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第4章 激動の冬編
第77話 グスタフ包囲網
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言うまでもないことだが、冬は陽が落ちるのが早い。オレンジ色の光が支配する夕方の時間などほとんどなく、太陽が沈みかけて暗闇が世界を覆うまではあっという間だ。
龍牙騎士団の女性騎士ミリアム=ティンカーズは、1騎ミュリヌス地方へ続く街道を、馬に乗って駆けていた。
広大なダリア平原を抜けて、ミュリヌス領まであと少しというところで、小さな村を見つけた彼女は、馬の襲歩を緩めて、常歩にする。
「今夜はここら辺までか」
寒さで鼻を赤くしながら、首に巻いたマフラーに口をうずめてミリアムはつぶやいた。
ここから先も街道は続くが、途中でちょっとした森林地帯に入る。真夜中に強行軍をすれば、獰猛な獣を刺激してしまうかもしれない。ルエールからも急ぐようにとは申しつけられたが、同時に無理をしないことを言われている。
ミリアムは馬を村の入口に誘導しながら、中の様子をうかがう。
さすがに真冬の夜空の下で働き続けようという人はおらず、いそいそと家に帰り夜を迎える準備をしているのがほとんどだ。
「き、騎士様? 王都の騎士様だぁーっ」
入口に馬をつけたミリアムに気づいた男性が、驚いたような声を上げている。その声に反応するかの如く、帰路につこうとしていた人が、既に家の中にいた人まで、ぞろぞろとミリアムの周りに集まってくる。
ミリアムの頭にも無かったくらい、地図にも記されているか微妙な村。ざっと見える生活レベルなど見ても、田舎の小さな集落といって差し支えないだろう。
王都の騎士に対しての礼儀というよりは、ぞろぞろと物珍しさでミリアムを見るために集まってきているようだった。
そんな好奇の目にさらされながらも、ミリアムは全く悪い気などせずに下馬する。
龍牙騎士団のホープとはやし立てられていても、彼女自身は自分のことをそんな大それた騎士だとは思っていないし、そもそも騎士とは平民のために剣を振るう存在のことだ。偉ぶる理由も必要性もないという、高潔な閑雅を持っていた。
「突然の訪問、申し訳ありません。代表者の方はいらっしゃいますか?」
ペコリと頭を下げるミリアム。その幼女然とした声に、雰囲気がガラッと笑い、村の中に暖かい笑いが溢れる。
「まあ~、随分と可愛らしい声をしとるのぉ」
「見かけは立派な騎士様だっちゅーに、ようけ珍しいのぅ」
決して馬鹿にしているわけではないのはわかるが、不敬だとも取れる発言をしながら笑う村人達。
当然ミリアムもそんな反応には慣れっこのため、悪い気などしない
――しないのだが、恥ずかしそうに顔を赤らめて顔を沈ませていた。
(――コ、コウメイ殿や身内に笑われるのは平気なのにっ!)
思えば、騎士団という篭の中で生きてきたミリアムは、あまり外部の人間との接触は無かった。からかわれていく内に慣れていったのだが、改めて見知らぬ人達に笑われるのが、こうも恥ずかしいことだとは。
繰り返すが、村人達に悪気が無いのは分かっている。むしろ、騎士だからといって変に距離を置かれるよりは、気軽で良いくだいだが。
だけど、恥ずかしいことは恥ずかしい。
(帰ったらコウメイ殿を殴ろう)
やり場のない怒りを理不尽にコウメイに向けて、顔を赤くするミリアムは再度代表者に呼びかける。
「代表者といったら、一応ワシになるのかのぅ」
控えめな声を出しながら、1人の老人が集団の中から歩み進んでくる。いかにも「村長」といった雰囲気を出している、よぼよぼの老人だ。
ミリアムはその老人に丁寧にお辞儀をして、心臓に手をやる騎士流の敬礼を捧げる。
「龍牙騎士団の騎士、ミリアム=ティンカーズと申します。極秘任務遂行中のため馬を走らせていたのですが、可能であればここで一宿一飯をいただけると助かります」
「ほうほう、極秘任務と……王都からここを通るということは、ミュリヌス地方へ向かうんですかのう? それとも、ヘルベルト連合――よもや、戦争?」
よぼよぼの割には意外と鋭い老人の推察に、にわかに村人達がざわめき立つ。
