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お仕事の時間ですよ
王宮騎士物語 第6話 花祭り
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花祭りの夜、王女とともにエリーは街に出掛けた。ドレス姿では目立つので、祭りに参加する人達が着ている花祭りの衣装を着ていた。
「これなら、誰も気が付かないわね。」
「ソフィー…さ…ん…気をつけて……」
「もう、エリーったら、ソフィーって、呼び捨てにして?」
王女様とかソフィーナ様と呼んでいては、すぐに正体がばれてしまう。ソフィーと呼び捨てにしろと言われても、急には難しい。
「エリー、人出が多い。はぐれないように。」
人の波に身体を持っていかれそうになって、クロードがエリーの手を掴んだ。
「ソフィー…は、大丈夫?」
「ハンス達がガードしている。大丈夫だ。」
「エリー、山車が来たわ!凄い大きい!」
街で一番大きな通りに花飾りを隙間なく付けた山車が踊りの行列と共に近付く。
「綺麗~」
「きゃっ」
山車の上から花と菓子が撒かれ、子ども達がそれにあわせて移動する。
「やっ」
「エリー、こちらへ。」
勢いのついた子ども達に押され、バランスを崩す。差し出されたクロードの腕にしがみつく。
「どうしよう、ソフィー…さんと離れてしまいました。」
「大丈夫。しかし、人が多すぎる。少し移動しよう。」
「でも……」
「ハンスも移動を始めたようだ。」
「え?」
どうやら、離れていても居場所がわかるらしい。
「ああ、特定の人物に目印をつけておくと離れてもどこにいるか……!」
急にクロードの顔が険しくなった。
「急ごう。」
今までは、周りを気遣い無理な移動はしていなかったが、急にエリーを引っ張って人の波を、掻き分けて進み始めた。
「ク、クロード、何かあったの?」
「……」
人々の間を乱暴に進む二人に周囲の不満声が聞こえる。突き飛ばされて、怒鳴る声も……ごめんなさいと声をあげて謝りつつも、二人は急いだ。何か王女に良くない事が起こっているのか。エリーは怖くて震える足を動かした。
「ソフィーナ様…」
パレードを見ようと人が集まっている。近衛騎士がハンスの他に三名、王女の周りを囲む。少し離れて十名ほど、警護している。
「我が儘が過ぎる。」
近衛騎士の隊長がつぶやいた。
こんな人の多い中王女がお忍びで出掛けるなど、危険過ぎると、彼は反対した。しかし、王女は譲らなかった。
「将来、王となる身、平民の生活を知り、肌で感じ、良き政を行い、良き王となりたいのです。」
「ですが……」
「私は危険はないと、騎士の皆さんの力を信じております。」
「近衛騎士の精鋭が出れば大丈夫だろうよ。」
近衛騎士団長の一声で決定した。
「これなら、誰も気が付かないわね。」
「ソフィー…さ…ん…気をつけて……」
「もう、エリーったら、ソフィーって、呼び捨てにして?」
王女様とかソフィーナ様と呼んでいては、すぐに正体がばれてしまう。ソフィーと呼び捨てにしろと言われても、急には難しい。
「エリー、人出が多い。はぐれないように。」
人の波に身体を持っていかれそうになって、クロードがエリーの手を掴んだ。
「ソフィー…は、大丈夫?」
「ハンス達がガードしている。大丈夫だ。」
「エリー、山車が来たわ!凄い大きい!」
街で一番大きな通りに花飾りを隙間なく付けた山車が踊りの行列と共に近付く。
「綺麗~」
「きゃっ」
山車の上から花と菓子が撒かれ、子ども達がそれにあわせて移動する。
「やっ」
「エリー、こちらへ。」
勢いのついた子ども達に押され、バランスを崩す。差し出されたクロードの腕にしがみつく。
「どうしよう、ソフィー…さんと離れてしまいました。」
「大丈夫。しかし、人が多すぎる。少し移動しよう。」
「でも……」
「ハンスも移動を始めたようだ。」
「え?」
どうやら、離れていても居場所がわかるらしい。
「ああ、特定の人物に目印をつけておくと離れてもどこにいるか……!」
急にクロードの顔が険しくなった。
「急ごう。」
今までは、周りを気遣い無理な移動はしていなかったが、急にエリーを引っ張って人の波を、掻き分けて進み始めた。
「ク、クロード、何かあったの?」
「……」
人々の間を乱暴に進む二人に周囲の不満声が聞こえる。突き飛ばされて、怒鳴る声も……ごめんなさいと声をあげて謝りつつも、二人は急いだ。何か王女に良くない事が起こっているのか。エリーは怖くて震える足を動かした。
「ソフィーナ様…」
パレードを見ようと人が集まっている。近衛騎士がハンスの他に三名、王女の周りを囲む。少し離れて十名ほど、警護している。
「我が儘が過ぎる。」
近衛騎士の隊長がつぶやいた。
こんな人の多い中王女がお忍びで出掛けるなど、危険過ぎると、彼は反対した。しかし、王女は譲らなかった。
「将来、王となる身、平民の生活を知り、肌で感じ、良き政を行い、良き王となりたいのです。」
「ですが……」
「私は危険はないと、騎士の皆さんの力を信じております。」
「近衛騎士の精鋭が出れば大丈夫だろうよ。」
近衛騎士団長の一声で決定した。
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