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お仕事の時間ですよ 3
王宮騎士物語 第51話 旅の途中
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「昔の女か?」
薄笑いのシーブイレイル。
「そんなんじゃねぇよ。」
フォムボトムとシーブイレイルが並ぶと女達は必ずシーブイレイルに寄ってくる。それはもう、笑えるくらい毎度の事だ。いい相棒なのだが、この件に関してはフォムボトムは不満に思う。おまけにフォムボトムにはなぜか男と子どもが寄ってくる。女にもてるシーブイレイル、男にもてるフォムボトム………と、第七部隊では密かに言われている。
「美人か?」
「美人……だったな……一度会っただけだが、印象的な黒髪で……いや、灰色だったか。」
「その美人がどうした?」
「能力者……だった……と思う……今なら、スカウトするなぁ……」
「そんなに強い奴なのか?」
「う~ん。正直わからない。あんときは力を隠している奴がいるとは思わなかったから。首の後ろがゾワってしたくらいだ。」
「そうだな。周りに知られたくないって奴もいるな。そんな奴は上手く隠す方法を知っている。」
「そう、それ、魔力を隠して、測定器も騙すし、その上髪の毛の色変えられる奴とか……そんな事が出来る奴は間違いなく強い力を持っている。まあ、今の俺様の目は誤魔化せないがな。」
「…よく言うよ、先日も騙されてた癖に……その理屈でいくと、かなりの能力者だな。どこの誰か……手掛かりはないのか?」
第三班に配属されてから、能力持ちに数多く出会った。だが、その中に力の強いものはほんのわずか。そして、子どもの頃に発見されず、成長して見つかった能力持ちは、例外なく強い力を持っている。
魔力や能力は親から子に遺伝する訳ではない。魔力を持たない親から突発的に魔力を持つ子が生まれる。能力を持って生まれた子どもは、あって当たり前と思っているので隠すことはしない。大概は周りの者がまず気付くのだ。隠すということは、身内に能力者がいるか、近くに能力者に詳しい者がいて、使わないように助言していると言う事だ。
スカウトされて、騎士になれば一生食うに困らない上、家族にも恩恵があるだろう。それなのに隠すとなると、何かしら理由があるのだろう。
「……図書館……本……黒髪………殿下……そうだ、殿下の知り合いだ。」
「気軽に聞きに行ける相手じゃないな。」
「そうか、ホップスだ!」
しばらく唸っていたフォムボトム。考えがまとまったのか、急に大声を出した。
「……っいきなり叫ぶな。」
「王宮にはホップスがいる。彼に頼もう……ホーップス!おーい!…俺だ!ちょっと頼む……」
シーブイレイルは遠話を始めたフォムボトムを見て、勝手な奴め……と思った。気の毒なホップスにちょっと同情したが、すぐさまホップスの非難の声が聞こえて、全部お前が悪いとフォムボトムを睨んだ。
「………今、お前のせいで、ホップスに口撃されたぞ……」
「ふふ、手柄たてて、昇進して、さっさと地方回りを止めてやるからな。」
「そんな事はどうでもいい。ほら、行くぞ。」
フォムボトムから情報収集を頼まれたホップスだったが、実はそれどころではなかった。
サーバス王子がいなくなったのだ。
薄笑いのシーブイレイル。
「そんなんじゃねぇよ。」
フォムボトムとシーブイレイルが並ぶと女達は必ずシーブイレイルに寄ってくる。それはもう、笑えるくらい毎度の事だ。いい相棒なのだが、この件に関してはフォムボトムは不満に思う。おまけにフォムボトムにはなぜか男と子どもが寄ってくる。女にもてるシーブイレイル、男にもてるフォムボトム………と、第七部隊では密かに言われている。
「美人か?」
「美人……だったな……一度会っただけだが、印象的な黒髪で……いや、灰色だったか。」
「その美人がどうした?」
「能力者……だった……と思う……今なら、スカウトするなぁ……」
「そんなに強い奴なのか?」
「う~ん。正直わからない。あんときは力を隠している奴がいるとは思わなかったから。首の後ろがゾワってしたくらいだ。」
「そうだな。周りに知られたくないって奴もいるな。そんな奴は上手く隠す方法を知っている。」
「そう、それ、魔力を隠して、測定器も騙すし、その上髪の毛の色変えられる奴とか……そんな事が出来る奴は間違いなく強い力を持っている。まあ、今の俺様の目は誤魔化せないがな。」
「…よく言うよ、先日も騙されてた癖に……その理屈でいくと、かなりの能力者だな。どこの誰か……手掛かりはないのか?」
第三班に配属されてから、能力持ちに数多く出会った。だが、その中に力の強いものはほんのわずか。そして、子どもの頃に発見されず、成長して見つかった能力持ちは、例外なく強い力を持っている。
魔力や能力は親から子に遺伝する訳ではない。魔力を持たない親から突発的に魔力を持つ子が生まれる。能力を持って生まれた子どもは、あって当たり前と思っているので隠すことはしない。大概は周りの者がまず気付くのだ。隠すということは、身内に能力者がいるか、近くに能力者に詳しい者がいて、使わないように助言していると言う事だ。
スカウトされて、騎士になれば一生食うに困らない上、家族にも恩恵があるだろう。それなのに隠すとなると、何かしら理由があるのだろう。
「……図書館……本……黒髪………殿下……そうだ、殿下の知り合いだ。」
「気軽に聞きに行ける相手じゃないな。」
「そうか、ホップスだ!」
しばらく唸っていたフォムボトム。考えがまとまったのか、急に大声を出した。
「……っいきなり叫ぶな。」
「王宮にはホップスがいる。彼に頼もう……ホーップス!おーい!…俺だ!ちょっと頼む……」
シーブイレイルは遠話を始めたフォムボトムを見て、勝手な奴め……と思った。気の毒なホップスにちょっと同情したが、すぐさまホップスの非難の声が聞こえて、全部お前が悪いとフォムボトムを睨んだ。
「………今、お前のせいで、ホップスに口撃されたぞ……」
「ふふ、手柄たてて、昇進して、さっさと地方回りを止めてやるからな。」
「そんな事はどうでもいい。ほら、行くぞ。」
フォムボトムから情報収集を頼まれたホップスだったが、実はそれどころではなかった。
サーバス王子がいなくなったのだ。
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