1 / 3
ヴィクトリア・第一世の夢
しおりを挟む
夢を見た。
俺は、見覚えのある背の高い石造りの建物の中の一角にいる。
幾つかに仕切られた部屋の中だ。
入り口には給湯室と書かれている。
「茉莉香先輩、休憩ですか?」
ひょっこり顔をのぞかせたのは、後輩の観月香苗(ミズキカナエ。)
こんな堅そうな会社には不似合いなふわふわっとした外見をしているが、じつはがっつりとオタクじみた科学者肌の彼女。
曰く、外見まで気にしなくなると、女としての自分を捨ててしまいそうで怖いと、自分に対しての抵抗だそうだ。
「うん、ちょっとね。」
そう言いながら、メーカーにカップをセットし、ボタンを押す。
抽出されたコーヒーに、ミルクは2つ砂糖なし。
「ふ、ふ、ふ。茉莉香先輩、私見ちゃったんですけどー。」
「え、香苗ちゃん。な、何かなー、何見たのかなー。」
「い、ま、さ、ら。往生際悪いですよー。先週のクリスマスイブ、と言ったら分かりますか。」
うーわ。最悪。それって、絶対言い訳できない事だよね。
「とある高級ホテルの前、都築課長と手をつないで中入って行ったの、私の見間違いでなければ――。」
「あー、分かった。それ以上言わなくてもいい、認めるから。はい、それは私です。」
「やっぱりー、て言うか間違いないと思ってはいたんですがね。いやー茉莉香先輩と部長がねー、でも、考えてみればお似合いですわー。」
「もうそれ以上言わないで、恥ずかしいから。で、口止めの条件は?あなたの事だから、何かあるんでしょ?」
「やったっ!さすが茉莉香先輩、話が早い、それじゃ、先輩の秘蔵本、『現代科学の真実と矛盾』貸してください。あれ、絶版になって見つからなかったんです。」
「うー、仕方ない、その代わり絶対破ったり汚したりしないでよね。」
「勿論ですとも。」
「わかった。明日持ってくる。」
「あざっす。ところで、都築課長とホテルってことは、もう当然そういうことしちゃったということで……。」
ぶほっ!思わずコーヒーを吹き出しそうになった。
「香苗ちゃん、そ、そういう表現はもう少しソフトに、ね。」
「えー充分ソフトでしょ、私、エッチしました?なんて言ってないし。」
「か、香苗ちゃーん、もう少し声を押えようね。」
「で、で、都築課長って優しそうだから、どんなんですかー。」
「ノーコメント、そうゆうの、すべてノーコメント。」
「えーつまんない。」
「交換条件出した以上、もう詮索なし。オーライ?」
「わっかりましたー。」
そう言いながら、香苗ちゃんは自分の分のブラックコーヒーを入れている。
「では、本、楽しみにしてますねー。」
そう言いながら、コーヒー片手に給湯室をスキップでもしそうな雰囲気で出て行った。
「とうとうバレたかー。」
私はふっと息を吐きだす。
「何がばれたって?」
ひえっ、振り向くと噂の本人、都築課長だった。
「課長、お疲れ様です。いえ、ちょっとした問題発生でしたが、すでに対処済みです。」
「なんだ、茉莉香、ずいぶん他人行儀だな。」
「いえ、他人ですから。」
「…確かに今は他人だが、いずれ夫婦となる他人とか、せめて恋人とか、少し格上げしてくれないかな。」
「本気ですか?」
「かなり。」
「んー、それって、こんな場所ではなく、もう少し違ったところで聞きたかったです。」
「すまん、茉莉香が他人なんて言うから焦った。」
「ごめんなさい、会社だからと思って、つい。…その案件につきましては、少々お時間をいただいてからのお返事でよろしいでしょうか?」
「やはり、即答はしてくれないか。まあよろしく。いい返事を楽しみにしている。
ところで、何がばれたんだ?」
「先週のクリスマスイブ、目撃者あり。」
「おお、だれに?」
都築課長、ちょっと嬉しそうなのはなぜでしょう。
「第2研究室の観月香苗ちゃん。すでに口止め済みですのでご安心ください。」
「なんだ、口止めしちゃったんだ。」
え、それってばれてもいいてこと?
