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第8章
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頭の中が真っ白になる。それと同時にとてつもない焦燥感に襲われた。
自分じゃない誰かの項を噛む藤城の姿を想像してしまった。情けなくも喉が震える。
──俺の番にならない?
──……は?
番になったのは完全に成り行きだった。そこには愛情なんてこれっぽっちもないはずだった。
項を噛まれた痛みだって、全くと言っていいほど思い出せない。
だけど──。
(藤城の番でいたから、藤城だったから、俺は俺らしくいられたんだ)
いつのまにか、何よりも番という繋がりに拘っている自分がいた。そんなものはただの形に過ぎなくたって、未紘にとっては自分と彼を繋ぐ唯一無二の証だ。
誰かに奪われるなんて、そんなの許せるはずがない。
「……っあのね、僕実は、アルファ側からの番解除の方法知ってるんだ!」
もう未紘達のことなんて完全に頭から消えているのだろう。
興奮したような様子の九条が、爛々と目を輝かせながら藤城を見上げて弾んだ声を掛ける。
「ちょっとリスクはあるけど、その方法なら僕達すぐにでも番になれるんだよ! 芹くんさえよければ、いま……」
「──ごめん、ちょっと静かにしてくれる?」
九条の言葉を遮ったのは、ずっと黙り込んでいた藤城の声だった。
「つーか、離して。いい加減痛い」
「……っあ、ごめんね……」
ハッとした九条が、ぱっと手を離す。機嫌の悪そうな様子の藤城に困惑しているのだろう。さっきまでの明るさが嘘のように、笑顔が引き攣って見える。
「話は終わり? それだけ?」
「えっ……あ、うん……」
彼の返事を聞いた藤城は、小さくため息を吐いた後にこちらに顔を向けた。
視線が絡んでどきっとしたのも束の間、今度こそ彼は未紘の方に向かってくる。
その後ろから、慌てたような九条が声を荒げた。
「せ、芹くんっ!? なんで……どこ行くの? そいつのことなんて何とも思ってないんじゃないの?」
藤城を追いかけた九条が、再び後ろからその腕を掴む。
「僕の方が絶対芹くんの番にふさわしいよ……! 芹くんが嫌なことは何もしないし、なんでも芹くんの言う通りにするからっ! だから──」
ぱしっと乾いた音が響き渡った。手を振り払われた九条の顔から、笑顔が消える。
「触んな」
怒気を含んだ声はそれほど大きくなかったはずなのに、その場の空気を一瞬で支配した。
並外れた威圧感に、息を呑むことすら躊躇ってしまう。
藤城は冷ややかな眼差しを九条に向けた。
「俺がオメガ嫌いなの知ってるだろ。こうして話してるだけでも、本当は最悪な気分なんだよ」
「……えっ……あ……」
「番の解消だっけ、そんなの必要ないから大丈夫。せっかく好きな子と番になれてんのに、手放したりするわけないでしょ」
藤城はそう言いながら、まっすぐに未紘の方に向かってきた。
どこか他人事のような気持ちで二人のやりとりを眺めていた未紘は、正面に立った藤城を見てやっと我に返る。
彼の視線は未紘を押さえつける男達に向けられていた。
「ねえ、誰のものに触ってんの?」
「っ、あ、えーっと……」
「離せよ、今すぐ」
地を這うような声が不機嫌そうな彼の口から吐き出された瞬間、彼らが身震いするのが伝わってきた。
触れられていた手がすぐさま離れる。彼らは焦ったような顔をして呆気なく未紘から離れていった。
それを確認するとすぐに藤城がそばにやってきて、目の前でしゃがみ込んだ。
「遅くなってごめん、痛かったよな」
「……ふじ、しろ……」
「怪我はない?」
口を塞いでいたタオルを解かれて、ようやく声を出すことができた。藤城は手足の拘束を解きながら、未紘の身体をまじまじと確認してくる。
「なにも、されてない」
「唇から血が出てる。痛い?」
「いや……これはむしろ返り血だから」
「どういうこと?」
「痛くはねーよ、死ぬほどきもかったけど」
「……っふは、おまえらしいね」
藤城が破顔する。その顔を見たらなんだか気が抜けて、目頭が熱くなった。
「……未紘?」
突然俯いた未紘に気付いた藤城が、心配そうに顔を覗き込んでくる。その身体に初めて、自分から腕を伸ばした。
