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黒の国の王子
+王宮騎士物語 第65話 繋いだ手
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マリーは式場に向かうため、侍女に手を引かれゆっくり歩いている。ずいぶん長い廊下を歩いたようだ。面を付けた状態で、前は見えず、何処を歩いているのか全くわからない。式の段取りも、何一つ知らされていないので、ただ指示される通りである。
「ここで、しばらくお待ち下さい。」
侍女が声を掛けた。暫くじっとしていると、後ろから金属音と共に衣擦れの音が近づいて来た。複数の人の気配。すぐ横に並んだのがわかった。触れる手は、侍女の手から男性とわかる手に渡された。指先に神経を集中し、相手の手を感じ取る。その手には剣を扱う者が持つ硬いタコがある。やっぱり……
「………」
隣にいるのはシャノアの第二王子。そうか……この人と……夫婦になるんだ……と思うと前世のミライの顔が浮かんで、胸がズキンと痛んだ。
「ソフィーナ様、今から式場に入ります。私共はここまでです。でも、ご安心下さい。これより先は、伴侶となる方が手を引いて下さいます。」
侍女の声が近づき、離れた。
「ありがとう。」
マリーは小さく答えて、首をあげ、姿勢を正す。
扉の開く音がした。
………こうなったら、王女として、務めを果たしましょう………
マリーは、触れる手を握り、覚悟を決め一歩を踏み出した。
ゆっくり手を引かれ進む。
甘い花の香りが漂う。
複数の人の気配。
引かれた手が止まり、歩みも止まる。
繋いだ手を離された。途端に不安が
襲ってくる。
「これより、婚姻の義を行います。」
すぐ近くから声が掛けられ、側に人がいることがわかった。
面に手が掛けられ、外されると、急に光に包まれ、眩しくて思わず目を閉じた。
「目を開けて。」
その声を聞き、信じられない思いで目を見開いた。
「ハンス!?」
「ここで、しばらくお待ち下さい。」
侍女が声を掛けた。暫くじっとしていると、後ろから金属音と共に衣擦れの音が近づいて来た。複数の人の気配。すぐ横に並んだのがわかった。触れる手は、侍女の手から男性とわかる手に渡された。指先に神経を集中し、相手の手を感じ取る。その手には剣を扱う者が持つ硬いタコがある。やっぱり……
「………」
隣にいるのはシャノアの第二王子。そうか……この人と……夫婦になるんだ……と思うと前世のミライの顔が浮かんで、胸がズキンと痛んだ。
「ソフィーナ様、今から式場に入ります。私共はここまでです。でも、ご安心下さい。これより先は、伴侶となる方が手を引いて下さいます。」
侍女の声が近づき、離れた。
「ありがとう。」
マリーは小さく答えて、首をあげ、姿勢を正す。
扉の開く音がした。
………こうなったら、王女として、務めを果たしましょう………
マリーは、触れる手を握り、覚悟を決め一歩を踏み出した。
ゆっくり手を引かれ進む。
甘い花の香りが漂う。
複数の人の気配。
引かれた手が止まり、歩みも止まる。
繋いだ手を離された。途端に不安が
襲ってくる。
「これより、婚姻の義を行います。」
すぐ近くから声が掛けられ、側に人がいることがわかった。
面に手が掛けられ、外されると、急に光に包まれ、眩しくて思わず目を閉じた。
「目を開けて。」
その声を聞き、信じられない思いで目を見開いた。
「ハンス!?」
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