「言っただろ?恋人だって、いずれ妻にしたいって。社内恋愛が禁止されているわけでもなし、自分的にはオープンしたってかまわない。いや、逆にオープンにして、茉莉香は俺の者だと防衛線を張りたい。」
「何言ってるんですか、そんな必要ないですよ。」
「そう思ってるのは茉莉香だけだぞ。今度気を付けて周りを見てみろ。どうしてあんなに苦労して、俺の下に引っ張ってきたのか分からないのか?俺の目の届かない、狼だらけの部署に、お前を置いとけなかったからだぞ。」
「あの急な異動は、そんな理由だったんですか?信じられない。職権乱用じゃないですか。」
「なんとでも言え。まあ、あの部署のたった一人の女性をかっさらったんだから、かなり恨まれているとは思うが、そんなこと知ったことじゃない。俺は茉莉香さえ傍に居てくれればいいんだから。」
「よく、恥ずかしげもなく、そんなセリフ吐けますね。」
「おお、いくらでも言ってやるぞ。」
「やめてください。」
聞いてるこっちのほうが恥ずかしくなってくる。
「それより部長、いつまでもこんなところで油売ってないで、さっさと席に戻ってください。お茶ですか?コーヒーですか?入れてお持ちしますから。」
「茉莉香が冷たい。」
「何とでも。」
「仕方ない、仕事するか。じゃ、コーヒーを頼む。」
「はい。ミルクなし、砂糖1つですね。」
「うん、よろしく。」
そういうと都築はしぶしぶ給湯室を出ていき、茉莉香は都築のためにコーヒーカップを手に取った。
ある日、定時を1時間ほど回ったころで、もう少し残業していくという都築に挨拶をし、茉莉香は一人、帰社した。
冬の日暮れは早い。真っ暗になった自宅近くのホームに降り立ち、寒さをこらえながら歩きだす。
「そういえば冷蔵庫の中、ほぼ空っぽだったっけ。仕方ない、コンビに寄って行くか。」
私は駅近くの店に寄り、適当な食料を調達し、家へ向かった。
荷物がちょっと重い。買いすぎたかな。早く家へ帰ろう。
しかし、道すがらのガード下をくぐろうとすると、なぜか大きな水たまりがある。
「おかしいな。ここのところ、雨なんか降ってないのに、なぜ水たまりがあるんだろう?水道管から水漏れでもしてるのかな?」
そう思いながら、しばらく佇んだ。
何せ、道いっぱいに広がっている水たまりだ。どこかに水に触れずに歩ける場所はないかと見渡すが、
どうやらなさそうだ。
「明日は別の靴を履いて行くしかなさそうね。」
靴の中に水が入ってしまうのを覚悟で水の中に踏み出した。
ところが3歩ほど進んだところで、ずぶずぶと、足元が不安定になっていく。
「何よこれ、アスファルトはがれて、底は泥にでもなっているの?」
ところが、泥状態どころではない。
どんどん足が、沈んでいくのだ。
足が、膝が、腿が、ズブズブと沈んでいく。
這い上がろうとしても、全然抜ける様子がない。
「誰か!誰か助けて!」
大声を張り上げても、誰もいる様子はない。
「そうだ、携帯!」
茉莉香は、バックから携帯電話を取り出し、都築のアドレスをタッチした。
しかし電話は呼び出し音すらしない。
「しまった、電池切れ?」
でも、目盛りは充分残っている。
何も反応しない電話に向かって、茉莉香は必死になって呼び掛ける。
「都築さん!都築さん!隆さん!!!!」
その間も体は容赦なく沈んでいき、とうとう茉莉香の姿は消えた。
「うわ!」
俺は思わず飛び起きた。
なんつーリアルな夢だ。
でも今の夢、夢としてはずいぶんリアル過ぎる。
……………………………。
いや、あれは俺の過去だ。
今まで忘れていた。
多分、俺の最初の記憶のはずだ。
あの後俺はどうしたっけ。
しばらく考えていたが、思い出せない、やめた。
あまりにも昔すぎる。
これだけ考えても思い出せないんだ。無理するのは俺の性に合わない。
そのうちまた突然思い出すだろう。
