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第4章 激動の冬編
第104話 ヘルベルト連合代表の顔
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現在、ミュリヌス領内に散らばる龍の爪部隊の1つに、ヘルベルト連合の代表であるフェスティアがいる。
フェスティアの他にも、ガルガント国大臣の娘アストリアといったVIPもおり、その2人は他と比べて豪華なテントの中に一緒にいた。
冬の空の下ーー今夜は冬としては幾分か暖かい気候ではあるが、それでも寒い。そんな中でも、寝ずにVIPの警備にあたるのは、身分としては最下層の奴隷兵士達だ。
「……おい」
テントの入り口に立つ奴隷兵士2人ーーその片方が、目線を相棒に送って言葉無き言葉をかける。その視線を受けた方は、気まずそうにうなずきながら、布で閉じられたテントの入り口を見る。
「野営中の、しかもこんな他国で……女同士だろ?」
「権力者の趣味はよく分かんねぇな。まあ、聞こえないふりしようや。俺らの首なんか、代表様の鶴の一声で、これだからな」
自分の首を斬るように手を動かしながら、絞殺された鳥のような顔をする奴隷兵士。
いくら高級な造りとはいえ、布一つ隔てただけでは、完全に中からの音を遮断することは出来ない。
テントの中からは、甘く淫らな声が外へ漏れ出ていたのだった。
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「あんっ……んぁっ! お姉ちゃんっ……恥ずかしいですっ……っああ!」
布団の中、これまで姉妹のように育ってきた2人が、汗を浮かべながらその肢体を絡ませていた。
アストリアの細い体を抱き寄せるようにしながら、フェスティアは右手でアストリアの秘部を愛していた。同時に、首筋や鎖骨、乳房など、過去につけられたアストリアの傷を癒すように、舌を這わせていく。
「可愛いわ、アストリア。もっといやらしい声を聞かせて?」
首筋から這わせていた舌を乳房へ降ろしていくと、そのまま先端部を転がすようにする。
「んひゃっ! あああぁっ……!」
憧れの姉のような存在の舌の感触に、うっとりとした表情を浮かべるアストリア。
権力者達の性玩具になっていた頃は、薬を使われて強制的に快感を感じさせれていたが、その時の感触とは全く違う。薬など違っていないのに、得られる快感が何倍も強く、これまで感じたことのないような多幸感を得られる。
「大丈夫? 痛かったりしない?」
アストリアの乳房の先端部を丁寧に優しく舌で舐るフェスティアは優しく笑みを浮かべて、アストリアの瞳をのぞき込んでくる。
「ふぁ……あ……わ、私……」
何が何だか分からないまま、フェスティアに押し倒されて、こんな状況になっている。未だに頭が混乱しており、冷静に状況が判断できない。
ずっと姉のように憧れていた相手と肌を重ね合わせること--それは、かつて権力者達にされていた行為と同じようで、全く違う。暖かくて優しく甘いミリアムの指や舌は、アストリアに肉体的にも精神的にも圧倒的な快楽を与えてくるのだった。
アストリアは自分の身体を撫でまわすフェスティアの手を取ると、両手で優しく包み込むようにしながら、力強く握る。
「すごく……嬉しいですっ! お姉ちゃんっ、大好きです」
「アストリア……可愛いわ」
潤んだ瞳をフェスティアに向けると、フェスティアは愛おしそうにアストリアの頬を撫でながら、唇を重ね合わせる。
優しく啄むような口づけから、舌を伸ばして絡める大人のキスへ。優しく甘いその口づけに、徐々にアストリアも応えてきて、舌を伸ばしてくる。
「ん、ふ……お姉ちゃん……ちゅ……キス、上手……れろ…」
「貴女も……ちゅば……んれ……あむ……」
徐々に舌の動きを激しくしていく2人ーー舌を貪るようにしながら、フェスティアは右手をアストリアの秘所へ伸ばし、そしてアストリアの手を取って自らの秘所へ触れさせる。
「あっ……お姉ちゃんの……濡れてます……」
自分との口づけで、相手もまた興奮していたのを知ると、アストリアの顔はますます赤くなると共に、自らも秘部からトロリと愛液を溢れさせる。
「ふふっ……アストリアのも濡れてるわ。私の舌で感じてくれていたのね。嬉しい」
にこりと笑いながら、フェスティアはアストリアの額に優しく口づけをする。それだけでアストリアは「ひゃ」という小さな悲鳴のような声を漏らす。
「一緒に、ね?」
フェスティアの優しい、淫靡な笑顔。
快感と多幸感で頭がフラフラとするアストリアは、こくりとうなずくしかなかった。
「ん……ちゅ……れろ……」
再びフェスティアが唇を重ねてきて、舌を絡めてくる。同時にアストリアの陰核を指で優しく刺激しながら、秘裂をクチュクチュとかき混ぜるようにしてくる。
「んっ! はむ……んっ! おねえ……ちゃんっ! ちゅば」
「んんっ! あ、アストリア……んむ……そう、上手よ……ちゅうう……」
アストリアもフェスティアの指の動きを真似するように動かすと、そこからどんどん愛液があふれてくる。興奮したフェスティアの指の動きが更に激しく官能的になっていくと、アストリアも興奮が高まり、同じように指の動きを激しくしていく。
お互いが興奮を、快感を高め合っていき、テントの中は性の熱気で満たされていく。
「はっ……っああ! 気持ちいいわ、アストリア。お願い……一緒にっ!」
「は、はい……お姉ちゃん。ちゅ……ちゅば……ん、む……キスしながら、一緒にっ……れろれろっ……」
お互いを絶頂に昇りつめるように、指の動きを激しくしながら、伸ばした舌を絡め合わせる。そして、声にならない声を上げながら、2人で同時に絶頂を迎える。
