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1、転生×9
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この世界、前世の記憶を持つ者がごく稀に生まれるんだ。
それをサンサーラという。
持っていると言ってもせいぜい1前世、多くても2前世。
だがそれ以上の記憶を持っている者もいる。
前世での能力は今世代にも引き継がれるのが当たり前。
たとえば前世が大工だったとしよう。
その者は生まれ変わると前世の大工の知識、能力が発揮される。
しかし前世で棟梁になるぐらい実力があった者と
下働きだった者では、やはり今世では能力に差が出る。
だから下働きだった者は今世ではその知識を生かし、さらに高い地位、
棟梁をめざし精進する。(その方が金が稼げるからな。)
しかし中にはいろいろなスキルがあった方がいいと新たな職業に就く者もいる。
ただ、前世の能力が発揮できるのは、その時の状況によって違う。
考えてもみてくれ、赤ん坊に金づちは振れないだろう?
サンサーラが生まれる確率は、
そうだな、約200,000人に1人ほどと言われている。
気が付いているかもしれないが俺もサンサーラだ。
名はヴィクトリア=オブラエン、この名は今世での名だ。
話は戻るが、俺は幸運な事に、今のところまずいない8前世持ち。
まあ1回目は厳密にいえば転移者だったけど。
あの時はかなり落ち込んだなぁ。
いきなり全然知らない世界に放り込まれたんだから。
しかし、嘆いてばかりはいられないから、何とか乗り切って、(流されたとも言うが)悔いの無い一生を終えたと思ったら転生していた。
なぜこうなったのかは俺にも分からない。単に運が良かったからかもしれない。
俺は前世を持っていることは公言はしていない。
サンサーラとして生まれた者は、ほとんどの奴がその事実を隠して生きているはずだ。
その能力に目を付けられ、利用しようと付き纏われるのは目に見えてる。
親や兄弟にも秘密にしている者は多いと聞く。
そして俺は今、冒険者をしている。
過去8回もの前世で得たスキルや経験を生かしながら、手っ取り早く金を稼げ、
面白そうなものと考えて冒険者に行きついた。
だって、冒険者なら、自分の能力を使って思いっきり暴れられるから。
力は筋肉など肉体に比例することが多いが、
技を伴うものは、体格を気にしなくても結構平気。
騎士をやっていた事もあったので、体伎や剣技は得意だ。
おまけに魔導師をやっていたこともあり、一応ほとんどの魔法も使える。
俺ってかなり最強!
で、現在ブルガルドのダンジョンでグレートビースト相手に戦っている。
俺は他人に自分の事を知られないよう単独で行動しているから一人。
相手にしている魔物は3頭、
まあ楽勝の範囲内だな。
案の定10分もすると決着がついた。
落ちていたアイテムを拾い、入り口を見ると数人の男が
口をあんぐりと開けこちらを凝視している。
やべ!時間かかり過ぎたか?待たせて申し訳ない。
俺は軽く会釈をすると次のステージに向かった。
そうそう言い忘れていたが、俺は9回目の生を受けてから7年たった。
つまり外見は7歳の子供だ。
しかし、何と言っても過去8回の記憶がある分、
もう数えきれないほどの歳を重ねてきた。
(平均50歳として、×8で400歳だ。もちろんそれ以下、それ以上生きた時もある)
もう数えるのにも飽きて、いったい実質今何歳かなど覚えていない。
でも、それは生きて活動していた年月のこと。
あの世で転生するまで眠っていた時間もあるから、
だから最初の記憶からいったい何百年たっているかわからん。
そういえば、このダンジョンに潜るのもたしか5回目のはずだ。
進化した奴もいるが、たいてい潜んでいるのは同じ種類の魔物。
クリアしない方がおかしい。
しかし油断は禁物。
せっかく過去8回の能力があるのにそれを7年で終わりにするのは惜しい。
何せ今回の転生で打ち止めの可能性は大いにあるのだから。
さて、このダンジョンも無事制覇し、今はダンジョンの出口に来ている。
おお、今日は何て気持ちの良い天気なんだ。太陽が眩しい。
しかしどうしたもんかな?
年齢や今世の経験のせいで、俺は今、Fランク。
最低ランクがGだから、新米レベルも同然だ。
通常Aランクの冒険者でも10日はかかると言われているここを
わずか3日で出てきてしまったのでは、やはり変に思われるだろう。
ダンジョンに潜る際はギルドに届出を出すが、
その際受付の姉さんは、
たいそう俺を心配して潜るのを考え直すよう言われた。
まあ、7歳の子供が単独で潜るのだから、反対するのは当たり前か。
しかし俺もランクを上げなければならないからそうはいかない。
いちいち聞いていたらこの体では何時までたってもFランクのままだ。
「無理でしたらすぐ戻りますから。」と言って出発した。
結局は3日で踏破してしまったのだが、それは誰も信じてくれないだろうな。
獲得したお宝も処分したいけど、今日ギルドに行っても絶対変に思われてしまうだろう。
最下層でしか取れないお宝もある。
それはかなり高価だから、ぜひ売りたいんだ。
何日か時間つぶしてから、ギルドに行くかぁ。
そう考えている俺に悲痛な女の泣き声が聞こえた。
「お願い死なないで!