俺は、見覚えのある背の高い石造りの建物の中の一角にいる。
幾つかに仕切られた部屋の中だ。
入り口には給湯室と書かれている。
「茉莉香先輩、休憩ですか?」
ひょっこり顔をのぞかせたのは、後輩の観月香苗(ミズキカナエ。)
こんな堅そうな会社には不似合いなふわふわっとした外見をしているが、じつはがっつりとオタクじみた科学者肌の彼女。
曰く、外見まで気にしなくなると、女としての自分を捨ててしまいそうで怖いと、自分に対しての抵抗だそうだ。
「うん、ちょっとね。」
そう言いながら、メーカーにカップをセットし、ボタンを押す。
抽出されたコーヒーに、ミルクは2つ砂糖なし。
「ふ、ふ、ふ。茉莉香先輩、私見ちゃったんですけどー。」
「え、香苗ちゃん。な、何かなー、何見たのかなー。」
「い、ま、さ、ら。往生際悪いですよー。先週のクリスマスイブ、と言ったら分かりますか。」
うーわ。最悪。それって、絶対言い訳できない事だよね。
「とある高級ホテルの前、都築課長と手をつないで中入って行ったの、私の見間違いでなければ――。」
「あー、分かった。それ以上言わなくてもいい、認めるから。はい、それは私です。」
「やっぱりー、て言うか間違いないと思ってはいたんですがね。いやー茉莉香先輩と部長がねー、でも、考えてみればお似合いですわー。」
「もうそれ以上言わないで、恥ずかしいから。で、口止めの条件は?あなたの事だから、何かあるんでしょ?」
「やったっ!さすが茉莉香先輩、話が早い、それじゃ、先輩の秘蔵本、『現代科学の真実と矛盾』貸してください。あれ、絶版になって見つからなかったんです。」
「うー、仕方ない、その代わり絶対破ったり汚したりしないでよね。」
「勿論ですとも。」
「わかった。明日持ってくる。」
「あざっす。ところで、都築課長とホテルってことは、もう当然そういうことしちゃったということで……。」
ぶほっ!思わずコーヒーを吹き出しそうになった。
「香苗ちゃん、そ、そういう表現はもう少しソフトに、ね。」
「えー充分ソフトでしょ、私、エッチしました?なんて言ってないし。」
「か、香苗ちゃーん、もう少し声を押えようね。」
「で、で、都築課長って優しそうだから、どんなんですかー。」
「ノーコメント、そうゆうの、すべてノーコメント。」
「えーつまんない。」
「交換条件出した以上、もう詮索なし。オーライ?」
「わっかりましたー。」
そう言いながら、香苗ちゃんは自分の分のブラックコーヒーを入れている。
「では、本、楽しみにしてますねー。」
そう言いながら、コーヒー片手に給湯室をスキップでもしそうな雰囲気で出て行った。
「とうとうバレたかー。」
私はふっと息を吐きだす。
「何がばれたって?」
ひえっ、振り向くと噂の本人、都築課長だった。
「課長、お疲れ様です。いえ、ちょっとした問題発生でしたが、すでに対処済みです。」
「なんだ、茉莉香、ずいぶん他人行儀だな。」
「いえ、他人ですから。」
「…確かに今は他人だが、いずれ夫婦となる他人とか、せめて恋人とか、少し格上げしてくれないかな。」
「本気ですか?」
「かなり。」
「んー、それって、こんな場所ではなく、もう少し違ったところで聞きたかったです。」
「すまん、茉莉香が他人なんて言うから焦った。」
「ごめんなさい、会社だからと思って、つい。…その案件につきましては、少々お時間をいただいてからのお返事でよろしいでしょうか?」
「やはり、即答はしてくれないか。まあよろしく。いい返事を楽しみにしている。
ところで、何がばれたんだ?」
「先週のクリスマスイブ、目撃者あり。」
「おお、だれに?」
都築課長、ちょっと嬉しそうなのはなぜでしょう。
「第2研究室の観月香苗ちゃん。すでに口止め済みですのでご安心ください。」
「なんだ、口止めしちゃったんだ。」
え、それってばれてもいいてこと?