驚いた様子の藤城が、体勢を崩して尻餅をつく。未紘は構わずその首の後ろに腕を滑らせ、勢いよく抱き着いた。
「ぜったい渡さねー……」
耳元で声を絞り出すと、彼が息を呑む音が聞こえた。
「……だって、藤城は俺のもんだろ」
九条の番になるかもしれないと思ったとき、どうしようもなく胸が締め付けられて、血が沸騰するような憤りが込み上げた。
いつもなら言えないような本音が、口をついて溢れるように出てくる。
「ずっと俺だけの藤城でいて。俺じゃなきゃだめな藤城のままで、いてよ」
腕を緩めて、そっと目を合わせた。呆気に取られたような顔をしている彼を見て、笑いが込み上げる。
彼は片手で自分の顔を覆った。珍しく狼狽えているようだ。
「……一旦ストップ。まって、理解が追いつかない。俺いま、すげえ自分に都合のいい解釈を勝手にしようとしてる」
「うん、それでいいよ」
「…………まるでおまえが俺のこと、求めてるように聞こえるんだけど」
随分待たせすぎてしまったみたいだ。信じられないといった顔をする藤城に、いつも彼がするみたいに、勝ち誇ったような表情で笑ってみせる。
「気付かなかった? 俺だってもうとっくに、藤城がいなきゃだめになってんの」
自信家で横暴で性格悪くて口も悪くて、頑固で高飛車で偉そうで。いつだって未紘のことをよく見ていてくれて、誰よりも理解しようとしてくれて、大切にしてくれる人。
最初はこんなはずじゃなかった。偽りの関係だったはずなのに、いつしか特別にしか思えなくなっていた。
「……だから、信じさせて。藤城との未来を、俺は信じたい」
もう二度と他人を信じるなんてごめんだと思っていた過去の自分に、ようやく別れを告げる日が来たみたいだ。
未紘の言葉を最後まで聞き終えた藤城は、すっと頬に手を伸ばしてきた。
「──信じてよ」
さらりと肌を滑った両手に、優しく頬を包み込まれる。藤城が僅かに目尻を下げて、柔らかく笑った。
「おまえだけのものになってあげる。だから、一生俺だけのものでいて」
耳に滑り込む甘い声が、胸の奥の深い部分をくすぐった。
胸を満たすこの感情に名前を付けるなら、きっと愛と呼ぶのだろう。
触れるだけの口付けが額に落とされる。そのすぐ後に、再び藤城にきつく抱き締められた。
「あ、お巡りさんこっちです~。さっき通報したやつ!」
不意に外から、誰かに呼びかけるような男の人の声が聞こえてきた。
未紘が反応するより先に、離れた場所にいた男達が狼狽え始める。
「やっべ……っ、おい逃げんぞ!」
「絢音さん、ほら早くっ!」
放心状態の九条を抱えて、男達はバタバタと慌ただしく去って行った。入れ替わるようにひょこっと出入り口から顔を出したのは、見覚えのある顔だった。
「やほー、未紘くん。大丈夫だった?」
「っ、花柳さん……!?」
意外な人物の登場に目を丸くしてしまう。藤城と同じくスーツ姿の花柳は、にこにこと笑いながら近寄ってきた。
「いや~、芹が慌てて会社を飛び出していくのが見えたから、後つけてきちゃったんだよね。まさかこんなことになってるとは思わなかったけど……」
言いかけて、花柳が笑顔のままぴたりと足を止めた。その視線の先は未紘ではなく、藤城に向けられている。
「芹、大丈夫そ?」
「え……?」
言われて初めて、藤城の身体が小刻みに震えていることに気が付いた。抱き締められているせいで、彼の様子がわからない。
「顔色悪いな。ってか意識とんでるかも。すぐに医務室に運ぼう」
「えっ……藤城、おいっ、大丈夫かよ」
焦って身体を離そうとするが、強い力で抱え込まれて全く緩めてもらえない。
「多分絢音ちゃんがオメガって知ったとき、相当我慢してたんじゃないかな」
「普通の顔、してたのに……」
「どうせ芹のことだから、あそこで倒れたら、きみのことを助けられなくなると思ったんじゃない?」
花柳が困ったように笑う。胸がぎゅっと締め付けられるように痛んだ。
「大丈夫、ショックで一時的に気を失ってるだけだよ。ほら、早く行こう。立てる?」
「……っ、はい……」
藤城を抱きかかえたままゆっくりと立ち上がる。それから医務室に運ぶまで、意識がないはずなのに、未紘に回した腕を藤城が離すことはなかった。
自分じゃない誰かの項を噛む藤城の姿を想像してしまった。情けなくも喉が震える。
──俺の番にならない?