「申し訳ありません。龍牙騎士団の中でもごく限られて人間しか知らない極秘任務のため、何もお伝えすることは出来ないんです。ただ、戦争が起こるだとか、皆さんに危険があることはありませんので、ご安心下さい」
本人の誠実さが出ているような、真っ直ぐな声と視線。そんなミリアムの言葉に老人はふむうと唸るような声を出す。
「ほっほっほ。騎士様とあろう者が、田舎の老いぼれに頭なぞ下げないでください。もちろん、精いっぱいのもてなしをさせていただきますぞ」
「あ、いえ……そんな。ただ少しの食料と屋根のある場所を提供いただければ……私と、この子の」
横で顔を寄せてくる愛馬の頸を撫でながらミリアムが恐縮すると、老人は優し気な笑みを浮かべる。
「遠慮なされるな。龍牙騎士団といえば、昔ファヌス魔法大国との対戦中、村人達の盾となって守ってくれた方達じゃ。何をしても、恩返しにはならんですじゃ」
「――え?」
ミリアムが生まれる前の時代、聖アルマイトと南のファヌス魔法大国の間で大きな戦争が起こったことは、歴史の授業で学んだことがある。両国で戦争を起これば、この村は大きな被害を受ける地理的な条件がそろっている。
「まだヴィジオール陛下ご自身が龍牙騎士団の団長を務めておった頃合いでのう。ルエール騎士団長も、まだ初々しさの残る青年じゃった。容赦なく村を焼くファヌスの魔法を、必死に食い止めて下さってのぅ。ヴィジオール様やルエール様がおらんければ、儂もこの村も残っておらんかった」
「そうなんですか」
そんな、龍牙騎士団の昔の栄光を聞くと、ミリアムの胸にも喜びが湧き上がってくる。王国――いや、大陸最強として名高い、誇り高き騎士団。そんな龍牙騎士団に憧れて入団したのだが、やはりそれは間違いなかったのだ。
自分もそんな栄誉ある騎士の1人であるということに、誇りと喜びと責任の重さを感じる。
(まさか、こんなところでこんな気持ちになるなんて)
思わず口元がにやけるのを止められず、再びミリアムが口元をマフラーの中に埋める。
「では、ミリアム様。僅か一晩ですが、ゆっくりとごくつろぎ下さい。世話は、儂の孫娘――フェアにやらせますので。頼んだぞ、フェア」
「はい、おじい様っ!」
老人に言われて出てきたのは、見るからに活発そうな少女――おそらくミリアムよりは年下。ミュリヌス学園の生徒達と同年代くらいだろ。
「いつも言っておるように、この村の恩人であらせられる龍牙騎士団の騎士様じゃ。くれぐれも無礼がないようにな」
「分かってますよ、おじい様! ミリアム様――でしたよね? フェアといいます。どうぞ、よろしくお願いしますね」
明るく元気な声は、ここまでの早馬で疲れ切っていたミリアムの疲労を癒す。身体はくたくたに疲れ切っているはずなのに、その笑顔と声を聞いていると、自然と元気があふれ出てくるようだった。
「よろしくね、フェア」
そうしてミリアムと村人達が話し込んでいるうちに、すっかり陽は完全に沈んで、夜の闇が辺りを支配していた。
村人達は突然の客人を、村を上げてもてなすために、いそいそと動き始めるのだった。
■□■□
「ミリアム、お前は私たちに先駆けてミュリヌス地方へ向かってくれないか?」
王都ユールディアを発ち、初日の夜。予定通りの行程を辿り、宿を取る関所に着いた時にミリアムはルエールからそう告げられた。
「コウメイも言っていたことだが、出来るだけグスタフが好きに出来る時間は少ない方が良い。シンパの身も心配だしな」
コウメイが生きて、情報を王都ユールディアに持ち帰っている事。これについてはグスタフの思惑の外だろう。そういった意味で、今はグスタフの不意をつけている。しかし時間を与えれば与える程に、その優位性は失われていくだろうというのがコウメイの言い分だった。
迅速速攻――とにかくコウメイは早急に事態を片付けることを最優先としている。それは調査部隊に参加している全員が賛同していることでもある。
確かにミリアムが先行して向かえば、グスタフに対する牽制になるだろう。シンパの助けにもなるし、調査部隊の誰か1人でも早くミュリヌス地方に到着する意義は大きい。
