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お仕事の時間ですよ
王宮騎士物語 第1話 フリルとリボン
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「兄様、今日こそは私も御一緒させていただきますわ。」
朝早くから王弟の元へやってきたソフィーナ王女は朝食中の王弟のそばを離れず、自分の意思を通そうと説得する。
「ソフィーナ、何度説明したら、納得してくれるのか?姫が足を踏み入れるような所ではない。騎士の養成所いうところは、まだ、訓練途中の、礼儀作法を学ぶ途中の未熟な者達が通う学校。中には平民もいるのだぞ。そんな者達に大事な姫を会わせるわけにはいかないのだ。」
「そのような事、承知いたしておりますわ。私が成人の儀のころに近衛騎士を選抜するためにも、騎士の卵の頃から見ておきたいのです。」
「しかし、だな……」
「今日は、お兄さまが何と言っても、私はついてまいります。」
王弟は、ダメだと言っても聞かないこの幼い姪の姫に甘い。姫もそれを分かっている。だから、彼に頼むのだ。もう一押し!
そして、騎士養成所に一緒に視察に行くことが決まった。
「エリー!やったわ!行けることになってわ。急いで支度しなくちゃ!」
声をかけられたエリーは彼女は姫の身の回りを世話する五つ上の側付きだ。
「姫様、走らないでくださいませ!…はしたないですよ。もっと、おしとやかに。」
「でもでも、ようやく見られるのよ?」
「それは、もう、何度も聞いておりますが、また……無理を言ったんですね。」
「お兄様は、私の頼みをいつでも聞いてくださるわ。」
「今日はどのドレスをお召しになられますか。」
「そうね、いつものように乗馬服で。」
乗馬が趣味の姫のために専用の乗馬服が用意されている。姫は行動的で、すぐ馬を駆って出かけてしまう。エリーもそれに付き合うため、乗馬の腕が上がったのは喜ぶべきか、悲しむべきか……
「姫様、ドレスをお召しになって下さい。………今日は馬車を用意いたしますから。」
「いやよ。」
「姫様。」
「訓練所内は広くて、整地された馬車道からは、訓練中の騎士なんて見えないわよ。それにドレスなんか着てたら自由に見て回ることができないじゃない?エリーは止めるでしょう?」
「もちろんです。」
「でも、今日は動き易い乗馬服にするわ。」
「わかりました。そう言うだろうと思って、エリーが用意しましたこちらをお召し下さい。」
エリーは衣装ケースを持ってきて、仲から乗馬服を取り出した。それはいつもの機能優先のシンプルなものではなく、袖口と上着の裾にボリュームのあるフリルとレースのついた……華やかなドレススーツとでも、いえばいいだろうか。
「派手ね。」
「姫様。それでなくても乗馬中の姿は男の子のようですって、王妃様が嘆かれておられました。せめて、可愛らしい乗馬服をと……」
エリーは話ながらも、てきぱきと姫の着替えをを終わらせ、自らもパンツスタイルに変える。素早くソフィーナの髪を結い上げ、フリルのついたリボンを手に取った。
「今日のリボンも可愛いわね。」
「そうですね、可愛らしい姫様にはリボンが似合います。姫様、今日は花飾りをつけましょうか?」
「ええ。素敵ね。エリーの見立ては間違いないから。」
「ありがとうございます。」
朝早くから王弟の元へやってきたソフィーナ王女は朝食中の王弟のそばを離れず、自分の意思を通そうと説得する。
「ソフィーナ、何度説明したら、納得してくれるのか?姫が足を踏み入れるような所ではない。騎士の養成所いうところは、まだ、訓練途中の、礼儀作法を学ぶ途中の未熟な者達が通う学校。中には平民もいるのだぞ。そんな者達に大事な姫を会わせるわけにはいかないのだ。」
「そのような事、承知いたしておりますわ。私が成人の儀のころに近衛騎士を選抜するためにも、騎士の卵の頃から見ておきたいのです。」
「しかし、だな……」
「今日は、お兄さまが何と言っても、私はついてまいります。」
王弟は、ダメだと言っても聞かないこの幼い姪の姫に甘い。姫もそれを分かっている。だから、彼に頼むのだ。もう一押し!
そして、騎士養成所に一緒に視察に行くことが決まった。
「エリー!やったわ!行けることになってわ。急いで支度しなくちゃ!」
声をかけられたエリーは彼女は姫の身の回りを世話する五つ上の側付きだ。
「姫様、走らないでくださいませ!…はしたないですよ。もっと、おしとやかに。」
「でもでも、ようやく見られるのよ?」
「それは、もう、何度も聞いておりますが、また……無理を言ったんですね。」
「お兄様は、私の頼みをいつでも聞いてくださるわ。」
「今日はどのドレスをお召しになられますか。」
「そうね、いつものように乗馬服で。」
乗馬が趣味の姫のために専用の乗馬服が用意されている。姫は行動的で、すぐ馬を駆って出かけてしまう。エリーもそれに付き合うため、乗馬の腕が上がったのは喜ぶべきか、悲しむべきか……
「姫様、ドレスをお召しになって下さい。………今日は馬車を用意いたしますから。」
「いやよ。」
「姫様。」
「訓練所内は広くて、整地された馬車道からは、訓練中の騎士なんて見えないわよ。それにドレスなんか着てたら自由に見て回ることができないじゃない?エリーは止めるでしょう?」
「もちろんです。」
「でも、今日は動き易い乗馬服にするわ。」
「わかりました。そう言うだろうと思って、エリーが用意しましたこちらをお召し下さい。」
エリーは衣装ケースを持ってきて、仲から乗馬服を取り出した。それはいつもの機能優先のシンプルなものではなく、袖口と上着の裾にボリュームのあるフリルとレースのついた……華やかなドレススーツとでも、いえばいいだろうか。
「派手ね。」
「姫様。それでなくても乗馬中の姿は男の子のようですって、王妃様が嘆かれておられました。せめて、可愛らしい乗馬服をと……」
エリーは話ながらも、てきぱきと姫の着替えをを終わらせ、自らもパンツスタイルに変える。素早くソフィーナの髪を結い上げ、フリルのついたリボンを手に取った。
「今日のリボンも可愛いわね。」
「そうですね、可愛らしい姫様にはリボンが似合います。姫様、今日は花飾りをつけましょうか?」
「ええ。素敵ね。エリーの見立ては間違いないから。」
「ありがとうございます。」
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