フェスティアはビクンと身体を弓なりに反らせて小刻みに痙攣すると、そのままアストリアの身体を強く抱きしめて、彼女の甘い香りを堪能するように顔を寄せる。アストリアも柔らかいフェスティアの体温を感じながら、幸福感に包まれて、フェスティアの身体に抱き着くようにして身を摺り寄せたのだった。
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「あむ……ん、ちゅ……ちゅば……」
「あぁんっ! アストリア……そこ、気持ちいいっ! もっと……ん、ちゅば……」
テントの中で2人の行為はまだ続いていた。
フェスティアの上にアストリアが乗る格好で、2人はお互いの秘部を舌や口で愛し合いながら、快感を貪り合っていた。
「はんっ……お姉ちゃんっ……好きです、大好きです! ちゅば……ちゅ」
「私もよ、アストリア。れろれえ…っちゅ……はぁぁ、どんどん溢れてくるわ。エッチな娘」
フェスティアに言われると、その上でアストリアはビクビクと小刻みに身体を震わせると、軽く達してしまう。
「っああ……き、気持ちいいです……お姉ちゃん。私、こんなの初めてっ…!」
「ふふっ、もっと気持ちよくさせてあげるわ」
アストリアの舌で妖艶に微笑むフェスティア。
そのまま2人はゴロンと転がるようにして上下を入れ替えると、アストリアの股間に顔をうずめるようにしたフェスティアが、舌を大きく伸ばして、秘裂の中にねじ入れる。
「んひああああっ? お姉ちゃんの舌が、入って……あああああんっ!」
いくら2人きりとはいえ、外とは布1枚ででしか隔てられていない。大きな音を出せば簡単に外へ漏れ出てしまうテントの中だというのも忘れて、アストリアは大きな喘ぎ声を漏らしてしまう。
「あんっ! だめっ! またイッちゃう! お姉ちゃん、イキます! アストリア、イキます!」
「ちゅるっ……ちゅっ……っんん! ああっ……お姉ちゃんもイクわ……アストリア、一緒にっ……んはああああああ!」
「っあああああん!」
フェスティアに責められながらも、アストリアも指をフェスティアの秘裂にピストンさせる。愛する相手を昇りつめさせようとする2人の行為は、相手を同時に絶頂に昇りつめさせるのだった。
「はぁ、はぁ……すごいよぉ。セックスって、こんなに気持ちよかったの……?」
涙さえにじませながら、アストリアは絶頂の余韻の中でつぶやく。
ただ性的な快感を得る行為だけではない。好きな相手と昇りつめることが、こんなにも幸せな気持ちになれると、アストリアは想像だに出来なかった。これまで強要されていた残酷な性行為とは違い、優しくて甘い、蕩けるような感覚。相手が同性ということもあるのだろうが、アストリアはすっかりはまってしまっていた。
「アストリア……私もなのよ」
アストリアの上でくるりと回るようにして、フェスティアはアストリアに額をこつんとぶつける。
「いくら政治のためとはいえ……薄汚い男達に抱かれ続けて、男がダメになったの。表では平気で抱かれる風に見えていても、本当は限界だった。もう嫌になっていた。何もかも投げ捨てて、逃げ出したいと思っていた」
そんなことをしてしまえば、フェスティア本人の人望が失墜するのは勿論、敵が多い彼女についてきた味方へのとんでもない裏切りだろう。それこそアストリアのような人間への。
女性にとって身体を凌辱されることは尊厳そのものの凌辱ですらある。アストリア本人も、ただの性処理の道具として扱われてきた過去を体験しているからこそ、フェスティアの苦悩が分かる。それでも逃げ出さず、心が折れなかった彼女は--やはり強く、美しい。
フェスティアは、そっとアストリアの手を握ってくる。
「国のためとかそういうのではなく、多分貴女が側にいたから私はここまで頑張れた。男に抱かれ続けたからかな……男の人はダメだけど、妹のような大好きな貴女と、本当はずっとこうなりたかったの。……幻滅した?」
いつもの凛とした態度とは打って変わったような、不安そうな表情でこちらを伺ってくるフェスティア。彼女にアストリアは力強く、ぶんぶんと首を振る。
「わ、私も……ずっとお姉ちゃんに憧れていましたたから。驚きましたけど、でも男の人とは全然違って……その、すごく気持ち良かったし、嬉しかったです。女同士って、こんなに気持ち良くて幸せな気分になれるんですね」
笑いながら返事をするアストリアを見て、フェスティアもまた笑う。彼女の髪を優しく撫でてくる。
「姉と敬語で話す妹はいないでしょう、アストリア?」
微笑んでそんなことを言われると、アストリアの胸の中に至福の感情があふれ出てくきて、握られている手をぎゅっと握り返す。
同時に、アストリアの秘部からは再び愛液があふれ出てきて、それを察知したかのように
フェスティアは空いている方の手を伸ばして、そこをなぞる。
「っひゃん!」
「まだ出来る?」
「う、うん……お姉ちゃんがしたいなら、いいよ」
いじらしくそんなことを言うアストリアにたまらなくなったのか、フェスティアは唇を塞いで長い長いキスをしながら、アストリアの股を開かせると、そこに自らの腰を押し付けるようにして割って入る。
「っあ……」
フェスティアの女性の部分が自らの大事な部分に押し付けられると、アストリアは戸惑いの声を漏らす。
「……嫌?」
妖艶な微笑みを浮かべながらフェスティアが聞いてくると、アストリアは口元を抑えながらブンブンと首を振る。
「女同士は初めてだから……少し怖い。けど、嬉しい……お姉ちゃんと、セックス出来るなんて」
「私も嬉しいわ、アストリア。それじゃ、いくわね……っんん!」
既に高まっていた2人の花弁から滴る愛液が潤滑油となり、フェスティアが腰を動かすと、電撃が走り抜けるような快感が、アストリアの全身を突き抜ける。
「っあ……すごい……お姉ちゃんっ! あんっ……気持ちいいっ! すごいよぉっ! 男のセックスより、何倍も気持ちいい!」
「あんっ! アストリア……そんなに大きい声を出して……腰が止まらなくなるっ! んっ……ああっ、気持ちいいっ!」
女性器同士をこすり合わせる快感に、フェスティアも息を荒くしながら腰遣いを激しくさせていく。すると、密着しているそこから、グチュグチュと淫猥な音が漏れ始める。
「ご、ごめんねお姉ちゃん! でも、我慢出来ないの! あっ、あっ、あっ……気持ちいい、気持ちいい! 気持ちいいよおっ! お姉ちゃん、大好きっ!」
どんどん声が大きくなるアストリア。完全に女同士の快感に気を飲まれているようだった。そんなアストリアの耳に口を寄せるフェスティアは、暖かい息を吹きかけながら囁く。
「そんなに大きな声を出したら、外の兵士に聞こえるわよ。一般兵どころか、いつも私達に頭を下げている下賤な奴隷達にも……」
「い、いやぁっ! どうしてそんなこと言うの、お姉ちゃん! やだ、恥ずかしいっ! っだめ! そんな、激しく……っああああ!」
アストリアの恥辱を煽りながら、むしろ我慢出来ないように腰使いを激しくしていくフェスティア。彼女の荒い息が吹きかかるのも、アストリアの興奮を高まらせている。
「想像してごらんなさい。あの奴隷達が、私達の淫らな声を聞いて、こうしているのを想像しながら、大きくなったあの醜悪な肉の棒を擦っているの。アストリアのいやらしい声を聞きながら、ね」
「ふああああっ! あああああっ……!」
奴隷を使役する側であるアストリアは、見かけは華奢で麗しくも、奴隷達への接し方は威圧的にせざるを得ない。奴隷達も、アストリアなどの地位の高い人間から少しでも不興をかえば簡単に命を刈り取られることを理解しており、卑屈に接してくる。
普段は自分を恐れてすらいる彼らが、アストリアの淫らな姿を想像しながら自慰をしていると思うと--
「っっっ! こ、興奮しちゃうっ! 声が、出ちゃうっ! お姉ちゃん、私我慢できなくなるぅっ!」
今までとはまた違った、切迫したような声を出し始めるアストリア。目の色が変わり、理性の糸が切れかかっているのを察すると、フェスティアは更に追い打ちをかける。
「あの男ーーグスタフが言っていたわ。雄の欲望の対象のことを『オカズ』というらしいわ。アストリアは、奴隷達の『オカズ』にされると興奮するのね? なら、それを口に出してみなさい。もっと気持ちよくなれるわ」
性器の擦り合いから生まれる快感に、アストリアはすっかり正常な思考を奪われていた。自分が王族に次ぐ貴族であることも、ここが野営中のテントであることも、何もかもが真っ白になる。目の前の憧れの女性から与えられる言葉と快感が、アストリアの全てとなっていく。
「こ、興奮するっ! 奴隷達のオカズにされていると、すごく興奮しちゃうっ! もっと、もっと私で興奮してっ! オカズにしてっ! ひあああああっ! イク! イッちゃいそぉ! お姉ちゃん、イッちゃうよぉ!」
「わ、私もっ……んんっ! アストリアが可愛くて、いやらしすぎてっ……ああ、もうダメっ! 気持ちいいわっ! おまんこ、気持ちいい! おまんこ、イクっ!」
おそらくはグスタフにでも仕込まれたであろう下品な言葉を口にしながら、フェスティアは自分とアストリアを昇りつめるために、腰のグラインドを更に激しくしていく。
「イク! イク! イク! お姉ちゃん、私も……私もおまんこ、イクう! いっくうううううう!」
「あああっ! アストリアっ! 私もよ! 私もイク! おまんこ、イクううううう!」
アストリアがフェスティアに倣うように淫語を口にしながら絶頂に達すると、そんなアストリアの反応に歓喜に震えながらフェスティアもまた絶頂に達する。
「ふあ……あぁぁ……ご、ごめんなさい……止まらない……おしっこが……あぁぁ……お漏らしが、止まらないぃ……」
絶頂に達しながら、そのあまりの強烈な快感に思わず失禁してしまうアストリア。腰をカクカクを揺らし、涙を唾液をこぼしながら、透明な液体を布団の上に漏らしていってしまう。
「はぁ、はぁ……うふふふ、大丈夫。大丈夫よ、アストリア」
完全に身体の制御を失い、泣きじゃくるアストリア。彼女を落ち着かせるように、フェスティアは優しく髪を撫でて、額に口づけをするのだった。
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「それじゃ、そろそろ自分のテントに戻るわね」
「……お姉ちゃんの、意地悪」
行為が終わり、このテントに訪れた時と同じようにしっかりとローブを着なおしたフェスティア。その彼女を、ぶすっとしながら見上げるアストリア。
「くすくす、ごめんなさい。あまりにもアストリアが可愛かったから、意地悪したくなっちゃって。布団はすぐに新しいのを準備させるから、許して。ね?」
からかうように笑うフェスティアが謝罪するが、アストリアは子供のように頬を膨らませて、プイと横を向く。
「あらあら、困った妹ね」
そう言いながらも、嬉しそうに笑うフェスティア。それも面白くないのか、アストリアの不満そうな表情は変わらない。
「……がうもん」
「--え?」
「私が怒っているのはそうじゃなくて……今夜くらいは、一緒に寝たかったのに……」
「っ」
そのアストリアの声に、胸でもときめいたのか、フェスティアは意表を突かれたように顔を赤くする。
しかしすぐに表情を緩めて、幼い子供に言い聞かせるように言葉を紡いでいく。
「せっかく結ばれた夜だもの。私だって可愛い妹と一緒に眠りたいわ……でも、忘れないで。今は作戦行動中よ」
そのフェスティアの言葉に、アストリアは生真面目な従者の顔に戻る。
あてもなく領内をうろつくだけでは、いずれカリオスは部隊を動かしてくる--そのための行動をいよいよ始めるという意味だろうか。
そんなアストリアの思考を察したように、フェスティアはうなずく。
「領内に分散させた部隊をまとめて、今度は2つの部隊に編制しないといけないの。聖アルマイトの部隊を追い出すために、ね。そのために今夜のうちにやらないといけないことがたくさんあるのよ」
「それなら……仕方ありませんね」
仕事の話をされると、アストリアは口調は従者のそれに戻るが、不満そうな表情と声は変わらない。こんなことで憧れの女性を困らせてはいけないと分かってはいても、2人きりだとどうしても甘えたくなってしまうのだった。
「私こそ、こんな時にごめんなさいね。色々あって疲れてしまって……」
それは、謀略のためとはいえ、グスタフのような男に凌辱され続けてきたことで、精神を擦り減らしてきたことだろうか。そのような行為が常態化すれば、ふとしたことで糸が切れたように気持ちが陰鬱となり、誰かに助けてもらいたくなることがあるのを、アストリアはよく知っている。
今一瞬フェスティアが見せた弱弱しい表情は、そんなことをアストリアに思わせた。
「でも大丈夫よ。可愛い妹に元気をもらったから。また頑張らないと」
しかしすぐに笑顔に戻ったフェスティアは、アストリアに近づくと頬に優しく口づけをした。
「生まれも育ちも関係ない。男でも女でも、努力と実力でのし上がれる--生まれと育ちで人生そのものが決まってしまう腐った王政を壊して、そんな理想の世界を作る。それが私達の夢だものね」
アストリアの瞳をのぞき込んでそういうフェスティアは、過去にもアストリアに語った表情でそういった。
そのフェスティアの優しくも力強い瞳を見ると、アストリアは安心する。
--この人は、それを必ず実現する。私は、この人についていく。それが私の幸せなんだ。
「それじゃ、そろそろ失礼するわね。ふふふ、連合に戻ったら、もっとたくさんいやらしいことを教えてあげるわ」
「--っ!!」
フェスティアの言葉に、アストリアは顔を真っ赤にすると、フェスティアは声を出して笑う。
「濡れちゃった? くすくす、期待していていいわよ」
「お、お姉ちゃんの馬鹿ぁっ! 早く出ていってよぉ!」
最後に、甘えん坊の妹に戻りながらアストリアが言うと、フェスティアは「はいはい」と言いながらテントを出ていった。
「ーーもぉ、お姉ちゃん。大好き……」
顔は真っ赤のまま、フェスティアの指摘通り、言葉だけで秘部を湿らせてしまったアストリアは布団の中で嬉しそうな表情でつぶやいた。
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「っっ!」
テントに入った時と同じローブ姿で、不意に中からフェスティアが出てくると、入り口で警護にあたっていた奴隷兵士達はぎょっとする。
「……」
連合の代表を務める立場の人間としては、冬の夜空の下にしては、簡易過ぎる格好。その格好は、つい先ほどまで中から漏れ聞こえていた淫猥な声と合わさり、奴隷の彼らにとっては十分すぎる程に煽情的な服装だった。
だからといって、欲望のままにフェスティアに襲い掛かる程に馬鹿で下劣でもない。生唾をごくりと飲み込むに留めるその2人を、フェスティアは感情を見せない表情で一瞥したまま、スタスタと歩き去っていく。
奴隷風情にかける言葉などない。そう言わんばかりに、フェスティアはその奴隷達を存在ごと無視しているようだった。
そうして野営地内を歩くフェスティアは、1人の兵士を見つけて声を掛ける。奴隷ではなく、その奴隷兵士たちをまとめる役の一般兵だ。
その一般兵は、まずフェスティアのローブ1枚の格好に驚いて、慌てて近くにいた部下に上着を持ってくるように指示すると、すぐに用意された上着をフェスティアに渡す。
「ありがと」
奴隷に対するのとは違い、柔和な笑顔を浮かべて、受け取った上着を羽織るフェスティア。一般兵に対しては、このような最高権力者らしくない柔和で素直な態度が、フェスティアの根強い人望を支えている1つでもあった。
「悪いのだけれど、アストリアのテントに清潔な寝具一式をお願い。アストリアが風邪を引いてしまうから、至急ね」
「はっ。今すぐに」
何があったかを聞くまでもなく、一般兵は即答すると、すぐに動き出そうとする。
アストリアが代表のフェスティアのお気に入りであることは広く知れ渡っている。そのため、彼女に対してはフェスティアと同等くらいに配慮されることは当然という空気が出来上がっているのだ。
「あ、ちょっと待って」
すぐに駆けだそうとした一般兵の背中に声を掛けるフェスティア。彼は足を止めて振り向くと、フェスティアはいつもの柔和な笑顔を浮かべていた。
「アストリアの警護に当たっている、あの奴隷2人ーー殺しておいて」
「……は?」
古くて飽きた物を捨てるような言い草のフェスティアに、これはさすがに疑問符を浮かべることを止められなかった。
「何か失礼なことでもありました?」
「ええ。私やアストリアに、その身にあるまじき劣情を抱いていたの。不快極まりないわ」
「なんと……」
「今すぐに殺して、適当に魚の餌にでもしておいて。代わりはいくらでもいるでしょう?」
そのフェスティアの言葉に、一般兵はこくりとうなずく。
驚愕に目を見開いていた彼も、それなら当然だなと納得したような面持ちで、フェスティアに支持された2つの命令を実行するべく、その場から去っていた。
「--ふふ」
あの屈強な兵士が、おそらくは腕一本でフェスティアの華奢な首など簡単に折ることも可能であろう男が、首を垂れ、敬意を払い、命令に従う。どんな無茶苦茶なことでも、自分が一言命じるだけで、それを実現させようと尽力するのだ。
これが金と権力という、圧倒的な力の効果なのだ。この2つがあれば、生まれも育ちも性別も、何も関係ない。誰も逆らうことが出来ない。
だから、それを手にするまでフェスティアは、これまでありとあらゆる手段を手にしてきた。結果、ヘルベルト連合をその手に収めるまでに至ったのだ。
その悦びにフェスティアは背筋をゾクゾクと走るものを感じる。
「さて、決戦も近いわね」
久しぶりに雲一つなく、月明かりが明るい夜空の下ーーここまで全てが自分の思惑通りに進んでいるフェスティアは、陰謀家らしい冷酷な笑みを浮かべるのだった。
フェスティアの他にも、ガルガント国大臣の娘アストリアといったVIPもおり、その2人は他と比べて豪華なテントの中に一緒にいた。
冬の空の下ーー今夜は冬としては幾分か暖かい気候ではあるが、それでも寒い。そんな中でも、寝ずにVIPの警備にあたるのは、身分としては最下層の奴隷兵士達だ。
「……おい」
テントの入り口に立つ奴隷兵士2人ーーその片方が、目線を相棒に送って言葉無き言葉をかける。その視線を受けた方は、気まずそうにうなずきながら、布で閉じられたテントの入り口を見る。
「野営中の、しかもこんな他国で……女同士だろ?」
「権力者の趣味はよく分かんねぇな。まあ、聞こえないふりしようや。俺らの首なんか、代表様の鶴の一声で、これだからな」
自分の首を斬るように手を動かしながら、絞殺された鳥のような顔をする奴隷兵士。
いくら高級な造りとはいえ、布一つ隔てただけでは、完全に中からの音を遮断することは出来ない。
テントの中からは、甘く淫らな声が外へ漏れ出ていたのだった。
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「あんっ……んぁっ! お姉ちゃんっ……恥ずかしいですっ……っああ!」
布団の中、これまで姉妹のように育ってきた2人が、汗を浮かべながらその肢体を絡ませていた。
アストリアの細い体を抱き寄せるようにしながら、フェスティアは右手でアストリアの秘部を愛していた。同時に、首筋や鎖骨、乳房など、過去につけられたアストリアの傷を癒すように、舌を這わせていく。
「可愛いわ、アストリア。もっといやらしい声を聞かせて?」
首筋から這わせていた舌を乳房へ降ろしていくと、そのまま先端部を転がすようにする。
「んひゃっ! あああぁっ……!」
憧れの姉のような存在の舌の感触に、うっとりとした表情を浮かべるアストリア。
権力者達の性玩具になっていた頃は、薬を使われて強制的に快感を感じさせれていたが、その時の感触とは全く違う。薬など違っていないのに、得られる快感が何倍も強く、これまで感じたことのないような多幸感を得られる。
「大丈夫? 痛かったりしない?」
アストリアの乳房の先端部を丁寧に優しく舌で舐るフェスティアは優しく笑みを浮かべて、アストリアの瞳をのぞき込んでくる。
「ふぁ……あ……わ、私……」
何が何だか分からないまま、フェスティアに押し倒されて、こんな状況になっている。未だに頭が混乱しており、冷静に状況が判断できない。
ずっと姉のように憧れていた相手と肌を重ね合わせること--それは、かつて権力者達にされていた行為と同じようで、全く違う。暖かくて優しく甘いミリアムの指や舌は、アストリアに肉体的にも精神的にも圧倒的な快楽を与えてくるのだった。
アストリアは自分の身体を撫でまわすフェスティアの手を取ると、両手で優しく包み込むようにしながら、力強く握る。
「すごく……嬉しいですっ! お姉ちゃんっ、大好きです」
「アストリア……可愛いわ」
潤んだ瞳をフェスティアに向けると、フェスティアは愛おしそうにアストリアの頬を撫でながら、唇を重ね合わせる。
優しく啄むような口づけから、舌を伸ばして絡める大人のキスへ。優しく甘いその口づけに、徐々にアストリアも応えてきて、舌を伸ばしてくる。
「ん、ふ……お姉ちゃん……ちゅ……キス、上手……れろ…」
「貴女も……ちゅば……んれ……あむ……」
徐々に舌の動きを激しくしていく2人ーー舌を貪るようにしながら、フェスティアは右手をアストリアの秘所へ伸ばし、そしてアストリアの手を取って自らの秘所へ触れさせる。
「あっ……お姉ちゃんの……濡れてます……」
自分との口づけで、相手もまた興奮していたのを知ると、アストリアの顔はますます赤くなると共に、自らも秘部からトロリと愛液を溢れさせる。
「ふふっ……アストリアのも濡れてるわ。私の舌で感じてくれていたのね。嬉しい」
にこりと笑いながら、フェスティアはアストリアの額に優しく口づけをする。それだけでアストリアは「ひゃ」という小さな悲鳴のような声を漏らす。
「一緒に、ね?」
フェスティアの優しい、淫靡な笑顔。
快感と多幸感で頭がフラフラとするアストリアは、こくりとうなずくしかなかった。
「ん……ちゅ……れろ……」
再びフェスティアが唇を重ねてきて、舌を絡めてくる。同時にアストリアの陰核を指で優しく刺激しながら、秘裂をクチュクチュとかき混ぜるようにしてくる。
「んっ! はむ……んっ! おねえ……ちゃんっ! ちゅば」
「んんっ! あ、アストリア……んむ……そう、上手よ……ちゅうう……」
アストリアもフェスティアの指の動きを真似するように動かすと、そこからどんどん愛液があふれてくる。興奮したフェスティアの指の動きが更に激しく官能的になっていくと、アストリアも興奮が高まり、同じように指の動きを激しくしていく。
お互いが興奮を、快感を高め合っていき、テントの中は性の熱気で満たされていく。
「はっ……っああ! 気持ちいいわ、アストリア。お願い……一緒にっ!」
「は、はい……お姉ちゃん。ちゅ……ちゅば……ん、む……キスしながら、一緒にっ……れろれろっ……」
お互いを絶頂に昇りつめるように、指の動きを激しくしながら、伸ばした舌を絡め合わせる。そして、声にならない声を上げながら、2人で同時に絶頂を迎える。
フェスティアはビクンと身体を弓なりに反らせて小刻みに痙攣すると、そのままアストリアの身体を強く抱きしめて、彼女の甘い香りを堪能するように顔を寄せる。アストリアも柔らかいフェスティアの体温を感じながら、幸福感に包まれて、フェスティアの身体に抱き着くようにして身を摺り寄せたのだった。
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「あむ……ん、ちゅ……ちゅば……」
「あぁんっ! アストリア……そこ、気持ちいいっ! もっと……ん、ちゅば……」
テントの中で2人の行為はまだ続いていた。
フェスティアの上にアストリアが乗る格好で、2人はお互いの秘部を舌や口で愛し合いながら、快感を貪り合っていた。
「はんっ……お姉ちゃんっ……好きです、大好きです! ちゅば……ちゅ」
「私もよ、アストリア。れろれえ…っちゅ……はぁぁ、どんどん溢れてくるわ。エッチな娘」
フェスティアに言われると、その上でアストリアはビクビクと小刻みに身体を震わせると、軽く達してしまう。
「っああ……き、気持ちいいです……お姉ちゃん。私、こんなの初めてっ…!」
「ふふっ、もっと気持ちよくさせてあげるわ」
アストリアの舌で妖艶に微笑むフェスティア。
そのまま2人はゴロンと転がるようにして上下を入れ替えると、アストリアの股間に顔をうずめるようにしたフェスティアが、舌を大きく伸ばして、秘裂の中にねじ入れる。
「んひああああっ? お姉ちゃんの舌が、入って……あああああんっ!」
いくら2人きりとはいえ、外とは布1枚ででしか隔てられていない。大きな音を出せば簡単に外へ漏れ出てしまうテントの中だというのも忘れて、アストリアは大きな喘ぎ声を漏らしてしまう。
「あんっ! だめっ! またイッちゃう! お姉ちゃん、イキます! アストリア、イキます!」
「ちゅるっ……ちゅっ……っんん! ああっ……お姉ちゃんもイクわ……アストリア、一緒にっ……んはああああああ!」
「っあああああん!」
フェスティアに責められながらも、アストリアも指をフェスティアの秘裂にピストンさせる。愛する相手を昇りつめさせようとする2人の行為は、相手を同時に絶頂に昇りつめさせるのだった。
「はぁ、はぁ……すごいよぉ。セックスって、こんなに気持ちよかったの……?」
涙さえにじませながら、アストリアは絶頂の余韻の中でつぶやく。
ただ性的な快感を得る行為だけではない。好きな相手と昇りつめることが、こんなにも幸せな気持ちになれると、アストリアは想像だに出来なかった。これまで強要されていた残酷な性行為とは違い、優しくて甘い、蕩けるような感覚。相手が同性ということもあるのだろうが、アストリアはすっかりはまってしまっていた。
「アストリア……私もなのよ」
アストリアの上でくるりと回るようにして、フェスティアはアストリアに額をこつんとぶつける。
「いくら政治のためとはいえ……薄汚い男達に抱かれ続けて、男がダメになったの。表では平気で抱かれる風に見えていても、本当は限界だった。もう嫌になっていた。何もかも投げ捨てて、逃げ出したいと思っていた」
そんなことをしてしまえば、フェスティア本人の人望が失墜するのは勿論、敵が多い彼女についてきた味方へのとんでもない裏切りだろう。それこそアストリアのような人間への。
女性にとって身体を凌辱されることは尊厳そのものの凌辱ですらある。アストリア本人も、ただの性処理の道具として扱われてきた過去を体験しているからこそ、フェスティアの苦悩が分かる。それでも逃げ出さず、心が折れなかった彼女は--やはり強く、美しい。
フェスティアは、そっとアストリアの手を握ってくる。
「国のためとかそういうのではなく、多分貴女が側にいたから私はここまで頑張れた。男に抱かれ続けたからかな……男の人はダメだけど、妹のような大好きな貴女と、本当はずっとこうなりたかったの。……幻滅した?」
いつもの凛とした態度とは打って変わったような、不安そうな表情でこちらを伺ってくるフェスティア。彼女にアストリアは力強く、ぶんぶんと首を振る。
「わ、私も……ずっとお姉ちゃんに憧れていましたたから。驚きましたけど、でも男の人とは全然違って……その、すごく気持ち良かったし、嬉しかったです。女同士って、こんなに気持ち良くて幸せな気分になれるんですね」
笑いながら返事をするアストリアを見て、フェスティアもまた笑う。彼女の髪を優しく撫でてくる。
「姉と敬語で話す妹はいないでしょう、アストリア?」
微笑んでそんなことを言われると、アストリアの胸の中に至福の感情があふれ出てくきて、握られている手をぎゅっと握り返す。
同時に、アストリアの秘部からは再び愛液があふれ出てきて、それを察知したかのように
フェスティアは空いている方の手を伸ばして、そこをなぞる。
「っひゃん!」
「まだ出来る?」
「う、うん……お姉ちゃんがしたいなら、いいよ」
いじらしくそんなことを言うアストリアにたまらなくなったのか、フェスティアは唇を塞いで長い長いキスをしながら、アストリアの股を開かせると、そこに自らの腰を押し付けるようにして割って入る。
「っあ……」
フェスティアの女性の部分が自らの大事な部分に押し付けられると、アストリアは戸惑いの声を漏らす。
「……嫌?」
妖艶な微笑みを浮かべながらフェスティアが聞いてくると、アストリアは口元を抑えながらブンブンと首を振る。
「女同士は初めてだから……少し怖い。けど、嬉しい……お姉ちゃんと、セックス出来るなんて」
「私も嬉しいわ、アストリア。それじゃ、いくわね……っんん!」
既に高まっていた2人の花弁から滴る愛液が潤滑油となり、フェスティアが腰を動かすと、電撃が走り抜けるような快感が、アストリアの全身を突き抜ける。
「っあ……すごい……お姉ちゃんっ! あんっ……気持ちいいっ! すごいよぉっ! 男のセックスより、何倍も気持ちいい!」
「あんっ! アストリア……そんなに大きい声を出して……腰が止まらなくなるっ! んっ……ああっ、気持ちいいっ!」
女性器同士をこすり合わせる快感に、フェスティアも息を荒くしながら腰遣いを激しくさせていく。すると、密着しているそこから、グチュグチュと淫猥な音が漏れ始める。
「ご、ごめんねお姉ちゃん! でも、我慢出来ないの! あっ、あっ、あっ……気持ちいい、気持ちいい! 気持ちいいよおっ! お姉ちゃん、大好きっ!」
どんどん声が大きくなるアストリア。完全に女同士の快感に気を飲まれているようだった。そんなアストリアの耳に口を寄せるフェスティアは、暖かい息を吹きかけながら囁く。
「そんなに大きな声を出したら、外の兵士に聞こえるわよ。一般兵どころか、いつも私達に頭を下げている下賤な奴隷達にも……」
「い、いやぁっ! どうしてそんなこと言うの、お姉ちゃん! やだ、恥ずかしいっ! っだめ! そんな、激しく……っああああ!」
アストリアの恥辱を煽りながら、むしろ我慢出来ないように腰使いを激しくしていくフェスティア。彼女の荒い息が吹きかかるのも、アストリアの興奮を高まらせている。
「想像してごらんなさい。あの奴隷達が、私達の淫らな声を聞いて、こうしているのを想像しながら、大きくなったあの醜悪な肉の棒を擦っているの。アストリアのいやらしい声を聞きながら、ね」
「ふああああっ! あああああっ……!」
奴隷を使役する側であるアストリアは、見かけは華奢で麗しくも、奴隷達への接し方は威圧的にせざるを得ない。奴隷達も、アストリアなどの地位の高い人間から少しでも不興をかえば簡単に命を刈り取られることを理解しており、卑屈に接してくる。
普段は自分を恐れてすらいる彼らが、アストリアの淫らな姿を想像しながら自慰をしていると思うと--
「っっっ! こ、興奮しちゃうっ! 声が、出ちゃうっ! お姉ちゃん、私我慢できなくなるぅっ!」
今までとはまた違った、切迫したような声を出し始めるアストリア。目の色が変わり、理性の糸が切れかかっているのを察すると、フェスティアは更に追い打ちをかける。
「あの男ーーグスタフが言っていたわ。雄の欲望の対象のことを『オカズ』というらしいわ。アストリアは、奴隷達の『オカズ』にされると興奮するのね? なら、それを口に出してみなさい。もっと気持ちよくなれるわ」
性器の擦り合いから生まれる快感に、アストリアはすっかり正常な思考を奪われていた。自分が王族に次ぐ貴族であることも、ここが野営中のテントであることも、何もかもが真っ白になる。目の前の憧れの女性から与えられる言葉と快感が、アストリアの全てとなっていく。
「こ、興奮するっ! 奴隷達のオカズにされていると、すごく興奮しちゃうっ! もっと、もっと私で興奮してっ! オカズにしてっ! ひあああああっ! イク! イッちゃいそぉ! お姉ちゃん、イッちゃうよぉ!」
「わ、私もっ……んんっ! アストリアが可愛くて、いやらしすぎてっ……ああ、もうダメっ! 気持ちいいわっ! おまんこ、気持ちいい! おまんこ、イクっ!」
おそらくはグスタフにでも仕込まれたであろう下品な言葉を口にしながら、フェスティアは自分とアストリアを昇りつめるために、腰のグラインドを更に激しくしていく。
「イク! イク! イク! お姉ちゃん、私も……私もおまんこ、イクう! いっくうううううう!」
「あああっ! アストリアっ! 私もよ! 私もイク! おまんこ、イクううううう!」
アストリアがフェスティアに倣うように淫語を口にしながら絶頂に達すると、そんなアストリアの反応に歓喜に震えながらフェスティアもまた絶頂に達する。
「ふあ……あぁぁ……ご、ごめんなさい……止まらない……おしっこが……あぁぁ……お漏らしが、止まらないぃ……」
絶頂に達しながら、そのあまりの強烈な快感に思わず失禁してしまうアストリア。腰をカクカクを揺らし、涙を唾液をこぼしながら、透明な液体を布団の上に漏らしていってしまう。
「はぁ、はぁ……うふふふ、大丈夫。大丈夫よ、アストリア」
完全に身体の制御を失い、泣きじゃくるアストリア。彼女を落ち着かせるように、フェスティアは優しく髪を撫でて、額に口づけをするのだった。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
「それじゃ、そろそろ自分のテントに戻るわね」
「……お姉ちゃんの、意地悪」
行為が終わり、このテントに訪れた時と同じようにしっかりとローブを着なおしたフェスティア。その彼女を、ぶすっとしながら見上げるアストリア。
「くすくす、ごめんなさい。あまりにもアストリアが可愛かったから、意地悪したくなっちゃって。布団はすぐに新しいのを準備させるから、許して。ね?」
からかうように笑うフェスティアが謝罪するが、アストリアは子供のように頬を膨らませて、プイと横を向く。
「あらあら、困った妹ね」
そう言いながらも、嬉しそうに笑うフェスティア。それも面白くないのか、アストリアの不満そうな表情は変わらない。
「……がうもん」
「--え?」
「私が怒っているのはそうじゃなくて……今夜くらいは、一緒に寝たかったのに……」
「っ」
そのアストリアの声に、胸でもときめいたのか、フェスティアは意表を突かれたように顔を赤くする。
しかしすぐに表情を緩めて、幼い子供に言い聞かせるように言葉を紡いでいく。
「せっかく結ばれた夜だもの。私だって可愛い妹と一緒に眠りたいわ……でも、忘れないで。今は作戦行動中よ」
そのフェスティアの言葉に、アストリアは生真面目な従者の顔に戻る。
あてもなく領内をうろつくだけでは、いずれカリオスは部隊を動かしてくる--そのための行動をいよいよ始めるという意味だろうか。
そんなアストリアの思考を察したように、フェスティアはうなずく。
「領内に分散させた部隊をまとめて、今度は2つの部隊に編制しないといけないの。聖アルマイトの部隊を追い出すために、ね。そのために今夜のうちにやらないといけないことがたくさんあるのよ」
「それなら……仕方ありませんね」
仕事の話をされると、アストリアは口調は従者のそれに戻るが、不満そうな表情と声は変わらない。こんなことで憧れの女性を困らせてはいけないと分かってはいても、2人きりだとどうしても甘えたくなってしまうのだった。