──……は?
番になったのは完全に成り行きだった。そこには愛情なんてこれっぽっちもないはずだった。
項を噛まれた痛みだって、全くと言っていいほど思い出せない。
だけど──。
(藤城の番でいたから、藤城だったから、俺は俺らしくいられたんだ)
いつのまにか、何よりも番という繋がりに拘っている自分がいた。そんなものはただの形に過ぎなくたって、未紘にとっては自分と彼を繋ぐ唯一無二の証だ。
誰かに奪われるなんて、そんなの許せるはずがない。
「……っあのね、僕実は、アルファ側からの番解除の方法知ってるんだ!」
もう未紘達のことなんて完全に頭から消えているのだろう。
興奮したような様子の九条が、爛々と目を輝かせながら藤城を見上げて弾んだ声を掛ける。
「ちょっとリスクはあるけど、その方法なら僕達すぐにでも番になれるんだよ! 芹くんさえよければ、いま……」
「──ごめん、ちょっと静かにしてくれる?」
九条の言葉を遮ったのは、ずっと黙り込んでいた藤城の声だった。
「つーか、離して。いい加減痛い」
「……っあ、ごめんね……」
ハッとした九条が、ぱっと手を離す。機嫌の悪そうな様子の藤城に困惑しているのだろう。さっきまでの明るさが嘘のように、笑顔が引き攣って見える。
「話は終わり? それだけ?」
「えっ……あ、うん……」
彼の返事を聞いた藤城は、小さくため息を吐いた後にこちらに顔を向けた。
視線が絡んでどきっとしたのも束の間、今度こそ彼は未紘の方に向かってくる。
その後ろから、慌てたような九条が声を荒げた。
「せ、芹くんっ!? なんで……どこ行くの? そいつのことなんて何とも思ってないんじゃないの?」
藤城を追いかけた九条が、再び後ろからその腕を掴む。
「僕の方が絶対芹くんの番にふさわしいよ……! 芹くんが嫌なことは何もしないし、なんでも芹くんの言う通りにするからっ! だから──」
ぱしっと乾いた音が響き渡った。手を振り払われた九条の顔から、笑顔が消える。
「触んな」
怒気を含んだ声はそれほど大きくなかったはずなのに、その場の空気を一瞬で支配した。
並外れた威圧感に、息を呑むことすら躊躇ってしまう。
藤城は冷ややかな眼差しを九条に向けた。
「俺がオメガ嫌いなの知ってるだろ。こうして話してるだけでも、本当は最悪な気分なんだよ」
「……えっ……あ……」
「番の解消だっけ、そんなの必要ないから大丈夫。せっかく好きな子と番になれてんのに、手放したりするわけないでしょ」
藤城はそう言いながら、まっすぐに未紘の方に向かってきた。
どこか他人事のような気持ちで二人のやりとりを眺めていた未紘は、正面に立った藤城を見てやっと我に返る。
彼の視線は未紘を押さえつける男達に向けられていた。
「ねえ、誰のものに触ってんの?」
「っ、あ、えーっと……」
「離せよ、今すぐ」
地を這うような声が不機嫌そうな彼の口から吐き出された瞬間、彼らが身震いするのが伝わってきた。
触れられていた手がすぐさま離れる。彼らは焦ったような顔をして呆気なく未紘から離れていった。
それを確認するとすぐに藤城がそばにやってきて、目の前でしゃがみ込んだ。
「遅くなってごめん、痛かったよな」
「……ふじ、しろ……」
「怪我はない?」
口を塞いでいたタオルを解かれて、ようやく声を出すことができた。藤城は手足の拘束を解きながら、未紘の身体をまじまじと確認してくる。
「なにも、されてない」
「唇から血が出てる。痛い?」
「いや……これはむしろ返り血だから」
「どういうこと?」
「痛くはねーよ、死ぬほどきもかったけど」
「……っふは、おまえらしいね」
藤城が破顔する。その顔を見たらなんだか気が抜けて、目頭が熱くなった。
「……未紘?」
突然俯いた未紘に気付いた藤城が、心配そうに顔を覗き込んでくる。その身体に初めて、自分から腕を伸ばした。
驚いた様子の藤城が、体勢を崩して尻餅をつく。未紘は構わずその首の後ろに腕を滑らせ、勢いよく抱き着いた。
「ぜったい渡さねー……」
