仕事やめても……いいですか……?

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お仕事の時間ですよ 3

王宮騎士物語 第49話 黒髪

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「ホップス、すごいなここは。」
「あなたも……本に興味があるんですか?……本当に?」
「ん……本には興味はないが…こんなに人がいなくて、静かな空間は快適だ。」
「当たり前でしょう。図書館なんですから。それに許可がなければ入れませんからね。」
「お二人は、どうしてここへ?」
「この度通信部員として、配属されました。私はホップス。あちらがフォムボトムです。あ、殿下、その本、ちょっと、見せてもいいですか………」
「ああ。よろしく。サーバス・ニッケ・ル・トゥーマインだ。…この本か?」
「これは初めて見ますね。……殿下は図書館管理担当なのですか?」
「いや、たまたま、用事があってここに来ていただけだ。あ、この本も見るかね……?」
「ありがとうございます。これはシャノアの国の旅行記ですね。」
「君は読むことが出来るのか?」
「はい。そこの本は絵本ですか。」
机の上に広げられた外国の本を興味深げにホップスが見ている。
「サーバス、届いたのか?」
  作業台で届いた本を確認し受け入れ作業をしていたサーバスに気付いたクレッセリアが近寄ってくる。その声にフォムボトムが顔を上げた。
  黒い豊かな髪が揺れる。美しく整った顔には笑みが浮かび、その黒い瞳から目が離せなかった。
「フォムボトム?」
ホップスの声にふっと視線を外し、もう一度彼女を見た。
「どうした?美女に見とれて……」
フォムボトムにはホップスの声など聞こえていなかった。
「あれ……今………」
  改めて見た目の前の女性。美しさは変わらないものの、髪は灰色で、瞳の色も濃いブルー。先程見た姿は見間違いなんかじゃない。そう、フォムボトムは感じた。髪を染めているのか?彼女の本来持つ色は、今見えているそれではない。
  サーバスの側にいる二人にクレッセリアが軽く頷き挨拶する。
「こんにちわ。サーバスの知り合い?私はクレッセリア。」
「こんにちわ。ホップスです。」
ニコニコと笑いホップスが立ち上がり自然な動作で手を差し出す。人の良さそうなホップスの笑みにつられてクレッセリアも微笑み、迷いなく手を出して握手する。
  その隣の人物に視線が移る。
「初めまして、フォムボトムです。」
同じく立ち上がり、手を差し出したフォムボトムの眼は観察するように鋭く、クレッセリアは一瞬、戸惑ったように手を止め、ぎこちなく差し出した。
「よろしく。」
クレッセリアは触れた瞬間、ピリッと電気が走ったような感触がして、バッと手を離した。それを見ていたサーバスが少し首を傾げる。
「よろしく。」
彼女はピリピリする手を握り反対の手で包む。項の辺りの毛が逆立つ感じがする。
  フォムボトムは、気付かぬ振りで会話を続ける。
「シャノアに興味がおありで?」
「ええ。シャノアは隣の国なのに、どんな国か知らないから、興味ありますね。」

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