「言っただろ?恋人だって、いずれ妻にしたいって。社内恋愛が禁止されているわけでもなし、自分的にはオープンしたってかまわない。いや、逆にオープンにして、茉莉香は俺の者だと防衛線を張りたい。」
「何言ってるんですか、そんな必要ないですよ。」
「そう思ってるのは茉莉香だけだぞ。今度気を付けて周りを見てみろ。どうしてあんなに苦労して、俺の下に引っ張ってきたのか分からないのか?俺の目の届かない、狼だらけの部署に、お前を置いとけなかったからだぞ。」
「あの急な異動は、そんな理由だったんですか?信じられない。職権乱用じゃないですか。」
「なんとでも言え。まあ、あの部署のたった一人の女性をかっさらったんだから、かなり恨まれているとは思うが、そんなこと知ったことじゃない。俺は茉莉香さえ傍に居てくれればいいんだから。」
「よく、恥ずかしげもなく、そんなセリフ吐けますね。」
「おお、いくらでも言ってやるぞ。」
「やめてください。」
聞いてるこっちのほうが恥ずかしくなってくる。
「それより部長、いつまでもこんなところで油売ってないで、さっさと席に戻ってください。お茶ですか?コーヒーですか?入れてお持ちしますから。」
「茉莉香が冷たい。」
「何とでも。」
「仕方ない、仕事するか。じゃ、コーヒーを頼む。」
「はい。ミルクなし、砂糖1つですね。」
「うん、よろしく。」
そういうと都築はしぶしぶ給湯室を出ていき、茉莉香は都築のためにコーヒーカップを手に取った。
ある日、定時を1時間ほど回ったころで、もう少し残業していくという都築に挨拶をし、茉莉香は一人、帰社した。
冬の日暮れは早い。真っ暗になった自宅近くのホームに降り立ち、寒さをこらえながら歩きだす。
「そういえば冷蔵庫の中、ほぼ空っぽだったっけ。仕方ない、コンビに寄って行くか。」
私は駅近くの店に寄り、適当な食料を調達し、家へ向かった。
荷物がちょっと重い。買いすぎたかな。早く家へ帰ろう。
しかし、道すがらのガード下をくぐろうとすると、なぜか大きな水たまりがある。
「おかしいな。ここのところ、雨なんか降ってないのに、なぜ水たまりがあるんだろう?水道管から水漏れでもしてるのかな?」
そう思いながら、しばらく佇んだ。
何せ、道いっぱいに広がっている水たまりだ。どこかに水に触れずに歩ける場所はないかと見渡すが、
どうやらなさそうだ。
「明日は別の靴を履いて行くしかなさそうね。」
靴の中に水が入ってしまうのを覚悟で水の中に踏み出した。
ところが3歩ほど進んだところで、ずぶずぶと、足元が不安定になっていく。
「何よこれ、アスファルトはがれて、底は泥にでもなっているの?」
ところが、泥状態どころではない。
どんどん足が、沈んでいくのだ。
足が、膝が、腿が、ズブズブと沈んでいく。
這い上がろうとしても、全然抜ける様子がない。
「誰か!誰か助けて!」
大声を張り上げても、誰もいる様子はない。
「そうだ、携帯!」
茉莉香は、バックから携帯電話を取り出し、都築のアドレスをタッチした。
しかし電話は呼び出し音すらしない。
「しまった、電池切れ?」
でも、目盛りは充分残っている。
何も反応しない電話に向かって、茉莉香は必死になって呼び掛ける。
「都築さん!都築さん!隆さん!!!!」
その間も体は容赦なく沈んでいき、とうとう茉莉香の姿は消えた。
「うわ!」
俺は思わず飛び起きた。
なんつーリアルな夢だ。
でも今の夢、夢としてはずいぶんリアル過ぎる。
……………………………。
いや、あれは俺の過去だ。
今まで忘れていた。
多分、俺の最初の記憶のはずだ。
あの後俺はどうしたっけ。
しばらく考えていたが、思い出せない、やめた。
あまりにも昔すぎる。
これだけ考えても思い出せないんだ。無理するのは俺の性に合わない。
そのうちまた突然思い出すだろう。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
女神様、もっと早く祝福が欲しかった。
しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。
今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。
女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか?
一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる