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第4章 激動の冬編
第81話 淫堕への抵抗、グスタフの焦り
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リリライトの執務室。
今日もリリライトは公務に精を出していた。来客と会ったり、ヘルベルト連合やミュリヌス学園の運営など、様々な仕事をてきぱきとこなしていた。
何があったのか、夏頃の彼女の姿を覚えると随分と成長したものだ。彼女の行為は、もう「社会勉強」と揶揄出来るものではないだろう。
グスタフの補佐的な立場とはいえ、立派に第2王女として外国と交渉を重ね、重要な騎士養成機関の運営もこなしている。
「ええ、それはそのように進めてください。お返事は……そうですね。1週間後までには。はい、お願いします」
スムーズではあるが、決して早口ではない。余裕と優雅さを持った聞き取りやすい口調で、リリライトはヘルベルト連合の使者と会話をしているようだった。
リリライトに呼ばれたシンパが謁見室に入ると、そんな立派に公務をこなしているリリライトの姿を目にする。
「あっ、シンパ……それでは、今日はこの辺で宜しくお願いいたします。良いお返事を期待していますね」
「ええ、前向きに検討させていただきますよ」
リリライトは、彼女の特徴とも言ってもよい太陽のような明るい笑顔で使者に言うと、使者も柔らかな笑みを浮かべて体を折った。そして謁見室を退室する前にシンパと目が合うと、軽く会釈をして、退室していった。
「ごめんなさい、シンパ。あわただしくて」
「いえ、とんでもございません」
そういうリリライトの様子に、シンパはいつもと違う雰囲気を感じた。--いや、違う。いつもと違うのは、ここ最近のリリライトの方だ。本来のリリライトに戻ったというほうが正しいような気がする。
そういえば、年末頃からは四六時中リリライトのそばにいたグスタフが、ここ2~3日姿が見えない。そのことが関係しているのだろうか。
「忙しい所、呼び立ててしまってすみません。ですが、シンパに伝えたい朗報があるんです」
リリライトは、その立派な椅子から腰を上げると、小さな歩幅で可愛らしくシンパの近くにかけてくる。
「朗報……?」
その内容に全く心当たりがないシンパは首をかしげる。そんな戸惑いの表情を浮かべるシンパの両手を取り、リリライトは嬉しそうに微笑む。
それはまぎれもなく、シンパがよく知る「純白の姫」の笑顔だった。
「ようやく、お兄様が来て下さることになったの」
「っ!」
その言葉だけでシンパは合点がいった。そしてそのあまりに衝撃的なことに、常に冷静な彼女にとっては珍しく動揺する。
これは、確かにこれ以上ない朗報だ。
「正確にはルエールの部隊が先遣隊として、1週間後くらいに到着するみたいです。そしてその後にお兄様率いる龍牙騎士団本隊が調査という名目で来て下さるそうです」
「カリオス殿下まで? ……そうか、コウメイ殿がやってくれたのか」
「……? どうかしたのですか、シンパ?」
グスタフを出し抜くために、リリライトにもコウメイは行方不明という扱いになっている。シンパは後半の声は聞こえないようにつぶやき、リリライトの問いに首を振る。
「いえ、何でもありません。そうですか……それは良かった。もしかすると、先日の”運び屋”はそのことを?」
「はい。お兄様が先に手紙で知らせてくださいました。飛竜使いまで使って届けて下さるなんて……」
リリライトは兄の心遣いに感激しているようだ。胸を押さえて、ほぅ…とため息を漏らす。
なるほど、あの妹想いの兄ならば、いの一番に安心させるために飛竜使いも使うだろうというのは、シンパも納得できた。
「--ごめんなさい、シンパ。結局、貴女には何も話せないまま心配ばかりかけてしまって」
グスタフと一緒にいるときは、どちらかというとグスタフ側に立ってシンパと距離を置いていたように見えるリリライトが、殊勝な顔つきでそういってくる。
やはり、明らかに様子が違う。
コウメイの予想通り、グスタフに弱みを握られているのだろうか。理由は何にしろ、グスタフの前では、どうしようもない状態だったのだろう。
原因は知らないが、グスタフがリリライトの側からいなくなったことで、本来のリリライトが戻ってきている。いや、より一層成長しているようにすら見える。
「お兄様が……いえ、ルエールの部隊さえ着てくれれば、もう大丈夫です。その時にはシンパにも全てお話します。ですから、もう少しの間だけ……黙って私を守ってくれませんか?」
口うるさい母のようなシンパを、疎んじていたかつてのリリライトが、素直にシンパに助けを求めている。
結局、詳細なことは何一つ分からないまま。それでもシンパのやることはリリライトを守ることだけで、何も変わらない。
どうやらコウメイがルエールはおろかカリオスまでも動かしてくれたようだった。知りたいことは、その時に全て明らかになるだろう。いくら異様な不気味さを持つグスタフであっても、ルエールやカリオスに敵うはずがない。コウメイの最悪の想像ーーヘルベルト連合国そのものが敵だったとしても、カリオス率いる龍牙騎士団の敵にすらなるまい。
「無論です、殿下。私は聖アルマイト王国第2王女リリライト=リ=アルマイト殿下の護衛騎士です。何があっても、貴女様の御身を必ずやお守りいたします」
幼少のころからずっと、妹のように娘のように--家族のように見守ってきたリリライト。苦境に立たされている彼女に、今初めて素直に助けを求められて、シンパはこれ以上ない誇りを持ちながらそう答えたのだった。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
リリライトの口からシンパに、カリオスとルエールの来訪が告げられていたのと、ほぼ同じ時間帯。
リリライト邸宅のバスルームに、一組の男女がその大きなバスタブの中で繋がっていた。
「あぁぁんっ……あんっ……ふああぁぁっ……」
薄いピンク色の、粘度の高い液体で満たされたバスタブの中で、リアラは黒髪を振り乱しながらグスタフの上で、その巨大な肉棒を秘穴でくわえこみながら腰をくねらせていた。
「ぐふっ……ぐふふっ! どうじゃあ、フルネイドの蜜で満たされた風呂でのセックスは。媚薬まみれで興奮するじゃろう? 混浴風呂でセックスなど、恋人同士みたいじゃろう?」
リアラの尻肉をつかみながら、ニタニタと笑うグスタフ。
「はぁ、はぁ……このお風呂……ヌルヌルして……あぁぁんっ! すごく、興奮しちゃうっ! 身体が熱くなるの、止まらないのっ!」
濡れた瞳でそう答えるリアラは、徐々に腰の動きを激しくしていく。単純な上下だけでなく、円を描くようにくねらせたり、浅い所から一気に深くくわえこんだりと、熟練の娼婦のような腰遣いで雄を悦ばせて、自身も快感を貪る。
「う、ぬう……なんちゅう腰使いじゃあっ! すっかりチンポセックスの虜になりおったな。ほれほれ言うてみい。男の良さを知らなくてすまんかったと、男の良さを知ったらもうレズには戻れんと」
「っくあああ! あんっ……あぁぁんっ!」
グスタフの凌辱の言葉を掛けられると、それすらも興奮材料となってしまうリアラ。媚薬に満たされたバスタブの中で、ぐちゅぐちゅという淫音を立てるくらいに腰を動かしていく。
「わ、私ぃっ……男の人の良さ、知らなかったです。知らなくて女同士が最高だなんて言ってすみませんでした! あんっ! あぁぁっ……! こ、こんなの知ったら、もうレズになんて戻れない! 男の人のセックスの虜にされましたぁっ……!」
グスタフの首に腕を回して、快楽にトロンとした瞳でグスタフを見つめる。するとグスタフは、いつもの不快は笑みを浮かべながら、舌を伸ばす。
「ほれほれ、恋人同士のチューじゃ。唾液たっぷりのドスケベキスをしてやるぞぉ」
嬉しそうにしながら言うグスタフだったが、その唾液が滴り落ちる舌を目の前にすると、リアラは顔を背ける。
「い、いやっ! それだけは、無理っ……!」
「う、ぬうう……」
リアラとの行為の最中、何故かは知らないがリアラの感覚もわかるようになったグスタフは、そんなリアラの反応に、素で表情を曇らせる。
つまり、このリアラの反応は本音そのものなのだ。
「ええい、なら良いわ。じゃったら、胸をしゃぶってやるわい。ほれ、自分でワシの目の前にもってこい」
「はぁ、はぁ……は、はい……!」
リアラは腰を動かしながら、自らの乳房を持つようにしてグスタフの眼前に差し出す。するとグスタフは面白くない表情でリアラの乳房にかぶりつくと、軽く歯を立てながら刺激をしていく。
「ひゃうんっ! き、気持ちいいっ! 胸、感じちゃうっ! あんっ……あぁぁんっ!」
「うっくぅぅぅ! し、締まるっ! チンポが溶けるぅぅぅ! このまま奥に出して、孕ませてやるぞぉぉ!」
「い、いやぁぁ! 中はダメえ! 妊娠しちゃうっ……赤ちゃんが出来ちゃうっ! んっ、だめ! いくううう! いくのぉ! 中で出されるぅぅぅ!」
相変わらずリアラの時は、より一層理性を失った血走った目をしながら、グスタフはリアラの中に射精をする。リアラも挿入された肉棒から一滴も残らず精を絞りだすように激しく収縮しながら、絶頂に達するのだった。
「はぁ、はぁ……ぐふ、ぐふふふ。相変わらず最高のマンコじゃあ……んれぇぇ」
グスタフがいつも好んでそうするように、お互いに絶頂に達した後は、その醜い顔と舌を相手に近づけさせる。
「ん、ふぁ……い、いやっ……はぁ……」
「むぐぅ……」
媚薬風呂に浸かりながら、激しい絶頂へ追い立てられて息もするのすら苦しい状況なのに、リアラは残った力でグスタフの顔を押しのける。
「ぐす……うう……ひ、ひどい……中で……助けて、リューイ……」
絶頂の余韻に浸りながら、リアラはそのまますすり泣き始める。
リアラをその手中に収めてから3日、リリライトのことなどそっちのけで、リアラに執心しているグスタフ。
しかしこの通り、グスタフの「異能」は発揮されているものの、充分な程ではない。少なくともグスタフが満足いく程度に、なかなか屈しないのだ。
(どういうことじゃ、これは)
身体の方は、先にステラが開発していただけあって、順応は早かった。初日に種付けをしてしまえば、その後はもう快感に逆らうことは無くなった。自ら快感を求めるになるまでは、速かった。
そこから、今までの相手であれば、よりグスタフから快感を与えられようと露骨に媚び始めてくるのだ。ただの本番行為だけではなく、グスタフに気に入られるために、グスタフに媚びへつらい、自ら好んで下品な色狂いに堕ちていくのだ。
しかしリアラにはそれがない。快感に屈指はしても、心が折れない。グスタフに責められれば快感を認めるものの、リアラから媚びてくることは無いのだった。
むしろ日が経つにつれて、今のように助けを求める相手がステラからリューイに変わっているところを見ると、精神状態は正常に戻ってきているといってもいいのではないか。
先にステラに刷り込まれていることが要因なのか--ステラがリアラに施したのが、純粋な性技なのか呪術の類かはグスタフも知らないが、それがグスタフの「異能」と混ざり合い、中和のような作用を及ぼしているのか。
それとも、まさか考えたくはないことだが--グスタフの「異能」の力が弱まっている?
(まずい……まずいのぅ……)
力尽きたリアラがグスタフにのしかかるようにして、そのまま意識を失う。達したあとに肌を合わせることは心地よいもののはずだったが、その思考にとらわれたグスタフには、今は焦燥感しかない。
巷では辣腕だとか有能だとか言われているが、それは全て「異能」の力によるものだ。グスタフ自身の才覚は無能だということを、グスタフは自覚している。
女性の要人に取り入り、自らの手ごまにして、事態を思うように動かしてきたのだ。
「異能」そのものが、どうして自分に備わったのか、そもそもどういったものなのか、グスタフも知らない。ただ欲望を満たせて好き放題に出来るから、欲望のままに行使した。それだけだ。
とある時ふと使えるようになった謎の力だ。同じくとある時に突然使えなくなっても不思議ではない。今思えば、その可能性も考えて使うべきだったのかもしれないが、そんなことは全く考えなかった。
そんな浅はかな思考で、欲望の限りを尽くしたツケが回ってきたというのか。
グスタフは湯船の中で、脂汗が浮かぶのがわかる。性行為とは全く違う、嫌な感じの心臓の脈動を感じる。
仮に「異能」の力が弱まっていたとしても、既に洗脳している相手がそのまま意のままに出来る状態であれば、当面は問題ない。何といっても、第2王女であるリリライトを手中に収めているのだ。自らの保身だけならば、どうとでもなる。
しかし、既に洗脳している相手まで元に戻りつつあるというなら--全てが露見したとき、グスタフの身が無事であるはずが無かった。
「うぐ……ぬぬうう……まずいぞ。まずいまずいまずい……」
もはやそれ以上の言葉が吐き出せないグスタフ。
媚薬風呂に浸かっているおかげで、射精したばかりだというのに、また体が熱くなり、肉棒がしばらく溜め込んだ状態のように雄々しく勃起していく。
「ぐふおおおおおっ! 交尾! 交尾じゃあああっ! 起きろ、リアラぁぁっ!」
「ん……ふ……ぁっ……」
意識を失っているリアラを揺り動かし、覚醒させるグスタフ。
自らの危機的状況にも関わらず、動物そのもののように性の快楽を貪り始める。
その姿は、もはや自らの強大過ぎる「異能」の力にとらわれて、人間ではないようにも見えた。
今日もリリライトは公務に精を出していた。来客と会ったり、ヘルベルト連合やミュリヌス学園の運営など、様々な仕事をてきぱきとこなしていた。
何があったのか、夏頃の彼女の姿を覚えると随分と成長したものだ。彼女の行為は、もう「社会勉強」と揶揄出来るものではないだろう。
グスタフの補佐的な立場とはいえ、立派に第2王女として外国と交渉を重ね、重要な騎士養成機関の運営もこなしている。
「ええ、それはそのように進めてください。お返事は……そうですね。1週間後までには。はい、お願いします」
スムーズではあるが、決して早口ではない。余裕と優雅さを持った聞き取りやすい口調で、リリライトはヘルベルト連合の使者と会話をしているようだった。
リリライトに呼ばれたシンパが謁見室に入ると、そんな立派に公務をこなしているリリライトの姿を目にする。
「あっ、シンパ……それでは、今日はこの辺で宜しくお願いいたします。良いお返事を期待していますね」
「ええ、前向きに検討させていただきますよ」
リリライトは、彼女の特徴とも言ってもよい太陽のような明るい笑顔で使者に言うと、使者も柔らかな笑みを浮かべて体を折った。そして謁見室を退室する前にシンパと目が合うと、軽く会釈をして、退室していった。
「ごめんなさい、シンパ。あわただしくて」
「いえ、とんでもございません」
そういうリリライトの様子に、シンパはいつもと違う雰囲気を感じた。--いや、違う。いつもと違うのは、ここ最近のリリライトの方だ。本来のリリライトに戻ったというほうが正しいような気がする。
そういえば、年末頃からは四六時中リリライトのそばにいたグスタフが、ここ2~3日姿が見えない。そのことが関係しているのだろうか。
「忙しい所、呼び立ててしまってすみません。ですが、シンパに伝えたい朗報があるんです」
リリライトは、その立派な椅子から腰を上げると、小さな歩幅で可愛らしくシンパの近くにかけてくる。
「朗報……?」
その内容に全く心当たりがないシンパは首をかしげる。そんな戸惑いの表情を浮かべるシンパの両手を取り、リリライトは嬉しそうに微笑む。
それはまぎれもなく、シンパがよく知る「純白の姫」の笑顔だった。
「ようやく、お兄様が来て下さることになったの」
「っ!」
その言葉だけでシンパは合点がいった。そしてそのあまりに衝撃的なことに、常に冷静な彼女にとっては珍しく動揺する。
これは、確かにこれ以上ない朗報だ。
「正確にはルエールの部隊が先遣隊として、1週間後くらいに到着するみたいです。そしてその後にお兄様率いる龍牙騎士団本隊が調査という名目で来て下さるそうです」
「カリオス殿下まで? ……そうか、コウメイ殿がやってくれたのか」
「……? どうかしたのですか、シンパ?」
グスタフを出し抜くために、リリライトにもコウメイは行方不明という扱いになっている。シンパは後半の声は聞こえないようにつぶやき、リリライトの問いに首を振る。
「いえ、何でもありません。そうですか……それは良かった。もしかすると、先日の”運び屋”はそのことを?」
「はい。お兄様が先に手紙で知らせてくださいました。飛竜使いまで使って届けて下さるなんて……」
リリライトは兄の心遣いに感激しているようだ。胸を押さえて、ほぅ…とため息を漏らす。
なるほど、あの妹想いの兄ならば、いの一番に安心させるために飛竜使いも使うだろうというのは、シンパも納得できた。
「--ごめんなさい、シンパ。結局、貴女には何も話せないまま心配ばかりかけてしまって」
グスタフと一緒にいるときは、どちらかというとグスタフ側に立ってシンパと距離を置いていたように見えるリリライトが、殊勝な顔つきでそういってくる。
やはり、明らかに様子が違う。
コウメイの予想通り、グスタフに弱みを握られているのだろうか。理由は何にしろ、グスタフの前では、どうしようもない状態だったのだろう。
原因は知らないが、グスタフがリリライトの側からいなくなったことで、本来のリリライトが戻ってきている。いや、より一層成長しているようにすら見える。
「お兄様が……いえ、ルエールの部隊さえ着てくれれば、もう大丈夫です。その時にはシンパにも全てお話します。ですから、もう少しの間だけ……黙って私を守ってくれませんか?」
口うるさい母のようなシンパを、疎んじていたかつてのリリライトが、素直にシンパに助けを求めている。
結局、詳細なことは何一つ分からないまま。それでもシンパのやることはリリライトを守ることだけで、何も変わらない。
どうやらコウメイがルエールはおろかカリオスまでも動かしてくれたようだった。知りたいことは、その時に全て明らかになるだろう。いくら異様な不気味さを持つグスタフであっても、ルエールやカリオスに敵うはずがない。コウメイの最悪の想像ーーヘルベルト連合国そのものが敵だったとしても、カリオス率いる龍牙騎士団の敵にすらなるまい。
「無論です、殿下。私は聖アルマイト王国第2王女リリライト=リ=アルマイト殿下の護衛騎士です。何があっても、貴女様の御身を必ずやお守りいたします」
幼少のころからずっと、妹のように娘のように--家族のように見守ってきたリリライト。苦境に立たされている彼女に、今初めて素直に助けを求められて、シンパはこれ以上ない誇りを持ちながらそう答えたのだった。
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リリライトの口からシンパに、カリオスとルエールの来訪が告げられていたのと、ほぼ同じ時間帯。
リリライト邸宅のバスルームに、一組の男女がその大きなバスタブの中で繋がっていた。
「あぁぁんっ……あんっ……ふああぁぁっ……」
薄いピンク色の、粘度の高い液体で満たされたバスタブの中で、リアラは黒髪を振り乱しながらグスタフの上で、その巨大な肉棒を秘穴でくわえこみながら腰をくねらせていた。
「ぐふっ……ぐふふっ! どうじゃあ、フルネイドの蜜で満たされた風呂でのセックスは。媚薬まみれで興奮するじゃろう? 混浴風呂でセックスなど、恋人同士みたいじゃろう?」
リアラの尻肉をつかみながら、ニタニタと笑うグスタフ。
「はぁ、はぁ……このお風呂……ヌルヌルして……あぁぁんっ! すごく、興奮しちゃうっ! 身体が熱くなるの、止まらないのっ!」
濡れた瞳でそう答えるリアラは、徐々に腰の動きを激しくしていく。単純な上下だけでなく、円を描くようにくねらせたり、浅い所から一気に深くくわえこんだりと、熟練の娼婦のような腰遣いで雄を悦ばせて、自身も快感を貪る。
「う、ぬう……なんちゅう腰使いじゃあっ! すっかりチンポセックスの虜になりおったな。ほれほれ言うてみい。男の良さを知らなくてすまんかったと、男の良さを知ったらもうレズには戻れんと」
「っくあああ! あんっ……あぁぁんっ!」
グスタフの凌辱の言葉を掛けられると、それすらも興奮材料となってしまうリアラ。媚薬に満たされたバスタブの中で、ぐちゅぐちゅという淫音を立てるくらいに腰を動かしていく。
「わ、私ぃっ……男の人の良さ、知らなかったです。知らなくて女同士が最高だなんて言ってすみませんでした! あんっ! あぁぁっ……! こ、こんなの知ったら、もうレズになんて戻れない! 男の人のセックスの虜にされましたぁっ……!」
グスタフの首に腕を回して、快楽にトロンとした瞳でグスタフを見つめる。するとグスタフは、いつもの不快は笑みを浮かべながら、舌を伸ばす。
「ほれほれ、恋人同士のチューじゃ。唾液たっぷりのドスケベキスをしてやるぞぉ」
嬉しそうにしながら言うグスタフだったが、その唾液が滴り落ちる舌を目の前にすると、リアラは顔を背ける。
「い、いやっ! それだけは、無理っ……!」
「う、ぬうう……」
リアラとの行為の最中、何故かは知らないがリアラの感覚もわかるようになったグスタフは、そんなリアラの反応に、素で表情を曇らせる。
つまり、このリアラの反応は本音そのものなのだ。
「ええい、なら良いわ。じゃったら、胸をしゃぶってやるわい。ほれ、自分でワシの目の前にもってこい」
「はぁ、はぁ……は、はい……!」
リアラは腰を動かしながら、自らの乳房を持つようにしてグスタフの眼前に差し出す。するとグスタフは面白くない表情でリアラの乳房にかぶりつくと、軽く歯を立てながら刺激をしていく。
「ひゃうんっ! き、気持ちいいっ! 胸、感じちゃうっ! あんっ……あぁぁんっ!」
「うっくぅぅぅ! し、締まるっ! チンポが溶けるぅぅぅ! このまま奥に出して、孕ませてやるぞぉぉ!」
「い、いやぁぁ! 中はダメえ! 妊娠しちゃうっ……赤ちゃんが出来ちゃうっ! んっ、だめ! いくううう! いくのぉ! 中で出されるぅぅぅ!」
相変わらずリアラの時は、より一層理性を失った血走った目をしながら、グスタフはリアラの中に射精をする。リアラも挿入された肉棒から一滴も残らず精を絞りだすように激しく収縮しながら、絶頂に達するのだった。
「はぁ、はぁ……ぐふ、ぐふふふ。相変わらず最高のマンコじゃあ……んれぇぇ」
グスタフがいつも好んでそうするように、お互いに絶頂に達した後は、その醜い顔と舌を相手に近づけさせる。
「ん、ふぁ……い、いやっ……はぁ……」
「むぐぅ……」
媚薬風呂に浸かりながら、激しい絶頂へ追い立てられて息もするのすら苦しい状況なのに、リアラは残った力でグスタフの顔を押しのける。
「ぐす……うう……ひ、ひどい……中で……助けて、リューイ……」
絶頂の余韻に浸りながら、リアラはそのまますすり泣き始める。
リアラをその手中に収めてから3日、リリライトのことなどそっちのけで、リアラに執心しているグスタフ。
しかしこの通り、グスタフの「異能」は発揮されているものの、充分な程ではない。少なくともグスタフが満足いく程度に、なかなか屈しないのだ。
(どういうことじゃ、これは)
身体の方は、先にステラが開発していただけあって、順応は早かった。初日に種付けをしてしまえば、その後はもう快感に逆らうことは無くなった。自ら快感を求めるになるまでは、速かった。
そこから、今までの相手であれば、よりグスタフから快感を与えられようと露骨に媚び始めてくるのだ。ただの本番行為だけではなく、グスタフに気に入られるために、グスタフに媚びへつらい、自ら好んで下品な色狂いに堕ちていくのだ。
しかしリアラにはそれがない。快感に屈指はしても、心が折れない。グスタフに責められれば快感を認めるものの、リアラから媚びてくることは無いのだった。
むしろ日が経つにつれて、今のように助けを求める相手がステラからリューイに変わっているところを見ると、精神状態は正常に戻ってきているといってもいいのではないか。
先にステラに刷り込まれていることが要因なのか--ステラがリアラに施したのが、純粋な性技なのか呪術の類かはグスタフも知らないが、それがグスタフの「異能」と混ざり合い、中和のような作用を及ぼしているのか。
それとも、まさか考えたくはないことだが--グスタフの「異能」の力が弱まっている?
(まずい……まずいのぅ……)
力尽きたリアラがグスタフにのしかかるようにして、そのまま意識を失う。達したあとに肌を合わせることは心地よいもののはずだったが、その思考にとらわれたグスタフには、今は焦燥感しかない。
巷では辣腕だとか有能だとか言われているが、それは全て「異能」の力によるものだ。グスタフ自身の才覚は無能だということを、グスタフは自覚している。
女性の要人に取り入り、自らの手ごまにして、事態を思うように動かしてきたのだ。
「異能」そのものが、どうして自分に備わったのか、そもそもどういったものなのか、グスタフも知らない。ただ欲望を満たせて好き放題に出来るから、欲望のままに行使した。それだけだ。
とある時ふと使えるようになった謎の力だ。同じくとある時に突然使えなくなっても不思議ではない。今思えば、その可能性も考えて使うべきだったのかもしれないが、そんなことは全く考えなかった。
そんな浅はかな思考で、欲望の限りを尽くしたツケが回ってきたというのか。
グスタフは湯船の中で、脂汗が浮かぶのがわかる。性行為とは全く違う、嫌な感じの心臓の脈動を感じる。
仮に「異能」の力が弱まっていたとしても、既に洗脳している相手がそのまま意のままに出来る状態であれば、当面は問題ない。何といっても、第2王女であるリリライトを手中に収めているのだ。自らの保身だけならば、どうとでもなる。
しかし、既に洗脳している相手まで元に戻りつつあるというなら--全てが露見したとき、グスタフの身が無事であるはずが無かった。
「うぐ……ぬぬうう……まずいぞ。まずいまずいまずい……」
もはやそれ以上の言葉が吐き出せないグスタフ。
媚薬風呂に浸かっているおかげで、射精したばかりだというのに、また体が熱くなり、肉棒がしばらく溜め込んだ状態のように雄々しく勃起していく。
「ぐふおおおおおっ! 交尾! 交尾じゃあああっ! 起きろ、リアラぁぁっ!」
「ん……ふ……ぁっ……」
意識を失っているリアラを揺り動かし、覚醒させるグスタフ。
自らの危機的状況にも関わらず、動物そのもののように性の快楽を貪り始める。
その姿は、もはや自らの強大過ぎる「異能」の力にとらわれて、人間ではないようにも見えた。
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