ここから出てきたら結婚しようと言ったじゃない。
愛しているわ、お願い目を開けて。もう一度笑って見せて
お願い死なないでよ~。」
目を向けると、女は血まみれになり横たわる男にしがみつき、泣きじゃくっている。
多分ダンジョン内で魔物にやられたんだろう。
周りには、ぼろぼろになった男が数人佇んでいる。
普通だったら、できるだけ見て見ぬふりをする俺だが、
あまりの悲しそうな女の泣き声を聞き、その方向に足を向けてしまった。
それをサンサーラという。
持っていると言ってもせいぜい1前世、多くても2前世。
だがそれ以上の記憶を持っている者もいる。
前世での能力は今世代にも引き継がれるのが当たり前。
たとえば前世が大工だったとしよう。
その者は生まれ変わると前世の大工の知識、能力が発揮される。
しかし前世で棟梁になるぐらい実力があった者と
下働きだった者では、やはり今世では能力に差が出る。
だから下働きだった者は今世ではその知識を生かし、さらに高い地位、
棟梁をめざし精進する。(その方が金が稼げるからな。)
しかし中にはいろいろなスキルがあった方がいいと新たな職業に就く者もいる。
ただ、前世の能力が発揮できるのは、その時の状況によって違う。
考えてもみてくれ、赤ん坊に金づちは振れないだろう?
サンサーラが生まれる確率は、
そうだな、約200,000人に1人ほどと言われている。
気が付いているかもしれないが俺もサンサーラだ。
名はヴィクトリア=オブラエン、この名は今世での名だ。
話は戻るが、俺は幸運な事に、今のところまずいない8前世持ち。
まあ1回目は厳密にいえば転移者だったけど。
あの時はかなり落ち込んだなぁ。
いきなり全然知らない世界に放り込まれたんだから。
しかし、嘆いてばかりはいられないから、何とか乗り切って、(流されたとも言うが)悔いの無い一生を終えたと思ったら転生していた。
なぜこうなったのかは俺にも分からない。単に運が良かったからかもしれない。
俺は前世を持っていることは公言はしていない。
サンサーラとして生まれた者は、ほとんどの奴がその事実を隠して生きているはずだ。
その能力に目を付けられ、利用しようと付き纏われるのは目に見えてる。
親や兄弟にも秘密にしている者は多いと聞く。
そして俺は今、冒険者をしている。
過去8回もの前世で得たスキルや経験を生かしながら、手っ取り早く金を稼げ、
面白そうなものと考えて冒険者に行きついた。
だって、冒険者なら、自分の能力を使って思いっきり暴れられるから。
力は筋肉など肉体に比例することが多いが、
技を伴うものは、体格を気にしなくても結構平気。
騎士をやっていた事もあったので、体伎や剣技は得意だ。
おまけに魔導師をやっていたこともあり、一応ほとんどの魔法も使える。
俺ってかなり最強!
で、現在ブルガルドのダンジョンでグレートビースト相手に戦っている。
俺は他人に自分の事を知られないよう単独で行動しているから一人。
相手にしている魔物は3頭、
まあ楽勝の範囲内だな。
案の定10分もすると決着がついた。
落ちていたアイテムを拾い、入り口を見ると数人の男が
口をあんぐりと開けこちらを凝視している。
やべ!時間かかり過ぎたか?待たせて申し訳ない。
俺は軽く会釈をすると次のステージに向かった。
そうそう言い忘れていたが、俺は9回目の生を受けてから7年たった。
つまり外見は7歳の子供だ。
しかし、何と言っても過去8回の記憶がある分、
もう数えきれないほどの歳を重ねてきた。
(平均50歳として、×8で400歳だ。もちろんそれ以下、それ以上生きた時もある)
もう数えるのにも飽きて、いったい実質今何歳かなど覚えていない。
でも、それは生きて活動していた年月のこと。
あの世で転生するまで眠っていた時間もあるから、
だから最初の記憶からいったい何百年たっているかわからん。
そういえば、このダンジョンに潜るのもたしか5回目のはずだ。
進化した奴もいるが、たいてい潜んでいるのは同じ種類の魔物。
クリアしない方がおかしい。
しかし油断は禁物。
せっかく過去8回の能力があるのにそれを7年で終わりにするのは惜しい。
何せ今回の転生で打ち止めの可能性は大いにあるのだから。
さて、このダンジョンも無事制覇し、今はダンジョンの出口に来ている。
おお、今日は何て気持ちの良い天気なんだ。太陽が眩しい。
しかしどうしたもんかな?
年齢や今世の経験のせいで、俺は今、Fランク。
最低ランクがGだから、新米レベルも同然だ。
通常Aランクの冒険者でも10日はかかると言われているここを
わずか3日で出てきてしまったのでは、やはり変に思われるだろう。
ダンジョンに潜る際はギルドに届出を出すが、
その際受付の姉さんは、
たいそう俺を心配して潜るのを考え直すよう言われた。
まあ、7歳の子供が単独で潜るのだから、反対するのは当たり前か。
しかし俺もランクを上げなければならないからそうはいかない。
いちいち聞いていたらこの体では何時までたってもFランクのままだ。
「無理でしたらすぐ戻りますから。」と言って出発した。
結局は3日で踏破してしまったのだが、それは誰も信じてくれないだろうな。
獲得したお宝も処分したいけど、今日ギルドに行っても絶対変に思われてしまうだろう。
最下層でしか取れないお宝もある。
それはかなり高価だから、ぜひ売りたいんだ。
何日か時間つぶしてから、ギルドに行くかぁ。
そう考えている俺に悲痛な女の泣き声が聞こえた。
「お願い死なないで!
ここから出てきたら結婚しようと言ったじゃない。
愛しているわ、お願い目を開けて。もう一度笑って見せて
お願い死なないでよ~。」
目を向けると、女は血まみれになり横たわる男にしがみつき、泣きじゃくっている。
多分ダンジョン内で魔物にやられたんだろう。
周りには、ぼろぼろになった男が数人佇んでいる。
普通だったら、できるだけ見て見ぬふりをする俺だが、
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