耳元で声を絞り出すと、彼が息を呑む音が聞こえた。
「……だって、藤城は俺のもんだろ」
九条の番になるかもしれないと思ったとき、どうしようもなく胸が締め付けられて、血が沸騰するような憤りが込み上げた。
いつもなら言えないような本音が、口をついて溢れるように出てくる。
「ずっと俺だけの藤城でいて。俺じゃなきゃだめな藤城のままで、いてよ」
腕を緩めて、そっと目を合わせた。呆気に取られたような顔をしている彼を見て、笑いが込み上げる。
彼は片手で自分の顔を覆った。珍しく狼狽えているようだ。
「……一旦ストップ。まって、理解が追いつかない。俺いま、すげえ自分に都合のいい解釈を勝手にしようとしてる」
「うん、それでいいよ」
「…………まるでおまえが俺のこと、求めてるように聞こえるんだけど」
随分待たせすぎてしまったみたいだ。信じられないといった顔をする藤城に、いつも彼がするみたいに、勝ち誇ったような表情で笑ってみせる。
「気付かなかった? 俺だってもうとっくに、藤城がいなきゃだめになってんの」
自信家で横暴で性格悪くて口も悪くて、頑固で高飛車で偉そうで。いつだって未紘のことをよく見ていてくれて、誰よりも理解しようとしてくれて、大切にしてくれる人。
最初はこんなはずじゃなかった。偽りの関係だったはずなのに、いつしか特別にしか思えなくなっていた。
「……だから、信じさせて。藤城との未来を、俺は信じたい」
もう二度と他人を信じるなんてごめんだと思っていた過去の自分に、ようやく別れを告げる日が来たみたいだ。
未紘の言葉を最後まで聞き終えた藤城は、すっと頬に手を伸ばしてきた。
「──信じてよ」
さらりと肌を滑った両手に、優しく頬を包み込まれる。藤城が僅かに目尻を下げて、柔らかく笑った。
「おまえだけのものになってあげる。だから、一生俺だけのものでいて」
耳に滑り込む甘い声が、胸の奥の深い部分をくすぐった。
胸を満たすこの感情に名前を付けるなら、きっと愛と呼ぶのだろう。
触れるだけの口付けが額に落とされる。そのすぐ後に、再び藤城にきつく抱き締められた。
「あ、お巡りさんこっちです~。さっき通報したやつ!」
不意に外から、誰かに呼びかけるような男の人の声が聞こえてきた。
未紘が反応するより先に、離れた場所にいた男達が狼狽え始める。
「やっべ……っ、おい逃げんぞ!」
「絢音さん、ほら早くっ!」
放心状態の九条を抱えて、男達はバタバタと慌ただしく去って行った。入れ替わるようにひょこっと出入り口から顔を出したのは、見覚えのある顔だった。
「やほー、未紘くん。大丈夫だった?」
「っ、花柳さん……!?」
意外な人物の登場に目を丸くしてしまう。藤城と同じくスーツ姿の花柳は、にこにこと笑いながら近寄ってきた。
「いや~、芹が慌てて会社を飛び出していくのが見えたから、後つけてきちゃったんだよね。まさかこんなことになってるとは思わなかったけど……」
言いかけて、花柳が笑顔のままぴたりと足を止めた。その視線の先は未紘ではなく、藤城に向けられている。
「芹、大丈夫そ?」
「え……?」
言われて初めて、藤城の身体が小刻みに震えていることに気が付いた。抱き締められているせいで、彼の様子がわからない。
「顔色悪いな。ってか意識とんでるかも。すぐに医務室に運ぼう」
「えっ……藤城、おいっ、大丈夫かよ」
焦って身体を離そうとするが、強い力で抱え込まれて全く緩めてもらえない。
「多分絢音ちゃんがオメガって知ったとき、相当我慢してたんじゃないかな」
「普通の顔、してたのに……」
「どうせ芹のことだから、あそこで倒れたら、きみのことを助けられなくなると思ったんじゃない?」
花柳が困ったように笑う。胸がぎゅっと締め付けられるように痛んだ。
「大丈夫、ショックで一時的に気を失ってるだけだよ。ほら、早く行こう。立てる?」
「……っ、はい……」
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