しかしデメリットもある。グスタフに余計な警戒心を煽ること。そして、単身乗り込むことになるミリアムの身も危険に晒されることだ。
「かしこまりました。先に向かい、グスタフ卿の動向を探ってみます。必要とあれば、リリライト殿下とシンパ様の身もお守りいたします」
そんな危険も全て承知した上で、ミリアムは躊躇なくうなずいた。
これはルエールからの信頼の証。敬愛する騎士団長からの期待に応えるべく、ミリアムは丁重にお辞儀をした。
「すまないな。ランディかお前か迷ったんだが、お前の方がグスタフも油断するだろうと思っていてな。基本、奴は女性というだけで侮る傾向がある」
「否定出来ませんね」
ルエールの言葉に、ミリアムは軽く笑いながら相槌を打つ。
「或いは、彼――リューイでも良いかもしれませんよ」
普段、ルエールに向かって冗談など口にすることがないミリアムが、冗談か本気か分からないような口調で行ってくる。するとルエールも笑みをこぼしながら
「彼の気概は買うが、実力はまだまだだ。さすがに1人で先に行かせるわけにはいかんさ」
「ですね」
ルエールの言葉に、ミリアムは珍しくにっこりと笑いながらうなずく。
若く、しかも女性であるミリアムに危険と重責を押し付けざるを得ないというルエールの罪悪感を少しでも和らげるための、ミリアムなりの気遣いだった。
「では、明朝より出発致します。良い馬が借りられればいいのですが……」
若くしながら既に激しい前線をいくつも経験しているにも関わらず、汚れや傷一つない綺麗な顔で思案するミリアム。
その美しい顔立ちは間違いなく、誰が見ても上流貴族そのものであり。そんな彼女に心配そうな視線を投げかけるルエール。
「くれぐれも気をつけてな。無理はしないでくれよ」
娘を凌辱されたルエールの悲壮感は嫌でも伝わってきた。
そんなルエールの心境を慮り、少しでも心労を和らげるために、ミリアムは笑顔で力強くうなずくのだった。
■□■□
ミリアムが名も知れぬ小さな村にたどり着いたのは、調査部隊本隊より先に出発して2日経ってからだった。
1日目は野宿で、しかも野党やら獣やらを警戒しなければならなかったので、満足に休むことが出来なかった。しかしこの村では、世話役となってくれたフェアが甲斐甲斐しく面倒を見てくれたおかげで、食事や寝床だけではなく、入浴まですることが出来た。
心身共にすっかり回復したミリアムは、まだ薄暗い内に起床していた。宿として利用させてもらった、例の老人宅の中庭にある冷たい井戸水で顔を洗っている。
「ルエール団長、必ず無事に任務を果たしますから」
肌を突き刺すような寒さの中、更に冷たい水を顔に浴びて意識が覚醒したミリアムは、タオルで顔を拭きながら、決意の言葉をこぼす。
「ミリアム様、そんな薄着では風邪をひかれます」
突然背後から声を掛けられて、ミリアムが振り向くと、そこには昨晩から何かと身の回りの世話をしてくれるフェアの姿があった。
フェアの指摘通り、今のミリアムの服装は半袖のシャツだ。真冬の格好としては不相応この上ないが、ミリアムは軽く笑いながら
「これくらいの方が、目が覚めるからいいのよ。それにしても早いわね、フェア。まだこんなに暗いのに」
「騎士様よりゆっくり休むわけにもいきませんから」
白い息を吐きながらにっこりと笑うフェア。ミリアムとは違い、フェアはしっかりと防寒具を着込んでおり、ミリアムが薄着であるのを見越していたのか、ミリアムの分の上着を持ってきており、それを渡す。
「そんなこと気にしなくてもいいのに。かえってこっちが恐縮しちゃうわ」
ミリアムは受け取った上着を羽織る。すると寒さに晒されていたところに、心地よい暖かさが感じられる。
「はぅ……あったかい。実は私、騎士団一の寒がりだから助かるわ」
「それじゃあ、なおさら薄着ではダメじゃないですか」
「寝起きも悪いから、朝だけはこれくらいしないとダメなのよ。あ~、寒い寒い。早く中に入りましょう」
厚手の上着を着たら、途端に身を縮こまるミリアムは、フェアを急かすようにしながら家の中へ向かう。ほぼ付きっきりで世話をしてくれるフェアとすっかり距離が近くなったミリアムは、まるで気の置ける友人のように接していた。
暖かい歓迎にいつまでも身を落ち着けたくなる気持ちもあったが、もうすぐに出発しなければならない。今のミリアムの任務は、一刻も早くミュリヌス地方へ着くことなのだ。
この村でゆっくり休息が取れたことで、これからの行程も順調に進めそうだ。おそらくあと5日もかからないだろう。
ミリアムのみ、当初の予定よりも1週間程早く到着することとなる。本隊が到着するまでの1週間、ミリアムはグスタフを牽制しつつ、リリライトとシンパの身を守らねばならない。
「――っと。そうだ、フェア」
「はい?」
そんな自分の任務を頭の中で反芻するミリアムがフェアの名前を呼ぶと、フェアはきょとんとした顔で振り向いてきた。
「昨日も言った通り、私は極秘任務で動いているの。大丈夫だとは思うけど、私がこの村に来たことは、絶対に誰にも言ってはダメよ」
友人ではなく騎士の顔で、ミリアムが真面目に念押しをする。するとフェアはしっかりとうなずき返してきた。
「はい。ミリアム様のことは決して他言しませんから、ご安心下さい」
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「まさか、ここまで早く動いてもらえるとは思って無かったですよ」
「迅速速攻っつたのは、お前だろ? 言った言葉には責任持てよ、騎士団長代理?」
ほぼ時を同じくして、カリオスとコウメイは一個大隊を率いて、王都ユールディアを出発していた。
つい最近までは龍牙騎士団長付という、特に大きな責任も何もない立場で気ままに生活しちたコウメイ。それがこうやって、王位継承権第1位であるカリオスと馬を並べて大隊を率いることになろうとは、夢にも思わなかった。
「というか、戦えない俺を前線に連れて行ってどういうつもりなんですか?」
うんざりしたような表情で、コウメイは不慣れな手綱さばきを見せる。ルエールに拾われて龍牙騎士団に入団してから馬術の練習をしているが、一向に上達しない。
「がははは。ほんっとうに、馬乗るの下手くそだな。そりゃ、戦闘じゃ使い物にならねえな」
豪快にコウメイを笑い飛ばすカリオス。先日、コウメイに言葉でさんざん言われた意趣返しだろうか。大人げない。
「別に、お前に前線で成果を挙げることなんて期待してないって。ただ言い出しっぺはお前なんだから、ちゃんと最後まで見届ける責任はあるだろ」
「言い出しっぺって……」
「まあ、それだけじゃない。万が一、想定外の事態になった時に、お前が近くにいると助かるだろうと思ってな」
こうやって、見栄にこだわることなく部下を頼ることが出来るのはカリオスの美徳だ。
そう言うカリオスの言葉から、コウメイはカリオスもまた自分と同じことを感じていることを察する。
コウメイの暗殺が成功したと見せかけており、ルエール率いる精鋭部隊が向かっているそして2人は知る由もないが、更にグスタフにこれ以上好きにさせる時間を与えないために、ミリアムが先行して向かっている。
これに加えて、コウメイの提案を全面的に受け入れたカリオスは、即日龍牙騎士団からミュリヌス地方攻略部隊を編成し、2日後には行軍を開始していた。調査や派遣ではなく“攻略”部隊である。
もはやグスタフは聖アルマイト王国に対して反逆の意志を持っている前提の対応である。更にヘルベルト連合の戦闘部隊『龍の爪』との武力衝突すら視野に入れている程の部隊を編成している。
こうと決めたカリオスの態度は徹底的だった。相手が大臣だから無茶は出来ない…と、ルエールと話していた自分が馬鹿だと思えるくらいだったが、ここまで強引に出来るのはカリオスの実績と人望があって成せることだろう。コウメイは言うに及ばず、ルエールですら同じことは出来まい。もし濡れ衣だったらどうするつもりなのだろう、と思わないでもない。
ここまでやっていても、カリオスがコウメイを頼る言葉を吐くということは、それでも不安が残るのだろう。
グスタフという男の不気味さ、異様さ、理解不能さ――それは相手が誰だろうと、得体のしれない不安感を抱かせるのだ。
グスタフが何を企んでいようが、これでもう逃げ場はない。知らぬは本人ばかりのはず。グスタフ包囲網は、間違いなくほぼ完璧に整いつつあった。
「大丈夫ですよ、カリオス殿下」
ため息を吐きながら、コウメイは言った。
それはカリオスに向けたものではなく、むしろ自分自身を安心させるためのものかもしれない。
その思いを胸中に封じ込めつつ、コウメイはそれ以上何も言わなかった。
龍牙騎士団の女性騎士ミリアム=ティンカーズは、1騎ミュリヌス地方へ続く街道を、馬に乗って駆けていた。
広大なダリア平原を抜けて、ミュリヌス領まであと少しというところで、小さな村を見つけた彼女は、馬の襲歩を緩めて、常歩にする。
「今夜はここら辺までか」
寒さで鼻を赤くしながら、首に巻いたマフラーに口をうずめてミリアムはつぶやいた。
ここから先も街道は続くが、途中でちょっとした森林地帯に入る。真夜中に強行軍をすれば、獰猛な獣を刺激してしまうかもしれない。ルエールからも急ぐようにとは申しつけられたが、同時に無理をしないことを言われている。
ミリアムは馬を村の入口に誘導しながら、中の様子をうかがう。
さすがに真冬の夜空の下で働き続けようという人はおらず、いそいそと家に帰り夜を迎える準備をしているのがほとんどだ。
「き、騎士様? 王都の騎士様だぁーっ」
入口に馬をつけたミリアムに気づいた男性が、驚いたような声を上げている。その声に反応するかの如く、帰路につこうとしていた人が、既に家の中にいた人まで、ぞろぞろとミリアムの周りに集まってくる。
ミリアムの頭にも無かったくらい、地図にも記されているか微妙な村。ざっと見える生活レベルなど見ても、田舎の小さな集落といって差し支えないだろう。
王都の騎士に対しての礼儀というよりは、ぞろぞろと物珍しさでミリアムを見るために集まってきているようだった。
そんな好奇の目にさらされながらも、ミリアムは全く悪い気などせずに下馬する。
龍牙騎士団のホープとはやし立てられていても、彼女自身は自分のことをそんな大それた騎士だとは思っていないし、そもそも騎士とは平民のために剣を振るう存在のことだ。偉ぶる理由も必要性もないという、高潔な閑雅を持っていた。
「突然の訪問、申し訳ありません。代表者の方はいらっしゃいますか?」
ペコリと頭を下げるミリアム。その幼女然とした声に、雰囲気がガラッと笑い、村の中に暖かい笑いが溢れる。
「まあ~、随分と可愛らしい声をしとるのぉ」
「見かけは立派な騎士様だっちゅーに、ようけ珍しいのぅ」
決して馬鹿にしているわけではないのはわかるが、不敬だとも取れる発言をしながら笑う村人達。
当然ミリアムもそんな反応には慣れっこのため、悪い気などしない
――しないのだが、恥ずかしそうに顔を赤らめて顔を沈ませていた。
(――コ、コウメイ殿や身内に笑われるのは平気なのにっ!)
思えば、騎士団という篭の中で生きてきたミリアムは、あまり外部の人間との接触は無かった。からかわれていく内に慣れていったのだが、改めて見知らぬ人達に笑われるのが、こうも恥ずかしいことだとは。
繰り返すが、村人達に悪気が無いのは分かっている。むしろ、騎士だからといって変に距離を置かれるよりは、気軽で良いくだいだが。
だけど、恥ずかしいことは恥ずかしい。
(帰ったらコウメイ殿を殴ろう)
やり場のない怒りを理不尽にコウメイに向けて、顔を赤くするミリアムは再度代表者に呼びかける。
「代表者といったら、一応ワシになるのかのぅ」
控えめな声を出しながら、1人の老人が集団の中から歩み進んでくる。いかにも「村長」といった雰囲気を出している、よぼよぼの老人だ。
ミリアムはその老人に丁寧にお辞儀をして、心臓に手をやる騎士流の敬礼を捧げる。
「龍牙騎士団の騎士、ミリアム=ティンカーズと申します。極秘任務遂行中のため馬を走らせていたのですが、可能であればここで一宿一飯をいただけると助かります」
「ほうほう、極秘任務と……王都からここを通るということは、ミュリヌス地方へ向かうんですかのう? それとも、ヘルベルト連合――よもや、戦争?」
よぼよぼの割には意外と鋭い老人の推察に、にわかに村人達がざわめき立つ。
「申し訳ありません。龍牙騎士団の中でもごく限られて人間しか知らない極秘任務のため、何もお伝えすることは出来ないんです。ただ、戦争が起こるだとか、皆さんに危険があることはありませんので、ご安心下さい」
本人の誠実さが出ているような、真っ直ぐな声と視線。そんなミリアムの言葉に老人はふむうと唸るような声を出す。
「ほっほっほ。騎士様とあろう者が、田舎の老いぼれに頭なぞ下げないでください。もちろん、精いっぱいのもてなしをさせていただきますぞ」
「あ、いえ……そんな。ただ少しの食料と屋根のある場所を提供いただければ……私と、この子の」
横で顔を寄せてくる愛馬の頸を撫でながらミリアムが恐縮すると、老人は優し気な笑みを浮かべる。
「遠慮なされるな。龍牙騎士団といえば、昔ファヌス魔法大国との対戦中、村人達の盾となって守ってくれた方達じゃ。何をしても、恩返しにはならんですじゃ」
「――え?」
ミリアムが生まれる前の時代、聖アルマイトと南のファヌス魔法大国の間で大きな戦争が起こったことは、歴史の授業で学んだことがある。両国で戦争を起これば、この村は大きな被害を受ける地理的な条件がそろっている。
「まだヴィジオール陛下ご自身が龍牙騎士団の団長を務めておった頃合いでのう。ルエール騎士団長も、まだ初々しさの残る青年じゃった。容赦なく村を焼くファヌスの魔法を、必死に食い止めて下さってのぅ。ヴィジオール様やルエール様がおらんければ、儂もこの村も残っておらんかった」
「そうなんですか」
そんな、龍牙騎士団の昔の栄光を聞くと、ミリアムの胸にも喜びが湧き上がってくる。王国――いや、大陸最強として名高い、誇り高き騎士団。そんな龍牙騎士団に憧れて入団したのだが、やはりそれは間違いなかったのだ。
自分もそんな栄誉ある騎士の1人であるということに、誇りと喜びと責任の重さを感じる。
(まさか、こんなところでこんな気持ちになるなんて)
思わず口元がにやけるのを止められず、再びミリアムが口元をマフラーの中に埋める。
「では、ミリアム様。僅か一晩ですが、ゆっくりとごくつろぎ下さい。世話は、儂の孫娘――フェアにやらせますので。頼んだぞ、フェア」
「はい、おじい様っ!」
老人に言われて出てきたのは、見るからに活発そうな少女――おそらくミリアムよりは年下。ミュリヌス学園の生徒達と同年代くらいだろ。
「いつも言っておるように、この村の恩人であらせられる龍牙騎士団の騎士様じゃ。くれぐれも無礼がないようにな」
「分かってますよ、おじい様! ミリアム様――でしたよね? フェアといいます。どうぞ、よろしくお願いしますね」
明るく元気な声は、ここまでの早馬で疲れ切っていたミリアムの疲労を癒す。身体はくたくたに疲れ切っているはずなのに、その笑顔と声を聞いていると、自然と元気があふれ出てくるようだった。
「よろしくね、フェア」
そうしてミリアムと村人達が話し込んでいるうちに、すっかり陽は完全に沈んで、夜の闇が辺りを支配していた。
村人達は突然の客人を、村を上げてもてなすために、いそいそと動き始めるのだった。
■□■□
「ミリアム、お前は私たちに先駆けてミュリヌス地方へ向かってくれないか?」
王都ユールディアを発ち、初日の夜。予定通りの行程を辿り、宿を取る関所に着いた時にミリアムはルエールからそう告げられた。
「コウメイも言っていたことだが、出来るだけグスタフが好きに出来る時間は少ない方が良い。シンパの身も心配だしな」
コウメイが生きて、情報を王都ユールディアに持ち帰っている事。これについてはグスタフの思惑の外だろう。そういった意味で、今はグスタフの不意をつけている。しかし時間を与えれば与える程に、その優位性は失われていくだろうというのがコウメイの言い分だった。
迅速速攻――とにかくコウメイは早急に事態を片付けることを最優先としている。それは調査部隊に参加している全員が賛同していることでもある。
確かにミリアムが先行して向かえば、グスタフに対する牽制になるだろう。シンパの助けにもなるし、調査部隊の誰か1人でも早くミュリヌス地方に到着する意義は大きい。
しかしデメリットもある。グスタフに余計な警戒心を煽ること。そして、単身乗り込むことになるミリアムの身も危険に晒されることだ。
「かしこまりました。先に向かい、グスタフ卿の動向を探ってみます。必要とあれば、リリライト殿下とシンパ様の身もお守りいたします」
そんな危険も全て承知した上で、ミリアムは躊躇なくうなずいた。
これはルエールからの信頼の証。敬愛する騎士団長からの期待に応えるべく、ミリアムは丁重にお辞儀をした。
「すまないな。ランディかお前か迷ったんだが、お前の方がグスタフも油断するだろうと思っていてな。基本、奴は女性というだけで侮る傾向がある」
「否定出来ませんね」
ルエールの言葉に、ミリアムは軽く笑いながら相槌を打つ。
「或いは、彼――リューイでも良いかもしれませんよ」
普段、ルエールに向かって冗談など口にすることがないミリアムが、冗談か本気か分からないような口調で行ってくる。するとルエールも笑みをこぼしながら
「彼の気概は買うが、実力はまだまだだ。さすがに1人で先に行かせるわけにはいかんさ」
「ですね」
ルエールの言葉に、ミリアムは珍しくにっこりと笑いながらうなずく。
若く、しかも女性であるミリアムに危険と重責を押し付けざるを得ないというルエールの罪悪感を少しでも和らげるための、ミリアムなりの気遣いだった。
「では、明朝より出発致します。良い馬が借りられればいいのですが……」
若くしながら既に激しい前線をいくつも経験しているにも関わらず、汚れや傷一つない綺麗な顔で思案するミリアム。
その美しい顔立ちは間違いなく、誰が見ても上流貴族そのものであり。そんな彼女に心配そうな視線を投げかけるルエール。
「くれぐれも気をつけてな。無理はしないでくれよ」
娘を凌辱されたルエールの悲壮感は嫌でも伝わってきた。
そんなルエールの心境を慮り、少しでも心労を和らげるために、ミリアムは笑顔で力強くうなずくのだった。
■□■□
ミリアムが名も知れぬ小さな村にたどり着いたのは、調査部隊本隊より先に出発して2日経ってからだった。
1日目は野宿で、しかも野党やら獣やらを警戒しなければならなかったので、満足に休むことが出来なかった。しかしこの村では、世話役となってくれたフェアが甲斐甲斐しく面倒を見てくれたおかげで、食事や寝床だけではなく、入浴まですることが出来た。
心身共にすっかり回復したミリアムは、まだ薄暗い内に起床していた。宿として利用させてもらった、例の老人宅の中庭にある冷たい井戸水で顔を洗っている。
「ルエール団長、必ず無事に任務を果たしますから」
肌を突き刺すような寒さの中、更に冷たい水を顔に浴びて意識が覚醒したミリアムは、タオルで顔を拭きながら、決意の言葉をこぼす。
「ミリアム様、そんな薄着では風邪をひかれます」
突然背後から声を掛けられて、ミリアムが振り向くと、そこには昨晩から何かと身の回りの世話をしてくれるフェアの姿があった。
フェアの指摘通り、今のミリアムの服装は半袖のシャツだ。真冬の格好としては不相応この上ないが、ミリアムは軽く笑いながら
「これくらいの方が、目が覚めるからいいのよ。それにしても早いわね、フェア。まだこんなに暗いのに」
「騎士様よりゆっくり休むわけにもいきませんから」
白い息を吐きながらにっこりと笑うフェア。ミリアムとは違い、フェアはしっかりと防寒具を着込んでおり、ミリアムが薄着であるのを見越していたのか、ミリアムの分の上着を持ってきており、それを渡す。
「そんなこと気にしなくてもいいのに。かえってこっちが恐縮しちゃうわ」
ミリアムは受け取った上着を羽織る。すると寒さに晒されていたところに、心地よい暖かさが感じられる。
「はぅ……あったかい。実は私、騎士団一の寒がりだから助かるわ」
「それじゃあ、なおさら薄着ではダメじゃないですか」
「寝起きも悪いから、朝だけはこれくらいしないとダメなのよ。あ~、寒い寒い。早く中に入りましょう」
厚手の上着を着たら、途端に身を縮こまるミリアムは、フェアを急かすようにしながら家の中へ向かう。ほぼ付きっきりで世話をしてくれるフェアとすっかり距離が近くなったミリアムは、まるで気の置ける友人のように接していた。
暖かい歓迎にいつまでも身を落ち着けたくなる気持ちもあったが、もうすぐに出発しなければならない。今のミリアムの任務は、一刻も早くミュリヌス地方へ着くことなのだ。
この村でゆっくり休息が取れたことで、これからの行程も順調に進めそうだ。おそらくあと5日もかからないだろう。
ミリアムのみ、当初の予定よりも1週間程早く到着することとなる。本隊が到着するまでの1週間、ミリアムはグスタフを牽制しつつ、リリライトとシンパの身を守らねばならない。
「――っと。そうだ、フェア」
「はい?」
そんな自分の任務を頭の中で反芻するミリアムがフェアの名前を呼ぶと、フェアはきょとんとした顔で振り向いてきた。
「昨日も言った通り、私は極秘任務で動いているの。大丈夫だとは思うけど、私がこの村に来たことは、絶対に誰にも言ってはダメよ」
友人ではなく騎士の顔で、ミリアムが真面目に念押しをする。するとフェアはしっかりとうなずき返してきた。
「はい。ミリアム様のことは決して他言しませんから、ご安心下さい」
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「まさか、ここまで早く動いてもらえるとは思って無かったですよ」
「迅速速攻っつたのは、お前だろ? 言った言葉には責任持てよ、騎士団長代理?」
ほぼ時を同じくして、カリオスとコウメイは一個大隊を率いて、王都ユールディアを出発していた。
つい最近までは龍牙騎士団長付という、特に大きな責任も何もない立場で気ままに生活しちたコウメイ。それがこうやって、王位継承権第1位であるカリオスと馬を並べて大隊を率いることになろうとは、夢にも思わなかった。
「というか、戦えない俺を前線に連れて行ってどういうつもりなんですか?」
うんざりしたような表情で、コウメイは不慣れな手綱さばきを見せる。ルエールに拾われて龍牙騎士団に入団してから馬術の練習をしているが、一向に上達しない。
「がははは。ほんっとうに、馬乗るの下手くそだな。そりゃ、戦闘じゃ使い物にならねえな」
豪快にコウメイを笑い飛ばすカリオス。先日、コウメイに言葉でさんざん言われた意趣返しだろうか。大人げない。
「別に、お前に前線で成果を挙げることなんて期待してないって。ただ言い出しっぺはお前なんだから、ちゃんと最後まで見届ける責任はあるだろ」
「言い出しっぺって……」
「まあ、それだけじゃない。万が一、想定外の事態になった時に、お前が近くにいると助かるだろうと思ってな」
こうやって、見栄にこだわることなく部下を頼ることが出来るのはカリオスの美徳だ。
そう言うカリオスの言葉から、コウメイはカリオスもまた自分と同じことを感じていることを察する。
コウメイの暗殺が成功したと見せかけており、ルエール率いる精鋭部隊が向かっているそして2人は知る由もないが、更にグスタフにこれ以上好きにさせる時間を与えないために、ミリアムが先行して向かっている。
これに加えて、コウメイの提案を全面的に受け入れたカリオスは、即日龍牙騎士団からミュリヌス地方攻略部隊を編成し、2日後には行軍を開始していた。調査や派遣ではなく“攻略”部隊である。
もはやグスタフは聖アルマイト王国に対して反逆の意志を持っている前提の対応である。更にヘルベルト連合の戦闘部隊『龍の爪』との武力衝突すら視野に入れている程の部隊を編成している。
こうと決めたカリオスの態度は徹底的だった。相手が大臣だから無茶は出来ない…と、ルエールと話していた自分が馬鹿だと思えるくらいだったが、ここまで強引に出来るのはカリオスの実績と人望があって成せることだろう。コウメイは言うに及ばず、ルエールですら同じことは出来まい。もし濡れ衣だったらどうするつもりなのだろう、と思わないでもない。
ここまでやっていても、カリオスがコウメイを頼る言葉を吐くということは、それでも不安が残るのだろう。
グスタフという男の不気味さ、異様さ、理解不能さ――それは相手が誰だろうと、得体のしれない不安感を抱かせるのだ。
グスタフが何を企んでいようが、これでもう逃げ場はない。知らぬは本人ばかりのはず。グスタフ包囲網は、間違いなくほぼ完璧に整いつつあった。
「大丈夫ですよ、カリオス殿下」
ため息を吐きながら、コウメイは言った。
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その思いを胸中に封じ込めつつ、コウメイはそれ以上何も言わなかった。
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