「私こそ、こんな時にごめんなさいね。色々あって疲れてしまって……」
それは、謀略のためとはいえ、グスタフのような男に凌辱され続けてきたことで、精神を擦り減らしてきたことだろうか。そのような行為が常態化すれば、ふとしたことで糸が切れたように気持ちが陰鬱となり、誰かに助けてもらいたくなることがあるのを、アストリアはよく知っている。
今一瞬フェスティアが見せた弱弱しい表情は、そんなことをアストリアに思わせた。
「でも大丈夫よ。可愛い妹に元気をもらったから。また頑張らないと」
しかしすぐに笑顔に戻ったフェスティアは、アストリアに近づくと頬に優しく口づけをした。
「生まれも育ちも関係ない。男でも女でも、努力と実力でのし上がれる--生まれと育ちで人生そのものが決まってしまう腐った王政を壊して、そんな理想の世界を作る。それが私達の夢だものね」
アストリアの瞳をのぞき込んでそういうフェスティアは、過去にもアストリアに語った表情でそういった。
そのフェスティアの優しくも力強い瞳を見ると、アストリアは安心する。
--この人は、それを必ず実現する。私は、この人についていく。それが私の幸せなんだ。
「それじゃ、そろそろ失礼するわね。ふふふ、連合に戻ったら、もっとたくさんいやらしいことを教えてあげるわ」
「--っ!!」
フェスティアの言葉に、アストリアは顔を真っ赤にすると、フェスティアは声を出して笑う。
「濡れちゃった? くすくす、期待していていいわよ」
「お、お姉ちゃんの馬鹿ぁっ! 早く出ていってよぉ!」
最後に、甘えん坊の妹に戻りながらアストリアが言うと、フェスティアは「はいはい」と言いながらテントを出ていった。
「ーーもぉ、お姉ちゃん。大好き……」
顔は真っ赤のまま、フェスティアの指摘通り、言葉だけで秘部を湿らせてしまったアストリアは布団の中で嬉しそうな表情でつぶやいた。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
「っっ!」
テントに入った時と同じローブ姿で、不意に中からフェスティアが出てくると、入り口で警護にあたっていた奴隷兵士達はぎょっとする。
「……」
連合の代表を務める立場の人間としては、冬の夜空の下にしては、簡易過ぎる格好。その格好は、つい先ほどまで中から漏れ聞こえていた淫猥な声と合わさり、奴隷の彼らにとっては十分すぎる程に煽情的な服装だった。
だからといって、欲望のままにフェスティアに襲い掛かる程に馬鹿で下劣でもない。生唾をごくりと飲み込むに留めるその2人を、フェスティアは感情を見せない表情で一瞥したまま、スタスタと歩き去っていく。
奴隷風情にかける言葉などない。そう言わんばかりに、フェスティアはその奴隷達を存在ごと無視しているようだった。
そうして野営地内を歩くフェスティアは、1人の兵士を見つけて声を掛ける。奴隷ではなく、その奴隷兵士たちをまとめる役の一般兵だ。
その一般兵は、まずフェスティアのローブ1枚の格好に驚いて、慌てて近くにいた部下に上着を持ってくるように指示すると、すぐに用意された上着をフェスティアに渡す。
「ありがと」
奴隷に対するのとは違い、柔和な笑顔を浮かべて、受け取った上着を羽織るフェスティア。一般兵に対しては、このような最高権力者らしくない柔和で素直な態度が、フェスティアの根強い人望を支えている1つでもあった。
「悪いのだけれど、アストリアのテントに清潔な寝具一式をお願い。アストリアが風邪を引いてしまうから、至急ね」
「はっ。今すぐに」
何があったかを聞くまでもなく、一般兵は即答すると、すぐに動き出そうとする。
アストリアが代表のフェスティアのお気に入りであることは広く知れ渡っている。そのため、彼女に対してはフェスティアと同等くらいに配慮されることは当然という空気が出来上がっているのだ。
「あ、ちょっと待って」
すぐに駆けだそうとした一般兵の背中に声を掛けるフェスティア。彼は足を止めて振り向くと、フェスティアはいつもの柔和な笑顔を浮かべていた。
「アストリアの警護に当たっている、あの奴隷2人ーー殺しておいて」
「……は?」
古くて飽きた物を捨てるような言い草のフェスティアに、これはさすがに疑問符を浮かべることを止められなかった。
「何か失礼なことでもありました?」
「ええ。私やアストリアに、その身にあるまじき劣情を抱いていたの。不快極まりないわ」
「なんと……」
「今すぐに殺して、適当に魚の餌にでもしておいて。代わりはいくらでもいるでしょう?」
そのフェスティアの言葉に、一般兵はこくりとうなずく。
驚愕に目を見開いていた彼も、それなら当然だなと納得したような面持ちで、フェスティアに支持された2つの命令を実行するべく、その場から去っていた。
「--ふふ」
あの屈強な兵士が、おそらくは腕一本でフェスティアの華奢な首など簡単に折ることも可能であろう男が、首を垂れ、敬意を払い、命令に従う。どんな無茶苦茶なことでも、自分が一言命じるだけで、それを実現させようと尽力するのだ。
これが金と権力という、圧倒的な力の効果なのだ。この2つがあれば、生まれも育ちも性別も、何も関係ない。誰も逆らうことが出来ない。
だから、それを手にするまでフェスティアは、これまでありとあらゆる手段を手にしてきた。結果、ヘルベルト連合をその手に収めるまでに至ったのだ。
その悦びにフェスティアは背筋をゾクゾクと走るものを感じる。
「さて、決戦も近いわね」
久しぶりに雲一つなく、月明かりが明るい夜空の下ーーここまで全てが自分の思惑通りに進んでいるフェスティアは、陰謀家らしい冷酷な笑みを浮かべるのだった。
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