仕事やめても……いいですか……?

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お仕事の時間ですよ 3

王宮騎士物語 第50話 第三班

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  王立図書館で出会ったクレッセリアの事をフォムボトムは考えていた。ホップスに一目惚れッスか~とからかわれたが、そんなんじゃないと返しておいた。
  あれは魔力持ちだ。そう、確信しているが、ホップスには感じられなかった様なので、魔力量は少ないのかも知れない。
「もう一度会えば、はっきりするのだがなぁ……」
  翌日から、彼女は図書館に来なくなった。時々図書館を覗いてみたが、その後街で偶然会うこともなく、日々の忙しさに、彼女と出会った記憶も薄れていく。

「フォムボトム、王立騎士団第七部隊の第三班に転属が決まったぞ。」
本部に呼び出され、団長に肩を掴まれた。
「……え―っ……」
口が悪いのはいつもの事で、よく尻を叩かれるが、直すつもりもない。
「不満なのか?」
喜んで当然といった顔で見てくる団長に、フォムボトムはしかめっ面を向けた。
「三班って、あれでしょう。地方回りの…俺何かヘマしました?俺…王都育ちで……田舎はちょっと……」
「誤解があるようだな……君は王都育ちか。魔力検査で推薦合格組か。スカウトを知らないか……だが……そもそも、三班は精鋭揃いだぞ?力が無いと務まらない。」
「でもなぁ……旅も嫌いなんだよなぁ……」
「まあ、仕事と割りきって、新人発掘頑張ってくれ。これは決定だ。十年も頑張れば、俺が引き立ててやるからさ。」
「ほーい。わかりましたぁ。楽しみにしてま~す。」
  正騎士になり、第七部隊に配属され、遠話の能力を認められて王都勤務を喜んでいたのに……わずか一年で飛ばされるとは…と、愚痴を言いながら第三班の班長に引き合わされ、特殊な業務が始まった。地道な情報収集組から送られる能力者候補の元を訪れ、見極める。本人を名簿に登録して希望を聞き、第七部隊にスカウト……能力者探しの旅をする。基本二~四人で行動し、主に地方と王都を行き来する。滅多に強い力を持つ者はいないし、情報も能力者かも……ぐらいのものがほとんどなので、フォムボトムは退屈していた。
  いつも一緒に行動するのはシーブイレイル。筋肉質なフォムボトムとは対極で、スリムで上品で人当たりが良い。初めて会ったときに、その人の良さそうな顔とは裏腹の真っ黒さを直感で感じ、思わず引いた。だが、自由に動くフォムボトムのフォローも完璧で、いつの間にか、いい相棒になっていた。
「フォムボトム、次の街で泊まるぞ。」
「いい宿があればいいな。この辺りは何が名物かな。」
「美女がいれば文句なし。」
「美女かぁ………」
ふと、記憶の底にあった、黒い髪の美女の姿が脳裏に浮かんだ。
「……グレーリアいや、クーセリア…なんて言ったっけ……」
「女の名前ですね。」


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