじゃないの。」
「私が言うのは、いいのよ。それに、ちょっと落ち込んでるだけだから。」
そうなのだ。彼は落ち込んでるだけだと思う。今、放送中のイケメンヒーロー特撮戦隊『センセイダー』はシリーズ中、最高の視聴率をたたき出し、出演美形率が高く、でもって、うちのファイブが一番演技もできてカッコいいと、私は確信している。
だが主人公のミライのほうがファンが多くどうしても比較されて、つぶやく方々がファイブを悪く言うのだ。だいたい、つぶやく方々のつぶやきなんて、確かではないし、無責任なものなのだから、気にしないでと言ってる。……のに…見ちゃったんだよ。彼は自分から見たりしないよ?だけどね、人の不安を煽って楽しむ、やな奴がいるんだよ。そいつがわざと見せるんだよ。油断したなぁ。
「それでどうするの?」
「うん、今期分のドラマは撮り終わってるから、次のドラマの準備始める。『センセイダー』の方の収録は少し時間が開くから、大丈夫。」
今期分は撮り終わってるから、どんなに後悔したって、直せないんだよ!気持ち切り替えろ!
と、強く言いたいけれど、強く言ったらすぐ辞めるって言うと思う。彼は役に入ると無敵なのに、素に戻ると、どうしてあんなに膝を抱えて、思い詰めて、ウロウロ、グズグズと穴に埋るような性格なんだろう。暗い部屋でじっと三角座りしている所に出会した私は、怖くて泣きそうだったわよ。
「とりあえず、彼の好物で釣るわ。」
かれの気分をあげる方法、それはね………
「がんばってね~お疲れさま~」
「おつかれさま~」
「おーい、マネージャーだよ~開けてちょうだい~」
ファイブの部屋を呼び出し解錠してもらう。ま、開けてくれなくても、あがりこむけどね。まあ、真っ暗な部屋じゃなくて、よかったよ。
「つぎのドラマの台本が来てるよ。」
「……俺じゃなくても…」
「スポンサーにも挨拶したでしょ?楽しみにしているよって、言ってくれたじゃないの。」
「……くんのほうが……似合う…のに…俺、無理……」
「監督さんも、よく知ってるでしょ?ほら、『北の』シリーズ、あんたも好きよね。初めて会ったのは『Nの砂城』だっけ?ちょい役だったけど、良かったよって、言ってくれたじゃない。」
はあ。やっぱり後ろ向きっすね。
「とりあえず、『王宮騎士物語』の台本渡すね。ちゃんと読んでよ?」
「うん。受けた分の仕事は……やるけどさ…」
ぶつぶつ、何か言ってるし。まあ、まだ人間止めてないし、大丈夫っぽいわね。そろそろ最終兵器だすか。
「ファイブ~今ね、彼、舞台やってるの知ってるよね?」
「彼……」
「チケット取ったから、行くでしょ?」
「行く。」
「楽屋にも挨拶しに行くからね。」
「え?いいの?」
私は頷く。だって、テンションあげないと、次の仕事、ヒロインの相手役なんだから、脱ヘタレ!彼に頼まないと!
私はあんまり会いたくないけどね。
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